月別: 11月 2012 (1ページ / 3ページ)

機械と副資材の問題も忘れてはいけない

 最近、若手の独立系デザイナーが自主的に国内素材メーカーの生地を使うことが増えた。
生地問屋を経由せずに各産地の○○織布だとか○○ニットだとかの生地工場から直接購入している場合も多い。
これには生地メーカー側の姿勢の変化も大いに関係しているだろう。昔に比べて小ロットでも対応してくれる機業が増えた。

国内製造業の危機が叫ばれて久しく、実際、国内製造業は限りなく消滅の危機に瀕しているが、幾分明るい兆しだとも感じられる。

しかし、実際には生地メーカーの存亡以外にも、多くの段階で国内製造業は相変わらず危機に瀕している。

一つには機械の問題だ。
多くの生地メーカーが使用している織機や編み機は旧式の物が多く、機械メーカーももう部品を製造していない。このため、補修・メンテナンスには一苦労する。
中には機械メーカーそのものが倒産・廃業していることもある。

そのため、廃業した他の生地メーカーから織機や編み機を引き取って、修理用のパーツとして保管していることも多いと聞く。

次に副資材の問題だ。
衣料品や雑貨の製造には、芯地や付属品などの副資材が不可欠である。
しかし、この副資材の製造先も廃業・倒産している場合が多いようだ。

先日、帽子ブランド「ポレポレ」の展示会にお邪魔した。
こんな物作りをされている。

http://www.polepole.tv

http://www.polepoleshop.com/

帽子以外に、薄い石膏で造形した型が展示されていたのだが、これを作るのにはバクラムという芯地が必要だという。バクラムは木の皮を細く裂いて織った物だそうだ。
柳の木の皮が最高だという。
この柳の木のバクラムを作っていたのが東北地方の職人だったが、高齢のために廃業されたらしい。
ポレポレさんが知る限り、もう国内でこのバクラムを作っている職人はいないとのことだ。

だから、何年分ものバクラムを買い貯めたそうなのだが、今のストックがなくなると次に購入できる先がもうない。

IMG_1100

(固めたバクラム)

おそらく何らかの代替品を使うことになるのだろうが、国内製造業はジワジワと消滅しつつあるのだと感じずにはいられない。

これ以外だと再三指摘されているが、縫製業の問題もある。
国内縫製工場の多くは、高齢化した日本人と若いアジアからの研修生で成り立っている。
メイドインジャパンと表示されていても実状は「メイドバイチャイニーズ」だったり「メイドバイベトナム人」だったりすることがほとんどである。

こう見てくると、国内繊維製造業に明るい兆しなどとはとても思えない。
もちろんムードを盛り上げることは大切だが、国内生地メーカーのことだけではなく、機械や副資材の状況も認識しないと地に足のつかないカラ騒ぎで終わってしまう恐れがある。

品番数を増やし続けたのは店頭占有率を高めるため?

 先日、ジーンズナショナルブランド(NB)はシルエット違いの品番数が多いのではないかと書いた。

すると、某NBで営業職を務めた経験のある知人が

「NBのSKUが増えたのは、他社との売り場シェア争奪戦=壁面、中島、ハンギングのフェースをいかに他社より多く取るか、そんな側面での品番、色番の展開を乱発した。特に90年代の10年間は多かった。
結局、常に上位20品番で売上の80%を占めると言うパレートの法則通りの結果で、品番を絞り込んでは処分し、また増えの繰り返しで粗利も低かった。
消費ニーズに応えたというよりは、シェアを取る為に店頭での展開が増えたのではないか」

との意見をくれた。

これは今でもそうだが、例えばリーバイスの501、エドウインの503のような「看板商品」以外の品番は、シーズンごとに大きく入れ替わる。
同じ番号でもまったくシルエットが異なったり、リーバイス517(ブーツカット)がなぜか「527」に番号変更したりと、そんなことは日常茶飯事である。

そして、販売員時代の経験と照らし合わせるなら、春夏と秋冬で店頭の陳列商品も大きく入れ替わる。
春夏に主力だったライトオンスジーンズや、淡色ジーンズを8月末ごろにメーカーに返品して、代わりにコーデュロイとか濃色加工ジーンズが送られてくる。これをシーズンごとに店頭とメーカー間で繰り返すわけである。

ジーンズという商品は、買い取りではなく、百貨店と同じ「委託販売」という形態をとる場合が多かった。
ジーンズNBの多くは自家縫製工場を持っているので、生産は毎日行われてしまう。季節返品された商品は倉庫に積みあがることになるため、アウトレットモールができるまでは、セール対応品として値引きされて再び専門店に送られることも多かった。

ご存知の通り、ジーンズ専門店の壁面はほぼジーンズの棚である。
ユニクロの店頭もこの形態を引き継いでおり、よく見てみるとユニクロのパンツ売り場は結構広い。
一方、GAPは壁面一面がジーンズということはない。かなりボトムス比率は低い。

