靴下は裏返して洗うのが正解だったという話
2024年7月19日 未分類 2
その昔、ビンテージジーンズブームのころ「ジーンズはなるべく洗わない方が良い」という説があった。これは理想的な色落ちをさせるための手段だったはずだが、逆に洗濯をしない方が皮脂や汗がこびりついて綿の生地を傷めやすいということに落ち着いた。
また、色落ちさせないためにはジーンズを裏返して洗うのが有効だとされ、こちらは現在でも通用している。
というか、近年、特に一昨年から今年にかけて、ジーンズのみならずほとんどの衣料品に対して「裏返し洗濯を推奨する」という記事が広まっている。
特に、従来の洗濯観から反転しているのは「靴下」だろう。
子供のころから「靴下を裏返して脱いで洗濯機に入れるな」と母親に叱られた人は多いのではないかと思う。もちろん、当方も叱られたし、亡父も叱られていた。
結婚してからは元妻にも叱られたことがあったし、子供たちも叱られていた。
離婚後はもちろん、自分で洗濯をしているが、誰にも叱られることがないので非常に気楽である。靴下についていえば、脱いだ時に裏返っていても、裏返っていなくてもそのまま洗濯している。裏返っていたらそのまま干して、乾いたら履くときに表がえしている。
それで済む話である。こういうところが独り者の気楽さである。
しかし、昨年後半以降、靴下は裏返して洗濯することが望ましいという意見が、靴下メーカーや靴下小売店から相次いで発表されており、ウェブ上では話題となっている。平たくいえば「バズっている」わけである。
例えばタビオ。
長くご愛用いただくために。靴下のお役立ち情報 – Tabio(タビオ)
POINT1:裏返し、伸ばして洗濯
裏返して洗うことで、靴下の裏側についた
角質などの汚れを落としやすくします。
とある。これは今年5月7日の更新である。
またウェブニュースでも報じられている。
靴下「裏返し」で洗うのがオススメ Tabioの解説になるほど納得 (withnews.jp)
検索をすると、他の靴下メーカーもほぼ同様の投稿をアップしている。
例えば、奈良に自社工場を構える西垣靴下。
また、ナイガイも。
お洗濯方法 -株式会社ナイガイ NAIGAI|靴下・ソックス・メンズアンダーウェア-
一般的なソックスは洗濯機で洗えます。注水後に洗剤を入れて洗いましょう。靴下は裏返しにしてください。
裏返しにすると、汗や皮脂の汚れが落ちやすくなります。表側に毛玉などができにくく、ほこりなども付きにくくなります。
と推奨している。
裏返して洗濯するメリットはどこにあるかというと、ビンテージジーンズ同様に
1、表側が色落ちしにくくなる
2、肌に直接触れるのは裏側だから汗や皮脂が浸み込んでいる
3、表側に毛玉ができにくくなる。
という3点にある。
この観点に立てば、ビンテージジーンズと靴下だけに限らず、ほとんどの衣料品は裏返して洗う方が良いということになる。
特に素肌に接することが多い肌着類、Tシャツ類(カットソー含む)、ポロシャツ類、一部メンズシャツ類、レディースのブラウス類なんかは裏返して洗うべきだろう。色落ちや毛玉云々以前にもろに素肌に接しているのだから。
そういえば、メンズのドレスシャツは一時期、素肌に羽織るのが正式なマナーだと喧伝されたが、この着用法だと確実に裏返して洗った方が皮脂と汗を落とせるということになる。
当方は気ままに表のままだったり、裏返したりして洗濯しているが、実際のところ洗濯した靴下にそれほどの違いは認識できない。まあ、鈍いということなのだろう。
ところが、当方のSNSには「裏返して洗濯した方が靴下の汗臭さが完全に無くなった」と書いておられる方もいて、これが本当なら、靴下は必ず裏返して洗うべきだといえる。
とはいえ、家族で暮らしている人にとっては、「靴下に限らずほとんどの衣料品を裏返して洗う」というのは、実践するのはなかなかに難しいことではないかと思う。
家族分の洗濯ということになると膨大な量になる。当方もその昔は家族で暮らしていたので、ほぼ毎日洗濯物を干していた。しかし、1人になってからは洗濯するのは週に1回か2回である。多くても3回で、週に4回以上洗濯することは絶対にない。
夫・妻・子供二人という家族があったとして、4人家族なら、ほぼ毎日洗濯しないといけない。洗うのは洗濯機がやってくれるから量が多くても手間はかからないが、問題は干すとき、それから取り入れてたたむとき、だろう。
それを夫がするのか妻がするのか、はたまた子供たちの担当なのかはわからないが、だれが担当するにせよ、家族4人分の洗濯を干すのは結構な手間だし、乾燥後にすべてをたたむのは相当な手間になる。
そうすると、裏返った服を一々、ひっくり返してからたたむというのはかなりめんどくさい作業になる。一人分ならさほど気にはならないが、これが毎日4人分とか5人分なら相当に時間がかかることは想像するに易い。
そんなわけで、先ほどのネットニュース記事でも「合理的だけでは解決できない」という見解になっている。
そんなわけで、家族暮らしの世帯に「裏返し洗濯」が普及するのは少しハードルが高いような気がするが、当方と同じく一人暮らしの人は裏返し洗濯を取り入れやすいのではないかと思う。
梅雨が明けて猛暑日が到来している。毎日大量の汗をかく夏場は特にTシャツやポロシャツ類は裏返して洗う方が賢明だろう。
comment
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とおりすがりのじいさん より: 2024/07/19(金) 12:44 PM
かれこれ30年ちょっと靴下の裏返し洗いしてました。汗や皮脂の話もありますけど、表向きのまま洗うと、繊維クズなんかが内側の爪先に溜まってしまって、なんか違和感になるのが嫌だったから。
結婚してからも、洗濯~物干し~取り込みまでは自分でしてたので、あまり面倒とは思わなかったかな。それよりも、この記事見て面白いなと思ったのは、10年ぐらい前にクレヨンしんちゃんで、ヒロシが靴下裏返しで洗濯に出してて、それを見たミサエがガチ切れして、それに対してヒロシが苦し紛れに『足の裏の汚れや汗を綺麗にするため』って言ってた話を思い出した。
それが今や、、、この記事見て…『時代が変われば、変わるもんですね』と。
前にも書いた気がしますが、最近、セスキ炭酸ソーダとかいう弱アルカリ性の洗剤?をちょくちょく使ってます。こいつで肌着を洗うと着古した服だと相当タンパク質やら皮脂なんかがこびりついているのか、アルカリで溶けたタンパク質か皮脂かでびっくりするほど水が薄茶色に濁りました。普通に洗剤使って洗濯機では洗っているんですが、思ったほど汚れは落ちてないんだなぁ、という話。