月別: 5月 2011 (1ページ / 2ページ)

服装一つ自主的に決められない日本企業の惨状

 スーパークールビズが発表されたものの、服装の是非が取りざたされて、一部の企業を除いてはあまり進む気配が感じられない。
ポロシャツでは相手先に失礼になるのではないか?という意見が多いようだが、
全企業がポロシャツになれば、失礼もクソもない。
そういう方々は、昨年並みの猛暑となったと仮定して、気温35度・湿度70%・冷房なしの状態で、脱水症状になっても「失礼にあたるから」と上着を着用し続ければ良い。

例えば、ハワイではアロハが正装とされており、
ホテルの従業員もアロハを着用している。
ハワイのホテルに行って「こいつら失礼極まりない」と怒る人がいるのだろうか?

今回のスーパークールビズ騒動の発端は電力不足であるとはいえ、
政府に服装のガイドラインを決めてもらうというのは、服装後進国であることを暴露してしまったといえる。

読売新聞「ニュースで学ぶNGスタイル」から平井義裕さんの言葉を引用すると

いい年をした大人が、ドレスコードがないとコーディネートを決められないというのも情けないのです。今回の環境省の制定した「スーパークールビズ」は、「まだ日本はファッション後進国です」と世界に発信してしまったようなものです。

ということになる。

これでは、国策してデザイン業界に対して莫大な資金を投下している韓国にも早晩、日本はこの分野でも負けてしまうだろう。

これまで、日本の男性はあまりにも「とりあえずスーツ」「とりあえずネクタイ」という安直な服装が多かった。
居酒屋での「とりあずビール」じゃないんだからと思う。
そして、カジュアルとフォーマルの違いも自分で考えてこなかった。
自分の洋服を自分で選ばずに妻に選んで買ってきてもらう男性があまりにも多い。
だから、オチマーケティングオフィスの生地雅之さんが常々から提唱していらっしゃるように
「男性服売り場でも実際に買いに来るのは奥様が多いので、什器の背丈は低めにしましょう」という
手法が必要になるのである。

妻が勝手に買ってくるから、サイズ感のおかしな服を着ている男性が多い。
服は必ず試着してみないとジャストサイズがわからない。
男性は売り場に来ないので、妻が選ぶことになるが、そのときに妻は
「もし小さかったら困る。確実に着られるサイズを選ぼう」と考える。
そうすると、MよりはLに、LよりはLLにということになり、
男性は常にワンサイズ大きめの服を着ることになる。
洋服に関しては「大は小を兼ねる」ということにはならない。
ヒップホップアーティストではないのだから、ワンサイズ大きめの洋服はあまりにもおかしい。

先日、朝日新聞でスーパークールビズについて
ユナイテッドアローズのクリエイティブアドバイザーの栗野宏文・上級顧問は
日本の男性について、「常に制服としてのスーツ姿で、場面に合わせて選択してこなかった」と感じる。「本来何を着るべきか、服の本質に立ち返る機会になるのでは」

http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000001105260002

と指摘しておられたが、まさにその通りである。

これまでカジュアルフライデー(死語)だなんだかんだと言われてきたが、
年配男性は一向に洋服に無頓着なままで、一向に変わらなかった。
その価値観を今回の電力不足のクールビズにまで押しつけるのはいかがなものだろうか?

近鉄と大丸松坂屋が販売員もクールビズに

 電力不足によるスーパークールビズの動きだが、近鉄百貨店が売り場社員にも対応することを打ち出した。
また大丸松坂屋百貨店でも5月16日から同じ取り組みを開始しているという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110529-00000504-san-soci

近鉄百貨店では店内の空調温度を見直すとともに、男性従業員のネクタイを外すことを決めた。高級ブランドを販売するテナントでも導入する徹底振りに社内では異論も出たが、「お客さまからすれば区別はつかない」として決定した。

