卸売りブランドが陥りやすい魔のスパイラル

先日、「〇〇ブランド(仮名)って最近名前を聞かないね」という話題になったところ、相当に経営難に陥っているそうだ。

いわゆるカジュアルブランドなのだが、そういえばこの5年間くらい名前をほとんど聞かなくなった。
以前は、1店当たりへの納品枚数は少ないものの、多数の高感度専門店に卸売りしていた。

業界紙やファッション雑誌にもそれなりに掲載していたし、実は当方も18年ぐらい前には取材に伺ったこともある。

すごく画期的なことは何もなかったが、それでも上手くやれば個性派小規模ブランドとしての存立は可能だったとその時は思った。

では何が問題だったのだろうか。

商品企画やデザインもさることながら、営業の仕組みに問題があったようだ。
しかし、これはこのブランド特有の問題ではない。
卸売りブランドに共通する問題なので、いつ何時、あなた方の卸売りブランドも同じような機能不全に陥るかもしれないのである。

一般的に、ベンチャー的に立ち上げた卸売りブランドは、少人数で運営されている。
3~4人で経営者も営業マンとして各小売店と商談を行い、自社の商品が卸売りできるように交渉する。

拡販することが会社の成長に直接的につながるからだ。
その他の2~3人のメンバーも立場的には単なる従業員ではなく、役員だったり、経営者の同志だったりという状況だから、ほぼ経営者と同一の目線で拡販に努める。
そこには「ヤラされ感」とか「ノルマに追われる感」はあまりない。

良い意味で士気が高いという場合がほとんどだ。

そうこうしているうちに会社の業績が拡大してくる。
取引先も増え始めるとスタート時のメンバーだけでは人手が足りなくなる。

そこで営業担当者を求人募集する。

何人かが採用されて戦列に加わるが、これは第1次メンバーとは異なり、純粋なる従業員となる。
士気が高くないとは言わないが、立ち上げメンバーに比べると幾分かは従業員気質が強い。
これは仕方がない。
当方だって同じ立場なら、立ち上げメンバーほどにはその会社に入れ込まない。

世界の経済は資本主義だから、日本も同様で、会社は利益追求と拡大再生産が求められる。

営業担当者としては前年実績を上回ることが求められ、やがてはノルマに追われることになる。
ノルマ追求が全くなければ逆にだれてしまうが、かといって過度にノルマ追求をしすぎると、社員の士気は下がる。

やがてノルマに追われる営業マンたちは、「卸売りできれば何でもいい」という境地にたどり着く。

アパレル業界の取り引き形態としては、

1、完全買い取り
2、委託販売という名の消化仕入れ

の2つが大きく分けてある。

卸売り先を増やそうと思うなら、完全買い取りよりも委託販売や消化仕入れの方が手っ取り早い。

なぜなら、完全買い取りだとその商品を店側が買い取らねばならない。
売れ残ってもそれは店の自己責任だ。
だから店側としてはリスクが高い。

一方、委託販売や消化仕入れは、売れた分の料金だけをメーカー側に支払って、残った商品はメーカーに返品できる。
従って店側が負うリスクは低くなる。

だから、ノルマに追われる営業マンは委託や消化仕入れで卸売り先の軒数を増やす。

これによって見かけの取引高は大幅に増える。
しかし、ここに落とし穴がある。

現場の営業マンからすれば経営者や幹部ではないので、自分に与えられたノルマがクリアできれば良いと考える。
期初に店に大量納品すればノルマがクリアできる。
期末に大量返品があろうが、消化分の代金が少々回収できなかろうが、そんなことは知ったことではない。
ノルマをクリアできなければ経営者や幹部からドヤされる。

かくして、期末の大量返品や代金の未回収が増えた結果、卸売りメーカーは経営の危機に瀕するのである。

そして、この噂に上らなくなったカジュアルブランドも同様の経緯で経営難に喘いでいるといわれる。

これは何もこのブランドに限ったことではない。
卸売り主体のブランドならどこにでも起こり得ることである。

そして過去にもこれが原因で経営難に陥ったり、経営破綻したブランドは掃いて捨てるほどある。

いわゆる大手ジーンズメーカーもその中に入る。
大手ジーンズメーカーはライトオンだとかマックハウスだとかの大型チェーン店に大量納品していた。
定番品を除いて、シーズン商品はシーズンごとにメーカーが入れ替えていた。
夏なら麻混や吸水速乾パンツ、冬ならコーデュロイや保温パンツである。

当然、完売する商品もあれば売れ残る商品もある。

売れ残った商品はジーンズメーカーが引き取り、代わりに次シーズンの商品を納品する。

売れ残ったコーデュロイパンツを引き取って、代わりに麻混パンツを納品するという仕組みだ。
これがなぜ可能なのかというと、完全買い取りではなく、委託販売という契約だからだ。

このため、各ジーンズメーカーは期初に大量に売り上げが作れるものの、期末には大量の返品に苦しめられることになる。

2005年以降にジーンズメーカー各社が苦戦に転じたのはこの手法が限界に来ていたという理由もある。
返品された在庫が蓄積しすぎて減損処理を行うととてつもない損失を計上することとなり、経営と資金繰りを圧迫する。

各メーカーはアウトレットストアを林立させることで乗り切ろうとしたが、それにも限界があり、逆に最近ではジーンズメーカーのアウトレットストアは以前ほどには見かけなくなってしまっている。

これを回避するには、経営陣と幹部のきめ細かで緻密な管理が必要となる上に、アメとムチのバランスが重要となる。
アメだけだと従業員は舐めてしまうし、ムチばかりだと萎縮してしまう。
なかなかに難しい。

ジーンズメーカーや、先のカジュアルブランドに限らず、同じ窮地に陥っている卸売りブランドは珍しくない。
事業主もこうした危険性を理解しているとはいえ、この魔のスパイラルを克服できるブランドがほとんどないのも実情である。

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アパレル業界の三大あるある ~連戦連敗しながら企業を渡り歩く猛者とそれを迎え入れる経営者~

繊維・アパレル業界の三大あるある。

1、大手企業に所属していた元役員や元事業部長が独立後連戦連敗にもかかわらず口先三寸だけで企業を渡り歩く
2、その「連戦連敗君」を碌に吟味せず異様な高給で迎え入れる経営者(普段は1万円の支払いでもケチるくせに)
3、代替わりした経営者が各不採算部門と一緒に「連戦連敗君」もばっさり切り捨てる

こんな構図は当方が業界に入ってから嫌というほど見てきた。

ファーストリテイリングの柳井正会長の著書タイトルにもあるように、物事はすべからく「1勝9敗」的な要素があるから、負け数が先行していても一概に無能者とは言えないが、0勝6敗だとさすがに無能なのではないかと思うが、それでもそういう「連戦連敗君」には絶えず仕事依頼があるという不思議さである。

とはいえ、柳井氏の1勝は1兆8000億円だからそこらあたりの1勝とはケタが3つくらい違う。

先日、久しぶりの知人から連絡がきた。

いろいろとボカしながら書く。

知人が所属していた問屋兼OEM屋みたいな会社が代替わりをしていろいろと不採算部門を新社長が切り捨てたらしい。

その会社が3~4年くらい前に、新規事業の一つとしてアパレルブランドを立ち上げた。
そのブランドには別の知人も加わっていたため、当方には定期的に展示会の案内が来ていた。

