昔に比べると洋服以外へのお金の使い道が格段に増えたという話
2023年1月13日 回顧 6
当方は若い頃からそんなに体力自慢の人間ではなく、割合にすぐに疲れたりしんどく感じたりする人間だった。
寝不足だとしんどかったし、連勤だとしんどかった。二日酔いもしんどかった。
しかし、40代、50代と年齢が進むにつれて、そのしんどさはさらに増してきた。
30代後半くらいから、肩凝り・眼精疲労用にアリナミンの錠剤のようなサプリを飲んでいたが、さして効いているとも感じられなかったので、2018年ぐらいに一切やめてしまった。
やめてから、急速に何かが悪化したとも感じられなかったのでそのまま放置し続けたが、よくよく以前と比べてみると、倦怠感や眠気などが増しているように感じられる。
また口内炎ができることも増えたような気がする。
そんなわけで、また昨年秋から錠剤を飲み始めた。1か月経ち、2カ月経ちすると、口内炎ができる回数は減ってきたように感じる。
ただ、寄る年波なので、そんなに圧倒的に元気になるわけでもないし、肩凝りは相変わらずひどい。しかし、倦怠感は幾分マシになった気がする。
3カ月前から12種類のビタミンが入ったネイチャーメイドのマルチビタミンを試しに飲み始めた。これはこれで効いているような気がする。だが、それももうすぐ無くなるので、今度は同じマルチビタミン+ミネラルというのをインターネット通販で買ってみた。
老人になるとミネラルも不足する。
また、年寄りになると、小じわができて肌が汚くなってしまう。
2018年頃から思い立って、ウーノバイタルパーフェクションクリームを買って顔に塗ってみることにした。これは今も続けている。だいたい3カ月に一度買い替える感じである。
買い始めた当時、このクリームはドラッグストアやAmazonでは990円くらいで売られていたのだが、2022年からは値引きがなくなり、最低でもヨドバシカメラドットコムの1180円に値上がりしてしまった。
一体何の話をしているのかというと、当方ごときジジイでさえ、カネの使い道が若い頃に比べて増えてしまっているという話しである。
衣料品業界の人は、可処分所得が減ったから高い服が売れなくなったということを定説にしたがる。
もちろん、保険料などは20年前と比べて増えているから、その分洋服に使えるカネが減っていることは事実である。また、90年代後半以前と以降では、携帯電話の登場によって月々に使える金額が大きく変わった。
90年代後半から業界では「携帯電話代が洋服代を圧迫している」ということが定説になっていた。
たしかに、当方も携帯電話を持ち始めて、衣料品に使える金額が減ったと感じていた。当時の携帯料金は5900円くらいだったが、毎月5900円無くなることはかなり痛かった。今では慣れてしまった感があるが、冷静に考えるとかなり痛い。
その後、インターネットが登場し、インターネット接続料金も必要になってしまった。これも数千円は最低でもかかってしまう。
先日、ちょっとつらつらと携帯電話出現以前とそれ以降の世の中の人々のカネの使い道を思い返してみた。
89年に大学生となったがその頃には携帯電話もインターネットも存在しなかったから、男子大学生のカネの使い道は、酒を飲むことか、洋服を買うことか、自動車か、パチンコ・麻雀程度だった。もちろん、漫画や書籍にも使ったが、書籍類の値段は今よりもずっと安かった。あとはタバコである。これも安かった。1箱200円弱だった。
女性の生態は今も昔もさほど詳しくはないが、今と昔の違う点は当方からすると「ネイルサロン」の存在だろうと思う。昔の女性はマニキュアを自分で塗っていた。もちろん、赤一色とかピンク一色というような単純なものだった。今は結構な比率の高さで女性はネイルを飾っている。
あれは自分でできるようなものではない。ネイルサロンに定期的通って飾ってもらっている。料金は詳しくはないが都度1万円くらいは最低でもするのだろう。
このほか、エステなんかも昔はそんなに通っている女性はいなかった。
あとは、男女ともにスポーツジムやフィットネスに通っている人が今は多い。これも料金は月額で最低でも数千円はかかるだろう。
昔はスポーツジムに通っている人なんてガチアスリートかボディビルダー、インストラクターを目指している人程度だった。
そして、趣味・娯楽の多様化である。
動画配信や音楽配信のサブスクリプションが出現し入会している人も多い。またアウトドア、キャンプ、釣り、各種スポーツ、サーフィン、自転車(ママチャリではない)、オートバイなどなど、多様な趣味に興じる人が増えた。