 同百貨店幹部は「正装といえばネクタイ。百貨店として外してもいいのか、と懸念の声もあった」としつつも、「お客さまの意識も変わっている。クールビズといいながら、売る方が暑い服装では意味がない」と新たな取り組みに意欲を燃やす。大丸松坂屋百貨店でも同様の取り組みを5月16日から開始している。

という。

今回の近鉄の措置は英断といえる。
また大丸松坂屋の対応の早さも評価できる。
文中にあるように「クールビズといいながら、売る方が暑い服装では意味がない」というのはまったくその通りで、
「スーパークールビズでございます」と言いながら、販売員が上着着用でネクタイ締めて汗だくでは著しく説得力にかける。

近鉄百貨店の社員をリストラしながら、リーマンショック以前に決定した阿倍野店の建て替えを粛々と遂行する姿には大いに疑問を抱いていたが、今回の取り組みは支持したい。
また、いち早く「脱百貨店」的売り場を作っている大丸松坂屋の一貫した姿勢もさすがである。

ところで、疑問なのだが、百貨店の社員がネクタイをしていないとお客に失礼と思われるのだろうか?
たしかに欧米ではドレスコードが厳密である。これは従業員やスタッフだけが厳密に守らなくてはならないというものではなく、お客の方も守らねばならない。
例えば高級ホテルや格式あるレストランなどでは、Tシャツ・短パン姿のお客は入店を断られる。
お客と従業員の服装の「正装ぶり」はほぼ釣り合っているといえる。

しかし、日本は従業員に対するドレスコードは著しく厳しいが、お客に対するドレスコードは極限まで甘い。
高級ホテルでも高級レストランでもTシャツ・短パン・サンダル姿のおっちゃんがウロウロしている。
当然百貨店のお客の服装もバラバラである。
起きてすぐに寝巻のままで来店するようなお客、Tシャツ・短パン・サンダル着用でまるで「裸の大将」みたいなお客、上下ジャージ姿でまるで野球大会の帰り道のようなお客 ― などなど。
こういうお客が少なからずいる店頭で、そこまで「従業員のネクタイが~」というようなお客はそれほどいないと思うのだが、いかがだろうか?

日本の洋服文化はいまだに欧米からの「借り物」の域を脱しておらず、
過剰に「正装」するか、過剰な「カジュアル」でもOKかのどちらかしかないような印象がある。
百貨店の店員が「ネクタイをするかしないか」だけでここまで論争し、一般紙が掲載するのもまことにアホらしい。
「正装」にこだわるならいっそのこと男性社員はモーニングで接客させたら良い。

お客は商品を買いに来ており、親切な接客を百貨店に期待しているのであって、決して「百貨店従業員のネクタイ姿」を見に来ているわけではない。

終わらない消費者の衣料品デフレ志向

 何人かの知り合いと話題になるのが「衣料品の価格差はわかりにくい」ということ。
どういうことかというと、例えば19000円のスーツと59000円のスーツの明確な差があまりない。
続けて言うなら1900円のTシャツと4900円のTシャツの差もわかりにくい。

これが家電製品、自動車などの工業機械製品なら価格差がわかりやすい。
よほど特殊なブランドを除いては、ほぼ性能や耐久性の良さと値段の高さが反比例する。
70万円の自動車と、300万円の自動車は明らかに違うし、
5万円のパソコンと15万円のパソコンは明らかに性能が違う。

衣料品の場合は、安い物でも耐久性があり長持ちする場合もあるし、
往々にして高級品の方が手入れに手間がかかり、耐久性のない物も多い。

ある知り合いが、イタリア製の高級生地を使ってスーツをパターンオーダーしたことがある。
生地代込みで69000円か79000円だった。その店は通常の生地を使えば39000円でパターンオーダーができる。
ベージュ色のなかなか良い感じの生地である。
しかし、後に分かるのだが、この生地には一つ困る点があった。
水に濡れるとその部分が変色してしまうのである。
乾いた後も微妙に元の色とは異なっている。
晴れの日専用スーツであり、なんとも取り扱いが面倒くさい。

