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南充浩 オフィシャルブログ

洋服の寿命や耐久性に規定はあるのか?という話③

2023年1月16日 考察 10

みなさんこんにちは〜

USです。

年始と成人日があったお陰で登場が遅くなりましたが、2023年第1回目のブログです。本年もよろしくお願いいたします!

さて、今回はシリーズお届けしている(?)『洋服の寿命や耐久性に規定はあるのか?という話』の3回目となります。

前回までの内容は下記からご確認お願いいたしますm(_ _)m

 

洋服の寿命や耐久性に規定はあるのか?という話①

洋服の寿命や耐久性に規定はあるのか?という話②

 

前回は機能性素材の洗濯に対する耐久性についてのお話を書きました。洗濯やドライクリーニングに対する耐久性を確認すべき物は他にもあります。

それは2次加工を施された生地です。

 

具体的には、

●フロッキー、顔料プリント、ラバープリント、顔料プリント、発泡プリントなどの特殊プリントと言われる種類のプリントが施されている生地

●プリーツ加工された生地

●ボンディング生地

●コーティング生地

などの生地です。

 

 

上記の生地を使って製品を作る場合は、繰り返しの洗濯やドライクリーニング処理で特殊プリントの脱落や変退色による劣化がないか、また生地の外観変化がないかを確認する「場合もあり」ます。

『場合もある』と記したのは、これらは各メーカーが独自に基準を定めている物だからです。メーカー基準に繰り返し処理の基準がなければ実施されない場合もあります。

とは言え、メーカーも1回の処理も耐えられない物を販売すると、「粗悪品販売している」と捉えられ、ブランドのイメージダウンにも繋がります。また、機能性とは違い生地の外観変化はすぐにわかってしまうので消費者からのクレームにも直結しやすいです。

あくまでメーカーの考え方次第と言えますが、よく名の通っているアパレルブランドや量販店ではこのような耐久テストが実施されている場合が多いと思います。繰り返しの洗濯やドライ処理の回数については検査基準によって違いますが、電気洗濯機法で5回後、ドライクリーニングで3回後に生地の外観を確認するの事が多いと思います。

2次加工された生地を使用した製品の耐久性試験も機能性加工と同様に、洗濯や、ドライクリーニングの処理回数から考えると、1シーズンの洗濯回数程度だと思うので、『1シーズンは耐えられる耐久性があるように設計されている』と考えられるでしょう。(作る方は最低でも1シーズン耐えられるように設計した方が良いと思います。)

ただし、前回のブログで書いたように、着用による劣化や経年による劣化もありますが、試験ではそれを加味されておりません

以上3回に渡って寿命や耐久性について家庭用品品質表示法や各メーカーの品質基準から考察してきました。

このシリーズでは生地の洗濯やドライクリーニングに対しての耐久性や寿命にフォーカスを合わせて話をしてきました。

第1回目の補足的な感じで2回、3回と書いてきましたが、服の企画製造、販売する際の参考になれば幸いでございます。

また、洋服の耐久性については今回紹介した生地のことだけではなく、縫製や仕様、デザイン等も大いに影響してくるということを付け加えておきたいです。

更に、見た目が新品同様であったとしても、製造されてから時間が経過すると繊維の劣化が進んで脆化してしまう物もあります(脆化の速度は洋服の保管状況にもよります)。脆化すると生地がもろくなり破れやすくなってしまったり、染色堅牢度が悪くなって洗濯後に色が抜けたり変色してしまうケースもあります。

お気に入りの洋服を大事に取っておくのも良いですが、着用しなくても脆化が進んでいくので定期的に着用して頂いた方が、多くの回数を着用できることに繋がるかもしれませんね。

以上USでした!