ところが、最近、展示会案内が来なくなった。
当方は別に今は繊維業界紙の記者ではないし、お邪魔したところで必ずどこかの媒体に記事を書けるわけでもない。
だから、呼ばれなくなっても当然なので、まあそんなものなのかなあと思っていた。

理由は新社長に不採算部門として切り捨てられたということになる。

なんだか気の毒だなあと思っていたところ、また別の知人からも連絡が来て、その話になった。

新規ブランドの立ち上げなんて、今時厳しいに決まっている。
そこれそホリエモンだとかそれくらいの有名人でない限り、なかなか売れない。
だから、その新規ブランドの担当者たちも苦戦していた。
あまりに給料が低すぎるとやる気はなくなるが、軌道に乗っていないブランドの担当者に高給を支払うのは難しい。

実際のところ、その新規ブランドの責任者は、某大手アパレルに所属していたことがあり、その経歴と巧みな弁舌を持って、相当に高給を得ていたそうである。

なんだ、どっちもどっちじゃないか。(笑)

これはたまたま身の周りで起きた案件だが、こんなことは珍しくない。

かつて大手アパレル〇〇にいたと鳴り物入りした人物が赤字を垂れ流したり、不可解な指示を繰り返して経営危機に陥れたりということは日常茶飯事である。

負債総額60億円強で経営破綻したオルケスもそういう企業の一つだった。

今では美化されている某カリスマが、1年間の勤務で、8年間分の在庫を作って去っていたなんていう企業もある。

一方で、オルケスの前身であるアパレル企業を黒字化させ、その後、メガネスーパーを黒字化させて2連勝中の星崎社長の手腕はすごいと言わざるを得ない。

一概に経歴と口先三寸だけでは判断できないが、その中にはたまに本物も混じっているから人物登用は難しい。

実務者ではなくて、この手の「連戦連敗君」がコンサルタントに転じる場合もある。
もちろんコンサルタントになっても連戦連敗は続く。
にもかかわらず、お仲間でコンサルティングチームを作って仕事を回し合いしているから、意外に仕事は途切れない。
おまけにその料金は高額だが、経営者は意外にあっさりと引っかかってしまう。
連戦連敗君たちは処世術だけには長けているので互助会システムを構築しているのである。

この才能がどうして実務に生かされないのか不思議でならない。

国内のアパレル業界はだいたいこんな感じで回っている。
海外の業界については知識がないが、もしかしたら他国のアパレル・ファッション業界も似たような構図なのかもしれない。

それにしても「実務者」として登用する場合は、所属する企業の風土や人間関係も影響するから成功できなくても仕方がない。
ところがコンサルタントだと、実際に社内に入って実務を担当するのではないから、その提唱している理論や理屈が事業の成否を大きく左右する。
提唱する理論が間違っていれば、それはほぼどの企業、どのブランドで試してみても失敗に終わる。

こちらの方が、「実務者」としての登用よりも正解か不正解かはわかりやすい。

例えば、当方は「52週MD」「クイックレスポンス対応」「タコヤキMD」「プロパー消化率」などの理論を一切修正することなく、そのまま提唱しているコンサルタントはあまり信用しない。
なぜなら、それを全面的に実行してかつて隆盛を築いたワールドがその後どれほどの経営危機に見舞われたかを知っているからだ。

その理論には正しい部分もあったが、すべて正しいわけではなかったし、2008年以降の時代の風潮にも適合できていない部分があった。
だからワールドは経営危機に見舞われたといえる。

だから、その理論は時代に応じて少しずつ修正されてしかるべきであるのに、まったく修正せずに提唱している人もいる。
そういう人の理論を登用すれば失敗するのは目に見えている。ワールドに限らずそういう人の理論を登用して失敗に終わったブランドは枚挙にいとまがない。あのブランドとか、あのブランドとか。

まあ、そんなわけで、今日もアパレル業界は平常運転を続けているのである。(笑)

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この本読んでみようかな。52週MDで営業力強化だけでなく組織風土まで改革できるとは。(笑)

ユニクロ心斎橋店に自動レジが導入されたので試してみた

今年の春からユニクロ心斎橋店にクレジットカード専用の自動レジがついに設置された。つい最近のことだ。

先日、初めてこれを試してみた。

同じ会社でありながらジーユーの自動レジとはシステムが異なる。
ジーユーの自動レジは、レジに設置してあるボックスの中に商品を放り込んで、蓋を閉めれば数秒で値段が表示されるという仕組みだが、ユニクロのは商品の下げ札に書いてあるバーコードをスキャンして読み取らせるという仕組みだ。

この点はスーパーのセルフレジに近い。

値段が表示されたらクレジットカードをスラッシュして決済を終える。

これで終了だ。

このときは、期間限定値引きされたスリムストレッチチノパンを買っていて、裾上げがあるので預けて帰ったため、袋に入れるのはどうするのかは体験できなかった。

ジーユーの場合は自分で備え付けのビニール袋に放り込む。
丁寧に畳みたい人は畳めばいいし、丁寧に畳んでなくても気にならない人はそのように放り込めばいい。

当方が買ったのはユニクロ心斎橋店の3階だが、今までレジが6~7台くらい並んでいたが、そのうちの半分がカード専用セルフレジに代わった。台数は3~4台ほどだ。

それにしても同じ会社でありながらどうしてジーユーとは異なるレジ台にしたのだろうか。
ジーユーと同じレジにすれば調達コストは削減できたはずだ。

ユニクロも自動レジ化を見越して、昨年か一昨年あたりから下げ札にあICタグが付けられている。
準備は万端のはずなのに、仕組みの異なる自動レジ機を備え付ける意図がまるで理解できない。
今回はクレジットカード専用機だが、日本人は現金取引が好きだから、ジーユーみたいにカードと現金どちらも対応できる機械が本来は好ましい。

外国人観光客が多い心斎橋店だから、キャッシュレスに慣れているという判断から、クレジットカード専用機にしたのだろうか?

このあたりはまったく謎である。

もしかしたらさらに何かの仕掛けを考えており、そのための布石なのだろうか。

ところで、ジーユーのようにすべて自動レジにせよとは言わないが、ユニクロも自動レジ化を大いに進めるべきだと思う。
今回の自動レジ設置がはじめの一歩なのだろうと思うが、例えば、当方が頻繁に利用するユニクロあべのキューズモール店だとレジ台だけで20台前後はある。

閑散期はそのうちの半分~4分の1程度の稼働だから、レジに入っている人間は5~6人ということになるが、繁忙期だとレジ台はすべて稼働しているから少なくともレジ要員だけで20人くらいは必要になる。

ジーユーよりも客数が多いユニクロだからこそ、自動レジ化は大いに進めるべきだろう。
少なくともレジ要員は半分に減らせる。

しかし、その逆もあり、老人客が少ないジーユーだからすべて自動レジ化できたが、老人客も多いユニクロは大々的な自動レジ化は難しいだろう。
本来、機械の操作なんて慣れでしかないから、若かろうが最初は戸惑う。
若くても物覚えの悪い人もいるから、そういう人は1回や2回では操作が覚えられない。
それを我慢して使っていくうちに慣れて使えるようになる。

老人には機械操作に対して抵抗感のある人が多いように感じるが、それは思い過ごしである場合が多く、実際は慣れが足りないのではないかと思う。
とはいえ、ユニクロがジーユーのように全面自動レジ化すれば老人客からの不満は多くなるだろうと予測する。