時が流れ、専門店の壁面争奪戦はほぼ終結しつつある。
最盛期には7、8社くらいあったNBがエドウイン、リーバイス、リーにほぼ集約されてしまった。
そうなると、もともとあった広大な壁面を3ブランドの商品で埋めなくてはならなくなる。
これは店側にとってもNB側にとってもかなりの負担である。
先日書いたことと逆になるが、品番数を絞り込んでしまうと壁面スペースが埋まらなくなる可能性もある

同一品番を横に広げて面積を埋めるという手もあるが、それが不格好だと思うなら、品番数を増やすしかない。
9種類もある微妙なシルエット変化は、広大な壁面を埋めるためにやむを得なかった側面も強いのだろう。

残念なことに現在、NBとジーンズ専門店は低迷している。
理由は日本人がジーンズを購入しなくなったのではなく、選択肢が広がったためだ。
ユニクロ、GAP、ZARA,H&M、ハニーズなどの国内外のSPAブランド、高級インポートジーンズブランド、ライトオンのバックナンバー、マックハウスのラッシュアワーなどの専門店プライベートブランド、エヴィスやシュガーケーンなどのこだわりジーンズブランドだけではない。
一般の百貨店ブランドにもジーンズはある。バーバリーやタケオキクチなどにも並んでいる。

これらすべてがNBとジーンズ専門店の競合となっている。

そうなると、壁面をびっしりとジーンズで埋め尽くした従来型の店構えが良いのかどうかである。

NBとジーンズ専門店は商品の選択肢を増やし過ぎて、逆に消費者に選ばれにくくなっているのかもしれない。
「種類が多すぎて良く分からないから、ジーンズ専門店に行かずにユニクロに行く」。
そんな選択を行っている消費者も意外に多いのではないか。

先ほども書いたが、ユニクロの店内をよく見てもらいたいが、壁面はビッシリとジーンズとカジュアルパンツで埋め尽くされている。ユニクロの店作りは旧来のジーンズ専門店を引き継いでいる要素が強い。
什器とか内装とか照明が異なるため、そう見えないだけである。
他のSPAブランドで壁面をビッシリとジーンズで埋め尽くしているブランドはない。

となると、やっぱりNBとジーンズ専門店にとって、ユニクロの店構えは参考にすべき要素があるのではないか。
そして、選択肢を狭めるという努力も必要ではないかと思う次第だ。

11月度売上は比較的好調

 ライトオンとジーンズメイトの11月度売上速報が発表された。

ライトオンは
既存店売上高が前年比7・3%増
既存店客数が同6・2%増
既存店客単価が同1・1%増

ジーンズメイトは
既存店売上高が前年比7・4%増
既存店客数が同4・6%増
既存店客単価が同2・6%増

となった。

10月下旬から気温が下がって、業界全般的に売れ行きが好転したといわれているが、
両社ともそれを反映した数字といえる。

ジーンズメイトは不採算店の撤退もほぼ完了しつつあり、既存店ベースの売り上げは好転する可能性が出てきたのではないか。

ジーンズメイトによると、一時期に比べるとブルージーンズの動きは幾分回復した気配があるという。
それでもまだ良かったころの動きには程遠いという。

以前にも書いたが、秋からブルージーンズの動きが戻るのでは?と言われていたが、
実際に動いているのはジーンズではなく、デニムシャツ、デニムブルゾン、デニムワンピースなどのトップス類と、レディースのデニムショートパンツ、デニムスカートなどである。

ジーンズナショナルブランドやジーンズチェーン店がもっとも得意とするフルレングスのジーンズは厳しい状況が続いている。

ジャムの法則から絞り込み方を考えてみる

 さて、昨日のブログを書いたところ、「ジャムの法則」なるものを教えていただいた。

ここで「ジャムの法則」を紹介する。

http://butsuryuuabc.seesaa.net/article/287543189.html

「ジャムの法則」は、アイエンガー教授が、ドレーガーズという高級スーパーマーケットを舞台に、1995年に行った実験で、「豊富な選択肢は売り上げをあげる」というお店の方針を実証しようとするものでした。
ところが、結果は逆、24種類のジャムを売り場に並べたときと、6種類のジャムを売り場に並べたときでは、前者は、後者の売り上げの10分の1しかなかったのです。
この結果が実証的に確かめられると、金融商品のバリエーションから、洗剤などの消費財、はては、コンサル会社のコンサルの方法まで、選択肢を絞ることで、顧客満足をあげるというふうに変わっていったのでした。

「豊富な選択肢は、売上増に貢献しない。
選択肢を絞ることで、顧客満足を上げる方法がある」

この指摘は、物流の世界でコスト削減をミッションとして奉職する者として、まさに、快哉を叫びたい内容です。

アイテムが多すぎること、豊富な選択肢を用意して少量多頻度の補充をもとめる顧客の要求に応えなければならないこと。

というものである。
さて、これは「ジャム」という食品のことなので衣料品にそのまま当てはめることができるかどうかである。
ただ、知っておいて損はないだろう。

昨日は、ジーンズナショナルブランド各社のシルエット変化の多さを指摘した。
リーバイスのメンズを再び例にだす。
 
510 スーパースキニー
511 スキニー
508 スリムテイパード
551 スリム   
502 ストレート
501 ストレート
505 ストレート
503 リラックス
527 ブーツカット