自分のような貧乏人からすれば「高い金払ってるのに、なんじゃこの不便なスーツは」ということになってしまう。
逆に言えば「お金持ちは雨の日は、自動車か何かで送り迎えしてもらうものでザマすわよ」ということなのだろう。

また別の知り合いは、これもイタリア製の超高級生地を使った10万円を越えるスーツを作った。
ところが、このスーツは、1度着用したら数日休ませないといけないほど、デリケートな生地だった。
連日着用すると膝は出るし、袖口やポケットの縁が擦り切れてしまうという。
貧乏人にとって何とも面倒くさいスーツである。

お金持ちは「スーツはたくさん所有しているので、1度着用したスーツをローテーションで着まわしても次の登板は10日以上後になるザマすわよ」ということなのだろう。

なんだかスーツの話しばかりになってしまったが、
衣料品の各アイテムについても同じことである。
3万円のジーンズが長持ちするかというとそうでもないし、7900円あたりのジーンズが一番長持ちしたりもする。

衣料品は実用品であると同時に嗜好品である側面もあるので、
実用面ばかりに目を向けてはいけないことは良く分かっている。
それでも、やはり価格は分かりにくいと感じる。
ここを分かりやすくしない限り、消費者の衣料品デフレ志向は終わることがないだろう。

クールビズこそが「伝統と文化の積み重ね」だ!

 スーパークールビズ続きで恐縮だが、今日は素朴な疑問を。

戦前や昭和30年代ごろの映画やそれを舞台にしたドラマを見ていると、
男性のサラリーマンは、真夏に開襟シャツを着て、ノーネクタイで仕事をしている。
外出時にはパナマ帽やカンカン帽を被っていることが多い。
終戦直後から万博直前までを舞台にしたドラマ「官僚たちの夏」の登場人物も
そういう服装の人が多かった。

冷房のない時代だから、そういう服装でないと熱中症で倒れる人が続出したのだろう。
気候的に見ても非常に合理的である。

いつの時代から日本のビジネスマンは、クソ暑い真夏にジャケットを着込んで、
のど元をネクタイで締めるようになったのだろう?
社内は冷房があるとはいえ、外回りがメインとなる営業マンや外交員ですら、
真夏にジャケットを着込み、長袖シャツを着てネクタイを締めるのは不合理極まりない。

誰が、なぜそのような服装を男性に強制していったのだろうか?

読売新聞のコラム「ニュースで学ぶNGスタイル」で平井義裕さんも

http://otona.yomiuri.co.jp/pleasure/fashion/110524.htm

昭和30年代のサラリーマンの姿、開襟シャツにゆったりとしたパンツ、メッシュの靴にパナマ帽――。冷房が発達していなかったこの時代のファッションにこそ、スーパークールビズのヒントがあるのかもしれません。

と書いておられる。

自分の浅い知見では、
亡くなられた石津謙介さんあたりが、
真夏でもネクタイを締めたスーツスタイルを広めたと聞いているが、
古い時代の話しなので事実かどうかもわからない。
誰がどのように広めたのかと責任を追及する気はないのだが、
「ずいぶんと無駄でバカげたことを広めてくれたよなあ」という感想しかない。

この気候に反した着こなしのおかげで、どれほど多くのサラリーマンが、
何十年間という長期間に渡って、夏場に苦しんできたのだろうか。

今年の夏は、冷房のなかった昭和30年代に逆戻りするのと同じ状況になる。
あの当時の着こなしこそが、日本の気候に適した「洋装文化」だったと言える。
これこそが真の「伝統と文化の積み重ね」だと思うのだが。

「SAVE BIZ」を業界に先駆けて提案したはるやまの姿勢を評価したい

 先日、ある知り合いから
「アパレル、ファッション業界のスーパークールビズ対応について教えてほしい」と言われた。
今月、環境省からスーパークールビズの発表があったばかりで、アパレル・ファッション業界もどの程度対応するのか模様眺めをしているのだろうと思う。
知る限りでは、具体的な打ち出しを行っているブランドはない。