業界の大御所と呼ばれる年配者でも頑なに自動レジに抵抗感を示す人がいるくらいだから、業界外の老人客ならさらに激烈な抵抗を示すだろうことは容易に想像できる。

今でこそ、JR、地下鉄、私鉄すべてで自動改札機は当たり前になったが、30年ほど前まではほとんどの鉄道は自動改札機がなかった。
駅員が切符にハサミを入れていたのである。

自動改札機がいち早く登場したのは大阪で、地下鉄は30年以上前から自動改札化されていた。
大阪の地下鉄にJR西日本や他府県のJR、地下鉄、私鉄が追随したのが実態であり、東京もその一つである。

東京の各鉄道が全面的に自動改札化した際、ちょうど30年くらい前のことだが、そのとき、一部の全国紙では「人の暖かみが失われる」なんて論評記事を掲載しており、当時高校生だった当方はその記事を読んで「この記事を書いたオッサンらはアホじゃないのか」と思った。
切符にハサミを入れてもらう行為にどれほどの暖かみがあるというのだろうか。

当時、電車で高校通学をしていた当方は改札で温かみを感じたことなど一度もなかった。

少し脱線するが、居酒屋やファミリーレストランなどで、席に備え付けられたタブレット端末で注文する店が増えた。
当方はこれがすごく便利で使いやすい。

ホールスタッフを一々呼んで注文を聞いてもらう方式だと、店が混雑するとなかなかスタッフに来てもらえない。
もしくは店内の騒音でこちらが呼んでいる声が通りにくい。

はっきり言ってストレスしか感じない。
また注文の聞き取りを間違えることも珍しくない。

これもストレスでしかない。
タブレット端末での注文ならそれは一切ない。
多くのストレスから解放される。

今でもときどき、タブレット端末のない店に必要に迫られて入ることがあるが、タブレット端末注文に慣れている身にはイラっとさせられっぱなしだ。

このタブレット端末や、海外のマクドナルドに導入された自動食券機についても否定的な意見があると聞くが、一体何に不満を感じているのかさっぱりわからない。

自動レジに頑なに抵抗する人は、30年前の自動改札機反対派や現在のタブレット端末注文反対派と同じくらい当方にとっては理解不能な存在である。

『人が人に服を売る暖かみ』を感じさせる

なんて文言を目にしたことがあるが、レジを販売員が打ってくれることにそんなに「暖かみ」とやらがあるのだろうか?当方は48歳になった今まで感じたことなどまるでないが。

何事をするにしても反対派というのは確実に存在する。全員が納得して賛成できることなんて世界にはほとんどない。
ピントのズレた反対派の意見に過剰に振り回されることなく、粛々とユニクロもその他洋服店も自動レジの導入を進めてもらいたいと思うし、日本のマクドナルドも自動食券機を全面的に導入すべきだと思う。

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590円のTシャツをネットで買って、送料無料にするために店舗受け取りを選んだ話

インターネット通販は、やっぱり利便性が高い。
洋服の場合、サイズが合わないかもしれないとか、生地が思っていたよりも厚い(薄い)とか、そういう不具合が発生しやすいかもしれないが、店舗が開いていない早朝や深夜にも買えることや、電車やバスでの移動時間でも買えることなどを考えると、利便性が高いと言わざるを得なく、今後、縮小することは考えにくい。

ZOZOTOWNも含めてネット通販には値引き品、割引き品が多い。
しかし、せっかくの割安品を買っても、送料が必要となる場合があり、値引き分が相殺されてしまうことも多い。
逆に低価格品や投げ売り品だと送料を含めると高くなり、それをわざわざ購入する意味がなくなってしまうこともある。

もちろん低価格品でも送料無料というのがあり、一番のお勧めはヨドバシカメラドットコムである。
1円の商品を買っても送料は無料だ。

Amazonのプライム会員は年会費3900円を支払えば送料無料になるが、それを支払っていない場合は、2000円未満は送料が必要となる。
だから、当方は2000円未満の商品を単品で買う際はヨドバシカメラドットコムを利用する。

例えば、ガンダムのプラモデルに着色するペン「ガンダムマーカー」は1本200円くらいだったと記憶しているが、これをAmazonが180円に値下げしていても単体で買うと送料がかかって逆に割高になる。
そういう場合はヨドバシカメラドットコムで買う。

Yahoo!ショッピングには、40万店近い出店者があるが、時間のあるときに見比べてみると送料無料の出店者がけっこうある。
以前にiPhoneの画面に貼る保護シールを150円くらいで買ったが、送料無料だった。

衣料品でよく利用する通販サイトは

1、ユニクロ
2、ドットエスティ(アダストリアの自社サイト)
3、ジーユー

で、それ以外はAmazonとYahoo!ショッピングで衣料品や靴などを買うことが多い。

個人的には最近、Yahoo!ショッピングで靴を買うことが増えたが、Amazonに掲載されていないお買い得靴がYahoo!ショッピングには多く掲載されている。

以前に買ったムーンスターの撥水加工レザーのサイドゴアブーツはYahoo!ショッピングで見つけた。
ちなみに雨の日に履いてみたところ、まったく浸水しなかった。

撥水加工が何年持つのかわからないが、とりあえずは優れものである。

さて、ユニクロ、ドットエスティ、ジーユーは自宅配送の場合、それぞれ5000円以上で送料無料(ユニクロとジーユー)、ドットエスティは4000円以上で無料となる。

ドットエスティの商品は割引が頻繁、タイムセールが頻繁といっても、ユニクロやジーユーよりも単価が高い場合が多く、4000円以上になりやすい。

一方、ユニクロの値引き品やジーユーの商品は単価が安いため、5000円以上にするのはなかなか難しい。
例えば500円に値下がりしたTシャツや990円に値下がりしたセーターを買いたい場合、送料450円を含めると値引き品を買う意味がなくなってしまう。

しかし、送料無料にするためにわざわざ5000円分も商品を買うのはもっと不合理である。

例えば、500円のTシャツを1枚だけ買って、送料450円と合わせると950円になる。
出費は950円で済む。

送料無料にするために5000円分買うと、出費は5000円になり、4050円も出費が増えることになる。
送料をケチって出費総額を増やすのはもっとも愚か者のすることである。

ちなみに、こういう人は意外に多い。

「1枚490円、3枚セットで990円」という売り方がよくある。

3枚買うと1枚当たりは330円になるからお得である。
しかし、気に入った商品がなかった場合、1枚で買う方がお得である。

1枚当たりを比較すると160円高いということになるが、要らない商品をわざわざ2枚足して990円にすると、出費総額は500円多くなる。
500円あれば、牛丼並盛を食べてまだ180~150円くらいおつりがくる。
そのおつりで缶ジュース1本飲んでもまだ何十円か残る。

それほどに500円の差は大きい。

しかも要らない商品が2枚付いてくるのだからゴミが2枚増えるのと同じで、500円多く支払ってゴミを2枚引き取ることになる。
いかに不合理かお分かりだろう。

けれども店頭では1枚490円に抵抗感を感じる人が意外に多い。
当方が販売員の場合は、気に入った物がなければ1枚だけ490円で買うことをお勧めするが、それでも納得できない様子だと「どうぞご勝手に」である。金を失うのは当方ではないからだ。

だから、無理やり5000円に合わせることはこれと同じでもっとも不合理・非効率な行動である。

かといって、500円に値下がりしたTシャツを送料450円支払って取り寄せるというのも何か割り切れないものがある。

そういうときには「店舗受け取り」を利用するのがもっとも賢明だ。
都市部に通勤・通学しておられる方なら、最寄り駅近辺や職場・学校への途中にユニクロやジーユーの店がある。
ネット通販で購入し、店舗受け取り(受け取り店舗はこちらから指定できる)にするなら、100円の商品を買っても送料は無料である。

