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南充浩 オフィシャルブログ

企業研究

そごう西武のSPA事業「リミテッドエディション」の失敗は「悲劇」ではなく当然だったのではないか

2024年7月18日 企業研究 2

成功すれば高い営業利益率が期待できるが、売れ残る危険性も高いとされているのが、アパレルSPAである。 生地雅之さんは「根本的な商品の差別化を目指すなら百貨店も一部分はSPA化すべきではないか」と常々主張されており、当方も「根本的な差別化」を前提とするなら、百貨店が一部商品をSPA化するのが最も得策だと思っている。 ただ、実際には百貨店の一部分をSPA化すると

高感度高価格子供服セレクトショップが大規模では成立しにくい理由

2024年6月21日 企業研究 3

こんな記事を見かけた。 新生「アッシュ・ペー・フランス」会社再編でどう変わる?復活に向けた2つの新戦略 (fashionsnap.com) 新生 アッシュ・ペー・フランスの新戦略は大きく2つ。1つ目は、キッズ市場への進出だ。同社は、キッズセレクトの新業態「アンコー!(encore!)」をスタート。 (中略) 2つ目は、「食」に関する事業の推進。同社は、新体制

ワークマンに既存客が定着しにくくなっている理由

2024年6月5日 企業研究 3

様々な事柄は受け手によって感想が異なるが、当方はワークマンが迷走しているように見えて仕方が無い。 幸いにしてワークマンは寛大な企業だから、当方にも逐一プレスリリースを送付してくださっており、感謝に堪えない。昨日、いただいたリリースだが、正直なところ読んでいて意味があまりわからなかった。 そして早速記事化されていたわけだがこれである。 「#ワークマン女子」から

DCブランドブームという時代の名残さえ消えたと感じた話

2024年6月4日 企業研究 1

ビギHDが三井物産の完全子会社化した。 三井物産がビギHDを完全子会社化 新社長に物産出身の田中氏 三井物産は2018年にビギHDに資本参画し、三井物産が33.4%、三井物産系のMSD企業投資が運営するMSD第一号投資事業有限責任組合が66.6%の株式を保有していた。今回、三井物産はMSDの保有株を取得し、出資比率を100%にした。 (中略) ビギHDは、1

「素人の目、プロの技」と言うのは簡単だが実現するのは難しい

2024年5月30日 企業研究 0

既存の顧客というのは、いつか死に絶えて消え去ってしまう。そのため、定期的に新規の顧客を取り込めなくてはブランドも企業もそのジャンルも生き残ることはできない、既存顧客が死に絶えればそのブランドや企業やジャンルは終わる。 ブランドや企業がそれで良しとするなら、それもまた一つの生き方ではあるが、生き残りたいのであれば定期的に新規顧客を取り込む必要がある。 新規顧客

「特殊事例」を「一般事例」と見間違ってはいけないという話

2024年5月28日 企業研究 2

主に業界メディア(たまに一般メディアでも)では「こんなに高いのによく売れた」とか「夏でもダウンが完売」とかそういう報道がある。 特殊事例だからこそニュースバリューがあるとメディア側は考えて報道するわけだが、実際に特殊事例は一般的に敷衍できる事例は少ない。 それはちょうど、伊勢丹新宿本店が他の地域へ出店しても再現できないのと似ている。 ただ、大手企業のエライ人

売上高215億円にまで縮小したファイブフォックス

2024年5月23日 企業研究 2

先日、ファイブフォックスの上田会長が亡くなられたことが発表された。 それを踏まえて、かなりの長文ではあるがファイブフォックスの足跡をまとめた記事が掲載されている。内容は非常によくまとめられており、資料としての価値も大きいと感じるのでご紹介したい。 【追悼 上田稔夫さん】 怒涛の業態開発&超高効率経営で紡いだ「コムサ神話」 当方個人はまったく面識がない。またフ

企業規模の拡大と「コアさ」は両立させづらいという話

2024年5月17日 企業研究 1

衣料品に限らず、価格が高くて尖った(凝った)商品を扱ったままで、マス層に拡販は不可能に近いのではないかと思っている。 マス層に拡販するためには、激安でなくとも割安感があって万人受けする商品を主体としなくてはならないのではないだろうか。     感度高い系のブランドの中の人やそれらのファンと話すと「うちのこのイカしたテイストの商品が世の中に

レアスニーカーブームが沈静化してスニーカーは生活に定着した

2024年4月26日 企業研究 2

スニーカーブームは終わったという関係者からの嘆きの声をメディアで見るたびに「アホくさ」と思ってしまう。彼らの言うブームとは、主にナイキの復刻版や限定モデル(便宜上レアモデルと総称する)が投機目的転売ヤーを含めて過剰値上がりした状況を指していると当方は理解している。 あんなものの何が良かったのか理解に苦しむ。 当方が愛好するガンプラで言えば、転売ヤーによる買い

上場廃止によって中長期的な取り組みが実施されるか?

2024年4月16日 企業研究 3

何事においても、成功するかしないかは「運」と「タイミング」が最も大きく作用するのではないかと思う。 「経営なんて運次第」と言い放ったオジサンが昔おられたが、ある意味でその通りだと思う。ただ、すべてを運任せにすることもまた危険であるため、できるだけ「確実性」を持たせるように最大限努力は必要不可欠になる。確 「人事を尽くして天命を待つ」 というわけである。やれる

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