メンズには現在、この9シルエットがある。
そしてブルーデニムの洗い加工による濃淡がそれぞれに6種類以上ある。
単純に9シルエット×6色=54となり、最低でもブルーデニムだけで54種類も存在することになる。

選択肢が多すぎると消費者は選びにくくなるという「ジャムの法則」があるので、これを半分くらいに集約することの方が重要ではないかと指摘した。
もちろん反対意見もあって良いが、冷静に考えてみてもらいたい。

まずスキニー(511)とスーパースキニー(510)の両方が必要だろうか?
次にスリム(551)とスリムテイパード(508)の微細なシルエットの違いを消費者が求めているだろうか?
さらにストレートに3品番ある。501と502はボタンフライとジップフライの違いだとして、502と505を分ける必要があるのだろうか?

筆者なら上に挙げたものをこう統合する。

スキニー
スリム
ストレート
ストレート501
リラックス
ブーツカット

の6シルエットに集約する。
さらにブルーの濃淡による色変化を4種類に集約する。

これで24品種になる。
これくらいの方が選びやすいと思うのだがいかがだろうか?

人間は誰しも選択肢は多い方が良いと考えている。
しかし現実はそうではない。とくに筆者はシルエットの集約を言うのは、シルエットが変われば型紙が変わる。そうすると縫製の手間が増えて効率的ではなくなる。
なら6シルエットに集約して、素材変化による色変化を打ち出した方が生産も効率的ではないか。

シルエットとカラーの両方、もしくはその片方だけでも減らすことで消費者に選ばれやすくなるのではないかと思う。筆者は過去を振り返って、2000年ごろのユニクロのフリースブームを考えてみる。

あの当時のフリースブームでユニクロは50色展開していた。
まあ、明らかにこれも多すぎるのだが、実はシルエットとデザインは1つしかない。
型紙はすべて共通で生地だけがちがうことになる。当然売れなかった色もたくさんあったと思うが、こと縫製に関していうなら非常に効率的だったといえるだろう。

で、消費者も色だけの問題だから選びやすかった側面がある。
あれに「スリム」「リラックス」「レギュラー」などのシルエット変化が加われば、おそらくかなり混乱しただろう。

ジーンズNB各社が選択肢のバリエーションを確保したいのであれば、シルエットではなく色柄にすべきだと思う。
今なら製品染めもあるし、洗い加工で表面感を変えるのはジーンズメーカーの十八番ではないか。

さらにいうならジーンズというアイテムは通常の衣料品よりもサイズ展開が細かい。
ウエストは2・5センチ刻みで8サイズ~10サイズ存在する。通常の衣料品はS,M,Lの3サイズで、XSとLLを入れても5サイズである。

そうなると、ジーンズNBはすでにサイズ展開という部分では、他の衣料品にない消費者サービスを行っているといえる。

もし、イレギュラーサイズやイレギュラーシルエットを好む消費者がいた場合、これはスーツのパターンオーダーの考え方を応用して追加料金をもらって製造すれば良いのではないかと思う。
洗い加工だって通常のブルーの濃淡は4種類くらいにしておき、さらに追加料金によるオーダーで自由にブルーの濃淡が調節できるような仕組みにしておけば良い。
どうせ、洗い加工は縫いあがった製品に1本ずつ加工を施すわけだから、特別な手間はかからない.。

昨日、ユニクロやGAP、アバクロなどのSPAブランドがジーンズを4種類に集約していることを書いた。
当然トータルファッションの打ち出しと単品ブランドの違いはあるだろう。
しかし、多くの消費者は4シルエットしかないSPAブランドでジーンズも買っているのである。
先ほどの例では筆者は6シルエットに集約した。それでもまだSPAブランドよりも選択肢を多く消費者に提供している。これだけでもかなりのサービスとブランドなりの特徴だと思う。

個人的にはジーンズNBにはトータルファッションを提案してもらいたいと思うが、これは彼らがもっとも不得意なところであり一足飛びに実現しない。
それに対して、選択肢の幅を狭めるという作業は既存の経営資源で十分に対応可能なのでこちらが優先事項ではないかと思う次第だ。

選択肢は多すぎても逆効果

 ちょっとジーンズの話題続きで恐縮だが、考えていたことをパラパラとまとめてみたい。

エドウインやリーバイスに代表されるナショナルブランド(NB)は、一部にトップス製品があるものの、ほぼジーンズとカジュアルパンツ専門メーカーだと考えて差支えない。
NB各社のジーンズは、シルエットが事細かに細分化されている。かつて、筆者らが若かりしころは、その細分化された中から自分にぴったり合うシルエットの商品を探すのが楽しみでもあった。

