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南充浩 オフィシャルブログ

2019年11月 の記事一覧 : 20件

ホールガーメントの利点は「着心地の良さ」とか「フィット感」とかではない

2019年11月29日 製造加工業 0

何度も書いているが、無縫製の一体成型ニット、ホールガーメントの謳い文句には疑問しかない。 無縫製なので着心地が良いというのは全くの嘘である。 なぜなら、肌着やTシャツなら縫い目が肌に触れてかぶれたり、かゆかったりすることがある。しかし、セーターを素肌に着る人はほとんどいない。多くの人は下着の上かTシャツの上か、シャツ・ブラウスの上から着る。 となると、縫い目

自社のビジネスモデルを見誤ると必ず失敗する

2019年11月28日 企業研究 1

当方は家具、インテリアにはほとんど興味がない。 もともと興味がないことに加えて、客が家に来ることもないから余計に興味を持てない。来るとすると、法事の際の親戚くらいで、あと最近は、過度の飲酒で老衰した老父への福祉関係の人くらいである。 それにしても過度の飲酒はつくづく老化を加速させると感じる。50歳とか60歳くらいまでは平気でも、ある一定年齢を越えると、突然に

外資低価格ブランドが日本から撤退する理由は国内低価格ブランドに負けたから

2019年11月27日 企業研究 0

フォーエバー21の経営破綻による日本撤退と、アメリカンイーグルの日本撤退によって、2008年ぐらいから世間を沸かせた外資SPAブランドがほとんど日本市場から消えたことになる。 主なブランドで残っているのはGAP、ZARA、H&Mの巨大ブランドのみだ。もちろん、ZARAのインディテックスがやっている別ブランドのベルシュカや、GAPの別ブランドであるバナ

アメリカンイーグルが売れなかった理由を考えてみた

2019年11月26日 企業研究 4

アメリカンイーグルの全店閉鎖が発表された。 青山商事がアメリカンイーグル事業から撤退する際に想像された結末である。 2012年に鳴り物入りで導入されたアメリカンイーグルだったが、結局、鷲は鳴かず飛ばずに終わった。 また全33店舗ということなので、報道の大きさの割には、国内のアパレル小売に対する影響は極めて軽微である。   どうしてアメリカンイーグル

高くても売れるブランドに学ぼう

2019年11月25日 考察 0

先日、某ネクタイ縫製工場から聞いた話をツイートした。 「ネクタイの縫製工賃はポール・スミスも青山商事もほとんど変わらない。しかし、ポール・スミスのネクタイは高くで売れるが、青山商事のネクタイは高くでは売れない」 という内容である。   そうすると、なぜか某問屋が、別の知り合いのネクタイ縫製工場に 「お前がしゃべったのか?」 という謎の詰問の電話があ

主要客を知ろうともしないブランドの業績が回復しないのは当然

2019年11月22日 考察 0

一口にショップ、ブランドと言っても、様々な売れ方で売上高が成り立っている。 例えば、ユニクロなら、老若男女問わずに売れる。高校生くらいの男女から60代・70代くらいまでが同じレジに並んでいる。 通常のファッションブランド店ではちょっと見ることができない光景である。   ウィゴーは完全に中高生向けブランドだろう。時々、お買い得品を見つけて買うことがあ

ジーンズを使ったビジカジスタイルは中高年専用化か?

2019年11月21日 ジーンズ 2

最近は、年配者と若者のカジュアルがそう変わらなくなってきたと思う。 とくにアウター類は外見からだけではほとんど区別できないのではないかと思う。 もちろん、80年代・90年代当時同様の「トガった若者」も存在するが、マスとしては服装だけではほぼ区別がつかない状態にある。 今年の10月・11月は記録的な高温で、それほど防寒アウターの出番がないが、近年、老若男女を問

国内デザイナーズブランドが売れないのはコレクション開催時期の問題ではない

2019年11月20日 デザイナー 2

先日、東京コレクションブランド「ノゾミ イシグロ」が経営破綻した際、東京コレクションの開催時期が話題となった。 開催時期を変更すればコレクションを見たバイヤーが発注する可能性が高まるのではないかという論である。 今の開催時期は欧米コレクションの後に開催されている。このため、バイヤーは「欧米コレクションで予算を使い果たしたから注文できない」と断ることが常となっ

プロパー消化率について考えてみよう

2019年11月19日 考察 0

最近は1月、7月のバーゲン時期でなくても服が安く買える。 ユニクロやGAPなどの低価格SPAブランドは10年以上も前から、入荷して売れ行きが悪い商品を一定期間が経過したあと段階的に値下げして売っていた。 このため、店内には常に「セール品コーナー」がある状態で、1月と7月を待つ必要もなく、毎週・毎月値下がりした服を買えるようになった。   衣料品の販

「良いこと」が必ず「良い結果」をもたらすわけではない

2019年11月18日 ネット通販 1

以前から木下斉さんの不定期連載「地方創生のリアル」を楽しみに読んでいるのだが、書かれてあることの9割くらいは賛同する。 書かれてあることは何も「地方創生」だけではなく、繊維・アパレル業界にもほぼ共通の事象であり、特に当方が普段から接触のある製造加工業者や産地業者は、扱っている品目が違うだけで、ここに書かれていることとほぼ同様の状況に陥っている。  

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