現在、ジーユーが各種セールを行っており、サイトを見てみると、定価790円のワイドボーダー柄Tシャツが期間限定で590円に値下げされている。790円でも十分に安いが、590円は魅力的だ。
早速、店舗受け取りを試してみた。

590円のボーダー柄Tシャツを2枚(白×黒、白×紺)ネットで買った。


カード決済を押したが、その際、「店舗決済」というボタンもあった。

これで受け取り店舗を指定したところ、消費税込みで送料無料の1270円で買うことができた。
もちろんユニクロも同じシステムである。

無印良品はもっと送料無料の設定金額が高いが、店舗受け取りは送料無料だ。

今後、低価格品を単品で買うときは店舗受け取りにしようと思った。

が、さらに上には上がいて、先日、久しぶりにお会いした方は「ユニクロ・ジーユーは店舗受け取りで購入して、支払いを『店舗決済』にする」という。
これをすると、商品を店舗で受け取ってから店舗で支払いということになるため、実際の商品を見て、サイズや素材が思っていたのと違うとその場でキャンセルできるのである。

先に支払ってもユニクロ・ジーユーは返品ができるが、手続きが面倒くさい。
これだとその場でキャンセルができるから手続きはずっと楽である。

なるほど。これはまた一つ賢くなった。

販売する業者からするとたまったものではないが、買う側の利便性を追求するとそういう利用法もある。

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工場と直接やるなら毎月確実に発注する必要がある ~商社やOEM/ODM会社が必要とされる理由~

ブランドでもセレクトショップ、百貨店でも同じだが、縫製工場を直接使っての物作りは非常に難しい。
非常に難しいから商社やOEM/ODM会社が仲立ちしている。

近年は、商社やOEM/ODM会社悪玉論が盛んだが、一部のブランドやセレクトショップを除いては、縫製工場と直接やり取りすると失敗する場合がほとんどである。
だから、商社やOEM会社に頼らざるを得ない。

国内だろうが海外だろうが、縫製工場というのは、家族操業でない限りは、コンスタントに仕事がなければ運営が立ちいかなくなる。
父母と息子2人くらいの家族操業なら、どこぞの産地の工場のように

「今月は仕事がないから工場を休んで農作業でもしよう」

というふうにできる。

しかし、パートやアルバイトも含めた従業員がいるなら、そんなわけにはいかない。

パート、アルバイト、社員に

「今月は仕事がないからお休み」

なんていうわけにはいかない。

毎月、最低限の仕事を割り振る必要がある。

これは、ショップ店員の立場に置き換えて考えれば、工場のことがわからない人でも理解できるだろう。

店長やオーナーからいきなり

「今月は売上高が見込めないから店を休む。だから君も今月は全部休み。代わりに給料は払わない」

と言われたらどうだろうか?
従業員の立場なら、よほど貯金を持っている人以外は困ってしまうだろう。
工員とてそれは同じである。

だから、縫製工場は毎月最小限度の仕事がなくては立ちいかなくなってしまうのである。
縫製工場に限らず、生地工場、染色加工場、整理加工場すべて同じだ。

ところが、ブランドやセレクトショップ、百貨店は毎月工場に発注することは難しい。
例えていうなら、3月投入向けの商品は必要だが、6月投入用の商品は要らない、という感じである。
店頭投入商品が必要な月と不要な月がある。

当然、縫製工場へ発注する月と発注しない月が出てしまう。
工場はそれでは困る。

毎月、例えば100枚ずつでもオーダーしてもらう必要がある。

1月は1000枚の発注があったが、4月はゼロなんてことでは工場経営は成り立たない。
しかし、各ブランドや各セレクトショップ単体ではこういうバラつきは確実にある。

じゃあどうすれば良いのかということになるが、ここで商社やOEM/ODM会社の存在が浮かび上がってくる。

これらの企業は、よほどの大型ブランドでない限りは、単体のお抱えということはない。
これら企業も毎月業務を回さねばならないから、どこかのブランド単体とかセレクトショップ単体のみの生産を受注しているわけではない。
複数のブランドの生産を受注することで自社の業務を回している。

そして抱えるブランドが多ければ多いほど、ブランドごとに生産時期のバラつきがあるから、縫製工場に毎月最低水準の受注を回すことが可能になる。

1月はAブランドの生産
2月はBブランドの生産
3月、4月はAブランドとBブランド
5月はCブランドの少量生産

という具合にである。

そして工場側は、AブランドやBブランドに対してではなく、毎月仕事を落としてくれる商社やOEM/ODM会社に恩義を感じて多少の無理を聞くのである。(多少どころではない無理を押し付けられることもあるが)

このことを理解しないブランドやセレクトショップが「中抜き論」に踊らされて、直接縫製工場と取引しようとして失敗するのである。

欲しいときに欲しいだけの量を発注したい

ほぼSPA化したブランドや大手セレクトショップの本音はこれであるし、ワールドがかつて業界を風靡したクイックレスポンス(QR)対応もこれである。
しかし、そんな都合の良いことは世の中では通らない。

あんたらの都合だけで世界が回っているのではない。
世間でいくら著名なブランドだかファッソニスタだかインフルエンザインフルエンサーだか知らないが、都合の良いときだけ発注があるブランドよりも、少量でも毎月確実に仕事をくれる先を工場は大事にする。

それが名の知れないブランドや弱小ブランドでもだ。
それが工場の心意気ともいえる。

毎月、確実に仕事を出せないなら縫製工場と直接やることなんて考えずに、これまで通りに商社やOEM/ODM会社を通す方が工場サイドにとっても迷惑にならない。

何円かの手数料惜しさに軽薄な「中抜き論」を振りかざすべきではない。
ここが理解できずに生産に失敗するブランドやセレクトショップが多くある。

ここまで書くと、縫製工場側が単なる弱者、被害者だと思われるかもしれないが、縫製工場は純粋な弱者、被害者ではない。
もちろん、工場全部がそうだとは言わないが、商道徳にもとる工場もある。
それは国内工場も同じである。

毎月少量でも発注していたOEM会社を裏切って、目先の3000枚の飛び込みオーダーに飛びつく国内縫製工場だって珍しくない。
お得意様のOEM会社の発注を後回しにして納期遅れを起こさせてしまう。
OEM会社は当然、その次からその工場はあまり使わなくなる。
目先の3000枚のオーダーを納品してしまえば、翌々月からの仕事に工場が困ってしまうというわけだが、そんなものは自業自得でしかない。

この場合、目先の3000枚のオーダーの工賃が高ければまだ納得できる部分が無きにしも非ずだが、ブランドや大手セレクトショップが高い工賃なんて支払うはずもなく、「枚数が多いから(3000枚程度なのにwww)」という理由で通常よりも1枚当たりの工賃を安く叩いてくるのが常道である。

縫製工場にとっては、美味しいのは「数量」だけでしかない。

しかし、翌々月以降のこと、それまでの付き合いも考慮せず、それに飛びついてしまう縫製工場があるのも事実なのである。

単純な「中抜き論」提唱者も、ブランドやセレクトショップ側も、そして目先に飛びつく工場も、各段階がそれぞれ勘違いしているのがこの繊維・アパレル・ファッション業界といえる。
別に商社やOEM/ODM会社は「完全なる悪玉」などではない。必要性があったから生まれた機能である。
ここを正しく認識しないと、工場側はもとよりブランドやセレクトショップ側もいつまで経ってもまともな物作りなどできない。