これらのいずれも機具類には何万円という費用がかかるし、それをメンテナンスする費用もかかってしまう。
ざっと当方のような者が想像するだけでこれだけのカネの使い道が90年代後半以降に生まれており、その総額は年間何万円という支出になってしまっている。
すべてのジャンルにふんだんにお金を使える人はほんの一握りの超富裕層だけである。どれかに支出の比重を置けば、どれかの支出を削らざるを得ない。それが普通の家計感覚だ。
となると、洋服への支出を削ろうと考える人が少なからず現れることは当然だといえる。
当方とてそのうちの一人である。
これが2000年代半ばまでなら、低価格ブランドはスーパーマーケットの商品群も含めて色柄・デザイン・シルエットともにクソダサく、いわゆるブランド物との見え方の差が大きかったが、その差が縮まってしまえば、低価格代替品でも事足りると考えるようになる。
もちろん、食費を削る者もいるし、他の趣味を削って洋服の支出を維持する者もいる。
ただ、洋服への支出というのは、そういうその他の娯楽・趣味の一つになってしまったということである。
少なくとも当方にとっては、洋服は趣味・娯楽の1ジャンルに過ぎない。
人々が貧乏になったとか、人々の意識が貧しくなったからとか、そういう考え方だけでは以前のような高い洋服が売れにくくなったことへの説明としては不足しているだろう。
今後、どれほど好景気が到来しても、洋服への支出の比重を増やそうという人間は業界人が期待するほどには増えないだろうと見ている。
保険料の値上がりもさることながら、お金の支出先がこれだけ増え、衣料品はそれらと競合するというふうにとらえて、どのようにその中で売っていくのかということを考えた方が効率的だと当方は考えている。
今回はそんなところである。
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BOCONON より: 2023/01/14(土) 3:23 PM
▶南さんの健康状態について,大きなお世話ながら ...
若い頃一時期栄養学に凝ってその手の本を読み漁っていた人間としては「栄養学もいい加減なもんだ。最近は “乳酸菌は体に悪い” “食物繊維も体によくない” “癌を治したきゃアルカリ性のミネラルウォ-ター,例えばエヴィアン飲め。野菜? そんなものがガン予防になんてなるかいな” なんて諸説芬々たる有様だ。やれやれ」であります。
しかし経験上「これはマァ定説みたいなものだろう」というのもある。> 昨年秋から錠剤を飲み始めた。1か月経ち、2カ月経ちすると、口内炎ができる回数は減ってきたように感じる
僕も寝不足やストレスのかかる日が続くと,すぐ口内炎が出来るたちでした。つまりビタミンBが不足しがちな体質のようなので,もう20代からずっとビタミン剤飲み続けています。「ビタミンBと言っても何種かあるし,どうせなら “マルチ・ビタミン・ミネラル・サプルメント” が良かろ」で,ポポンSというのを常用しています。これが一番万遍なくビタミン,ミネラルが摂れるので。
結果としては南さんやその他のおっしゃる通り,僕もここ20年くらいまったく風邪をひかず,口内炎も出来なくなりました。コロナの予防注射もほとんど痛みも後遺症も残らなかった(まあこれは関係ないかも知れないけど)。
但しビタミンBは神経の通りを良くする ≒ 一種の興奮剤の働きをするので,寝る前に飲むのはNGであります。もう一つ経験上分かったのは,世の中どっちかと言えばビタミン剤など飲む人間をバカにするひとの方が多く「そんなもん飲んだってみんな小〇になって出ちゃうんだからなw」なんて言ってたりするが,そういう人間はたいてい晩年が悲惨だという事。栄養のある物を食べず,ビタミン剤も飲まず,酒は飲むわすぐ寝そべるわ,で元気な老人でいられるわけがないってなんで分からないのか不可解でありますね。
ついでだから,も一つ経験上言えるのは精力減退には亜鉛 Zn が効きますです。独り者が性欲ばかり強くなっても困るけど。
さらにも一つ,肌用クリームなんてものはワセリンが「塗らないよりまし」って程度の効果があるだけで,プラシーヴォ効果しかない。確実に肌に透明感が出るサプルメントはプエラリア ...いや,これは危険性もあるからやめておきましょう。 -
BOCONON より: 2023/01/14(土) 7:38 PM
しかしまあ,そんな事はどうでもいいのであった。洋服の話しなくちゃね。
▶「昔に比べると洋服以外へのお金の使い道が格段に増えた」というのは本当か?