しらべていくと、
紳士服チェーン店のはるやまが「SAVE BIZ(セイブビズ)」と名付けていち早く積極的に提案を行っていることがわかった。

http://journal.mycom.co.jp/news/2011/05/17/026/index.html?rt=mt

このマイコミジャーナルに全文が掲載されている。

今夏のクールビズは、これまでと違って
「電力供給が足りなくなるかもしれないので、冷房はほとんど使うことができない」前提がある。
(この電力不足は原発推進派のデマで、実際は電力供給は足りているという説もある)
一方、これまでのクールビズは
「冷房は使えるのだけれどもCO2削減のために冷房温度を2~3度上げましょう」というもので、
冷房は使えるという前提であり、どうしようもなく暑いと感じれば冷房温度は下げられた。
(これにも異論があって、冷房温度を上げても電気代節約にはなるが、CO2削減には効果なしという説もある)

今回のはるやまの対応は素早く、積極的で
いち早くスタイルの提案を打ち出したところを個人的には評価をしたい。
「SAVE BIZ」には電力節約を助けましょうという意味が込められている。

具体的にどのようなルックスになるのかをマイコミジャーナルのイラストを引用して見ていただく。

001

真中がこれまでのクールビズで、
右から2番目と右端が今回のセイブビズである。

はるやまはさすがに衣料品の企業らしく、パンツの裾を10cmほどロールアップしたスタイルを採り入れている。
以前も書いたように、パンツの裾を10cm短くするだけで、熱の放出量は増えて、涼しくなる。
また短パンほどくつろいだ感じもしない。この長さがいわゆるクロップド丈や8分丈・7分丈という長さになる。

はるやまのツープライススーツショップ「パーフェクトスーツファクトリー(PSFA)」は、ホストっぽいデザインのシャツ、ネクタイが多くあまりセンスが良いとは思えないが、今回の「SAVE BIZ」のスタイルは良いと思う。

今回のスーパークールビズについて「積み重ねてきた文化を破壊する」との反対の声もある。
しかし、日本はこと紳士服に関してはほとんどが欧米からの借り物文化であり、積み上げてきた形跡はない。
「積み重ねてきた文化」と仰々しくいうなら、なんであんなにドレスコードを無視したスーツスタイルのオッチャンがオフィスに溢れているのだろうか。
また冠婚葬祭に着用している略礼服なるものは、日本独自の規格であり欧米には存在しない。
欧米の積み重ねてきた服装文化を無視した略礼服はOKで、スーパークールビズはダメという理由がわからない。
「積み重ねてきた文化破壊論」はクールビズ導入時にも述べておられる方がいた。
そもそも日本のビジネススーツ文化は、欧米の文化を見よう見まねで採り入れたもので、一般のスーツ族は「文化」とやらの知識はほとんどない。

モーニングは昼間着用で、タキシードは夜着用するということすら知らない人が大半である。

くだらない借り物の文化に固執するよりも、業界として気温に応じたスタイルを構築、提案する方がよほど建設的であり文化的である。

客数の低下が危機的状況

 ライトオンとジーンズメイトの5月度売上速報が発表された。
これまで、ほとんど同じような減少率だった2社だが、今月はくっきりと明暗が分かれた。
ライトオンは前年微減と底打ちの兆しが強まっているが、
ジーンズメイトは前年20%減と厳しいままである。
ちなみにこの2社の5月度売上速報は4月21日から5月20日までとなっている。

ライトオンの5月度売上は
既存店売上が前年比1・2%減
既存店客数が同11・4%減
既存店客単価が同11・2%増

ジーンズメイトの5月度売上は
既存店売上が前年比19・8%減
既存店客数が同32・7%減
既存店客単価が同19・2%増

しまむらの5月度売上は
既存店売上が前年比2・2%減

同じくグループ店のアベイル5月度は
既存店売上が前年比2・0%減
であり、
こちらもは前年微減と比較的堅調である。

とくにジーンズメイトの客数の大幅な減少は危機的状況にあると考えられる。
ライトオンの客数も11%低下しているのもあまり良い傾向ではないが、
ジーンズメイトの32%減に比べると、まだマシである。

