企業研究
現在の体制のままでワークマンは今後も拡大が可能なのか?(後編)
2021年4月12日 企業研究 0
作業服店だったワークマンが、商品の機能性の高さを活かして、カジュアル・アウトドアの客を取り込んだことは、特筆されるべき妙手だったといえる。 まず、ある意味で、カジュアルへの進出はワーキングウェア業界の悲願でもあった。 このブログでも何度か書いたが、ワーキングとカジュアルは親和性が高く、昔の作業服の多くは現在のカジュアルウェアに取り込まれている。第二次大戦後の
加速するワールドの縮小政策
2021年2月4日 ネット通販 1
昨日、ワールドが追加でのブランド廃止と大規模な店舗閉店、100人の人員削減を発表した。 「 構造改革の追加実施について」 00.pdf (eir-parts.net) 興味のある方は、こちらの発表をご自分でお読みになられた方が良い。 めんどくさいという方に向けて、それぞれ抜粋してご紹介する。 まず、廃止の7ブランドは
「生産リードタイムの短縮」って具体的にどうやるつもりなの?
2020年5月12日 決算 4
株式公開をしているアパレルの決算発表に出席することが今でもたまにある。 業界紙記者をしているときは当たり前だがもっと多かった。決算発表時期というのは重なることが多いので、一人で数社の決算発表のハシゴをしている業界紙記者は珍しくない。 そんなわけで、決算発表の雰囲気というのはだいたいどこも同じで、十分に肌感覚として理解しているのだが、企業側から具体策を伴わない
混迷する三陽商会
2020年4月17日 企業研究 2
気心の知れたフリーランス同士のコラボは上手く行く場合が多いが、一定人数以上の組織では強いリーダーシップを持った指導者か少人数の指導陣がいる方が上手く行く。企業も国も。 強い指導者がいなくなって組織が混迷する場合や、元から強い指導者がいなかったために組織が混迷していく場合は非常に多い。というか組織が弱るのはほとんどがこの場合である。特にアパレル業界では。 &n
レナウン親会社の中国企業の資金繰りが厳しさを増している
2020年2月28日 企業研究 1
先日、レナウンの2019年12月期決算が発表され、またもや赤字でその赤字幅は拡大したが、これまでとはその赤字の内容は異なる。 レナウンの19年12月期は79億円の営業赤字、減収と貸倒引当 https://www.fukeiki.com/2020/02/renown-2019-loss3.html 営業損失79億円、純損失67億円と
昨年対比の増減率だけでは実態は何も見えない
2020年1月22日 企業研究 0
アパレル業界のいろいろなエライ人たちが褒めている無印良品がここに来て厳しい様相を見せ始めている。 一時、株価は急落しストップ安となった。2700円くらいあった株価が現在2000円ギリギリにまで落ち込んでいる。 理由は通期決算の下方修正によるものである。 「良品計画がS安、価格施策の増加など響き20年2月期業績予想を下方修正」 https://k
ジーンズカジュアルチェーン店各社の苦境
2019年10月15日 決算 0
正直なところ、当方程度のレベルでは建て直し策など思いつかないのが、ジーンズカジュアルチェーン店という業態である。 かつて90年代までは隆盛を誇った業態だが、現在、全国チェーン店と名乗れるのは、わずかにライトオンとマックハウスの2社のみである。 ジーンズメイトも残っているが規模的には縮小してしまったため、最早、大手でも全国チェーンでもない。 ジー
ライトオンは相当な危機に直面しているのではないか?
2019年10月11日 企業研究 1
ライトオンの2019年8月期連結と、9月の月次売上速報がほぼ同時に先日発表されたが、今後、相当厳しい状況に追い込まれるのではないかと思う。 まず、2019年8月期連結から見てみると、 売上高 739億6000万円 営業損失 21億7500万円 経常損失 21億9600万円 当期損失 61億4400万円 だった。今期から決算期を10日ほど変更しており、これまで
三陽商会の今期での営業黒字化はかなり難しいのでは?
2019年8月2日 企業研究 0
三陽商会の2020年2月期第二四半期連結決算が発表された。 業界紙では結構好意的な報道があるが、実際はそれほど楽観視できないのではないかと思う。 売上高 297億3500万円(対前期比1・6%増) 営業損失 8億6300万円 経常損失 8億2700万円 純損失 6億600万円 と赤字が継続している。 しかも、2018年12月期第二