リーバイス501はちょっと合わないから、ラングラーを穿いてみる。
ラングラーでも11MWZは合いにくいから13MWを穿いたらぴったりだった。
でもリーバイスの509もそれなりに合う。

こんな感じだった。
しかし、大部分の消費者にとって、ジーンズのシルエットをそこまで細分化する必要があるのだろうかと思う。
とくにジーンズNB各社が苦戦を始めてからその思いは強くなった。
もっとシルエットの選択肢を狭めた方が良いのではないか。

ちょうどこの考えをもう少し詳しく説明したブログを発見したのでご紹介したい。
リーバイスのHPが題材になっている。例によって長文である(・_・;)

プロダクトの整理と「選ばせない仕組み作り」がポイントのようだ。
http://keynotes.hidezumi.com/keynotes/2012/11/style_selector.php

ページに掲載されているルックブックは面白い。裾の長さなどのポイントを抑えるとお洒落に見えるということがよく分かる。特に高価なプレミアムジーンズを買う必要はなさそうだ。と、同時に消費者に何かを選ばせるというのはとても大変なのだということも浮き彫りになる。システムとして見た場合、とにかく使い勝手が悪い。

(中略)

次に、人は10以上の選択肢を見せられると「げんなり」してやる気を失ってしまう。これはつまり「お客さんが買ってくれなくなる」ということを意味する。ここでは16のスタイルが立て続けに提示され、3つほど見ると、前になにがあったか分からなくなる仕組みになっている。

これはヒトの脳のキャパシティに起因している。電話番号のような一連の情報の組み合わせだと7つから12程度は覚えていられるが、乱雑な情報の列になると、せいぜい3つか4つが限界だろう。またプロセスの数も5つ以上は「多いな」と感じられてしまうのではないかと思う。

(中略)

さて、Find Your Styleに戻る。無事にこの関門を通り越えて「好みのジーンズ」が選べたとする。最後にジーンズを選ぶと、結局いくつものジーンズが提示される。この時点で「前に選んだものが何だったか覚えていますか」ということになる。きっと「うんざりして」選ぶのをやめてしまうだろう。

いずれにしても「選択肢が多すぎて探せない」ということは、状態化している。最近出た野村総合研究所の生活者一万人調査の抜粋には次のようなコメントがある。

一方で、「商品やサービスに関する情報が多すぎて、困ることがある」と「商品やサービスに関する情報が不足していて、困ることがある」のどちらに近いかを尋ねた結果をみると、前者の考えを支持する人が全体の70.1%をしめる結果になっています。また「事前に情報収集してから買う」人は2006年(28.9%)から2009年(35.8%)に大きく増加したのに対して、今回の調査では33.1%とやや減少しています。買い物時に参考となる情報や利用者の評判は気になるものの、いわば情報過多の状況下にあるため、自身でさまざまな情報を収集する傾向がやや頭打ちになっていることがみてとれます。

口コミやブランドの信頼性などにこだわる人がいる一方で、情報疲れしている人もいるのかもしれない。店頭への回帰も見られるようだ。この「情報過多」というのは、現在では重要なポイントだ。

とある。

この筆者は、反対のアプローチで業績を回復したブランドに注目している。
アバクロンビー&フィッチ、通称アバクロである。
彼は、アバクロはジーンズを4シルエットに集約することで、売り上げが回復したと以前に述べている。
たしかに米国でアバクロの株価は上昇しているようだ。

さて、筆者も気になって現在のリーバイスのHPを見てみた。
メンズを見てみる。

510 スーパースキニー
511 スキニー
508 スリムテイパード
551 スリム       (蓬莱の豚まんではない)
502 ストレート
501 ストレート
505 ストレート
503 リラックス
527 ブーツカット

と全部で9つものシルエットがある。
517はいつの間にか527に変更になっていた。
また、501と502は同じシルエットで、ボタンフライとジップフライの違いがある。
なのにどうして同じストレートで505があるのだろう?
HPによると腰回りがゆったりしてひざ部分がストレートになっているそうだが、そんな細かい違いが必要だろうか。

どうだろうか?明らかに選択肢が多すぎるのではないかと思う。

ジーンズNBが苦戦を余儀なくされた一因に国内外のSPAブランドの台頭がある。
代表格であるユニクロとGAPのHPのメンズジーンズを見てみる。

ユニクロは細い順に、スキニー、スリム、レギュラー、リラックスの4シルエットしかない。
またGAPも スキニー、スリム、ストレート、イージーの4シルエットしかない。

この両ブランドの施策がすべて正しいとは思わないが、ジーンズのシルエットはこの4つで事足りるということであろう。実際にこの両ブランドに押されてジーンズ専門店の売上高が激減しているのだから、ジーンズNBは注目すべきではないだろうか。

ただ、ジーンズNBと両ブランドを単純に比較しきれない部分もある。
ほぼ単品アイテムしか展開していないNBと、トータルファッションを展開する両ブランドの違いがある。