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EC売上高においてZOZO比率の高い企業と低い企業 ~ZOZOに依存している企業と離脱可能な企業~

アパレル業界は猫も杓子もネット通販という感じになっており、その中でもアパレル製品に関してのみ影響力が強いとされるのがスタートトゥデイの運営するECモール「ZOZOTOWN」である。

水面下では有力ブランドがゾゾ離れを画策しているといわれるが、果たしてそういう有力ブランドのECにおけるゾゾ比率はどの程度なのか。
それをまとめてくれたお役立ちNOTEがある。

「業界の美肌プリンス」の異名を欲しいままにする深地雅也さんがまとめてくれているので紹介する。

大手アパレルのEC売上におけるZOZO比率をまとめてみた
https://note.mu/fukaji/n/n4888917d9f0c

ユナイテッドアローズ、パルグループ、ベイクルーズ、アダストリアホールディングス、オンワード樫山、トウキョウベースの6社のゾゾ比率をまとめている。

本文記事を読んでもらえればわかるが、決算書類に書かれてあることをもとにしてゾゾ比率を算出している。
算出というほどのことではなく、各社はゾゾ比率がどれくらいかを自社で発表している。

まず、ユナイテッドアローズ。

ユナイテッドアローズのZOZO売上構成比は全体の57%。232億円の57%ですから正確な売上は132億円。2017年と比較すると、EC全体が202億円でZOZO売上構成比が60%で121億円。まとめたものが下記になります。

   2017年3月期 2018年3月期
EC全体    202億円   232億円
ZOZO売上   121億円   132億円
自社EC売上  40億円    54億円
ZOZO比率    60%     57%

となっている。

また

ユナイテッドアローズのECはスタートトゥデイがフルフィルメントを担当していますから、自社ECが伸びてもスタートトゥデイに恩恵があります。

とのことで、ユナイテッドアローズはゾゾへの依存度が少し高すぎるといえる。

続いてパルグループである。

パルは先日、公開されてましたのですぐわかります。

EC全体   110億2100万円
ZOZO売上 71億8300万円
自社売上   19億8700万円
ZOZO比率    65%

となっており、自社運営のサイト「パルクローゼット」の売上高は微々たるものだということがわかる。
ここもゾゾ依存度が高すぎる。

3番目はベイクルーズ。

2017年末の記事ではその当時の数字が、

EC全体   275億円
ZOZO売上 107億円 ※ZOZO比率39%から逆算
自社売上   137億円
ZOZO比率    39%

とのことで、ここはゾゾ比率を下げることに成功している。

アダストリアもゾゾ比率は比較的低い。

EC全体    333億円
自社売上   172億円
ZOZO比率  48%以下

アダストリアは自社ECサイトのドットエスティがあり、こちらはなかなか健闘している。
ドットエスティは4000円以上で送料が無料となるため、何万円買おうが送料200円が必要なZOZOTOWNで買うよりもお得だから、アダストリアの商品をネットで買う際には必ずドットエスティで買っている。
ここもゾゾ比率は今後さらに下がると見ている。

オンワード樫山もゾゾ比率は低い。

EC全体    203億円
自社     152億円 ※自社比率75%から逆算
ZOZO比率   25%以下

オンワード樫山の主力ブランドは23区にしろ組曲にしろ、40代以上が主力客層となっており、30代前半がメイン顧客のZOZOTOWNとは最初から親和性が低い。
このため、今後もオンワード樫山のゾゾ比率は高まらないまま推移するだろう。
オンワード樫山にとってはゾゾはほとんど必要ではないと思う。

最後のトウキョウベースは反対にゾゾ依存度がもっとも高い。
個人的には高すぎて逆に危険ではないかとさえ思う。

EC全体    49億7000万円
ZOZO比率    86%
自社比率    14%以下

自社ECはほとんど売れていないに等しい。

スタートトゥデイとトウキョウベースは経営者のタイプがビッグマウス同士で似ていると感じる。
似ている者同士は同族嫌悪になるか、べったりになるかのどちらかなので、この場合は後者なのではないかと見ている。
いくら馬が合うといっても、ここまで他社に依存しているのは危険極まりないと思うのだが。

ざっと深地さんのNOTEを引用抜粋してきたが、今後、ゾゾ離脱が早期に可能な企業はこの6社のうち、ベイクルーズとオンワード樫山とアダストリアホールディングスだろう。そこにストライプデパートメントを立ち上げたストライプインターナショナルも加わる。
この4社はすぐにでもゾゾ離脱が可能なので、今後何かのきっかけがあればゾゾを離脱してもまったく不思議ではない。
とくにオンワード樫山はZOZOTOWNの必要性をまったく感じてないのではないかと見ているがどうだろうか?

逆にゾゾと心中しかねないのがトウキョウベースであり、自社比率14%というのは危険水域に達しているのではないか。
パルグループも同様であり、ちょっと自社サイトの力が弱すぎる。

離脱する腹積もりはあるが、なかなか踏ん切りがつかないのがユナイテッドアローズではないか。

トウキョウベースやパルほどは依存していないが、離脱するには依存度が高すぎる。
ユナイテッドアローズは今後どうするのだろうか?
自社ECサイトを強化するのか、このままゾゾ比率を50~40%くらいで維持するのか。
どちらの方向を選ぶのだろうか。
ちょっと注目して観察してみたいと思う。

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オンワード樫山の商品はAmazonでも買える。

食器用液体洗剤で衣服に付いた油ジミは落ちる

今日はちょっとお気楽に。
お役立ちの小ネタを。

気に入った洋服はなるべく長く着用したい。
気を付けて行動しているつもりでも、何かの拍子に汚してしまうことがある。

現在の洗濯洗剤は技術が進歩しているから、大概の汚れでもそのまま洗濯機に入れてしまえば何とか落ちる。
しかし、中には現在の洗濯機と洗濯洗剤をもってしても落ちない汚れがある。

洗濯洗剤で落ちにくい汚れの一つに「油ジミ・脂ジミ」がある。

食事をしていて、口に運ぶ際に、ポトリと肉汁や肉汁を含んだソースなどがズボンに落ちることがある。
ソースの色は洗濯洗剤でも落ちるが、肉汁に含まれている脂分は洗濯洗剤で洗濯しても落ちない。
色自体は落ちていても油分のシミが残ってしまう。

こういうときにどうするか。
けっこう長い間いろいろと工夫してみたが、どれもはかばかしい効果がなかった。

あるときに、食器洗い用の液体洗剤を塗って放置してから、洗濯機に入れて洗濯洗剤をぶち込んで洗えば落ちることを知った。

試しに自宅でもやってみた。
食器洗い用の液体洗剤というと、ジョイだとかキュキュットだとかチャーミーグリーンだとか、昔でいえばママレモンだとかあの類である。
食器洗い用の液体洗剤を油ジミに塗ってしばらく放置してから、洗濯機に入れて洗濯洗剤と一緒に洗った。
見事に落ちた。

 

それからは油ジミ・脂ジミは毎回この方法で落としている。

先日、バッタ屋の店頭に立っていると、ときどき買いに来るちょっとイケてる風のマダムが来店した。
何度か店頭で見かけて顔を覚えていたのでそれなりに挨拶をして、お買い上げになる際に、何かの拍子に洗濯の話題になった。

