1年間でメタバース売上高が10分の1にまで激減したANAP
2024年7月17日 ファッションテック 2
もうすぐ離婚してから丸11年になるが、11年前からほとんどテレビ番組を見ていない。
アニメと特撮くらいにしか興味が無いし、電気代ももったいないから決めた番組しか見ていない。今7月だと年間定番の仮面ライダーと戦隊シリーズ、7月から始まったウルトラマンアークとキン肉マンくらいだろうか。あと毎朝1分間だけ「きょうのわんこ」は欠かしていない。あと、原作漫画も読んでいるので何となく日曜夕方に始まった「杖と剣のウィストリア」も見ている
テレビ放送もされているが放送時間帯が深夜なのと放送局がイマイチわかりにくいので、ネット配信で見始めたのが「グレンダイザーU」と「逃げ上手の若君」である。
それはさておき。それ以外に視聴する番組は無いし、代わりによくYouTube動画を視聴することになったが、見るというよりはトーク番組や解説番組を作業しながら「聞く」という形式が多い。再生速度は1・5~2倍で聞いている。通常速度ではトロくさくてイラっとして聞いていられない。
仕事、家事、その他生活の雑用などをやっていると、一日中テレビをダラダラ見るとか、YouTube動画をダラダラ見続けるなんていうことはとてもではないができない。そのため、ながらで解説動画、トーク動画を2倍速前後で「聞く」のである。
タイパという言葉は全く好きではないが、長編動画を没入して見続けるなんてことはとてもではないが忍耐力が持たないし、用事や雑務をこなさねばならない。
そんなわけで、YouTube動画でも生配信的な「プレミア配信」はどんなに贔屓の配信者であっても絶対に見ない。配信終了後に通常配信になってから2倍速で見る(聞く)というのが当方の日常化している。
一説には今の若者世代もYouTube動画は大好きだが、プレミア配信は見ずに、終了後に1・5倍速~2倍速で視聴する人が少なくないと言われている。
ここまでつらつらと書いてきたが、何が言いたいのかというと、10~30分くらいの動画や解説動画は視聴できるが、1時間を越えるとなかなかキツイと当方は感じるし、プレミア視聴をしない若者も同様に感じるのではないかということである。
昔、祖父母がダラダラと一日中テレビを見続けていたというようなスタイルは取りにくいと感じる人が多いのではないかと思う。
そうなると、最近トーンダウンしてきたが一時期は持て囃されていた「メタバース」なるものは、技術水準どうこうの以前に、当方も含めた現在の日本人には普及しづらいのではないかと思えてくる、ダラダラと仮想空間に入り浸るなんてことは、当方はとてもではないがやっていられない。YouTubeの各種解説動画を2倍速で聞きながら家事をする方が性に合っている。
さて、そのメタバースだが、大きな成果をあげているブランドは当方の知る限りにおいては存在しない。ただ、資本力のある大手企業やビッグブランドになると「将来への先行投資」という形で取り組んでいると当方は推測する。
しかし、資本力の無い企業やブランドはそんなあやふやな物に取り組む必要があるのか甚だ疑問である。それなら、もっと実用的な本業に資金を投下した方が効率的ではないだろうか。
例えば、このアナップ。
ANAPが約16億円の債務超過 メタバース事業は利益ゼロで今期も赤字幅が拡大 |
2021年12月9日に参入を表明したメタバース関連事業の売上高は100万円で、営業利益はゼロだった。ANAPは同社のファッションアイテムなどを仮想空間で利用可能な形にデジタル変換し、企業の参入を支援するメタバースファッションプラットフォーム「アパレリッド・メタ・コネクタ by ANAP」のサービス提供を開始した2022年3月17日には、ANAP株がストップ高となる403円まで買われ、ジャスダック市場(当時)で値上がり率トップとなったが、2022年8月期通期決算で1200万円だった売上高も、今期は10分の1以下まで縮小している。