両ブランドは異様に細分化されたジーンズを展開する必要はなく、
4シルエット程度の提案でも各種のトップスと組み合わせることで着用感のバリエーションが提案できる。

一方、単品しか展開していないジーンズNBは4シルエットだとラインナップがさびしいと感じるのだろうか。
しかし、リーバイスで言うなら、501だとブルーデニムの濃淡だけで7種類ある。うち1種類はクラッシュ加工なので6色か。ここにホワイトデニムバージョンとメイドインジャパン製品、メイドインアメリカ製品が加わる。

502だとブルーの濃淡だけで6色、ブラックデニムが1つ、カツラギ素材によるカーキやオリーブなどのカラージーンズが3色、そこにまだメイドインジャパン製品も加わる。

こうして見ると、一つのシルエットに7~10色のバリエーションがあることになる。
平均8色と仮定すると、リーバイスだと9シルエットなので9×8で72のバリエーションということになる。
これはかなり多い。仮に4シルエットか5シルエットに集約してもカラー展開を含めると、40ちかいバリエーションが確保できることになる。
40種類もあれば十分だろう。

そういえば、VMDの基本理論に「一番遠く(4~8メートル先)から認識できるのは色柄」とある。
ならば、シルエットを増やすのではなく色柄の種類を増やす方が、まだ理にかなっているのではないだろうか。

次に認識しやすいのはデザインであり、微細なシルエットの違いではない。
ならば、カーゴポケットを付けるとか目立つ付属を付けるとか、ブッシュパンツ型にしてみるとかの方が効果的だろう。
2メートル先で待っている相手が、502を着用しているのか505を着用しているのかを見分けられる人間はおそらくほとんどいないだろう。
だから、微細に異なるシルエットの商品を拡充することはあまり効果がないと思う。

それにしても改めて数えてみたがブルーデニムの濃淡のバリエーションも多すぎる。
6色や7色も必要ないのではないか。せいぜい4色で十分だろう。
もし、ラインナップがさびしいならブルーデニム以外のカラーバリエーションを拡充してはどうか。

ちなみにGAPはストレートがブルーデニムで4色、スキニーとイージーがブルーデニムで2色、スリムがブルー2色と異素材で2色である。

ユニクロはレギュラーのブルーが4色、スリムのブルーが5色、スキニーのブルーが3色、リラックスのブルーは2色だ。

ブルーデニムの濃淡だけで見ると、ユニクロよりもGAPの方が効率的だが、そのユニクロでさえNB各社よりも色の集約は効率的である。

微細なシルエット変化とブルーデニムの色変化をたくさん打ち出すことで、消費者ニーズを広く捉えようということだろうが、選択肢が増えすぎて一般消費者にその思いは伝わっていない。
むしろ、4シルエットと数色のブルーに集約したユニクロやGAP、アバクロの手法に学ぶべき点は多いのではないだろうか。

復活のボブソン

 昨日、ボブソンブランドの復活のニュースが流れてきて驚いた。
つい先日も、岡山・福山のデニム生地メーカーの幹部にボブソンのその後の動向を聞いてみたが、噂すら出てこなかったからだ。

旧ボブソン側がブランド再取得 12月からネット通販で復活
http://www.apalog.com/report/archive/1071

ジーンズ「ボブソン」ブランドの買い戻しを約1年に渡り進めてきたピーチフォート(旧ボブソン/岡山、尾崎博志代表)は、新設会社ボブソンホールディングス(岡山、尾崎博志代表)が今年11月に同ブランドを再取得したことを明らかにした。

 「ボブソン」ブランドは、ファンド会社のマイルストーンターンアラウンドマネジメントが2009年11月に岡山に本社をおく旧ボブソンから国内におけるボブソンブランドの事業譲渡を取得。新会社ボブソン(東京)で展開を行ってきたが、2011年に民事再生法を申請。以来、各社が同ブランドの取得を試みるなか、創業家が新設したボブソンホールディングスが、同ブランドの再取得に至った。

 今後は年末商戦を目処にボブソンジーンズの販売を開始。2012年12月からインターネット販売を開始し、ゆくゆくは主要取引先および全国の有名ジーンズ店舗や売り場へ流通させたい考えだ。

 同社は、「ジーンズ市場で個性あふれる物作りを原点に、高い企画力と製品開発力で市場の活性化を図り、顧客にクオリティの高いジーンズを提供することで市場の拡大を図ってまいります。」としている。

●「ボブソン」ブランドを取得した会社概要
・株式会社ボブソンホールディングス
・営業所在地:岡山市北区平野978番地
・設立日  :2012年4月5日
・資本金  :3,800万円
・代表取締役:尾崎 博志

●代表取締役:尾崎 博志氏の略歴
米ニューヨーク州立FITのFBM科卒。1981年ボブソン入社。販売・企画・品質管理・広告・総務・人事業務を経て、2011年8月に、旧ボブソン法人が社名変更したピーチフォートの5代目社長に選任される。2012年4月ボブソンジーンズの企画販売を業務とするボブソンホールディングスを新設。代表取締役を兼任する。