油ジミは食器用洗剤で落ちるという話で盛り上がったのだが、そのうちにマダムが

「服に付いた口紅の汚れも食器用洗剤で落ちる」

と言い出した。
白いシャツなんかにふとしたことで口紅が付いてしまう場合がある。
これを通常の洗濯洗剤で洗っても紅は取れない。

クリーニングに出しても無理な場合が多い。

かと言って塩素漂白はちょっと危険である。

ところが、このマダムは服に付いた口紅のところに食器洗い用液体洗剤を塗ってから洗濯したところ、見事に落ちたという。
口紅の成分には油分が含まれているから、油ジミが落ちるのと同じ原理ではないかと推測される。

油関係の汚れを落とすには食器用液体洗剤が最適で、何の汚れにでも通用する

というのがマダムの経験則から導き出された結論だった。

当方は4年半前に離婚されてから女っ気はさっぱりない。
まあ、離婚される前から女っ気はさっぱりだったので、服に口紅が付くという経験をしたことがない。

だから、口紅の汚れが落ちるかどうかは試せないが、油ジミ・脂ジミは今まで何度も完璧に落ちているので、マダムの言う通り口紅の汚れも落ちるのだろうと思う。
機会のある方は一度試してみてほしい。

この手のメンテナンスの裏技はいくつかある。

以前にも書いたことがあるが、代表的なのは

1、ダウンジャケットは「ウォッシャブル」と書かれていなくても水洗いできる
2、カシミヤセーターは水で手洗いが可能

である。

こちらは両方とも実際に自分でも試している。

ダウンジャケットの材質は、外側のシェルがポリエステルやナイロンの合繊で、中に羽毛が詰められている。
羽毛は脂分を含んでおり、水を弾く。
水鳥やガチョウなどの羽毛なら特に水に強い。

ポリエステルやナイロンも水に強い。
水に強い物同士を掛け合わせているのだから、水洗いできて当然である。

当方は、ネットに入れて、中にタオルなんかを詰め込んで水を含むと重くなるようにしておいてから、洗濯機に入れて水洗いする。
洗い終わったら脱水をかけてから、陰干しして乾かす。
乾かした後、振ったり揺さぶったりしながら中の羽毛を満遍なく散らす。

これで完了だ。

とくに汚れが気になる部分があるなら、そこはダウン用洗剤を塗ってから洗えば良い。

お湯で洗うと、羽毛の脂分が溶け出てしまうので保温力などが低下する。
お湯で洗うのは危険なので必ず水洗いをしなくてはならない。

カシミヤのセーター、マフラー類は水で手洗いできる。
人によれば、むしろ水で手洗いした方が風合いが増すとも言われている。

カシミヤのセーター、マフラー類は高級品なので、大事にしたいという人も多いだろう。

ついついクリーニングに出してしまいがちだが、水で手洗いをしてみてはどうか。
水を張ったタライに、カシミヤセーターを付けて、ゆっくりと手で押し洗いする。
緩く絞って水気を切ってから、陰干しする。

脱水するときにキツク絞るのはダメだ。
カシミヤ製品に絞りジワが付いてしまう。
また、干す際は、ハンガーに吊るすのではなく、平台に広げて置くのが望ましい。
ハンガーにかけるとセーターが伸びてしまう可能性がある。

あと、カシミヤのセーターやマフラー類のしっとり感が失われた場合、水に漬けて、そこに人間が頭を洗うときにつかうリンスやトリートメントを垂らせば良い。
リンスやトリートメントは人間の髪に栄養を与えたり保護したりするものだから、ヤギの毛であるカシミヤも同じもので栄養を与えることができるというわけだ。

とりあえず油ジミで困っている人は、キュキュットでもジョイでもチャーミーグリーンでもいいから、汚れた部分に塗ってしばらく放置してから洗濯機で洗ってみてほしい。
驚くほど油ジミが落ちる。

そんな感じでメンテナンスしていると、低価格店で買った服でも3~5年は優に着用できる。
当方の手持ちの服の中には10年以上着ているユニクロの冬用のセーターもある。

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こんな食器用洗剤で簡単に落ちる。

高価格で扱い難い商品はマスには売れない

ユーザーを増やしたい、マスに売りたいと考えるなら、

1、価格の安さ
2、扱いの楽さ

が重要になる。

価格の安さは言わずもがなだが、扱いの楽さとは、操作の楽さやメンテナンスの楽さと考えている。

扱いにくくて高額な物はマスには売りづらい。
これは何の商品でも同じだろう。

日本はiPhoneユーザーが異様に多い国として知られているが、iPhoneだって単なるブランドステイタスだけで多くのユーザーを作ったのではなかろう。
当方も6年前からiPhoneを使い始めたが、その理由は「安かったから」である。

auショップに行って、他のスマホとiPhoneを比べると当時の料金体系ではiPhoneの方が月額1000円くらい安かった。
当方は別に贔屓にしているスマホメーカーがあるわけではないから、安くて性能が良ければそれでいい。
1000円安くて性能が良かったからiPhoneにしただけのことである。

先日、こんな記事が掲載された。

やってみたら、案外いけた…「着物生活」貫く男性に学ぶ“ささいな勇気”「3回会えば『そういうもの』に」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180504-00000002-withnews-soci

和服で勤務する外資系IT企業の男性技術者の話である。
この記事の核となる部分は

田中さんが主に着用するのは木綿素材の着物です。かつての庶民の日常着。自宅で洗濯できます。

予算は1着あたり「仕立て代込みで3万円台」。半襟には、手芸店で気に入った数百円の布を使うこともあります。最近では、1万円台で購入した木綿の反物を妻が仕立てることも多いそうです。

だと思っている。

1着3万円くらいという安さで、洗濯可能な木綿素材という点である。
安くて扱いが楽だからこの人は毎日着物を着て過ごせる。
これが高くて、扱いにくい着物なら毎日着ては過ごせない。

和装業界の年間市場規模は3000億円内外を行ったり来たりしており、和装業界からは「売上高回復のためにはデイリーユーザーを増やそう」という声が聞こえてくる。

たしかにデイリーユーザーを増やせば、和装全体の売上高も増える可能性が高い。
買い替え需要だって増えるだろう。

しかし、現在の和装業界がスタンダードとしているような着物では到底デイリーユーザーを増やすことはできないと当方はその声を冷ややかに眺めている。

理由は、1・価格が高い 2・扱いが難しい である。

某若手経営者の会で出席者が言ったように「10万円くらいの着物は安物」というのが「価格が高い」ことを何よりも物語っている。
10万円の服なんて一般人からすると結構な高額品である。

デサントの水沢ダウンと同等クラスの価格帯で、衣服としては高い。
和装業界の人は、「生産背景や生産数量が異なるから高いのは当然」という説明をするが、それはそうだが、買う方からするとそれはそれ、これはこれでしかない。

今まで洋服を着ていた人が和服を買うのだから、洋服の価格感に引っ張られるのは極めて当然である。
洋服を着ていた人に和服を買わせたいのなら、そういう比較をされる。これは避けようがない。

この田中さんだって3万円くらいの着物だから毎日着ようという気になるのであって、和装業界がスタンダードとするような何十万円の着物なんてもったいなくて特別な日以外は着ようとは思わないだろう。

