南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

ファッションで一番重要なのは顔立ちと体型の良さ

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 筆者は夏が嫌いである。
理由は暑いからだ。暑いのが苦手である。

で、人間の夏服姿というのは実にマヌケていると思う。
秋冬に重ね着をしていておしゃれに見える人でも夏服はカットソー1枚とか半袖シャツだけになるから、体型がモロに見えてしまう。

だいたいにしてかっこいい体型を保てている人なんてほとんどいない。

夏服を見ていると、ファッションとは、コーディネイトや色合わせがどうのではなく、顔立ちと体型の良さがもっとも重要なのだと改めて認識する。

最近はファッション雑誌をあまり読まなくなった。
とくに夏シーズンはほとんど読まない。
メンズはTシャツとポロシャツと短パン(短パン社長ではない)のカタログみたいになっている。
コーディネイトに工夫を凝らすといったって、Tシャツ1枚に短パンみたいな組み合わせしかないから、せいぜいTシャツの色柄を変えてみる程度しかない。
あとはサイズ感か。

しかし、それも顔立ちと体型が良くなければ、そんな工夫はほとんど無駄である。
それが毎年夏のファッション雑誌を読んだ率直な感想だ。

メンズのファッションはほとんど毎年代わり映えしないから、2年前のSafari8月号のページを画像で上げてみる。

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黒いTシャツと黒い短パンを着用した外国人男性モデルである。
なんの工夫もないコーディネイトである。
このモデルの顔立ちが良くて、体型もそこそこ良いから(ちょっと外国人にしては肩幅が狭いと思う。なで肩すぎるのか?)なんとなくサマになっているように見えるが、実際、同じようなコーディネイトをした人は山ほど街で見かける。
日曜日のショッピングセンターには同じようなコーディネイトをした冴えない風貌のオッサンが掃いて捨てるほどいる。

もし、ハゲてて、肥満してて、顔立ちが扁平でもっと短足な50歳くらいのオッサンが同じ服装をしていてかっこよく見えるだろうか?
そういうことである。

ファッション雑誌が売れなくなった理由はさまざまあるだろうが、モデルの顔立ちや体型が一般人からかけ離れており、その着こなしがまったく参考にできないからという理由もあるのではないか。

WEARなどのコーディネイトアプリが支持されている理由は、無料という以外にも、いわゆる一般人がコーディネイト画像を上げているため、参考にしやすいからではないかと思う。

彼らの多くはモデルや俳優ほど顔立ちが良いわけでもないし、スタイルが良いわけでもない。

背が低かったり、足が短かったり、背が高いけど痩せぎすだったり、肥満気味だったり、とそんな人が数多くコーディネイトをアップしている。
自分と似たような体型の人が合わせているコーディネイトはそのまま取り入れられる可能性が高い。

ファッション雑誌だとモデルが合わせているコーディネイトを試してみても、雑誌で見たような感じになることはほとんどない。
読んだことがそのまま取り入れられる確率は低い。
しかも雑誌は有料だ。

読んで、そのままでは取り入れられないような情報にわざわざ金を払いたいと思う人が増えないのは当たり前ではないだろうか。

だからファッション雑誌は軒並み部数を減らしており、回復する兆しもないのではないか。
オマケ商法もとっくに飽きられている。

【コラム】編集者が出版不況を乗り越えるために
https://www.wwdjapan.com/focus/column/business/2016-07-24/17399

このコラムでは週刊文春のノウハウを紹介しているが、週刊文春とファッション雑誌では掲載内容が違いすぎて一概には参考にならない。
また週刊文春はかなり財政的にも余裕がある。
多くの訴訟を抱えており、訴訟を起こされるリスクを承知で発行している。
訴訟で敗訴することもあるから、その場合、多額の賠償金が支払わなくてはならない。
文春にはそれを支払う財務的余裕があるということである。

翻って今の各ファッション雑誌にそんな財務的余裕があるだろうか。

あれこれ考えると、ファッション雑誌はコアなファンをターゲットとしたミニコミ誌的な役割を追求するほうが良いのではないかと思う。というよりそれしかやりようがない。

かつての隆盛は二度と取り戻せないと思う。
そこを覚悟できるかどうかの問題ではないかという気がする。




さらばゲイナー



値下げされたジーユーの靴はお買い得

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 つい先日、生まれて初めてジーユーで服を買った。
ボーダーTシャツとスリッポンシューズである。

ボーダーTシャツは定価990円がアプリ会員専用で790円になっていた。
しかし翌週は定価990円に戻っていたから期間限定キャンペーンだったのだろう。

スリッポンシューズはアッパーがキャンバスで、定価1490円が790円に下がっていたので迷彩柄を買った。

両方の評価を書いてみる。

ボーダーTシャツは価格の割には出来は良いと思う。
ユニクロにも似たようなウォッシュボーダーTシャツ(定価1500円)があるが、ジーユーよりもわずかに生地が分厚いと感じる。
これは個人的な推測だが、ジーユーは比較的細番手の糸で編まれており、ユニクロはそれよりも太番手の糸で編まれているのではないかと思う。