とのことで、アナップのメタバースは9カ月間(第三四半期決算)で100万円の売上高しかない。平均すると毎月11万円強の売上高しかないということになる。アパレル企業の売上高としてはあっても無くても同じレベルである。さらにいうと営業利益はゼロで、儲けには何ら寄与していない。やめた方が内部スタッフの手間が省けて助かるのではないかと思えてくる。
ここで注目すべきは、やり始めたところだから業績が上がっていないというわけではないという点である。22年8月期のメタバース売上高は1200万円あったのが、今期は100万円にまで縮んでいるという点だ。残り3カ月間を平均売上高11万円強で乗り切ったとしても年間売上高はわずかに134万円にしかならない。1年間かけて売上高が10分の1程度にまで激減しているのだから大問題で、骨折り損のくたびれ儲けでしかない。
ちなみにアナップは昨年10月に一度経営破綻している。
新機軸としてメタバースを打ち出したのだろうが、時期尚早だったと言わざるを得ない。先にも書いたように資本力のある大手が先行投資としてやるならまだしも経営破綻したばかりの脆弱な企業がやるのは無駄金ではないだろうか。
で、当方もメタバースについて調べれば調べるほど、「タイパ」以外にもめんどくさいからやりたくないなと思えて来る。アプリをインストールしてすぐに開始できる「ポケモンGO」ほどのお手軽さがない。
メタバースのやり方・始め方!必要な機材とおすすめサービスを紹介 | Coincheck(コインチェック)
暗号資産に登録するのもめんどくさいし、何よりも機材が高い。ゴーグル、コントローラー、ゲーミングパソコン、VR対応モニターなどが必要となり、ざっくり合計しても機材だけで35万円くらいの支出が必要となってくる。
こんなに高い金を払って、さらにタイパも犠牲にしてまでメタバースをやりたがるという人はそんなにいないのではないか。だからこそ、あれだけメディアや業界が熱狂したにもかかわらず、あまり普及が進んでいないのではないかと思う。当方は死ぬまで加入しないだろう。
ちなみにアナップの第三四半期決算は
カジュアルウェア・雑貨ブランド「アナップ(ANAP)」を手がけるANAPは7月16日、2024年8月期の第3四半期決算(2023年9月1日〜2024年5月31日の期間累計)を発表した。売上高は22億6100万円(前年同期連結は31億6500万円)、営業利益は6億9200万円の赤字(同5億3900万円の赤字)、四半期純利益は8億400万円の赤字(同5億8800万円の赤字)だった。
とのことで、昨年秋の経営破綻以降、全く財務内容は改善されていない。
アナップに今必要なのは利益ゼロのメタバースへの先行投資ではなく、目の前で売れる商品の開発と、販売力の強化だと思うのだが。
comment
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ミナミミツヒロ的けち生活者 より: 2024/07/17(水) 12:22 PM
調査不足な記事だな、というのが正直な印象です
破産後のANAPの実質的なオーナーは
ITバブッた小金持ち集団です彼らからすりゃ、買収したダメ会社を舞台にして
遊びはんぶんの実験しますた~
という、ただそれだけですそもそも短期で事業化できるとは
まったく考えていないと思われますしかも古参のANAPプロパーや
いわゆる「アパレルの人たち」は
ほとんどこの事業にからんでいないと思います儲かってる産業・現金もってる産業に
オモチャ扱いされるwwwそれが中小アパレルの実態なんでしょう
そりゃそうと、ANAPというネームを知っているのは
45歳以上じゃないのかな・・・30代だと8人に1人程度じゃないでしょうか
もはや服という物を売るのはムリでも
わずかに残ったネームの知名度を利用して、
仮想空間でカネ儲けをしようと思っているのでは?
本業がこんなにクッソ大赤字なんだから、新しい事業やる前に赤字の原因になってるトコを改善しなきゃダメですねぇ~。
つーても、経営者ってそういう思考にならずに「儲かる事業をやり始めれば黒字になる!」「従業員がもっと働けば良いんだ!」ってなるみたいっすねw
かくいう私の勤めるダメ会社のバカ社長も、変な新事業を何個も初めてことごとく失敗して、会社は安値で買収されて退場していきましたがw