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南充浩 オフィシャルブログ

考察

洋服の値段が上がらないのは供給が需要を上回っているから

2020年4月21日 考察 1

繊維・アパレル業界では20年くらい「服の値段が安すぎる」という嘆きが続いているのだが、嘆いているだけではどうしようもないし、変なムードを煽っての雰囲気作りもはっきり言って無駄である。 物の値段というのは、需要が供給を上回らないと値上がりしない。 供給が需要を下回れば物の値段は下がる。   バツイチになって6年半が経過したが、ほぼ毎日駅前のスーパーで

今回の新型コロナ禍でバッタ屋の販売力も正規アパレル同様に低下している

2020年4月14日 企業研究 1

新型コロナの影響で、非常事態宣言が出された7都道府県ではほとんどの大型商業施設が休業している。 その前の3月から休業や定休日が増えたり、在宅勤務の会社が増えたりしていたから、大阪の都心でも人通りは減っていて、アパレル各店舗の売上高は如実に低下していた。 こうなると、不良在庫が増えてしまう。 その分、ネット通販の需要は伸びているが、それでも大手アパレル企業だと

マッキントッシュとクレストブリッジが売れなかった理由

2020年4月10日 企業研究 11

三陽商会が2015年で英国・バーバリーとのライセンス契約が終了し、その後、未だに赤字を続けている。 やはりバーバリーの抜けた穴は大きく、マッキントッシュでは埋められないというのが正直なところだろうと思う。 とはいえ、「5年が過ぎようとしているのに穴埋めができないのはなぜだ?」という論調には違和感しか感じない。 5年やそこらでバーバリーと並ぶほどのステイタス性

東京スタイルとサンエーインターナショナル(「アパレル興亡」解説)

2020年4月8日 回顧 2

黒木亮著「アパレル興亡」(岩波書店)を先日読み終えた。 そんなに難しい文章ではないので、集中して読めばすぐに読み終えることができるが、2000円もした本なのでちょっとゆっくりと読んでみた。(笑) 事実に基づいた部分が多いが、ちょくちょくと社名や人名は変えられている。 とはいえ、そこを理解した上で読めば、まったく何の問題もない。山崎豊子シリーズとはそのあたりが

定番品こそ販売期間を定めて期間内に値下げしてでも売り切ることが重要

2020年3月31日 お買い得品 2

早いもので、今日で3月が終わり、2020年も4分の1が終わったことになる。 残り4分の3もコロナの影響が甚大でなかなか難しい状況になりそうな気配がある。   洋服の大量廃棄問題や、気候の不順などの問題から、アパレル業界ではトレンドを追うことは非効率的なので、定番を長く売ろうという風潮が強くなり始めた。 特にメディアやコンサルタントはそれを推している

オフプライスストアってバッタ屋とどう違うの?

2020年3月26日 企業研究 0

最近、オフプライスストアというものがメディアの話題に上るようになってきたが、正直なところ、大阪市内の商店街にあるバッタ屋と何が違うのかよくわからない。 バッタ屋の呼び名を変えただけとちゃうんか?としか思えない。   バッタ屋というのは、メーカーやブランド(最近だとセレクトショップやSPAも含む)の売れ残り在庫を安く買って、安く売る、もしくは安く転売

「数字のマジック」の踊らされるな

2020年3月25日 考察 1

今回はちょっと趣向を変えて、数字のマジックについて考えてみたいと思う。 「○○がバカ売れした!」なんていう体感だけでは、政策は決められない。それがどれだけ売れたのかを数字として弾き出さないと意味がない。 しかし、この「数字」も曲者で、いかようにも印象操作が可能なので、気を付けねばならない。 特に煽り体質のメディアとか詐欺コンサルなんかは「数字」を恣意的に使っ

洋服で価格競争に陥らないためには商品の差別化・独自化が不可欠

2020年3月23日 ネット通販 1

以前、ZOZOTOWNについてのブログにこんなコメントをいただいて、勉強になった。   ZOZOTOWNの良い部分が批判派にも擁護派にもあまり具体的に認識されていないのは歯がゆい部分もあります。 ブランドを横断して、身幅や着丈の範囲を絞ってアイテムを検索できること。一定の照明下での正面・横・背面の着画が確認できること(これは最近、ものによってブラン

自社に適正な売上規模を見極められない会社の共通点

2020年3月16日 企業研究 1

飲食業界のニュースだが、他の分野、もちろん繊維・衣料品にも通じると思うのでご紹介したい。 いきなり!ステーキ社長、「カンブリア」出演で”公開処刑された”と話題に すかいらーく創業者の「お客様目線」に称賛集まる https://news.nicovideo.jp/watch/nw6820104   いきなり!ステーキ創業者の一

リスクマネジメントについて考えてみた

2020年3月9日 考察 0

セクハラ報道を受けてストライプインターナショナルの石川康晴社長が3月6日に社長を辞任した。 しかし、リスクマネジメントという観点からはこの対応はまったく評価できないのではないかと思う。   時系列を整理すると、 1、まずセクハラ疑惑が報道された 2、「事実無根」という声明を出した 3、Lineで複数の女性社員を誘う文面が掲載された 4、社長を辞任し

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