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しかし、他ブランドの990円や790円のTシャツと比べるとはるかに素材のクオリティは高い。
柄さえ気に入れば買って損はないだろう。

ユニクロのボーダーTシャツとの違いは、ユニクロは左胸にポケットがあるがジーユーはない。
あとボーダーの柄行きが少し異なる。
ユニクロのボーダーTシャツは乳首の部分に色の縞が来るが、ジーユーは白い部分が来る。
そういう意味ではユニクロのほうがオッサンにやさしい作りになっている。

あと、ジーユーのボーダーTシャツは若者向けのシルエットなので袖がかなり短い。
腕を上げると間違いなく腋毛が見える。

ユニクロはもう少し袖が長く、よほど腋毛が長い人以外は腕を上げて見えない。
この辺りもユニクロはオッサンにやさしい。

スリッポンシューズも履いて2度ほど外出してみた。
材質はキャンバス地である。
感想はかかとのゴムが少しキツイかなと感じる。
しかし、靴、とくに布靴は履いているうちに絶対に伸びるので少しくらいキツイ方がよい。
クッション性は悪くない。
1490円でもコストパフォーマンスが良いと感じるが、790円ならさらにコストパフォーマンスに優れている。
790円で気に入った柄とサイズがあればまとめ買いしても良いくらいである。

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サイズは1センチ刻みのようだ。
25センチの次は25・5センチではなく、26・0センチとなる。
そのためフィット感の追及はあまりできない。

紐靴は紐でフィット感が調整できるので、どうしても足に合うのがなければ少し大きめでもよいと思う。
ただし、履いているうちにさらに大きくなることは言うまでもないが。
スリッポンシューズは紐による調整はできないので、なるべく足にぴったりした方が良い。

試着すると28・0は大きすぎたので27・0にした。
通常のナイキやアディダスのスニーカーだと27・5を買うので、本当は27・5がほしかったが、そんなサイズはないのであきらめた。
着用してみると27・0も幅が広めにできているようであまり問題ない。
今後伸びることを考えると27・0でよかったと思う。

0・5センチ刻みではなく1センチ刻みにしたのは、コスト削減のためには賢明だったといえる。

ところで、買ってみて初めて気が付いたが、商品に「GU」と書いたタグや襟ネームがない。

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「パーツとして使える洋服」

ユニクロが飛躍的に伸びた90年代後半に柳井正会長が常に言っていたブランドコンセプトである。
その割には当時は、ネイビー地の襟ネームが付けられていた。
まだ当時は「ユニバレ」が恥ずかしいと言われていた時代で、上着を脱ぐ際や仲間と着替える際にネイビーのユニクロタグが見えると恥ずかしいという声が広く聞かれた。

その声が届いたのかどうかわからないが、2004年ごろから、当時の玉塚元一社長は襟ネームからロゴをなくしてM、Lなどのサイズ表記のみになった。

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当時、そのことを取材で質問すると「パーツとしてのブランドコンセプトに忠実にした」との答えが返ってきたことを覚えている。

しかし、その後、ユニクロは2009年か2010年ごろから「ユニクロ」ロゴの襟ネームを復活させる。
もちろん、以前のネイビー地のものとはデザインを変えている。

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このころから、「ブランド」としてのユニクロを強く意識し始めたのではないかと勝手に想像している。
もちろん今でも「パーツだ」との思いは今もあるだろうが、それ以上に「ブランド」としてのまとめ方を模索しているのではないかと思う。

一方、ジーユーも初期に比べるとずいぶんとマシになり、ブランドらしいスタイルを打ち出すようになった。
スタート当初は「単なる安いユニクロ」にすぎず、ユニクロの商品の劣化版をさらなる低価格で販売していた。
店づくりも上から下までびっしりと商品で埋め尽くされた棚やラックが充満しており、見通しが悪いので圧迫感があり、どこぞの物流倉庫のような野暮ったいものだった。

当然、売れ行きは伸び悩んだ。

2009年に一瞬注目を集めたのは、業界に先駆けて990円ジーンズを発売したからだが、当時のメディアはこぞって出来栄えをほめていたが、実際手に取ってみると値段相応の粗悪品だとわかった。

そこから若者向けトレンド品へと方向転換したことが、成長の起爆剤となった。
今では一部にユニクロとの類似品があるものの、スタイリングやコーディネイトが全く異なる。
完全にトレンドブランドとしての基礎を固めることができたと感じる。
だからこそ、売上高も1500億円を越えたのだろう。

