MENU

南充浩 オフィシャルブログ

考察

「ブランド価値」に対する考え方がズレてきている?

2020年7月8日 考察 5

今春夏、ジーユーのブランドコラボが頻発している。 スタジオセブンとのコラボは、昨年に続いてのことなので、「ああ、またやるのね」という感じだが、6月には「ソフ」とのコラボ商品が入荷した。 そして、昨日、ジーユーに、値下げされたスタジオセブンのコラボTシャツを買いに行くと、往年の懐かしいブランド「ハンテン」とのコラボTシャツが入荷していた。   &nb

むやみな原価率引き下げが過剰在庫を生み出すこともある

2020年6月22日 製造加工業 0

国内の衣料品製造は水平分業で、海外は一貫生産だと言われるが、一貫生産と言ったところで紡績から小売店までを一貫体制で行っている工場など知る限りでは存在しない。 せいぜい、紡績・染色・織布・整理加工くらいまでである。 いわゆるアパレルメーカーの機能、小売店の機能は持っていない。 一貫生産できるのは、糸から生地までくらいなので、実際のところアパレルメーカーに売ると

ユニクロが「何年間も定番品を値下げ無しに売り続ける」という事実はない

2020年6月9日 お買い得品 0

「定番品を長く売る」という手法を提唱する人が増えた。 まあ、サステイナブルwwだとかエシカルwwだとかそういう観点からも推奨される部分もあるのだろうが、実際、最初に投入した商品を複数年に渡って値下げせずに売り減らし続けるというビジネスモデルが確立できているのは知っている範囲でいえばワークマンしかない。 ワークマンは、改めて言及するまでもなく、最近はカジュアル

ファッションブランドが「特定の事物」とこぞってコラボをやりたがる理由

2020年6月3日 トレンド 2

だいぶと昔に、このブログにも書いたことがあるが、最近はアニメ・漫画・特撮と衣料品のコラボが増えて、アニメや漫画・特撮が随分と市民権を得たと感じる。 20年前ごろまでは、やっぱりそれらは「オタク」の趣味で、オサレな人たちはそれらのキャラクターがプリントされたような服は着ていなかった。 もちろん、オサレな人でもアニメ・漫画が好きだという人は当時も大勢いたが、アニ

70代・80代向けの洋服ブランドは大規模には売れにくい

2020年5月29日 考察 3

2007年ごろからアパレル各社は、シルバー向けのブランド開発に注目してきた。 理由は2つある。 1、老人世代は総じて若者よりカネを持っている確率が高い 2、老人世代は団塊を中心に人口が多い この2点である。 カネを持ってて人口が多いなら、そこに向けて商品を提供すれば売れると考えたくなるのも無理はない。 普通ならその考え方で物はある程度売れる。 しかし、人間に

大量生産システムに支えられている受注生産

2020年3月27日 産地 7

今の世の中は、各分野が高度に細分化しているから、全体像は見えにくい。 どうしても自分の携わっている分野のみしか知覚できない。   以前にも書いたが、もう何年も前のことになるが、その頃は、国内の生地産地に今よりも焦点が当たっていた頃だった。 当方も小規模な独立系デザイナーと知り合ったが、どうにも観念が先行しがちな人が多い印象だった。 国産ブームみたい

「数字のマジック」の踊らされるな

2020年3月25日 考察 1

今回はちょっと趣向を変えて、数字のマジックについて考えてみたいと思う。 「○○がバカ売れした!」なんていう体感だけでは、政策は決められない。それがどれだけ売れたのかを数字として弾き出さないと意味がない。 しかし、この「数字」も曲者で、いかようにも印象操作が可能なので、気を付けねばならない。 特に煽り体質のメディアとか詐欺コンサルなんかは「数字」を恣意的に使っ

商品の型数を増やしすぎると不良在庫は増える

2020年2月26日 考察 0

売り場に立っていると、すべての人のニーズに適合させることは難しいと痛感する。 それは自分の販売スキルが低いというせいもあるかもしれない。もしかすると「売る販売員」はそうではないのかもしれないが、今回は自分目線で考える。というより、どうあがいても他者になることはできないのだからそうするほかない。 正直にいうと、店に入ってきたお客が何を求めているのかなんてことは

洋服の製造加工工程は複雑怪奇で過度に多層化している

2020年2月19日 考察 1

D2Cの謳い文句として「中間業者を排除しているから割安で良品を提供できる」というものがあるが、若い人はともかくとして40代半ば以上の中高年層は、25年くらい前にも聞いたことのあるフレーズだなと感じるのではないかと思う。 そう、25年くらい前から盛り上がったSPA(製造小売り)化のときの謳い文句と同じである。 現在、国内で展開されている主なブランドのほとんどは

日本のブランドの強みとは

2020年2月18日 考察 0

1つの事象には必ず、良い面と悪い面がある。 多くのコンサルタントや評論家はその一方向だけを切り取って煽る場合が多い。今も昔も。 例えば、2008年頃盛んに「選択と集中」と言われていたが、あまりにも「選択と集中」が過ぎるとシャープのように経営を破綻させてしまう。 いくら「液晶テレビが売れる」と言っても、そこに過度に集中してしまえばどうなるか。液晶テレビなんて毎

南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