というのがその発表内容である。

2011年5月に民事再生法を申請し、2012年6月に破産申請していた。
その後、ブランド復活への動きは周辺にはまったく聞こえてこなかった。

今回の復活はジーンズ業界の周辺にいる者としては、良い意味で予想外のサプライズである。

けれども2011年5月の民事再生法申請から1年半である。市場から消えた後、ちょっとブランクが空きすぎている。
この辺りを考えると、新会社を軌道に乗せるのはかなり厳しいのではないかと予想してしまう。

それでも新・新ボブソンにはがんばってもらいたい。

「好きこそ物の上手」とは言うものの・・・・・

 一般的に大量生産品と認識されているナショナルブランドのジーンズメーカーのスタッフも意外にビンテージこだわり派が多い。
「好きこそ物の上手」というくらいだから、商品が好きであることに越したことはないのだが・・・・。

もう時効だと思うので書いてみたい。

ボブソンの担当になったのは98年ごろだったと記憶している。
もちろん、営業権が譲渡される前の旧ボブソンである。
岡山県庭瀬にある本社に何度も取材で通った。

担当になったばかりの98年か99年ごろだったと思う。
90年代前半から半ばにかけて一大ブームとなったレーヨンジーンズのことを質問してみた。
あれは物凄いブームだったので、社内でも絶賛されたのではないかと想像していた。
販売職だった当時、ボブソンの「04ジーンズ」は平日でも10本近く販売できるほどで、休日ともなれば20~30本は販売した。

7900円×10本だからそれだけで79000円の売り上げが稼げるありがたい商品だった。

98年ごろの現場のスタッフからは意外な答えが返ってきた。
「大ヒットして会社の収益にも大いに貢献したんですが、それでも『あんな商品はジーンズじゃない』と反対する人たちが相当数存在し続けました。最後まで根強い反対派がいました」という。
駆け出しの筆者はちょっと驚いてしまった。
「あれほど売れに売れたのにですか・・・・・?」

その後もボブソンの方々とは取材で何度もお会いした。
ボブソンは保温効果のあるホットジーンズを業界に先駆けて開発したり、紫外線に当たると一時的に変色するという意味のわからない「カメレオンジーンズ」を開発したりと、「04ジーンズ」が終わった後も積極的に新商品の開発を続けた。

そのたびに社内の「王道ジーンズ派」からは反対の声が挙がっていたという。

新商品についての賛否両論があることは仕方がない。
むしろ健全なムードだと思う。
しかし、その「王道ジーンズ」にこだわりすぎた故にブレイクスルーできなかったのではないかとも思う。

こういうトピックスはボブソンだけに限らず他のNB各社でもよく耳にした。
2000年代半ばまでは2,3年おきにジーンズに小トレンドが存在した。
それはローライズだったり、ストレッチだったり、スキニーだったり、高額インポートだったりしたわけである。
そのたびごとにNB各社の「ジーンズ王道派」からは疑問や嘆きの声が少なからず飛び出していた。

王道ジーンズを否定したいわけではない。
そういう商品作りのノウハウも末長く引き継がれていくべきだと考えている。
しかし、王道ジーンズばかり作っていてもマニア以外には売れないわけで、目先を変えた商品が必要となる。
むしろ目先を変えた商品の方が重要かもしれない。

となると、王道ジーンズへの過度のこだわりはいかがなものだろうか。
個人の趣味としてならまったく構わないが、趣味と業務が混同するようではかなり危険だと感じる。

あれから年月はかなり経っているから各社のムードもだいぶ変わっているのだろう。

ジーンズ専業メーカー各社が生き残るためにも、柔軟な姿勢での商品開発を大いに望みたい。

高額ジーンズの購入者比率はひどく小さい

 ジーンズのビンテージについて、もう少し続ける。
先日、ある中堅ジーンズメーカーの30代後半~40代前半の社員の方々と話す機会があった。
全盛期には売上高数十億円規模を誇っていたメーカーである。

一般的にビンテージ系ジーンズブランドのスタッフは、ナショナルブランド(NB)よりも格段に「こだわり」が強いと思われているが、実はNBのスタッフもジーンズのディテールへのこだわりは並々ならぬものを持っておられる。
とくに50代オーバーの方々に。

そういう方々はいまでも「本来のジーンズとはこうだ」という意識を強く持たれている。

ただ、消費者はそういうものを求めているのかというと、そうではないだろうと思う。
昨日も書いたが、ビンテージ系ブランドは各社ごとの売上高がひどく小さい。
2億~4億円というのはざらだし、10億円を越える企業の方がめずらしいくらいである。

売上高が小さいことは悪で、大きいことは善だと言いたいのではない。
そういう小さいながらも「こだわり」を追求するブランドがあっても良いと思うが、市場規模としてはかなり小さいということになる。

