デザイナー
「ラグジュアリーブランドと同じ生地を使っている」ことをアピールするブランドに感じる違和感
2021年10月25日 デザイナー 3
最近、業界メディアでよく見かけるのが「ラグジュアリーブランドと同じ生地を使った新ブランドです」みたいな打ち出しである。 まあ、気持ちはわからないではないし何となく凄そうな気はするが、冷静になってよく考えてみると、実はあまり関係ないということがよくわかる。 たしかにラグジュアリーブランドと同じ生地というと、確かに生地の品質は高そうな気がする。しかし、それ以上で
リサイクル素材の理想と現実
2021年10月11日 トレンド 1
以前、オーガニックコットンの認定偽装が報道されたことをこのブログでお伝えしたが、またサステナブル原料に偽装があった。 個人的には、この手の偽装は他にもあって、発覚したのは氷山の一角ではないかと思っている。 田村駒が漁網リサイクル生地に不備発覚、返金対応 – WWDJAPAN 繊維商社の田村駒は7日、漁網のリサイクルナイロン生地「GN
ワイドシルエットが全盛なので往年のレーヨンデニム生地を復活させてはどうか?
2021年7月9日 トレンド 0
ファッショントレンドは何年か周期で戻ってくる。 短い場合は5~10年くらい、長ければ20~30年くらいで戻ってくる。ただし、戻ってきたと言っても、完全に当時と同じではない。微妙に当時とは変わっている。 今でいうとルーズシルエット全盛だが、まさか30年ぶりにルーズシルエットが戻ってくるとは思わなかった。永遠に戻ってこないのではないかと思っていたが。  
アパレル製品の生産数量削減に対して即効性のある施策は無い
2021年3月9日 産地 0
「洋服の大量生産ガー」というキーワードが叫ばれ、ついに「アパレルの在庫8割減」なんていうビックリ提言まで出てきて驚くしかない。正直なところ、これを劇的に即座に解決できる施策など存在はしないと見ている。 まず、洋服の製造量や仕入れ量は個々の企業の計画であるから、個々の企業が自社で調整すれば良い。オーダーもその一つの方策ではある。 では、それによっ
「ダウンジャケット」も「革靴」もデザインや形状を示す呼び名ではない
2021年3月4日 ネット通販 3
最近気になっていることの一つに、衣料品の生地や素材についての虚偽に近いような説明やネーミングが増えているように感じることがある。 正確にいうと、悪質な虚偽だといえるものとして 1,ダウン 2,レザー(本革) がある。 虚偽ではないし違法性も全くないが、川上・川中の人が突っ込まざるを得ないヘンテコなネーミングとしては ・スエットライクニット ・ニ
本革(レザー)はエコ素材だという話
2021年1月25日 トレンド 1
最近の環境対策は一気に「〇〇ゼロ」を目指そうとするような性急なものばかりで、現実的に実現性が低いものや、論理的に矛盾しているものが多く、SF小説の域を出ないと見ている。 その中の一つに、本革(レザー)廃止論があるのだが、本革の代替品として、今のところは合繊を主軸とした合成皮革・人工皮革が挙げられているが、他方で「石油製品削減」を訴えていることを考えると、意味
洋服のネット通販で頻繁に見かけるおかしな表記について
2021年1月15日 ネット通販 0
実は今回が2500本目のブログである。 おめでとうワシ。 次は3000本を目指して続けようと思うのでまたよろしくお付き合いください。 ネット通販で服を買うことにもすっかり慣れて、定期的にメンズブランドのネット通販をいくつかチェックするようになったが、いくつかのサイト上での表記で気になる点がいくつかある。 まず、一つ目は些細な点だが
その取り組みって本当に「エコ」なの?
2020年12月17日 素材 3
環境問題への対策は不要だとは思わないが、最近の「エコ」関連の取り組みはちょっと意味不明なものが多いと感じる。 例えば、ユニクロとジーユーのレジ袋である。レジ袋有料化は個人的にはナンセンスの極みだと思っているが、国が推進しているので従わざるを得ないことは理解できる。 ユニクロとジーユーはビニール製をやめて紙袋にしたが、紙袋なのになぜか有料である。これだけなら百
インドで大規模なオーガニックコットンの不正認証が発覚
2020年12月15日 メディア 1
個人的には、オーガニックコットンに何の興味もない。 しかし、熱狂的なオーガニックコットン愛好家がいるのも事実で、愛好する人に対して「やめろ」とは思わない。好きな物は好きで構わない。逆に愛好家の中の一部が、それを愛好していない人々に押し付けてくるのはまったくもって鬱陶しい。そういう押し付けは断固として拒絶する。 オーガニックコットンというと、多く