これに関しては,南さんはいささか混乱していると思う。
①昔も今も男がお金使うとすれば,気の合う仲間と飲みに行く,なんてのが大方で「洋服好きでデパート歩きが趣味」なんて人はあんまりいなかった。少なくとも若い頃僕がいた授業員300人程度の中小企業企業には百貨店で買い物する習慣のある人間なんて(僕みたいな奇特な人間以外)多くはいなかったと思う。
②確かに時間つぶしの道具は増えたようでもある。でも「タダで出来るもの」と「お金がかかるもの」とを一緒くたというのは少し乱暴な気がする。
南さんの言うオートバイは売れなくなる一方である(元バイク乗り氏「よほど好きじゃなきゃ真冬にバイク通勤できないよなあ」)。暴走族なんてのも最近見ない。競技用自転車に乗る人も,目立つ割に別に増えてはいなし,サーフィンやる人も減る一方で産業としてはもはや危機的状況だ。テニスやゴルフ,スノボ,スキーなんて言わずもがな。一方,お金かからない暇つぶしはいちいち挙げるのもバカらしいようなもんである。サブスクでタダ同然で映画も視られ音楽も聴けるから,ミュージシャンが困っていたりとか,「時間つぶしならタダで出来るゲームもたくさんあるのになんでパチンコなんてせにゃならんのよ? なんで宝くじなん買うの?」てなもんで。
僕はこのまんまでいいとは思わないけれど,それは世界全体の問題だしなー。イギリスの王子様ですらプーチンと区別つかない貧乏くさいスーツ姿している有様だし,どうにもなー。
スマホは電話しか使わない僕からすると「毎日一日中スマホいじって人生終わりなんて,おお恐ろしや」ですが・・・しかし要らん事ばかり言って嫌われるのもイヤだし,もうこの辺にしておきましょう。 -
BOCONON より: 2023/01/14(土) 8:06 PM
春浅き隣は何を着る人ぞ
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バブルを生きました より: 2023/01/16(月) 4:55 PM
洒落乙でも一人
おお!二つしかない「1画」の漢字が両方入った… -
南ミツヒロ的合理主義者 より: 2023/01/19(木) 11:34 AM
泡期を生きた~>
名句です
ガンプラだろうがソロキャンプだろうが
年とりゃ最後は1人趣味にいきつくのだから逝きる・もとい
粋った・もとい
意気ったところでどうせ1人なのだから
最後は自分で自分にムフフ~で
いいのでしょう
チョンガ〜かつ養育費ゼロでフリー系の仕事の人は
趣味に全振りもとい破滅型の金遣いの人が少なくない
でも、学生時代から堅実wな人だと
カネを使う先はやはり健康。年くったらなおさらです
2023年現在、病院に行くレベルでない段階でも
健康にお金を使う選択肢がたくさんできた
これは、とてもおおきな変化だと思います
裏を返すとですね、
健康第一に考えるなら、服は運動しやすくて
でもちょびっとお出かけ着チックでなければならない
そう、高齢者にはスポーツブランドとワークマンが
あれば十分です
そこにGUウニクロを挟むなんてのもありでしょう
テニス帰りに見えるけど、実はテニスしてない
エコバックを提げた女性高齢者
とか
ジョギング?ゴルフ?よくわからんが
どうやら運動した帰りっぽく見える
コンビニの袋を下げた男性高齢者
が年金受給額15万以上の世帯のうち
ざっとみ30%以上だと思いますよ
平日昼間のQueenヅ伊勢丹にいくと
こうした服装のご夫妻がいっぱいいます
銀行や近場の観光地でも多いです
一定レベル以上の階層の人たちが
本当に格好をつけなくなりました
新しい服を着ているように見えて
楽チンで値段が安い
となると、スポーツリミックス系に
いきつきますわな、そりゃ
昔はそれこそレナウンが・レリアンが
こうした楽チン普段着まで作っていました
今は昔のうん分の1で楽チン運動普段着が
手に入るから差額はきっと人間ドック代か
高額サプリ代に消えているのでしょう