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南充浩 オフィシャルブログ

売り場探訪

旧来型アパレルがファッションビルやショッピングセンターで成功できない理由

2020年6月10日 売り場探訪 3

百貨店で服を買わなくなってからすでに10年以上が経過した。 ジーンズだけはがんばってリーバイスやエドウインの値下げ品(定価ではない)を買っていたが、それもあまり買わなくなったのは2012年か13年ごろからだっただろうか。 もともとスーツを日常的に着てはいないので、ほぼカジュアルで過ごしていたわけだが、カジュアルに関していうと、今の低価格ブランドに何の不満もほ

「衣料品」も趣味の一つに過ぎないんじゃないの?

2020年6月2日 考察 2

アパレル業界の人は、アウトドア系の趣味を持っておられる方が少なくない。 キャンプだとかサーフィンだとか自転車だとか釣りだとか。 当方はアウトドアにはまったく興味がないので、傍観しているだけである。とはいえ、個人の趣味は自由なので、それを否定するつもりはない。 ただ、個人的に全く興味がないというだけである。 キャンプに行くよりは冷房の効いた部屋でゴロゴロしてい

70代・80代向けの洋服ブランドは大規模には売れにくい

2020年5月29日 考察 3

2007年ごろからアパレル各社は、シルバー向けのブランド開発に注目してきた。 理由は2つある。 1、老人世代は総じて若者よりカネを持っている確率が高い 2、老人世代は団塊を中心に人口が多い この2点である。 カネを持ってて人口が多いなら、そこに向けて商品を提供すれば売れると考えたくなるのも無理はない。 普通ならその考え方で物はある程度売れる。 しかし、人間に

洋服の値段が上がらないのは供給が需要を上回っているから

2020年4月21日 考察 1

繊維・アパレル業界では20年くらい「服の値段が安すぎる」という嘆きが続いているのだが、嘆いているだけではどうしようもないし、変なムードを煽っての雰囲気作りもはっきり言って無駄である。 物の値段というのは、需要が供給を上回らないと値上がりしない。 供給が需要を下回れば物の値段は下がる。   バツイチになって6年半が経過したが、ほぼ毎日駅前のスーパーで

今回の新型コロナ禍でバッタ屋の販売力も正規アパレル同様に低下している

2020年4月14日 企業研究 1

新型コロナの影響で、非常事態宣言が出された7都道府県ではほとんどの大型商業施設が休業している。 その前の3月から休業や定休日が増えたり、在宅勤務の会社が増えたりしていたから、大阪の都心でも人通りは減っていて、アパレル各店舗の売上高は如実に低下していた。 こうなると、不良在庫が増えてしまう。 その分、ネット通販の需要は伸びているが、それでも大手アパレル企業だと

マッキントッシュとクレストブリッジが売れなかった理由

2020年4月10日 企業研究 11

三陽商会が2015年で英国・バーバリーとのライセンス契約が終了し、その後、未だに赤字を続けている。 やはりバーバリーの抜けた穴は大きく、マッキントッシュでは埋められないというのが正直なところだろうと思う。 とはいえ、「5年が過ぎようとしているのに穴埋めができないのはなぜだ?」という論調には違和感しか感じない。 5年やそこらでバーバリーと並ぶほどのステイタス性

東京スタイルとサンエーインターナショナル(「アパレル興亡」解説)

2020年4月8日 回顧 2

黒木亮著「アパレル興亡」(岩波書店)を先日読み終えた。 そんなに難しい文章ではないので、集中して読めばすぐに読み終えることができるが、2000円もした本なのでちょっとゆっくりと読んでみた。(笑) 事実に基づいた部分が多いが、ちょくちょくと社名や人名は変えられている。 とはいえ、そこを理解した上で読めば、まったく何の問題もない。山崎豊子シリーズとはそのあたりが

定番品こそ販売期間を定めて期間内に値下げしてでも売り切ることが重要

2020年3月31日 お買い得品 2

早いもので、今日で3月が終わり、2020年も4分の1が終わったことになる。 残り4分の3もコロナの影響が甚大でなかなか難しい状況になりそうな気配がある。   洋服の大量廃棄問題や、気候の不順などの問題から、アパレル業界ではトレンドを追うことは非効率的なので、定番を長く売ろうという風潮が強くなり始めた。 特にメディアやコンサルタントはそれを推している

オフプライスストアってバッタ屋とどう違うの?

2020年3月26日 企業研究 0

最近、オフプライスストアというものがメディアの話題に上るようになってきたが、正直なところ、大阪市内の商店街にあるバッタ屋と何が違うのかよくわからない。 バッタ屋の呼び名を変えただけとちゃうんか?としか思えない。   バッタ屋というのは、メーカーやブランド(最近だとセレクトショップやSPAも含む)の売れ残り在庫を安く買って、安く売る、もしくは安く転売

「数字のマジック」の踊らされるな

2020年3月25日 考察 1

今回はちょっと趣向を変えて、数字のマジックについて考えてみたいと思う。 「○○がバカ売れした!」なんていう体感だけでは、政策は決められない。それがどれだけ売れたのかを数字として弾き出さないと意味がない。 しかし、この「数字」も曲者で、いかようにも印象操作が可能なので、気を付けねばならない。 特に煽り体質のメディアとか詐欺コンサルなんかは「数字」を恣意的に使っ

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