また、和装業界がスタンダードとする「正絹」という素材の扱いづらさもユーザーを増やすことの障害になっているといえる。

毎日着用するなら洗濯が必須となる。
綿素材で洗濯できるから毎日着用できる。

今なら合繊素材の着物もある。

洗濯しづらく保管しづらい「正絹」という素材にこだわるからユーザーを拡大できない。
そんなめんどくさい素材の服を毎日着ようとする人なんてほとんどいない。

価格の安さと扱いの楽さがない服を、「伝統」だとか「文化」だとか「ファッション性」だとかのキーワードだけで普及させることなんて不可能である。

そしてこれは洋服も同じだといえる。

洋服業界の人たちは低価格品の出現を嘆いているが、低価格品だと試してみやすいからマスに広がる。
ユニクロが国内売上高8000億円を突破したことがそれを証明している。
安ければなんでも良いというわけではないが、安さがなければマスには広がりにくい。

決して安くはないオンワード樫山の「組曲」「23区」あたりのブランドの売上高は大きいと言っても200億円台しかない。
単一ブランドで売上高1000億円を越えるのは絶対無理だろう。

高い服があっても何も悪いことではないが、高い服はマスには売りづらいということを認識して、ニッチ&マニア層を狙うことに専念すべきだと思う。
その心構えがなく、いまだに80年代のDCブランドブームのころを懐かしんでいるから、洋服業界はいつまで経っても浮上できないでいる。

高いブランドの服が定価や30%オフ程度で飛ぶように売れたDCブランドブームなんて、日本が今後どれほど好景気になったとしても二度と起きない。

和装業界もデイリーユーザーを増やしたければ、高くて扱いづらい着物を入門者に売ろうとすることをやめればいい。
入門者を増やしたいなら入門者にふさわしい商品を増やすことを考えてみてはどうか。

入門者に高額で扱いづらい商品を提案するから売れないし、入門者は増えないのである。

今回の記事の肝は、田中さんの姿勢云々ではなく、低価格で扱いやすい商品さえあれば、デイリーユーザーは作れるということを示している部分だと思うのだが。

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知られていないだけで、和装にもけっこう機能性商品があるね。こんなのをもっと大々的に打ち出せばいいのに。

女性ファッション雑誌の凋落 販売部数17万部強でリンネルが首位になるレベル

最近、さっぱり興味が湧かなくなったものの一つにファッション雑誌がある。

当方はもともとレディースのファッション雑誌にはまったく興味がなく、仕事以外では読むこともなかった。
一方、ファッション雑誌を読むのは完全に娯楽であり趣味だと思っていたことと、大学を卒業するまでまったくファッションに興味がなかったため、メンズのファッション雑誌は興味を持って読んでいた。
2008年ごろまでは。

このころになると、メンズのファッションのコーディネイト例も一通り全部覚えてしまったから、徐々に買う頻度が減っていった。
94年頃からとすると足掛け15年に渡って毎月メンズのファッション雑誌を買っていた。

2009年以降は毎月は買わなくなり、ネタ枯れで街頭スナップばかりになる2月発売号と8月発売号は買わなくなった。
街頭スナップばかりのページが延々と続くから読む意味も感じなかったからだ。

2011年を越えるころからは、年に何冊かしか買わなくなり、2015年以降はまったく買わなくなった。
発売日に本屋でパラパラと一通りめくるだけ、散髪屋で髪を切ってもらいながら備え付けのを読むだけ、というふうになって今に至る。

メンズのファッション雑誌の発行部数・販売部数ともに恐ろしいことになっているのだろうと思う。

発行部数を調べたい方はここで調べると良いだろう。

https://www.j-magazine.or.jp/

最新データは2017年10月~12月の3か月間の平均データが掲載されているが、案の定、メンズファッション誌は壊滅的な数字が掲載されている。

男性ヤングという分類のファッション雑誌を見ると、メンズノンノ、メンズジョーカー、ポパイの3誌の発行部数が掲載されているが、すべて10万部ぎりぎりである。
2018年年末までには3誌とも10万部を割り込むことになるだろう。

発行部数が10万部なのだから、販売部数は当然それよりも少ない。
月刊誌は書店でなるべく売り切れが出ないように、販売部数よりも少し多めに印刷する。
少し多めに印刷して10万部なのだから、実際の販売部数は当然10万部未満ということになる。
個人的に推測すれば恐らくは5万~7万部あたりが販売部数ということになるのではないだろうか。

メンズノンノ、メンズジョーカーあたりは2011年頃と比べると3万~5万部は発行部数が減っている。
恐らく販売部数はもっと減っているのだろう。

5~6年前に12万部~13万部くらいを発行していた「ライトニング」はついに6万4000部となっており、ほぼ半減している。

メンズファッション雑誌で唯一発行部数が落ちずに踏ん張っているのが、サファリで以前と変わらず18万部をキープしている。
同年代向けのファッション雑誌(レオンやウォモ、メンズEXなど)は3万~7万部の発行部数しかないことを考えると、サファリの発行部数はメンズファッション雑誌の中では断トツである。

さて、メンズファッション雑誌よりはマシだが女性ファッション雑誌各誌もその凋落ぶりは悲惨といえる。

つい先日、こんな報道があった。

日本の女性ファッション雑誌販売部数ランキング、「リンネル」が初の1位に
https://www.fashionsnap.com/article/2018-05-11/abc-liniere/

一般社団法人日本ABC協会が2017年下半期(2017年7月~12月)の雑誌販売部数を発表し、宝島社の「リンネル」が月刊女性ファッション雑誌の販売部数において初の1位を獲得した。リンネルが17万7,052部

とのことだ。

発行部数と販売部数だと販売部数の方が少なくなるのだが、それでもたった17万部で1位になるということは、他の女性ファッション雑誌の販売部数がいかに少ないかということを物語っている。

ちなみに2010年にはこんな記事が掲載されている。

出版不況もどこ吹く風?
雑誌「sweet」が100万部を突破できた宝島社の秘密
http://diamond.jp/articles/-/9063

くどいようだが、発行部数と販売部数は異なり、販売部数の方が発行部数よりも少ない。
8年前に発行部数が100万部を越えていた「sweet」は、8年後の現在の販売部数はリンネルよりも少ない17万5,844部しかない。

発行部数はこれよりも当然もう少し多いだろうが、それでも何十万部も多いわけではない。
販売部数に比して異様に発行部数を多くすると、それは大手新聞各社が指摘されている「押し紙」と同様になってしまう。

媒体力を上げ底にするために、販売部数に比して異様に発行部数を増やすという水増しだ。

「発行部数が多いから媒体力が衰えておらず、だから広告費を高く設定しますよ」

という目的がある。
しかし、雑誌の場合はそこまで水増しはされていない。
sweetの場合、多くても水増しは10万部程度ではないかと個人的には推測する。

だとするとsweetの発行部数は30万部前後ではないだろうか。

発行部数という同じ基準で考えた場合、sweetは8年間で3分の1程度にまで縮小しているといえる。

これは他の雑誌も同様だろう。リンネルは昔から地味な雑誌なので落差は少ないと考えられるが、赤文字だの青文字だのエビちゃんだモエちゃんだと囃し立てられてブームになった各雑誌の落差はおそらくsweetと同等かそれ以上の落ち込みだと考えられる。

これだけ媒体力が落ち込んでしまうと、ファッション雑誌に広告掲載する意味もほぼなくなってしまう。
また、広報目的として商品やブランドを掲載する意味もほぼなくなってしまう。

今後、アパレル企業やブランドのプレス担当者や広報担当者はこれまでの「ファッション雑誌一辺倒」という姿勢では仕事ができなくなり、ファッション雑誌一辺倒という能力しか持たないプレス担当者や広報担当者はこれから生き残れないと見ている。