ツイッターもやっていますのでこちらもよろしくお願いします。

@SCYE333

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 comment
  • 読者 より: 2023/01/16(月) 1:10 PM

    色の耐久性で思うんですが、例えばZARAは色落ちすごいのがあるけど発色に深みがあったりする。
    ユニクロは深みがなく、特にマルニコラボは染料屋さんに聞きたいくらい色が浅く感じた。
    そのかわりユニクロは色落ち少なく耐久性高く感じる。
    おそらくは日本企業としてクレーム対応をしっかりしてる印象がある。
    外資と日本企業ではその辺異なるというかユニクロだけがしっかりしすぎなのか?
    ケースバイケースとは思うけど一般的に専門家の皆さんはどう感じてるのでしょう?

    自分はアパレル系なので色落ちしやすくても発色良いのが好き。
    なのでキレイな色のパンツとか上着は家帰るとすぐ脱ぐし洗濯も手洗いとかしてますが、
    そんな変態は一般人にはいないことも承知してるのでユニクロが日本では正しいと思ってますw

  • BOCONON より: 2023/01/16(月) 3:24 PM

    以下服/生地の耐久性について,独り言的に ...

    ①僕が中年太りしてしまった所為でサイズが合わなくなってずっと着ないでいたウールのセーターを(なんでそんなものが何枚もあるのを知ったのやら)うちの母が「もう着ないでしょ。ウールの古いのなんて生地が硬くなってるしw」などと言って持って行って親戚に配ったり,自分のものにして(勿体ないと思うのか)洋服箪笥にしまい込んだりした事があった。
    それは別にいいのだけれど「ウールが経年劣化で硬くなる」なんて事が本当にあるのだろうか。アラン・フラッサーの本に「良いウールのスーツは汚れをはじくからクリーニングの必要はほとんどないと私は思う」「クリーニングに出すと,その後しばらく縮れたウールの繊維が延びてしまうので風合いを損なう」と書いてあったのは僕も経験上正しい気がするので,母はその事を言っていたのか?

    ②最近は特に “形状記憶” などと謳っていなくても,例えばチノパンやドレスシャツなどは,純綿(って言い方も古いな)でかつ洗いたてでも生地がよれたりデコボコしたりする事があんまりない。何だかもうノーアイロン加工が当たり前になって来ているように思えるのは気のせいか。

  • BOCONON より: 2023/01/16(月) 3:43 PM

    ③そう言やカシミヤのマフラーを僕は2,3本持っていたが,格別気に入っていたわけでもないし,しょっちゅう使う訳でもないせいか,案外何年も長持ちしていたし格別肌触りが悪くなった気もしない。
    弟の嫁さんや姪っ子に差し上げると,目の色変えてほっぺたスリスリしていたが,男兄弟しかいない家で育った人間にはどうも女の感覚はよう分からぬ。

    ④ウールにアレルギーのある人は,代わりにシルクのスーツ着たりするらしいが,高くつきそうな気がするし,あんまり長持ちしそうもない感じがする(大きなお世話ですが)。これはそうでもないのか,致し方ない事なのか。僕がむかし着ていたシルクのジャケットはちょっと汗かくとすぐシワシワになるので使い物にならなかったですが。

  • BOCONON より: 2023/01/16(月) 4:26 PM

    ⑤最近のチノパンとかドレスシャツって,僕が買い物に行くようなショップでは事実上みな “形状記憶” 加工してある感じがする。むかしはノーアイロンものっていかにもケミカルなイヤな色艶していたと記憶しますが・・・
    単なる僕の勘違いか? 「おかげで洗濯後もアイロンがけ要らずで助かる。あれも本気でやったら結構な重労働だしなー」と思っているのは僕だけ?でせうか?

  • BOCONON より: 2023/01/16(月) 4:42 PM

    あ,同じ事を書いてしまったw もう終わりにします。

    ⑥ネットで調べてみると,レーヨンというのは扱いづらい繊維のようでありますね。
    これもまた「おおよそ夏しか着ないアロハ=ハワイアンシャツなのに,綿はともかくレーヨンは “紫外線に非常に弱い” とか “家庭で洗濯すると縮む” とか,どうにかならんのかい」と思う。それとも安いアロハの安っぽさは「だがそこがいい」なのだろうか。
    いづれ僕も2,3万円する浮世絵アロハシャツなどは何枚か持っているが,うちの母みたいに一種の鑑賞物として壁に掛けておく方が無難な気がしないでもないですね。

