服の値段が高くなる理由はいろいろある、という話
2024年5月13日 考察 0
みなさんこんにちは!
USです。
先日、『高級な服の提案が欲しいという話をされて困っている』、という話を耳にしました。
近頃は「コスパ」に代表されるように「安いけど値打ちがある」という物が重宝されているのでそういった物を探すのには慣れていても、『高級な服の提案が欲しい』と言われてると逆に何を提案すればよいのかわからなくなってしまうのかもしれません。
「高級な服」と一言で言っても人によっては「値段が高い」「縫製が綺麗」「生地が高級」「機能性が高い」など想像するものは人それぞれだと思います。
想像するものが人それぞれ違うということで何を以て「高級な服」というのか難しく依頼された方が困ってしまうのも理解できます。
「高級」という言葉をインターネットで検索してみると下記のように記載がありました。
階級や地位、程度や品質が高くすぐれていること。また、そのさま。
つまり「高級」は「程度や品質が高くすぐれている」ということで「値段が高い」わけではありません。
程度や品質が高くすぐれているということです。服において程度や品質がすぐれているというのは、「デザイン性が高い」「仕様が細かい」「縫製の手が良い(綺麗)」「生地が良い」等々挙げるとキリがない気がします。
閑話休題、
さて、「高級」=「値段が高い」ということではない、ということですが、「値段が高い」ということにはそれなりに要因があります。
例えば生地で要因を挙げるとするならば、
・原材料の希少性が高い
→例シルク、カシミヤ、ギザコットンに代表される超長綿等。
・生地を作る際の糸の使用量が多い
→糸の量が増えると使用する材料が増えるので高値になる。
・糸の加工技術が高いもしくは加工に手(時間)が掛かる
→生産性が低い分加工賃が上がる。
・織布、編立技術が高いもしくは加工に手(時間)が掛かる
→生産性が低い分加工賃が上がる。
・機能性加工を施す
→加工剤を使用すると加工剤と加工賃がかかる。
・特殊な加工技術で特殊な設備が必要
→特殊な設備があるところは設備使用料が高い。
・単純に利益を抜きすぎている
等々少し考えるだけでこれだけ出てきます。
話を高級に戻すと、これら上記の要因すべてが高級を意味する「程度や品質が高くすぐれていること」に繋がるわけではありません。
品質という目線で考えると、逆に安く大量に生産されるものの方がずっと継続的に生産されているので品質が安定している場合もあります。また、大量に仕入れることができるので原材料や加工賃の値段交渉もしやすく安くなる場合もあります。
値段を安い物の品質を下に見る方もいらっしゃいますが、値段が高い理由を上記に挙げた通り、「程度や品質がすぐれている」ことに値段の高いことが直結しないものあり、安い物の品質が優れていないと決めつけるのはどうかと思います。
もちろん世の中には「安かろう悪かろう」という製品も存在します。
しかし安い物が高い物にくらべると品質が悪かったり、程度が悪かったりするということもないです。
そのあたりは高い服は耐久性が高いとは限らない、という話は以前ブログで書かせて頂きました。
何が言いたいかというと、高い物には高い理由があり、それが購入者が高い物に求める合致するとは限らない、ということです。
価格が安い物であっても購入者が求めている程度や品質があれば高級だと言っても過言ではないでしょう。
最近、値段だけで物の良し悪しを判断している方を目にする機会が多かったので今回はこんな戯言を書いてみました。
今月も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
以上USでした!