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南充浩 オフィシャルブログ

服装一つ自主的に決められない日本企業の惨状

2011年5月31日 未分類 0

 スーパークールビズが発表されたものの、服装の是非が取りざたされて、一部の企業を除いてはあまり進む気配が感じられない。
ポロシャツでは相手先に失礼になるのではないか?という意見が多いようだが、
全企業がポロシャツになれば、失礼もクソもない。
そういう方々は、昨年並みの猛暑となったと仮定して、気温35度・湿度70%・冷房なしの状態で、脱水症状になっても「失礼にあたるから」と上着を着用し続ければ良い。

例えば、ハワイではアロハが正装とされており、
ホテルの従業員もアロハを着用している。
ハワイのホテルに行って「こいつら失礼極まりない」と怒る人がいるのだろうか?

今回のスーパークールビズ騒動の発端は電力不足であるとはいえ、
政府に服装のガイドラインを決めてもらうというのは、服装後進国であることを暴露してしまったといえる。

読売新聞「ニュースで学ぶNGスタイル」から平井義裕さんの言葉を引用すると

いい年をした大人が、ドレスコードがないとコーディネートを決められないというのも情けないのです。今回の環境省の制定した「スーパークールビズ」は、「まだ日本はファッション後進国です」と世界に発信してしまったようなものです。

ということになる。

これでは、国策してデザイン業界に対して莫大な資金を投下している韓国にも早晩、日本はこの分野でも負けてしまうだろう。

これまで、日本の男性はあまりにも「とりあえずスーツ」「とりあえずネクタイ」という安直な服装が多かった。
居酒屋での「とりあずビール」じゃないんだからと思う。
そして、カジュアルとフォーマルの違いも自分で考えてこなかった。
自分の洋服を自分で選ばずに妻に選んで買ってきてもらう男性があまりにも多い。
だから、オチマーケティングオフィスの生地雅之さんが常々から提唱していらっしゃるように
「男性服売り場でも実際に買いに来るのは奥様が多いので、什器の背丈は低めにしましょう」という
手法が必要になるのである。

妻が勝手に買ってくるから、サイズ感のおかしな服を着ている男性が多い。
服は必ず試着してみないとジャストサイズがわからない。
男性は売り場に来ないので、妻が選ぶことになるが、そのときに妻は
「もし小さかったら困る。確実に着られるサイズを選ぼう」と考える。
そうすると、MよりはLに、LよりはLLにということになり、
男性は常にワンサイズ大きめの服を着ることになる。
洋服に関しては「大は小を兼ねる」ということにはならない。
ヒップホップアーティストではないのだから、ワンサイズ大きめの洋服はあまりにもおかしい。

先日、朝日新聞でスーパークールビズについて
ユナイテッドアローズのクリエイティブアドバイザーの栗野宏文・上級顧問は
日本の男性について、「常に制服としてのスーツ姿で、場面に合わせて選択してこなかった」と感じる。「本来何を着るべきか、服の本質に立ち返る機会になるのでは」

http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000001105260002

と指摘しておられたが、まさにその通りである。

これまでカジュアルフライデー(死語)だなんだかんだと言われてきたが、
年配男性は一向に洋服に無頓着なままで、一向に変わらなかった。
その価値観を今回の電力不足のクールビズにまで押しつけるのはいかがなものだろうか?

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