MENU

南充浩 オフィシャルブログ

素材

いつでもどこでも誰でも全く同じ生地を製造できるわけではないという話

2023年7月10日 素材 3

皆さんこんにちは!USです。   今回は最近よく感じることを書こうと思います。   世の中には継続的に生産され、流通している物がたくさんあります。 もちろん繊維業界でも定番的にずっと売り続けている物はあり、服はもちろん、生地、糸、ボタン、ファスナー、芯地に至るまで多くのメーカーが定番品番として継続して販売を続けている物があります。 &nb

大サイズでも衣料品の値段が変わらない話と半ズボンがあまり安くないという話

2023年7月4日 製造加工業 2

ファッション専門学校の改革案については様々な方が提言をされている。 ただ、全員の意見をそのまま反映することは「船頭多くして船山に上る」ことになりかねないので、どれを取り入れてどれを取り入れないのかという精査が必要になる。 個人的に生徒のもっと教えた方が良いのではないかと思う事案として「衣料品の製造コストの構造」を挙げたい。業界に携わっていない人はほとんど衣料

衣類の国内生産数量はゼロにはならないが増加することはないという話

2023年6月21日 製造加工業 1

2022年の衣類の国内供給量が発表された。 22年の衣類国内供給量 輸入が膨らみ前年比2.5%増 輸入浸透率は98.5%へ上昇 | 繊研新聞 (senken.co.jp) 22年の衣類国内供給量は前年比2.5%増だった。日本繊維輸入組合が公表した「日本のアパレル市場と輸入品概況2023」によると、数量は37億2770万点。コロナ禍の影響で落ち込んだ20年と比

繊維製品で今以上の小ロット生産を求められても対応できる機械が無いという話

2023年6月7日 製造加工業 1

4月上旬から5月連休明けにかけて、久しぶりに岡山、児島、福山の各種工場を回らせてもらった。洗い加工場、整理加工場、染色加工場である。 今回、特に染色加工場についてなのだが、洗い加工場に比べて、導入されている機械設備がかなり大きい。洗い加工場の機械設備はどちらかというと小さい。 これは洗い加工場の出自が関係していると考えられる。ジーンズの洗い加工が原点であるた

衣料品OEM生産において大手商社の存在意義が薄れているような気がする

2023年5月12日 製造加工業 1

国内のアパレル企業・SPAブランド・大手セレクトショップのオリジナル商品の製造を支えていて、場合によっては企画自体も支えているのがOEM屋(ODM含む)という業態である。これがあるから、ド素人のインフルエンサー、ド素人のタレントが簡単にオリジナル衣料品ブランド、オリジナル衣料品を企画製造できてしまう。 ただ、一口にOEM屋(ODM含む)と言っても、その出身は

アパレルOEM業者の淘汰は今後さらに激しさを増す

2023年5月11日 経営破綻 0

コロナ禍が始まって丸三年が経過し、四年目に突入している。22年後半から行動されたことからされたことから経済は回復しつつある。 この3年間でアパレル企業の倒産はいくつもあったが、ここにきて、コロナ融資の返済期限が来たこともあるのか、23年になってからアパレル企業の倒産のペースが増えていると感じる。 このところの倒産傾向を見ていると、アパレル企業よりもOEM関係

反毛(はんもう)で作られた素材の品質が劣化するのは当たり前という話

2023年4月28日 製造加工業 0

「反毛(はんもう)」というリサイクル技術がある。 戦前・戦後直後には結構な軒数の「反毛屋」があったと聞くが、高度経済成長、バブル経済を経てだいぶと減ってしまったと言われている。 それが、近年作られたサステナブルブームによって再注目され始めた感じがする。とは言っても、反毛屋の軒数が増加に転じることはあり得ないだろうが。   反毛というのは、不要になっ

素材と洋服の製造に中間業者が欠かせない理由

2023年4月20日 製造加工業 0

D2Cだかインフルエンサーブランドだかで「中間業者を飛ばしました」というフレーズを金科玉条のごとく振りかざしているケースが多いと感じる。 しかし、基本的には糸・生地・洋服という工程は多段階に分かれているので、全てを直接ブランド側がやり取りしてコントロールすることはほぼ不可能に近い。もちろん、そちらの方面に詳しいスタッフを抱えているブランドもあるが、経験上は業

繊維の製造加工業とメディアの認識の食い違い

2023年4月14日 製造加工業 0

アパレルブランドの展示会やイベントで、デザイナーや企画担当者、スタイリストなどの話を聞く機会はそれなりに多くあったのだが、彼・彼女らが「このコーディネイトがイケてるんですよ」という理由を説明されてもイマイチ理解できないことがままあった。 当方は彼・彼女らほどにはファッションに興味が無いし、センスも無い。熱意だって怪しい。マス層の大多数が「カッコイイ」と評価す

繊維の製造加工場は可能な部分はできるだけ機械化・全自動化を進めるべき

2023年4月13日 製造加工業 4

少し以前、何の気無しに見ていたYouTubeに「金属削り工場」の動画がサジェスチョンされたので、ついでに視聴してみた。 改めて検索してみたが出てこないので、当方の記憶を基に文字で説明するが、拙い文章力なので恐らくは伝わりにくいことをお許しいただきたい。 金属の塊をワイングラスの脚のように細長く削り出すという作業なのだが、これが人間の手でないと不可能なのだとい

南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