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南充浩 オフィシャルブログ

製造加工業

価格が高いことと着心地が良いことは必ずしも一致しないという話

2024年4月22日 製造加工業 0

個人的な洋服の評価基準だが、似合うか似合わないかという点は除外して 1、着ていて楽なこと 2、少々雑に扱っても破損しにくいこと 3、防水や吸水速乾の機能性があること 4、洗濯機を使った家庭洗濯できること あたりである。 一つずつ補足していくと、まず1だが、2000年代のようなピチピチピタピタはやっぱりしんどいのでもう2度と着用したくない。あと、昔ながらの製法

身近な物でも本当に理解できている物は少ないという話

2024年4月17日 製造加工業 0

生地というのは一見しただけでは何がどうすごいのかがわかりにくいと感じる。 もちろん、当方が鈍感であることは認めるが、一見しただけでは「普通」に見えることが多く、いろいろと解説を聞いて初めて「なるほど、それはすごい技術だ」と感心してしまうということがある。 先日、御厚意でセーレンさんの展示会を覗かせてもらった。 セーレン株式会社 (seiren.com) 業界

アパレル向けODM業界も生き残り競争が年々激化しているという話

2024年4月10日 製造加工業 0

90年代にちょっとしたデザイナーズブームがあった。 東京、大阪で独立を果たした個人デザイナーが相次いでデビューした。 しかし、実際に自身のブランドだけで生計を立てている人は少なく、多くのデザイナーはアパレル企業からの外注デザインを請け負うことで生計を立てていた。 当方が業界紙記者になったのは97年のこと。その当時もまだ余波は残っていて、実際に独立したばかりと

マストレンドの変化が少ないと大手ブランドの寡占化がさらに高まる可能性

2023年12月19日 製造加工業 0

最先端層はどうだか知らないし興味も無いが、衣料品のマストレンドの変化はかなり緩やかだと感じる。というかここ3年くらい何も変わっていないとさえ感じる。 何度も書いているが強いて挙げれば、今秋から靴がハイテクスニーカーから合皮も含んだレザー系シューズに変わりつつあるくらいである。 メンズカジュアルは特にそうだがレディースカジュアルでさえ、今秋冬物と昨年秋冬物の衣

ほぼ死語化した「アパレルのクイックレスポンス対応」

2023年11月2日 製造加工業 2

クイックレスポンス(QR)対応という言葉も繊維アパレル業界ではなんだか死語の世界に入りつつある。 今、この言葉を公的に使っているアパレル企業は皆無ではないだろうか。 90年代後半から2000年代半ばにかけて、各社ともにQR対応に取り組んできたが、いくら追求したところである一定の日数までは縮めることができてもそれ以上には短縮できないことがハッキリした。 QR対

オリジナルブランドを立ち上げるならターゲット設定は重要という話

2023年8月29日 製造加工業 5

当方が働き始めたのは90年代のバブル崩壊以降なので、70年代~80年代の国内アパレル市場の動向やら雰囲気は分からない。体験していないからだ。 業界の多くのご先輩方からは「当時は作ったら作っただけ簡単に売れた」というお話をよく聞く。もちろん不振で倒産するアパレルも多々あったが、それ以上に好調なアパレル企業の方が多かった。 以前話題となった「アパレル興亡」という

「面白いけど使い道の無い技術」は無駄かもしれないが役に立つこともある

2023年8月17日 製造加工業 0

国内の繊維製造加工業は分業制だということは業界内では広く知られているはずである。 2000年代後半以降に言われていたことは「最新のアジアの工場は一貫生産だからある意味で日本よりやりやすいところが多い」ということだが、今更、国内工場を一貫生産型に集約することは難しい。 自主的に一貫生産化した工場は一部にはあるが、広く工場全体を一貫化することは難しい。何よりも各

繊維の製造加工業は外野が想像するよりも自動化・省人化は進んでいるが・・・

2023年8月10日 製造加工業 3

世間はそろそろお盆休みである。もちろん多くの小売店や飲食店はそうではない。 そんなわけで明日から15日まで更新しないでおく。   何年も前から言われていたが、コロナ禍以降、国内のあらゆる分野で人手不足が顕在化している。移民を受け入れたがっている人もいるが、欧州の暴動の惨状やアメリカの暴動を見ていると、安易な移民受け入れには当方は反対である。 とはい

「椅子が少なくてプレーヤーが多い椅子取りゲーム」という様相のアパレルOEM業界

2023年7月27日 製造加工業 1

2000年代半ばごろまでは、アパレル企業から独立した人がまた小規模なアパレル企業を設立することが多かった。最大公約数的に言うと、大手の〇〇アパレルから独立してまたアパレルを設立したというタイプである。設立したアパレルがそれなりに中堅規模にまで育つということも珍しくなかった。 2000年代前半からその傾向はでていたものの、2000年代半ば以降になるとアパレルか

繊維・衣料品の生産の国内回帰が大幅に増えることはあり得ない

2023年7月12日 製造加工業 0

繊維・アパレル業界では「生産の国内回帰」が20年くらい前から議題の一つとなっているが、実現した試しがない。 数量ベースの生産比率でいえば、毎年着実に低下しており22年度の統計データでは国産比率は1・5%になっている。実数で言っても6600万枚強にまで減っていて、前年比2・8%減である。 コロナ禍による海外サプライチェーンの乱れ・海外物流の乱れから衣料品生産の

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