で、先ほどの中堅社員の方々と話したことは
「ジーンズメーカーはビンテージなるものから離れてみる必要があるのではないか」ということだった。

結局、ビンテージに縛られている間は、本当の意味での新しい形の商品は生まれないだろうし、製造コストの削減も難しい部分がある。
極論すれば、昔の「リーバイス」か「リー」の焼き直しで済むわけである。
もちろん、昔ながらのジーンズの製造方法も後世に残すべきだとは思うが、そういうものは自社内にほんの1品番か2品番を残せば良いのではないかと思う。

2005年ごろに欧米からのインポートジーンズが人気となったが、はたしてあれらのブランドが昔ながらの「ジーンズのディテール」にこだわっていたかどうか。
製造の専門家から見ると、あまりこだわっていなかったと判断されるのではないだろうか。

反対にこだわっていなかったからこそファッションアイテムとして「広く」受け入れられたのではないかと思う。

結局、「広く」受け入れられるためにはビンテージや伝統的なジーンズにこだわらないことが必要ではないかと考えている。
NB各社が悲願(?)としているような売上高100億円以上の規模に回復するためには、ビンテージっぽい商品を追求している限り不可能であろう。

反対に、そういうものを追求するなら売上高10億円内外の規模で満足すべきだろう。

繰り返すがどちらが善でどちらが悪という話ではない。
経営者がどちらに向かうかを選択するだけのことである。

ただ、市場規模が極小なビンテージ市場を見て、現在のジーンズ市場を類推することはコンサルタントやマスコミ関係者は避けるべきだろう。

先日紹介したブログの違う日に面白いエントリーがあるので紹介したい。
これは衣料品の価格の統計でその中にジーンズも含まれている。
統計的に見れば、1万円を越える「高額ジーンズ」の市場がいかに少ないかがわかる。

http://retail-study.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/index.html#entry-74559200

筆者の方は、日本衣料管理協会が発表している「衣料品の使用実態調査」-衣料の購入価格(2010年調査)のデータを基にしたと明記しておられる。

画面中段くらいにジーンズの表がある。

これによると、

1000円以下が13・8%
1001~3000円が40・2%
3001~5000円が24・3%

となり、この3つの価格帯だけで購入者比率は80%弱となる。

5001~7000円が7・1%
7001~1万円が7・1%
1万1円~2万円が5・4%

となり、その上の価格帯はもっと購入者比率が下がる。

2万1円~5万円が1・2%
5万1円~10万円が0・2%

となっている。

この統計がすべてであるとは思わないが、2万円以上というジーンズの市場はこれほど小さいということである。
そして、「こだわり」を標榜するジーンズブランドの多くが1万9800円以上という価格帯に存在するのだが、購入者比率は2%に満たないと考えて差支えないだろう。

ビンテージで勝負するということは、この2%の購入者を巡る戦いになるということである。

こうして見ると、いかに小さい市場かということがわかる。
商品が良いか悪いかの問題ではなく、そこに消費者がどれだけの数存在するかということを考えると、数億円規模から拡大成長しないビンテージブランドが多くてもなんら不思議ではない。

そういうわけで、商品的にも価格的にもビンテージを追求する限り、ジーンズメーカーの売上高が劇的に増えることはありえないと認識する必要があるのではないか。

ビンテージ系の呪縛から脱せよ

 ジーンズ業界を見ていて、つくづくビンテージ系ブランドのイメージが強いことに驚かされる。
以前も書いたことがあるが、今年の夏に某外資系コンサルタント会社のマネージャーさんが「ジーンズ市場についてのご意見を聞かせてもらいたい」と言って、こちらまで出向いてくださったことがあった。

その際、時候の挨拶のように「ジーンズと言えばビンテージブランドがありますが~」と述べられた。
その方もビンテージ系ブランドの現在の市場規模の小ささをご存知だったのだが、やはり話のきっかけとして利用されたのだ。

その方によると、エヴィスがビンテージ系ブランドの中でも最大だとのことだが、「売上規模は30億円台でしょう。多くても40億円内外です」とのことだった。他のビンテージ系ブランドは2~4億円程度で大きくても10億円内外である。

さてさて、先日、某ビンテージ系ブランドが2万5000円のジーンズを発売したらしい。
これを「値頃」と評した人がいるが、とてもじゃないが2万5000円のジーンズは「値頃」ではない。
ジーンズの相場でいうと、2万円以上のジーンズは明らかに高い。それがどんなに手が込んだ物であれ、高いと評さざるを得ない。

ジーンズという衣料は作業着がそのルーツであることは広く知られている。
作業着である限りは低価格・大量生産が前提であった。これは今のワーキングユニフォームを考えてみても理解いただけるのではないかと思う。
パンツ単品だけで2万円を越えるようなワーキングユニフォームはよほど特殊な用途を除いては存在しないし、ワークマンがそんな物ばかりを販売していたらたちどころに潰れているだろう。

