「SAVE BIZ」を業界に先駆けて提案したはるやまの姿勢を評価したい
2011年5月25日 未分類 0
先日、ある知り合いから
「アパレル、ファッション業界のスーパークールビズ対応について教えてほしい」と言われた。
今月、環境省からスーパークールビズの発表があったばかりで、アパレル・ファッション業界もどの程度対応するのか模様眺めをしているのだろうと思う。
知る限りでは、具体的な打ち出しを行っているブランドはない。
しらべていくと、
紳士服チェーン店のはるやまが「SAVE BIZ(セイブビズ)」と名付けていち早く積極的に提案を行っていることがわかった。
http://journal.mycom.co.jp/news/2011/05/17/026/index.html?rt=mt
このマイコミジャーナルに全文が掲載されている。
今夏のクールビズは、これまでと違って
「電力供給が足りなくなるかもしれないので、冷房はほとんど使うことができない」前提がある。
(この電力不足は原発推進派のデマで、実際は電力供給は足りているという説もある)
一方、これまでのクールビズは
「冷房は使えるのだけれどもCO2削減のために冷房温度を2~3度上げましょう」というもので、
冷房は使えるという前提であり、どうしようもなく暑いと感じれば冷房温度は下げられた。
(これにも異論があって、冷房温度を上げても電気代節約にはなるが、CO2削減には効果なしという説もある)
今回のはるやまの対応は素早く、積極的で
いち早くスタイルの提案を打ち出したところを個人的には評価をしたい。
「SAVE BIZ」には電力節約を助けましょうという意味が込められている。
具体的にどのようなルックスになるのかをマイコミジャーナルのイラストを引用して見ていただく。
真中がこれまでのクールビズで、
右から2番目と右端が今回のセイブビズである。
はるやまはさすがに衣料品の企業らしく、パンツの裾を10cmほどロールアップしたスタイルを採り入れている。
以前も書いたように、パンツの裾を10cm短くするだけで、熱の放出量は増えて、涼しくなる。
また短パンほどくつろいだ感じもしない。この長さがいわゆるクロップド丈や8分丈・7分丈という長さになる。
はるやまのツープライススーツショップ「パーフェクトスーツファクトリー(PSFA)」は、ホストっぽいデザインのシャツ、ネクタイが多くあまりセンスが良いとは思えないが、今回の「SAVE BIZ」のスタイルは良いと思う。
今回のスーパークールビズについて「積み重ねてきた文化を破壊する」との反対の声もある。
しかし、日本はこと紳士服に関してはほとんどが欧米からの借り物文化であり、積み上げてきた形跡はない。
「積み重ねてきた文化」と仰々しくいうなら、なんであんなにドレスコードを無視したスーツスタイルのオッチャンがオフィスに溢れているのだろうか。
また冠婚葬祭に着用している略礼服なるものは、日本独自の規格であり欧米には存在しない。
欧米の積み重ねてきた服装文化を無視した略礼服はOKで、スーパークールビズはダメという理由がわからない。
「積み重ねてきた文化破壊論」はクールビズ導入時にも述べておられる方がいた。
そもそも日本のビジネススーツ文化は、欧米の文化を見よう見まねで採り入れたもので、一般のスーツ族は「文化」とやらの知識はほとんどない。
モーニングは昼間着用で、タキシードは夜着用するということすら知らない人が大半である。
くだらない借り物の文化に固執するよりも、業界として気温に応じたスタイルを構築、提案する方がよほど建設的であり文化的である。