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南充浩 オフィシャルブログ

衣料品の汚れにも色々な種類があるという話

2023年4月10日 考察 0

皆さんこんにちは。

USです。

春ですね〜。

マスク着用の要件が緩和されたのにも関わらず、私は花粉症が酷くマスクがまだまだ手放せない日々が続いており、マスク無しで歩いている方が羨ましいです。

 

先日、ふらっと立ち寄った店で柄にもなく春らしい白のパンツが欲しくなり購入しました。

そのパンツを履いて出掛けた先でたまたまブラックライトの当たっている場所にいくと、、、、!?

なんと一部分だけ光っています!!

 

実は、ブラックライトで照らすと蛍光増白剤で白くした生地や蛍光増白剤入りの洗剤で洗濯した生地は蛍光増白剤の影響で光ります。(蛍光増白剤は紫外線を吸収し、白をより白く見せる効果があるので市販の合成洗剤にもよく配合されている成分です。)

家に帰ってよく見ると青白く光っていた部分は黒っぽい汚れに見える物がありました。恐らくこの汚れを取るために(白くさせるために)蛍光増白剤入りの何かで擦ったと予想されます。

 

ところで白い生地を作るのに白で染める、ということはしません。(できません)何故かというと白い染料という物が存在しないからです。漂白したり、蛍光増白剤を入れたりして生地が白く見えるようにしています。

 

今回の話に戻すと、この白いパンツの生地は恐らく蛍光増白剤をほとんど使用せずに白くした生地ではなかったため、ブラックライトを当てても多くの部分が光りませんでした。つまり蛍光増白剤の付着した一部分だけが光っているということです。

 

ブラックライトで照らしていない限りは蛍光増白剤がついている部分とついていない部分は一見すると違いがわからないです。しかし、このまま放置しておくと時間の経過と共に影響が出てくる可能性があります。蛍光増白剤は太陽光等に当たると劣化して黄変してしまいます。

つまり、この白いパンツは蛍光増白剤が付着した部分のみ黄変してしまう可能性があるということです。(蛇足ですが、白い洋服でリブ部分のみ黄変してしまったり、縫い糸のみ黄変してしまうのは、この蛍光増白剤で白くした生地や糸を使用しているため、という場合があります。製造段階で生地が蛍光の白であるかを確かめた上で資材などを蛍光のあり・なしで合わせてあげると防げます)

付着した蛍光増白剤は洗濯してもなかなか取れないため、残念ながらこの部分が黄変するのは時間の問題かもしれません。。。

 

そして今回のケースですが、よく汚れを観察すると何かが付着した汚れに見えませんでした。拡大して見ると、所謂『飛び込み』という物で白い糸の中に黒い糸が巻き込まれていました。

これでは蛍光増白剤を使用しようが、しみ抜き剤を使用しようが取ることは難しいです。

 

店で働いている方は経験があると思いますが、入荷してくる商品が検品をすり抜けて汚れていたり、店頭に並んでいる間に運悪く汚れてしまったりすることが時折あります。販売員時代の私もロスを少なくするために汚れを取り除き、再度販売できるようにしてきました。

せっかく汚れを落として綺麗にしたのにも関わらず、お買上げ後に黄変し消費者をがっかりさせることにもなりかねません。白物に限らずですが、汚れを落とす際は蛍光増白剤入りの物を使用せず『しみとりーな』などのシミ抜き剤を使用することをおすすめします。

また、今回の様な飛び込みを必死に『しみとりーな』で取ろうとしても徒労で終わってしまいます。『汚れ=シミ取り』と考えがちですが今回の様に生地に他の糸(ゴミ)が混じっている可能性もあるので生地が汚れているのか、他の糸が入り込んでいるのかを注意して見ていただきたいと思います。

ついでながら飛び込みもあまり大きい物になると、抜くときに生地を傷めてしまう場合もあるので注意しましょう。

 

最近、売上よりも利益重視している組織が増えている様に思います。店頭でもできるだけB品を減らし、ロスを減らすことで販売機会を逃さないようにしていけると良いですね。

以上USでした!

 

ツイッターもやっていますのでこちらもよろしくお願いします。DMも開けているので気になることがあればお気軽にお尋ねください。

@SCYE333

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