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南充浩 オフィシャルブログ

総合アパレルとジーンズチェーン店の協業に時代の移り変わりを感じた

2024年3月14日 企業研究 0

環境の変化とともに一昔前までなら考えられなかったような取り組みが生まれる。 先日から話題になっているイトーヨーカドーがアダストリアに衣料品を丸投げした件が直近の一例といえる。「衣料品のヨーカドー」と呼ばれて得分野だった衣料品から撤退を決めたこともそうだし、その衣料品売り場を他社に丸投げするなんていうことは、陰りが見えていたとはいえ10年前までなら考えられなか

国内大手アパレルが地方スーパーの自社服ブランドの開発支援を行うケースはさらに増えるだろう

2023年9月29日 企業研究 1

ワールドがスーパーのベイシアの自社婦人服ブランドの開発支援を発表した。 ワールドが大手スーパー・ベイシアのブランド開発支援 10月4日から50店で販売 | 繊研新聞 (senken.co.jp) ワールドは、大手スーパーのベイシア(前橋市)の自社婦人服ブランド「YORIMO」(ヨリモ)の開発を支援した。ベイシアは、10月4日から50店(12日開店の阿見店含む

心証を良くするために「キャッチ―な事柄」を盛りすぎて実態が分からなくなるという話

2022年10月28日 トレンド 5

販促や広報という観点でいうと「キャッチ―」な言葉でブチ上げてメディアや消費者からの注目を集めるという手法は効果的である。 だが、行き過ぎると「嘘の神話」を作り上げることとなり、消費者をミスリードするばかりでなく、産業界すらミスリードすることとなり甚だ有害といえる。 今年に入って、当方はこのブログで2度ワールドを非難した。そのことに対して何ら後悔も反省も感じて

アパレルの生産リードタイムは短縮どころか現状維持ですら困難になっているという話

2022年9月15日 製造加工業 3

さて、今回もアパレルにおけるクイックレスポンス(QR)対応について考えてみたい。 QRというと、一般的にはQRコードと捉えられるが、アパレル業界に限ってはクイックレスポンスと捉える人も相当数存在するので、商談の際には明確な使い分けが必要となる。 イキリIT業界からするとDXがデジタルトランスフォーメーションを指すのに対して、一般的には大多数がデラックスと捉え

今以上に「できるだけ引き付けて服を作る」ことは物理的に不可能だという話

2022年9月14日 企業研究 1

2020年のコロナ禍以前から、衣料品の生産リードタイムのこれ以上の短縮はほぼ不可能だった。そして、コロナ禍による海外工場のロックダウンや停電の頻発、ロシアによるウクライナ侵略によって物流の混乱や燃料不足なども起き、2022年現在ではさらに生産リードタイムは伸びざるを得ない状況にある。   当方が独立して早12年も経過しているのだが、大した業績・実績

ワールドは自社工場を抱えているので「百貨店向け国産比率50%」は可能だろうという話

2022年7月26日 製造加工業 1

円安基調の推移と、原材料費・燃料費の高騰、海外の生産・物流の乱れなどの理由によって、国内生産回帰が見直され始めている。 繊維・衣料品もその一つで、大手総合アパレルの国産製品比率向上計画が2021年ごろから相次いで打ち出されている。 その中でもさすがに「実現不可能では?」と思われたのが、ワールドの「百貨店向け製品の国産比率90%」という目標だった。 そのことに

ワールドが掲げた「3年後百貨店ブランドの国産比率を90%に高める」は画に描いた餅に過ぎない

2022年6月30日 製造加工業 1

理論的には正しいが、実態に則していないということは世の中に多々ある。それは別に我が国に限らず世界各国に穿いて捨てるほどある。 その中の一つに「衣料品の再国産化」というものがあると当方は思っている。 物凄く平たい言葉でいうと、衣料品の国内縫製比率を上昇させるというもので、国内縫製した衣料品の製造数量を増やすということである。 この論調は2019年までは「国内伝

国内衣料品生産を増やすという大手アパレルの「正論」は実現不可能に近い

2021年12月24日 製造加工業 1

少し前に大手総合アパレルが国内生産比率を大幅に高めるという報道に対して実現不可能ではないか?とこのブログで書いた。 その考えは今も変わっていない。 大手アパレルの国内増産計画は「画に描いた餅」ではないのか? – 南充浩 オフィシャルブログ (minamimitsuhiro.info)   以前から、比較的製造加工業者の知り合いが多い方だと思っている

大手アパレルの国内増産計画は「画に描いた餅」ではないのか?

2021年12月15日 トレンド 2

衣料品の海外生産については、現地を視察したこともなく、報道や現地での生産に携わっている人から逐次いただく情報で判断するのみだが、新型コロナ禍によって、東南アジア諸国の工場のロックダウンや、中国の電力不足などで、今年11月ごろまで生産の目途が全く立たなかった。 衣料品だけではなく、様々な製品の生産が滞っており、電気給湯器なども大幅に入荷が遅れている。 中国につ

低価格パターンオーダースーツの市場規模が小さいことは最初から分かっていたという話

2021年12月2日 トレンド 3

扱っている商品の内容や客単価、立地などによって売上高が変わるのは周知の事実である。 一言で「好調でよく売れている」と言っても、土台となる数字が話し手と受け手で全く異なることはよくある。例えば、毎月の売上高が200万円前後だった店が、300万円前後売れるようになれば「好調でよく売れている」ということになる。実に50%増であり、衣料品業界メディアなら確実に中畑清

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