ただ、当時の物はそれほど残っていないから希少価値となり、現在の価格は高くなっている。
製造当時は何でもないアンティーク品が、希少価値ゆえに現在では価格が高くなっているのと同じ理屈である。
そしてその当時に近い風合いを再現するためにコストがかかり、通常のNB商品よりも高くなっているのが、ビンテージ系レプリカ商品である。

バブル崩壊前後までジーンズはNBが提案する7000~9000円と、量販店メーカーが製造する3900円までの商品が中心だった。
ボブソンやビッグジョンは両方を作っていた。
その当時、1万数千円を越える高額ジーンズはインポートデザイナージーンズが担っており、90年代半ばからは勃興してきたビンテージ系レプリカブランドが担った。
そして2000年代半ばからは欧米インポートブランドがその地位を占めた。

現在、1万数千円を越える高額ジーンズには往年の勢いがない。
そしてその価格帯を好む消費者もどちらかと言えば少数派に属する。
ビンテージ系ブランド各社もその売上高の小ささからするとニッチな市場といえるだろう。

売上高が大きければ良いというわけではないが、各ブランドの売上高が小さいということはそれだけ購入者が少ないということになる。反対に、少数だが熱心なファンに支えられているともいえる。

しかし、それほどニッチな市場を見て、ジーンズ市場全体を類推することは実態とかけ離れてしまう恐れがあるため、コンサルタントやマスコミ関係者にはお薦めできない。

そして、コンサルタントやマーケティング業者、マスコミ関係者、製造メーカーが「ジーンズ=ビンテージ系が王道」という見方を続けると、ますますジーンズというアイテムを見誤ることになるのではないかと思う。
例えば「ジンバブエコットン」使用が必須条件のように思いこんでいる人がいるが、別にビンテージ系商品を作る際には取りたてて必要ない。
「ジンバブエコットン」を使用しているから本物に近く、「ジンバブエコットン」を使用していないから価値が無いと思うならそれは誤った認識であろう。

個人的にはジーンズはビンテージ系の呪縛から脱した方が次の展開が広がると思うのだが、いかがだろうか。

気温は単なる言い訳

 先日、繊研新聞を読んでいたら10月の百貨店売上高が軒並み苦戦し、その原因が厳しい残暑のためだったと書かれていた。まあ、たしかに10月は暑かったのだが、10月が暑いのは今年に始まったことではない。
ついでに9月の商況が厳しかったのも厳しい残暑のせいだとあるが、9月は毎年暑いのである。

先日、ワールドの中間決算が発表されていた。

ワールドの4~9月連結決算は売上高が1585億円(前年同期比5.4%増)だった。損益面では営業、経常、純損益がそれぞれ23億円、38億円、39億円の大幅な赤字となった。ゴールデンウイークの計画未達や春夏セールの分散化、9月の猛暑、残暑と台風などの天候不順が収益を圧迫した。
(繊維ニュース)

ここでも不振の原因は「9月の猛暑」とされているが、記憶に残っている限り、涼しかった9月など体験したことがない。

ためしに大阪の気温変化表を見てみる。
http://www.canacana.net/kion_3.htm

2008年から2012年の月別の気温変化がグラフにまとめられている。
縦にスクロールすれば年が、横にスクロールすれば各月が見られる。

このグラフを見るとわかるが、2012年9月は2011年9月よりも残暑がマシである。
昨年の9月は13日ごろまで34度を超える最高気温が続いているが、今年の9月は7日ごろまで最高気温は30度を越えていない。

10月を見る。
今年の10月は7日ごろまで気温は低く、中旬以降気温が高くなっている。
昨年の10月は10日ごろまで最高気温が28度前後もあるが、下旬は最高気温が20度を下回る日がありすずしくなっている。
2010年の10月は下旬に最高気温が跳ね上がり26度もある。
2008年の10月だって月末に突如として最高気温が跳ね上がっている。

こうして見ると、10月は毎年最高気温26度以上の日がかなりの期間続いていることがわかる。

となると、なぜその対策を怠ってしまうのか。
毎年9月も10月も暑いのである。一般的に想像される「秋らしい」気候になるのは11月である。

もちろん、大阪だけの統計なので東京や名古屋はまた違った動きを見せるだろうが、そう大きくは変わらないはずである。

ついでにいうなら、3月と4月は毎年寒い。
3月の平均気温は12月とほぼ同じである。

半袖アイテムなんてとてもじゃないが着用できない。12月に半袖アイテムを販売しているショップはないはずである。

業界には「体感気温MD」なる言葉がある。

しかしこれを実践しているブランドはあまり見かけない。
気温に即してアイテムを組み立てるなら9月、10月は「半袖・夏素材・秋カラー」のアイテムを、
3月は「長袖・冬素材・春カラー」のアイテムを販売すべきだろう。

売上不振の原因で「気温によるもの」と書かれている場合は、それは単なる言い訳にすぎず、マスコミもあまりまともに報道すべきではない。

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