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南充浩 オフィシャルブログ

製造加工業

繊維の製造加工業は外野が想像するよりも自動化・省人化は進んでいるが・・・

2023年8月10日 製造加工業 3

世間はそろそろお盆休みである。もちろん多くの小売店や飲食店はそうではない。 そんなわけで明日から15日まで更新しないでおく。   何年も前から言われていたが、コロナ禍以降、国内のあらゆる分野で人手不足が顕在化している。移民を受け入れたがっている人もいるが、欧州の暴動の惨状やアメリカの暴動を見ていると、安易な移民受け入れには当方は反対である。 とはい

「椅子が少なくてプレーヤーが多い椅子取りゲーム」という様相のアパレルOEM業界

2023年7月27日 製造加工業 1

2000年代半ばごろまでは、アパレル企業から独立した人がまた小規模なアパレル企業を設立することが多かった。最大公約数的に言うと、大手の〇〇アパレルから独立してまたアパレルを設立したというタイプである。設立したアパレルがそれなりに中堅規模にまで育つということも珍しくなかった。 2000年代前半からその傾向はでていたものの、2000年代半ば以降になるとアパレルか

繊維・衣料品の生産の国内回帰が大幅に増えることはあり得ない

2023年7月12日 製造加工業 0

繊維・アパレル業界では「生産の国内回帰」が20年くらい前から議題の一つとなっているが、実現した試しがない。 数量ベースの生産比率でいえば、毎年着実に低下しており22年度の統計データでは国産比率は1・5%になっている。実数で言っても6600万枚強にまで減っていて、前年比2・8%減である。 コロナ禍による海外サプライチェーンの乱れ・海外物流の乱れから衣料品生産の

いつでもどこでも誰でも全く同じ生地を製造できるわけではないという話

2023年7月10日 素材 3

皆さんこんにちは!USです。   今回は最近よく感じることを書こうと思います。   世の中には継続的に生産され、流通している物がたくさんあります。 もちろん繊維業界でも定番的にずっと売り続けている物はあり、服はもちろん、生地、糸、ボタン、ファスナー、芯地に至るまで多くのメーカーが定番品番として継続して販売を続けている物があります。 &nb

大サイズでも衣料品の値段が変わらない話と半ズボンがあまり安くないという話

2023年7月4日 製造加工業 2

ファッション専門学校の改革案については様々な方が提言をされている。 ただ、全員の意見をそのまま反映することは「船頭多くして船山に上る」ことになりかねないので、どれを取り入れてどれを取り入れないのかという精査が必要になる。 個人的に生徒のもっと教えた方が良いのではないかと思う事案として「衣料品の製造コストの構造」を挙げたい。業界に携わっていない人はほとんど衣料

衣類の国内生産数量はゼロにはならないが増加することはないという話

2023年6月21日 製造加工業 1

2022年の衣類の国内供給量が発表された。 22年の衣類国内供給量 輸入が膨らみ前年比2.5%増 輸入浸透率は98.5%へ上昇 | 繊研新聞 (senken.co.jp) 22年の衣類国内供給量は前年比2.5%増だった。日本繊維輸入組合が公表した「日本のアパレル市場と輸入品概況2023」によると、数量は37億2770万点。コロナ禍の影響で落ち込んだ20年と比

繊維製品で今以上の小ロット生産を求められても対応できる機械が無いという話

2023年6月7日 製造加工業 1

4月上旬から5月連休明けにかけて、久しぶりに岡山、児島、福山の各種工場を回らせてもらった。洗い加工場、整理加工場、染色加工場である。 今回、特に染色加工場についてなのだが、洗い加工場に比べて、導入されている機械設備がかなり大きい。洗い加工場の機械設備はどちらかというと小さい。 これは洗い加工場の出自が関係していると考えられる。ジーンズの洗い加工が原点であるた

衣料品OEM生産において大手商社の存在意義が薄れているような気がする

2023年5月12日 製造加工業 1

国内のアパレル企業・SPAブランド・大手セレクトショップのオリジナル商品の製造を支えていて、場合によっては企画自体も支えているのがOEM屋(ODM含む)という業態である。これがあるから、ド素人のインフルエンサー、ド素人のタレントが簡単にオリジナル衣料品ブランド、オリジナル衣料品を企画製造できてしまう。 ただ、一口にOEM屋(ODM含む)と言っても、その出身は

アパレルOEM業者の淘汰は今後さらに激しさを増す

2023年5月11日 経営破綻 0

コロナ禍が始まって丸三年が経過し、四年目に突入している。22年後半から行動されたことからされたことから経済は回復しつつある。 この3年間でアパレル企業の倒産はいくつもあったが、ここにきて、コロナ融資の返済期限が来たこともあるのか、23年になってからアパレル企業の倒産のペースが増えていると感じる。 このところの倒産傾向を見ていると、アパレル企業よりもOEM関係

反毛(はんもう)で作られた素材の品質が劣化するのは当たり前という話

2023年4月28日 製造加工業 0

「反毛(はんもう)」というリサイクル技術がある。 戦前・戦後直後には結構な軒数の「反毛屋」があったと聞くが、高度経済成長、バブル経済を経てだいぶと減ってしまったと言われている。 それが、近年作られたサステナブルブームによって再注目され始めた感じがする。とは言っても、反毛屋の軒数が増加に転じることはあり得ないだろうが。   反毛というのは、不要になっ

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