蛇足であるが、ここで発表されている「客数」は「買い上げ客数」であり、
「入店客数」ではない。

「客数」が低下するということは「買い上げ客数」が減少していることであり、
それだけ店舗に魅力がない、または商品に魅力がないということである。
そのため、客数の低下は「良くない兆候」と言える。

買い上げ客数が32%も低下するということは、消費者が急速に離れているということであり、
既存店に何らかのテコ入れをしないと壊滅してしまう可能性が非常に高い。
ジーンズメイトはメンズカジュアルショップ「PLAINN」、レディースカジュアルショップ「ブルーベルマーケット」と
2つの新業態を立ち上げているが、96店舗ある「ジーンズメイト」本体に何らかの処置を施さないと、
手遅れになるのではないだろうか?
新業態開発よりも「ジーンズメイト」本体のリニューアルが緊急の課題だと思われる。

学生向けに「クールビズ着用令」を公布してはどうか?

 先日、環境省がクールビズをさらに進めたスーパークールビズを発表した。

浜岡原発の停止により、東北・関東地方だけではなく、この夏の電力が全国的に不足すると言われている。
(反対意見も諸説あるが)
このままでは、夏に冷房がほとんど使えない状態となることから、通常のクールビズではなく、さらに涼しく感じられる服装が必要となる。
そのためのスーパークールビズの提示である。

お役所が服装規定をすることにバカバカしさを感じるし、
12~14オンスのデニム生地を使用したジーンズはまったく涼しくなく、通常のサマーウールを使用したスーツのパンツの方がよほど涼しいということを先日、指摘した。

しかし、他方でポロシャツ、Tシャツ、アロハでもOKというスーパークールビズは、
日本の夏の男性のビジネススタイルを見直す良い機会だとも思う。

「マナーとしてきちんとした服装をすべきだ」という意見もわかるが、
真夏に上着とネクタイを着用するスタイルは日本の気候に反しており、以前から無意味だと考えていた。
スーツスタイルは、夏でも涼しいヨーロッパで考え出されたものである。
ヨーロッパのスポーツ中継を見ていると、多くの観客は真夏でも長袖のカーディガンなどを羽織っており、まれにブルゾンを着用している人もいる。
いかにヨーロッパの真夏が涼しいのかよくわかる。

一方、日本の夏は高温多湿であり、近年その高温ぶりには拍車がかかり、
東京や大阪では35度以上の気温が続くことも珍しくなくなっている。
おまけに湿度は70%を越えている。
こんな気候で、上着を着てネクタイを締めている必要があるのだろうか。
上着着用でネクタイを締めている状態なら、
室内の空調を25度以下にしないとまったく涼しくない。
冷房温度を上げるために、上着着用とネクタイを止めるというクールビズは理にかなっている。

日本よりも高温多湿な香港ではエグゼクティブはスーツ姿だが、
冷房温度がものすごく低く設定されている。台湾も同じだ。
その他のアジア諸国では、冷房を効かせることができる状況にある人は
スーツ姿だが、そうでない人は軽装である。
エグゼクティブでもない大多数の日本人が、エグゼクティブと同じ服装をする必要があるのだろうか。
もう少し気候に応じた服装で良いのではないか、と働き始めたころから感じていた。
今回のスーパークールビズは、そういう意味では良い試みだと思う。

しかし、そのスーパークールビズへの反応でこんな記事が掲載された。

就活もクールビズで 企業呼びかけも学生鈍く
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110522-00000101-san-bus_all

 夏の冷房を控えることが予想される中、ソニーは学生に「リクルートスーツをご用意いただく必要はありません」と告知。面接官もクールビズで臨む。

 5月に採用活動を再開した富士通ネットワークソリューションズも、人事担当者がブログでクールビズを学生に呼びかけている。就職支援サイト「リクナビ」の岡崎仁美編集長は「スーツの着用が必ずしも必要でない企業は、積極的に学生にアナウンスしてほしい」と話す。

