MENU

南充浩 オフィシャルブログ

洋服の品質苦情が減らない理由を品質管理の目線で考えてみる

2023年10月16日 考察 0

みなさまこんにちは。

USです。

 

ようやく長い暑い時期が終わりを迎え、ようやく涼しくなってきました。先日のブログで南さんは半袖で過ごしてらっしゃることを書かれていましたが、私もまだまだ秋物を着る気にはなれず、半袖ということはないですがジャケットを着用したとしてもSSの合繊セットアップを着用するくらいです。実需から遠い店頭のAW物動きが悪く、秋物の在庫が増える事が懸念されます。。。

 

さて、突然ですがみなさまが洋服に求めているものは何でしょうか?

ファッション性、機能性、耐久性、着心地、着回しができる、…それぞれに求めているものは色々あると思います。

そして使用後にその求めるものに合致しなかった場合は『思っていたものと違う』ということで苦情に発展する可能性があります。(これは洋服限った話ではないです)

 

この様なことが発生しないように製品の品質確認を行い、品質を管理する必要があります。大手アパレルメーカーなどは、生地の品質管理という視点で、染色堅牢度や物性や寸法変化率などをテストし、使用生地の選別や洗濯絵表示決定や付記用語の設定を行っており、一定の品質を担保できるように日々努力をされています。しかし、きっちり管理しているアパレルメーカーでも残念ながら品質の苦情は発生してしまいます。

発生する理由の中には、稀に生地のロット不良による品質基準未達が原因ということもあります。しかし、返品される商品を調査しても基準を満たしているのにも関わらず苦情に発展するケースもあります。

 

品質には『消費者が求める品質』『製造する事ができる品質』があります。

この2つの乖離が大きい場合、つまり『消費者が求める品質』を『製造できる品質』が下回った時に期待を裏切る形となり品質の苦情に発展します。言い換えると、『設定した品質基準が消費者の求める品質に洋服が達成していない』ということが原因です。(当たり前の話ですが(笑))

こちらのブログで過去にも同じようなことを言及していますが、『色が付いている以上色が他の衣服や物体に摩擦などで移る可能性ゼロではないですし、変色する可能性もゼロではない』です。

また、素材特性による品質基準もあり、インディゴデニムの様にどうしても色が変わったり他の物に色が移ったりしやすい物もあります。

少し大袈裟な言い方ではありますが、そういった素材が自社製品を購入する消費者に受け入れて貰えるか考えなくてはいけないでしょう。

そのためには自社の販売するターゲット客層の求める品質を確認・調査し、自社製品の品質を『消費者の求める品質』に引き上げなければなりません。

また、それと同時に販売する際の説明に問題がないかということも確認しておいた方が良いでしょう。特に店舗で製品を確認せずに商品を購入するネット販売などでは、商品説明と実物に乖離がないか、特にメリットにあたる機能性を過剰に期待させる表現ではないか、とか、デメリットについての説明や取り扱い注意についての説明がわかりやすくそして十分なものであるかを確認しておく事が大切です。

しかし、製品の品質を過剰重視すると使える素材やできるデザインに限りが出てきてしまいます。製品がブランドの個性を失ってしまう物になってしまうこともあります。その辺りはある一定の品質基準をクリアしながら取り扱い方法の説明を詳細に行う事などで回避する必要もあるでしょう。

 

これらの話は理想論であり、現実的には対応できない事が多くあると思います。ただ、製造品質には問題がない、という物に関してあまりにも返品が多い製品があれば、『こんなものです』だけで終わらせるのではなく、消費者が求めている品質基準について考え、次回の製品企画に生かして頂きたいところです。

 

以上USでした!

X(旧Twitter)もやっていますのでこちらもよろしくお願いします。

 

@SCYE333

この記事をSNSでシェア

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