しかし、そういう状況にあってもジーユーはもしかすると、今でも「パーツ」としての洋服を前提としているのではないかと思う。

2年ほど前にジーユー梅田店のオープン内覧会に取材に行った際、ノベルティとしてTシャツをいただいた。
大阪らしい事物とのコラボTシャツで、4種類くらいあったのだが、どれもまあ、コミカルタッチなTシャツだった。
筆者はそこでMBSのらいよんチャンネルとのコラボTシャツを選んだのだが、これも襟ネームにブランドロゴはない。
さすがにこのTシャツは部屋着やセーターの下にしか着ていない。冴えない風貌のオッサンがこんなTシャツを着ればより一層ダサくなることは目に見えている。

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実際に現在の店頭で商品を見ていると、「パーツ」として取り入れやすいトレンド品で構成されている。
独自のスタイリングを打ち出しながらもパーツとしても使用できる、そんなブランドの立ち位置を目指しているのではないか。

サイズが合うなら定価でも十分にコストパフォーマンスは高いが、値下げ品はさらにコストパフォーマンスが高い。とくに靴の値下げ品は突出している。

そんなわけで、これから筆者の普段履きは値下げされたジーユーの靴が増えそうな気がする。










黙って並べているだけでは物の価値は消費者に伝わらない

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 先日、ツイッターのタイムラインでこういうのが流れてきて、興味深かった。

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手作りの刺し子生地を使ってオリジナルのシャツやコートを作っているブランドが地方にあるそうだ。
価格はシャツが2万6000円、コートが7万9000円だという。

このツイート主は物の良し悪しのわかる方で、これを「安すぎる(それくらいに値打ちがある)」と鑑定されている。
この後もツイートが続き、試着した結果、シャツは非常にスマートなシルエットなのに動きやすいとのことであり、その感想が事実であるなら、かなりクオリティが高いといえる。

地方にはまだまだこういう無名ブランドが眠っている。
文字通り眠っているわけではないが、スポットライトを浴びていない。
おそらく地元の人にもそれほど知られていないのではないか。


こういうブランドが何とか世に出てもらいたいと思うが、だからこそ、告知や販促といった活動の重要性を痛感する。

漫然と店に並べてこの商品を売っているだけでは、今後もおそらくあまり売上高は伸びないだろう。
刺し子生地も手作りなのだそうだから、飛ぶように売れると製造が追いつかない可能性がある。
だから今のままでもよいのかもしれない。


一般消費者からすると、この商品は「高い」と感じる。
刺し子生地自体も何のことやらよくわからないし、シャツが2万6000円なんて、イタリアからの輸入シャツと同じくらいの値段である。
コートの7万9000円も同じだ。
無名ブランドにしては高すぎる。
そこそこ著名なブランドでも5万円でコートを売っている。

作り手の手間とかノウハウを考えると決して高くはないが、多くの一般消費者は間違いなく「高い」と感じる。

刺し子とはなにか、製造する際にどこに工夫を凝らしたか、特殊な商品だけにこれが伝わらないと、一般消費者にとっては「単に高い無名ブランド」としか感じられない。

筆者の関連業務でいえば、これを打破できるのは広報、販促という手段だし、小売店からすると店頭での接客(ただし上手い販売員に限る)ということになる。
最低でもどちらかを強化しないと、この商品の価値は消費者にはまったく伝わらない。


なにも活動をしないままで評価してくれるのはツイート主ほどの鑑識眼のある人間に限られており、そんな人間がこの世に何人存在しているかである。
ほとんどそんな人は存在していないだろう。

作り手からすると「このノウハウと手間暇で2万6000円は破格値」と思っているが、一般消費者は「2万6000円のシャツは高すぎる。同じ値段ならイタリアのインポートブランド買うわ」と考える。

かくして黙っていてはこの商品はおそらく売れないままだろう。

現在、産地企業による、自社企画商品が次々に市場にデビューしている。
その多くは、消費者にとって「高い」と感じる価格帯に設定されている。

製造側からすると、コストを積み上げるとこの価格になったということなのだが、消費者にはそんなことはわからない。
消費者が鑑識眼を備えるべきだという意見があるが、それはちょっとナンセンスな要望ではないかと思う。

なぜ消費者がわざわざ鑑識・鑑定の勉強をせねばならないのか。
プロ並みの鑑識眼を備えるまでにはどれほどの手間と暇が必要になるのか。そしてそんな手間暇をかけたいと思う消費者がどれほど存在するのか。

本気でそんなことを要望しているなら、それは製造側の思い上がりだろう。

逆に「お前らがわかりやすくみんなに伝えろよ」という話である。
売りたいのなら売れるように売る側が努力するべきであり、お客に過剰な努力を強いるのは筋違いではないか。


「今の消費者はわかってくれない」という嘆きの声が聞かれることがあるが、そもそもきちんと説明したのかどうかすらあやしい。

産地企業の自社企画商品やオリジナルブランドがなかなか売れにくいのは、その部分の努力を放棄してしまっているからである。
自社でやるならやればいいし、できないなら専門家に有料で依頼すべきである。

説明できないけど有料では依頼したくない、でも商品は売れてほしい。

そんな虫の良い話はこの世に存在しない。







刺し子のふきん
主婦と生活社
2013-11-22


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