 夏を乗り切るリクルートスーツとしては手軽に洗えるものが人気だが、あえて「脱スーツ」を打ち出したのが、はるやま商事。節電事情を踏まえたシリーズ「SAVE BIZ(セーブビズ)」を6月末から販売する。裾のロールアップ(巻き上げ)を前提としたパンツや7分丈の短パンといった商品を、学生に“模範スタイル”としてPRしていく。同社の横山健一郎・社長室長は「スーツもOKですが、わが社への就活は『SAVE BIZ』でお越しください」と話す。

 一方の学生側はどうか。高島屋は学生たちに「服装は選考に影響はありません」と伝えている。しかし、男女とも100人中99人の割合でリクルートスーツ。各企業の面接控室では上着を脱がず、暑さに耐える学生が多いという。

とのことである。
ここに挙げられた企業の呼びかけはまことに適切だと思う。
とくに、はるやまは流石に衣料品の会社であり、もっとも涼しく感じるであろう7分丈パンツの着用を許可している。ちなみに7分丈パンツというと、ふくらはぎの真ん中くらいの長さである。

その呼びかけに乗らない学生の気持ちもわからないではない。

しかし、結局、役所がクールビズ、スーパークールビズを設定しなければならなかったのも、
この学生たちと同じ行動をサラリーマン諸氏が取ったからである。
役所がある程度強制的に着用を迫る必要があったということである。
明治に発令された洋装令以来、日本人の衣服に対する考え方は何も変わっておらず、
平成の世でも「クールビズ着用令」が発令されないと、着用する衣服は変わらなかった。

就職活動の学生にもクールビズ、スーパークールビズを着用させるには、
環境省が再度「学生向けスーパークールビズ着用令」を公布しなくてはならないのではない。

4月の全国百貨店売上高は前年微減に持ち直し

 4月の全国百貨店の売上高は前年比1・5%減と、ほぼ前年並みの実績だった。
3月は震災の影響で、当たり前のことだが、大きく売上を落としていた。
そこから考えると4月は東北地方を除いてはほぼ好調だったと考えても良いのではないだろうか。

全国主要10都市で見ると、
当然のことながら、東京の売上構成比が最も高く、24・2%であるが、
第2位は大阪で、売上構成比12・9%を占める。
増減をみると、東京は、やっぱり震災の影響も多少あるのだろうか、前年比5・5%減だが、
大阪はなぜか前年比4・7%増と10都市中最も増加率が高かった。

消費マインドが減退したと言われ続けて久しい大阪の百貨店が4月はかなり好調だったことが分かる。

おそらく、大阪では大丸梅田店の増床リニューアルグランドオープン(4月19日)がプラスに働いているのではないだろうか。また、3月上旬に増床オープンした難波高島屋も、従来から強かった年配層客の売り上げをさらに伸ばしていると聞いている。このあたりも前年増の要因ではないかと推測される。
ちなみに高島屋は若い客層向けの売り場も強化しているが、こちらはあまり評判を聞かないので、実際それほど伸びてはいないようだ。
近隣にはヤングに強いマルイ難波店や地下街なんばシティ、やや距離は離れているが、旬のブランドをそろえた複合商業施設なんばパークスがあるので、わざわざ若年層向けのブランドを強化する必要があったのかどうか疑問を感じる。

カンフル剤のようなリニューアル効果があったとはいえ、大阪のムードも少し明るくなることを期待したい。

しかし、手放しで喜んでばかりもいられない。
全般的に春物衣料は動いていないし、在庫も山積みとなっている。
また先月から各ジャンルのブランドで2011秋冬展示会を開催しているが、
全体的に見れば、バイヤーの来場数はイマイチだという。

春物在庫を過剰に抱えている現状では、
秋冬物の仕入れ枠がほとんどない状態なのだろうと推測される。

アパレル業界自体の先行きは不透明どころか、かなり危うい。

夏物セールまであと1カ月弱。 年々早まるセール時期

 レディースアパレルメーカー各社の展示会にお邪魔すると、
ほとんどのメーカーが口をそろえて「春物が大量に余っている」という。
もちろん例外のメーカーもあることは言うまでもない。