  • BOCONON より: 2023/01/16(月) 5:01 PM

    ⑦ポリウレタンと言えば,昔書いた気もするけど,あれが2,3年で加水分解するものだとは知らなんだ。2年位放っておいた安くて小さいボストンバッグを取り出したら表地がボロボロになっているのでびっくらしてしまった。
    最近進取性のあるジーパンやチノパン,あるいはスーツはが当たり前のように売られているけれど,それはポリウレタンで伸縮性を確保しているようである。正直僕なんぞは「なんでわざわざ型崩れしやすく長持ちしない服買うの?」でありますね。
    まあ僕みたいな「何年でも着られるような服以外買いたくない」って頓痴奇な人間の方がヘンなのでしょうが。

  • BOCONON より: 2023/01/16(月) 5:29 PM

           冬の山 “撥水” 服は役立たずわが衣出は雪にぬれつつ

  • 忍者猫 より: 2023/01/17(火) 12:55 PM

    忍者猫は服道楽者です。
    カシミヤ100に手編みセーターは10年超えても、まだまだ使えそうな風合いを保っていますが、段ボールニットを縫ったジップジャケットは2年目には毛玉まみれです。ウールとナイロンやポリエステルの混紡だと、毛玉が落ちなくて、毎日毛玉シェーバーで刈り取るのです。あまりもたないような気がします。
    あと、不思議なんですが、ウルグアイメリノで編んだセーターは、最初はゲージが甘かったのですが、洗濯を失敗して、目が詰まって、やや縮んでいんしかい、これがいい具合にフェルト化して、風通しにくくなり、もう一年の続投がきまりました。
    ウール100%の靴下は何足かローテーションしても、2〜4年くらいです。いずれとも、毛玉刈りが必要です。

    厚手のウール100%フラノパンツが欲しいのですが、売ってないです。仕立てないと買えないのでしょうかね。
    昔は服が高かったですが、良い材料のものがありましたね。今は、あってもあまりに高くて、買えません。

  • BOCONON より: 2023/01/18(水) 6:53 PM

    今は冬でも暖房の効いている所が多いし,車移動の人も多いから,フランネルような重くて厚い生地はスーツ,ジャケットにはあまり使われませんね。
    根っからトラッド系が好きな人は,例えば「ダッフルコートは厚くなきゃ」「ピーコートは重たいメルトンでなきゃ承知せん」と云った風で,こういうのは探せば案外ありますけどね。

  • aki より: 2023/03/29(水) 2:47 PM

    日本有事危機と中国の国防動員法の怖さを、恐縮ながら今どうか皆様に知って頂きたいです

    日本存亡に関わる台湾有事危機が高まる中、
    隣国が望む改憲阻止の為、中韓と連携し野党メディアが倒閣へ扇動をかける状況にどうか気付いて頂きたいです(09年は扇動が成功)

    国防妨害一色の、メディアが全力で守る野党は、北と韓国政府から資金投入の朝鮮総連、殺人の革マル等反社勢、大炎上中のcolaboとの連携は一切報じぬ裏で、

    中朝は核の標準を日本に向け、尖閣への侵犯を激化、進行形で侵略虐殺を拡げる中、有事の際、外国勢の国防動員法に対抗出来ぬ現憲法では、

    多くの日本人を銃殺した韓国の竹島不法占拠、北の日本人拉致、中国の尖閣侵犯にも、9条により日本は国を守る為の手出しが何一つ出来ない事が示しています。

    中韓の間接侵略は、野党が法制化を目指す外国人参政権や日本人のみ弾圧対象ヘイトスピーチ法、維新道州制等、多様性と言う”中韓の声反映”に進んでおり、

    野党メディアが09年再現へ世論誘導をかける今、中韓浸透工作は最終段階である事、
    日本でウクライナの悲劇を生まぬ為、一人でも多くの方に目覚めて頂きたいと切に思いこちらを貼らせて頂きます。
    https://pachitou.com/2021/10/29
    長文、大変申し訳ありません。

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