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南充浩 オフィシャルブログ

アパレル向けODM業界も生き残り競争が年々激化しているという話

2024年4月10日 製造加工業 0

90年代にちょっとしたデザイナーズブームがあった。 東京、大阪で独立を果たした個人デザイナーが相次いでデビューした。 しかし、実際に自身のブランドだけで生計を立てている人は少なく、多くのデザイナーはアパレル企業からの外注デザインを請け負うことで生計を立てていた。 当方が業界紙記者になったのは97年のこと。その当時もまだ余波は残っていて、実際に独立したばかりと

アパレルOEM業者の淘汰は今後さらに激しさを増す

2023年5月11日 経営破綻 0

コロナ禍が始まって丸三年が経過し、四年目に突入している。22年後半から行動されたことからされたことから経済は回復しつつある。 この3年間でアパレル企業の倒産はいくつもあったが、ここにきて、コロナ融資の返済期限が来たこともあるのか、23年になってからアパレル企業の倒産のペースが増えていると感じる。 このところの倒産傾向を見ていると、アパレル企業よりもOEM関係

素材と洋服の製造に中間業者が欠かせない理由

2023年4月20日 製造加工業 0

D2Cだかインフルエンサーブランドだかで「中間業者を飛ばしました」というフレーズを金科玉条のごとく振りかざしているケースが多いと感じる。 しかし、基本的には糸・生地・洋服という工程は多段階に分かれているので、全てを直接ブランド側がやり取りしてコントロールすることはほぼ不可能に近い。もちろん、そちらの方面に詳しいスタッフを抱えているブランドもあるが、経験上は業

アパレルOEM事業が儲かりにくくなった理由

2023年2月14日 製造加工業 4

現在、一部のブランド、特に工場や製造関係が立ち上げた「ファクトリーブランド(それに類する物も含む)」を除いて、「OEM屋」無しでは洋服の企画製造が成り立たなくなっているというのが実態である。 逆に、本来は「ファクトリーブランド(同)」のはずなのに、OEM屋に仕事を依頼するブランドすらある。 この状況だけを聞くと「OEM屋はウハウハだろう」と思われがちだが、O

アパレルOEM業者の期待の新星だったホープインターナショナルの倒産に見る業界の問題点

2023年2月2日 倒産 13

OEM・洋服リフォームのホープインターナショナルワークスが倒産した。 数年前まで好調企業として業界内では噂されていたから驚きである。ただ、2020年以降はさっぱり噂を聞かなくなっていたから、今から思うと内情はかなり厳しかったと推測される。 各種の報道を見てみよう。 ホープインターナショナルワークス、自己破産申請へ  | 繊研新聞 (senken.co.jp)

長所と短所は裏表 ~苦境に立つ商社のアパレル向けOEM生産~

2022年5月19日 トレンド 1

繊維・衣料品業界を回っていると、だいたい同じような情報を手にする。 それをどう捉え分析するのかは個人個人によって異なる。   《めてみみ》痛み分け | 繊研新聞 (senken.co.jp) まあ、見出しだけでは何のことやらさっぱりわからないが、本文を見てみよう。 商社の衣料品OEM(相手先ブランドによる生産)事業が苦境に立っている。昨年より〝マシ

衣料品OEM業者の性質と存在意義を理解しないまま使っている?

2022年5月16日 製造加工業 0

ウェブ空間を眺めていると毎年無数の洋服ブランドが誕生している。 洋服ブランドはどれほど高尚なコンセプトを掲げていようと、よほど斬新なビジネスモデルを確立した少数を除くと、基本的には「服」という「物」を売ってナンボであるから、「服作り」というのは、ブランドの生命線の一つだといえる。 で、この「服」の作り方だが、無数の新ブランドとはいえ、大きく2つに分かれる。

アパレルの物作りを支えてきたOEM屋も急速に素人化が進んでいるという話

2022年2月1日 製造加工業 2

アパレルは参入障壁が低い。 それはOEM・ODMを手掛ける会社が無数に存在して、そこに依頼すればド素人でもオリジナル商品が作れてしまうからだ。 今ならインフルエンサー、昔なら読者モデル、タレントなどがいとも簡単にオリジナル商品を作れてしまうのは、OEM・ODM会社が存在するからだ。(以降OEMに統一する)   小規模OEM業者の生き残りも厳しい状況

小規模OEM業者の生き残りも厳しい状況となったアパレル業界

2022年1月19日 トレンド 4

当方が業界紙記者となったのは97年で、当時はアパレル企業から独立した人が自前の小規模アパレルを作ることがまだ主流だった。 野心的な若い人、不祥事も含めて何らかの理由でアパレル企業を退職した中高年はだいたい小規模アパレル企業を立ち上げた。 2005年を越えたあたりから、独立組が小規模アパレルを立ち上げることは減り、OEM・ODM会社を立ち上げることの方が増えて

衣料品の「製造の多層化」が進む理由

2021年7月8日 製造加工業 2

猫も杓子もD2Cで笑えてくるのだが、有象無象のD2Cが増えすぎ、わけのわからない仕入れ品販売までがD2Cを名乗っている。 そういう有象無象のD2Cは必ず「中間段階を排除して割安な良品を提供する」と唱えるのだが、欧米各国の事例は知らないが、我が国内でいうなら、流通段階はこの25年間くらいでかなり整理されている。 問屋が何重にも介在するなんてことは、ほとんど無く

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