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南充浩 オフィシャルブログ

企業研究

新しそうな切り口だが実は何十年か前の状態に戻ったという話

2022年9月9日 企業研究 0

多くの人は、時代が進むにつれてあらゆるものが進歩すると考えているが、現実はそうではないことが多い。技術的・物理的制約から全く進歩しない分野も珍しくないし、何十年かかけてもとに戻ってしまうことも多々ある。 最近だと、SDGS(一説には日本くらいでしかこの言葉は使われていないとも)かそのあたりの風潮によって、ペットボトルが槍玉にあげられ、ペットボトルを廃止して回

ブランディングをすれば必ず売れるというわけではないという話

2022年9月6日 企業研究 1

以前から書いているように、消費環境や販売環境が異なってきたため、製造加工業者が生き残るためには、これまでのように生産を受注するだけでは難しい。自社オリジナル製品を作って販売する必要に迫られている。そのためいたるところで製造加工業によるオリジナルの製品ブランドが立ち上げられている。 しかし、実際に成功するのはほんの一握りで、あとはほとんど売れ行きが無いままでダ

ユニクロの値上げ発表は「5品番しか値上げしません」ではなく「5品番しか発表しません」という意味

2022年9月5日 企業研究 0

ユニクロが今秋冬物から5品目の値上げを発表したが、実際のところ、それ以外はすべて価格据え置きかというとそうではない。 当方が、店頭を見て回ったところ、8月下旬時点では発表以外にメンズでは2品番の値上げが確認された。 1つはGジャンである。今春物まで定価は3990円だったが、今秋物からは定価が4990円となっている。 もう1つはMA-1ブルゾンである。5990

「好調でも売上高を伸ばさない」という売り方と「スモールマス」という考え方と

2022年9月1日 企業研究 1

これも以前に書いたことがあるが、ユニクロが+Jを始める前(2009年手前)にもデザイナーズブランドとコラボする「デザイナーズインビテーション」という企画が断続的に行われていた。 その中に、当方と面識のある個人デザイナーが選ばれた。これには驚いて、メッセージを送ると 「ユニクロとのコラボが発表されてからすごく知名度が上がりました」 という返事があった。 この当

独自化・差別化をするには自主企画商品が必要だと考えられる理由

2022年8月29日 企業研究 2

百貨店とGMS(大手総合スーパー)の衣料品復権に向けての議論がさまざまある。 個人的には、従来通りの「ブランド品の品ぞろえを工夫する」というやり方では内部の人間が期待しているほどの回復はあり得ないのではないかと見ている。 どちらももう導入できるブランドはある程度限られてきているし、「日本初出店」「日本初上陸」という謳い文句も絶対的な優位性は長期間は保てない。

再スタートするエディー・バウアーは堅実な事業計画だと思う

2022年8月24日 企業研究 1

昨年末で日本から撤退したエディ・バウアーというブランドがある。 急遽の撤退発表は様々な憶測や推測を呼んだが、来年春からの国内復活が発表された。   水甚が米「エディー・バウアー」アパレルの製造卸、直営店を出店 23年春夏から 伊藤忠商事とサブライセンス契約 | 繊研新聞 (senken.co.jp)   かなり大々的に報じられたのでご存知

イズミがアダストリアをコラボ先に選んだのは悪くない選択だと思った話

2022年8月23日 企業研究 3

時々、西友で値下がりした衣料品を買う。 とは言っても買う物は靴下、ランニングに使えそうなウェア、一部ナショナルブランドのカジュアルウェアである。衣料品業界人からは「西友??」みたいな反応があるが、当方は買わない西友自主企画カジュアルだって黙って着用していれば西友品とはバレない程度には見映えもマシになっていると感じる。 主に愛用しているのはスポーツブランドの値

順調そうに見えるが実は重大な岐路に立っていると思えるワークマン(後編) 

2022年8月19日 企業研究 2

前回ワークマンのことを書いた。 順調そうに見えるが実は重大な岐路に立っていると思えるワークマン 理由は、知人から「最近、商業施設内にテナント出店しているワークマンの入店客が以前から比べると少し減った気がする」という感想を聞いたからだ。 もちろん、知人の個人的な感想なので正しいかどうかはわからない。 しかし、仮に正しいとすると、理由はいくつか考えられる。 1、

順調そうに見えるが実は重大な岐路に立っていると思えるワークマン

2022年8月18日 企業研究 4

コロナ前に、AI(人工知能)によるアパレル需要予測が持て囃されたが短期間で話題に上らなくなった。 必需品でありながらも嗜好性が強いカジュアルウェア・ファッションウェアは需要予測が難しい。一方、食料品や食品などは比較的容易で、個人が一日に食べる量はほぼ決まっているし、食べる物もだいたいが決まっている。なので個人データを入手できれば需要予測は立てやすい。 一方、

アパレル企業はハニーズをもっと研究すべき

2022年8月17日 企業研究 1

先日、久しぶりの方とお会いして議論する機会があったのだが、その際、「アパレルの有望な隠れた市場はいまだにあるのか?(ないのか?)」という話題となった。 その場では、先方が極ニッチな市場の可能性をご提示され、さすがの慧眼だと感服したのだが、極ニッチなので世間一般のマスブランド、百貨店ブランドでは規模感が合わずに参入できないだろうと考えられる。 ショッピングセン

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