生き残れるプレス担当者・広報担当者はファッション雑誌ではなく、紙・ウェブを問わず活字メディアに強い人物、ウェブメディアに強い人物になるだろう。

ファッション雑誌編集者と酒を飲んで休日に遊ぶことで親睦を深めて、それで掲載を勝ち取ってきたようなプレス担当者・広報担当者はほぼ必要なくなってしまうのではないか。
この辺りもアパレル業界・ファッション業界に起きた地殻変動の一つといえる。

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リンネルをどうぞ

「フィット感」だけで洋服の価値は計れない ~現時点では精度が低く見える自己採寸システム~

洋服とかファッションの価値というのはわかりにくい。
いくつもの価値が重なっているからだ。

当方にもわからない。
その中から自分の好みの価値をいくつか抽出してそれを評価しているに過ぎない。

わかりにくいから大衆にアピールする際には一つか二つの事柄をフォーカスする方が効果的だと思う。
当方はまったく評価していないが、「郵政民営化」という一つの事柄だけで選挙に勝ってしまった小泉純一郎のように。

ZOZOTOWNは「サイズ感」「フィット感」という事柄にのみフォーカスして価値をアピールした。
それを評価している人も多くおり、当方もそのアピール手腕は高く評価する。

その象徴的なのが採寸スーツ「ゾゾスーツ」の発表である。
これによって自分のサイズが手軽に測定でき(実際は5分以上かかるようだが)、そのサイズを元に洋服が買えたり、自社企画ブランド「ゾゾ」はオーダーによってピッタリサイズの商品が送られてくる、というのが最大の売りとなった。

旧ゾゾスーツの破棄とともに新ゾゾスーツが発表されると同時に続々と到着の知らせがSNSにアップされるようになったということは、新ゾゾスーツの発表までスタートトゥデイは発送を意図的に遅らせていたのではないかとさえ感じる。

ところが、当方の目にする限りにおいては、新ゾゾスーツでの計測を元にして送られてきて「ゾゾ」商品のサイズが明らかに大きいことという事例が多発しているように見える。

例えば

ZOZOからTシャツとデニムが届きました・・・試着テスト
https://ameblo.jp/takukawai/entry-12375339847.html

本当にウエストのユルユルは気になります。
究極のフィットといっても、まあ、店頭で試着する以上には決してならないなと。

ウエストブカブカ。。。ちょっとだけ残念でした

とある。
これだと一体何のための採寸なのかと思ってしまう。

もう一つはこちらだ。
書き手はゾゾに好意的にまとめているのだろうけど、画像を見る限り明らかにサイズよりも大きい。

【レビュー】ZOZOスーツで計測しデニムを注文してみた
https://www.buzzfeed.com/jp/hiroshiishii/zozosuit?utm_term=.woEZaEEex8&ref=mobile_share#.hdVXr11G6P

Tシャツのサイズは多少大きいものの、

え?多少大きいもののって意味がわからない。
多少大きいで許されるなら「ミリ単位の精度」なんてクソみたいなキャッチフレーズは取り下げろよって話だ。

 

 

このTシャツのどこに「究極のフィット感」とやらがあるのだろうか。

もちろん、システムがスタートした当初だから上手く行っていないということは考えられるし、そういうことは普通に発生する。
今後、ゾゾの精度も向上するのだろうと思う。
が、逆にいうと、自動採寸システムとそれに連動したサイズオーダーシステムというのはこの程度のレベルでしかないということだ。

いずれはさらに精度が向上するだろうが、現状では店頭で試着すること以上の精度は実現できていない。

ところで、洋服におけるフィット感ってそれほど重要だろうか。

当方は腕が短いので、袖丈の長さは気になる。
袖が長い服はあまり好きではない。だからZARAの服はほとんど買わない。

袖の長さはオーダーシステムがあれば良いと常々から思っている。
ユニクロのメンズだとMサイズがピッタリでLサイズだと袖が2~3センチ長い。
ジーユーも同じだ。

じゃあそれ以外の部分でいうと、例えば「身幅」。
これはピタっとしたタイトなシルエットでも、ダボっとしたビッグシルエットでもどちらもありだ。
それこそ着る人の気分や、他のアイテムとのバランスで決める。
ワイドパンツを穿いたなら、なるべくトップスはタイトシルエットの方がバランスが良い。
スキニーパンツなら、トップスはタイトでもビッグでもどちらも合う。
しかし、その上からジャケットなりブルゾンを着るなら、そのジャケットやブルゾンのシルエットに合わせないと着づらい。
タイトなジャケットやブルゾンを羽織るのにインナーのセーターやTシャツがビッグなら着づらい。

結局、洋服なんてそれ単品での良し悪しはもちろんあるが、組み合わせる他の洋服や着る人の顔立ち・骨格でどうとでも左右されてしまうというのが実態である。

例えば、手持ちのTシャツでいうと、

昨年夏、ユニクロが発売したビッグシルエットVネックTシャツと、無印良品の太番手天竺ボーダー柄Tシャツを比べてみよう。
ユニクロのはゆったりとしたシルエットで、無印良品のはタイトなシルエットであり、両方ともMサイズである。

 

これはどちらが正解でどちらが間違っているということはない。
両方ともコーディネイトに応じて使い分けるだけの話だ。

じゃあ、「究極のフィット感」なんて言い出した場合、このビッグシルエットVネックTシャツはどうなるのだろうか?

究極のフィット感なんて追求すれば行き着く先はキュウレンジャーでしかない。

 

ワイドパンツとかどうするの?ってことになる。

そして、ビッグシルエットでいうと、身幅が広くなっても着丈は長くなっていない。
ビッグTシャツとボーダーTシャツを重ねてみると、身幅が左右に2センチずつくらい大きくなっているだけなのがわかる。
着丈は両方ともほとんど同じだ。

 

要するに、ビッグシルエットTシャツは身幅を3~4センチ広くして、着丈はそれに比例させずに据え置きにしているということになる。

結局、洋服を企画するというのは各部位のバランスをどうするかということになる。
身幅に比例して着丈を長くすれば、オバハン向けのチュニックみたいなTシャツが出来上がる。

ゾゾとその信奉者はやたらと「フィット感」をブチ上げているが、実際に現時点ではその「フィット感」は実現されていないし、そもそも「フィット感」ってどこまでフィットさせるのかということになる。

キュウレンジャーみたいなシルエットを一律に作りたいのだろうか?

フィット感もたしかに重要だが、それだとワイドシルエットやビッグシルエットは要らないのかということになる。

洋服を企画する、デザインするということの作業の一つには、サイズを大きくする小さくすることよりも、それによって各部位のバランスをどう整えるのかということが重要になると当方は思っている。
ビッグシルエットTシャツを企画してオバハン向けチュニックみたいな着丈の長いTシャツを作るのか?ということである。

ユニクロはさすがにそのバランスは考えていると感じる。だから着丈は従来のTシャツのまま据え置いている。

「究極のフィット感」だとか「ミリ単位の精度」だとかは所詮はキャッチフレーズに過ぎず、洋服やファッションに求められている事象ではない。
各部位のバランスだとかコーディネイトだとか、その部分の方が重要になり、少々のサイズ違いならコーディネイトで誤魔化すことだってできるのである。

そのあたりを考えないと、せっかく開発したテクノロジーや構想がひどく薄っぺらなもので終わってしまうことになってしまう。

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