当然のことながら、ショップでも春物はあまり動かなかったようだ。
こちらももちろん例外はある。

春物が動かなかった理由として、

1、震災の影響で3月の売れ行きが悪かった。地域によっては営業停止や営業時間短縮があった
2、3月、4月が例年よりも気温が低かった

大きく分類するとこの2点ではないだろうか。
4月末からのゴールデンウイークの売れ行きはある程度好調なところが多かったようだが、
急に気温が上がったために、夏物が動いて春物が動かなかった。

このため、3月末から言われていたことなのだが
「今夏のセールはかなり早まる」ことになりそうだ。
1つには春物の在庫が余っているため、早めに叩き売りたいというメーカー、ショップの心理がある。
もう1つには、震災で被災した東北・北関東で消費されるはずだった商品が大量に余っている。

ということが挙げられるだろう。

このため、郊外型ショッピングセンターや一部の専門店では
6月16日ごろから全館セールがスタートすると言われている。
例年、夏冬のセール時期はどんどん早まっており、
昨年の夏のセールは、ショッピングセンターなどでは6月25日前後から始まっていた。
今年は、それがさらに10日早まることになりそうだ。

一方、7月1日バーゲンスタートを守るファッションビルなどもあるが、
5月の気温推移を見ていると、意外に涼しい気温が多いように感じる。
とくに東京は最高気温17度とか14度の日があった。
このため、7月1日でもまだ本格的な暑さは到来していないのではないだろうか。
7月1日バーゲンスタートでも、気候的には「早すぎる」とも言える。
そのため、夏物は例年のことなのだが、本格的な実需期よりもかなり手前で値下げされることになっている。

あと1カ月弱でセールが始まるので、
夏物が欲しい人は、今買わずにもう少し我慢した方がお得だろう。

全価格を統一ブランドで展開していたボブソン

 先日、経営破綻したボブソンが、まだ営業譲渡する前のことになるから2009年秋以前のこと。

ブランド戦略として疑問を感じたことがあった。

当時は専門店向け・百貨店向けの中高額商品も、
量販店向けの2900円~4900円も自社で展開していた。
2009年秋の営業譲渡後は専門店・百貨店向けの商品群に特化することとなる。

当時のボブソンは8900円以上の高額商品も、
2900円の量販店向け商品もすべて「ボブソン」ブランドで統一展開していた。

そこが釈然としなかったのだが、担当者は
「トヨタはマークⅡもカローラも低価格品から高額品まで全部『トヨタ』ブランドで統一しているじゃないですか。
当社も同じことです」
とおっしゃっていた。

これにどうにも納得がいかなくて、その後何年間か考えたのだが、
トヨタは「ブランド」というよりは、ここでいう場合は製造企業名であって、
「マークⅡ」とか「カローラ」という車種名がブランドではないかと思う。

同じジーンズ専業メーカーのビッグジョンは、
高額品のメンズを「ビッグジョン」、高額商品のレディースを「ブラッパーズ」、
量販店向けを「GLハート」とブランド分けしている。
こちらの方が消費者としては分かりやすいのではないだろうか?

2900円~15000円くらいまでの商品がすべて「ボブソン」という統一ブランドでは
逆に消費者が区別しにくいと今にして思う。

レーヨン素材の「04ジーンズ」が廃れた後も、
旧ボブソンはアイデア商品の好きな企業で、
紫外線で変色するジーンズとか、保温素材を使ったHOTジーンズとか
変則商品をいろいろと発表していた。
その中で、HOTジーンズは「少し時代より早かったのかなあ」と惜しい気持ちがする。
ユニクロが保温ジーンズや防風ジーンズを発表する数年以上前に開発していたからだ。

また、ボブソンで思い出す事柄があれば、不定期に触れたいと思う。

1 / 2ページ

©Style Picks Co., Ltd.