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南充浩 オフィシャルブログ

企業研究

プランニングが根本から間違っていた三陽商会の新ブランド「キャスト」

2020年10月8日 企業研究 2

「今まで誰もやったことがない」 という物事には、それ相応の「できない事情」があると考えた方が正しいだろう。 人間の中には超天才はほんの一握りしかおらず、あとは凡人かそれ以下である。もちろん当方も含めて。 今まで誰もやったことがない物事であっても、過去に何人もの人間がそれ自体を構想したことはあったと考えた方が正解に近いだろう。 それでも実際には実行できなかった

「洋服は50%以上売れ残ってすべて廃棄されている」というのは事実に反する

2020年9月9日 トレンド 0

「国内のアパレルは50%以上の売れ残り品を廃棄している」という謎の主張がSNS上では散見されるが、全く現状とは異なる。 たしかに50%以上が「定価では売れない」という実態は正しいが、「定価では売れない」と「廃棄されている」では全く意味が異なる。 「定価で売れない」のならどうするかというと値下げして販売するわけである。   しかし、夏冬のバーゲン末期

ブランド寿命とブランドのライフサイクル

2020年8月3日 企業研究 0

さて、セシルマクビーという著名なギャルブランドがなくなってしまうことが発表されたのだが、これについて興味深い意見を拝見した。 セシルマクビーが無くなることに対して、様々な愛惜の声が聞かれたが、実際のところは売上高がピーク時よりもかなり減少していたため、何らかの措置が必要なことは明白であり、ブランド休止もその選択の一つだったわけである。 セシルマクビーの売上高

洋服を売りたいなら、人工知能を導入するよりも気温の変化に対応した方が効果的ではないか?

2020年7月10日 天候・気候 0

東京はどうだか知らないが、今年の大阪の梅雨は例年に比べて過ごしやすいと感じる。 気温が例年よりも低めの日が多い。また湿度が低い日も時々ある。 ここ5年間くらいはほとんど体感したことがなかった梅雨寒という言葉を思い出す日もある。 去年・一昨年に比べると格段に過ごしやすい梅雨である。   長袖の服を着たいとはまったく思わないが、半袖の重ね着くらいならし

「ブランド価値」に対する考え方がズレてきている?

2020年7月8日 考察 5

今春夏、ジーユーのブランドコラボが頻発している。 スタジオセブンとのコラボは、昨年に続いてのことなので、「ああ、またやるのね」という感じだが、6月には「ソフ」とのコラボ商品が入荷した。 そして、昨日、ジーユーに、値下げされたスタジオセブンのコラボTシャツを買いに行くと、往年の懐かしいブランド「ハンテン」とのコラボTシャツが入荷していた。   &nb

旧来型アパレルがファッションビルやショッピングセンターで成功できない理由

2020年6月10日 売り場探訪 3

百貨店で服を買わなくなってからすでに10年以上が経過した。 ジーンズだけはがんばってリーバイスやエドウインの値下げ品(定価ではない)を買っていたが、それもあまり買わなくなったのは2012年か13年ごろからだっただろうか。 もともとスーツを日常的に着てはいないので、ほぼカジュアルで過ごしていたわけだが、カジュアルに関していうと、今の低価格ブランドに何の不満もほ

「衣料品」も趣味の一つに過ぎないんじゃないの?

2020年6月2日 考察 2

アパレル業界の人は、アウトドア系の趣味を持っておられる方が少なくない。 キャンプだとかサーフィンだとか自転車だとか釣りだとか。 当方はアウトドアにはまったく興味がないので、傍観しているだけである。とはいえ、個人の趣味は自由なので、それを否定するつもりはない。 ただ、個人的に全く興味がないというだけである。 キャンプに行くよりは冷房の効いた部屋でゴロゴロしてい

70代・80代向けの洋服ブランドは大規模には売れにくい

2020年5月29日 考察 3

2007年ごろからアパレル各社は、シルバー向けのブランド開発に注目してきた。 理由は2つある。 1、老人世代は総じて若者よりカネを持っている確率が高い 2、老人世代は団塊を中心に人口が多い この2点である。 カネを持ってて人口が多いなら、そこに向けて商品を提供すれば売れると考えたくなるのも無理はない。 普通ならその考え方で物はある程度売れる。 しかし、人間に

洋服の値段が上がらないのは供給が需要を上回っているから

2020年4月21日 考察 1

繊維・アパレル業界では20年くらい「服の値段が安すぎる」という嘆きが続いているのだが、嘆いているだけではどうしようもないし、変なムードを煽っての雰囲気作りもはっきり言って無駄である。 物の値段というのは、需要が供給を上回らないと値上がりしない。 供給が需要を下回れば物の値段は下がる。   バツイチになって6年半が経過したが、ほぼ毎日駅前のスーパーで

今回の新型コロナ禍でバッタ屋の販売力も正規アパレル同様に低下している

2020年4月14日 企業研究 1

新型コロナの影響で、非常事態宣言が出された7都道府県ではほとんどの大型商業施設が休業している。 その前の3月から休業や定休日が増えたり、在宅勤務の会社が増えたりしていたから、大阪の都心でも人通りは減っていて、アパレル各店舗の売上高は如実に低下していた。 こうなると、不良在庫が増えてしまう。 その分、ネット通販の需要は伸びているが、それでも大手アパレル企業だと

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