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南充浩 オフィシャルブログ

ジャムの法則から絞り込み方を考えてみる

2012年11月27日 未分類 0

 さて、昨日のブログを書いたところ、「ジャムの法則」なるものを教えていただいた。

ここで「ジャムの法則」を紹介する。

http://butsuryuuabc.seesaa.net/article/287543189.html

「ジャムの法則」は、アイエンガー教授が、ドレーガーズという高級スーパーマーケットを舞台に、1995年に行った実験で、「豊富な選択肢は売り上げをあげる」というお店の方針を実証しようとするものでした。
ところが、結果は逆、24種類のジャムを売り場に並べたときと、6種類のジャムを売り場に並べたときでは、前者は、後者の売り上げの10分の1しかなかったのです。
この結果が実証的に確かめられると、金融商品のバリエーションから、洗剤などの消費財、はては、コンサル会社のコンサルの方法まで、選択肢を絞ることで、顧客満足をあげるというふうに変わっていったのでした。

「豊富な選択肢は、売上増に貢献しない。
選択肢を絞ることで、顧客満足を上げる方法がある」

この指摘は、物流の世界でコスト削減をミッションとして奉職する者として、まさに、快哉を叫びたい内容です。

アイテムが多すぎること、豊富な選択肢を用意して少量多頻度の補充をもとめる顧客の要求に応えなければならないこと。

というものである。
さて、これは「ジャム」という食品のことなので衣料品にそのまま当てはめることができるかどうかである。
ただ、知っておいて損はないだろう。

昨日は、ジーンズナショナルブランド各社のシルエット変化の多さを指摘した。
リーバイスのメンズを再び例にだす。
 
510 スーパースキニー
511 スキニー
508 スリムテイパード
551 スリム   
502 ストレート
501 ストレート
505 ストレート
503 リラックス
527 ブーツカット

メンズには現在、この9シルエットがある。
そしてブルーデニムの洗い加工による濃淡がそれぞれに6種類以上ある。
単純に9シルエット×6色=54となり、最低でもブルーデニムだけで54種類も存在することになる。

選択肢が多すぎると消費者は選びにくくなるという「ジャムの法則」があるので、これを半分くらいに集約することの方が重要ではないかと指摘した。
もちろん反対意見もあって良いが、冷静に考えてみてもらいたい。

まずスキニー(511)とスーパースキニー(510)の両方が必要だろうか?
次にスリム(551)とスリムテイパード(508)の微細なシルエットの違いを消費者が求めているだろうか?
さらにストレートに3品番ある。501と502はボタンフライとジップフライの違いだとして、502と505を分ける必要があるのだろうか?

筆者なら上に挙げたものをこう統合する。

スキニー
スリム
ストレート
ストレート501
リラックス
ブーツカット

の6シルエットに集約する。
さらにブルーの濃淡による色変化を4種類に集約する。

これで24品種になる。
これくらいの方が選びやすいと思うのだがいかがだろうか?

人間は誰しも選択肢は多い方が良いと考えている。
しかし現実はそうではない。とくに筆者はシルエットの集約を言うのは、シルエットが変われば型紙が変わる。そうすると縫製の手間が増えて効率的ではなくなる。
なら6シルエットに集約して、素材変化による色変化を打ち出した方が生産も効率的ではないか。

シルエットとカラーの両方、もしくはその片方だけでも減らすことで消費者に選ばれやすくなるのではないかと思う。筆者は過去を振り返って、2000年ごろのユニクロのフリースブームを考えてみる。

あの当時のフリースブームでユニクロは50色展開していた。
まあ、明らかにこれも多すぎるのだが、実はシルエットとデザインは1つしかない。
型紙はすべて共通で生地だけがちがうことになる。当然売れなかった色もたくさんあったと思うが、こと縫製に関していうなら非常に効率的だったといえるだろう。

で、消費者も色だけの問題だから選びやすかった側面がある。
あれに「スリム」「リラックス」「レギュラー」などのシルエット変化が加われば、おそらくかなり混乱しただろう。

ジーンズNB各社が選択肢のバリエーションを確保したいのであれば、シルエットではなく色柄にすべきだと思う。
今なら製品染めもあるし、洗い加工で表面感を変えるのはジーンズメーカーの十八番ではないか。

さらにいうならジーンズというアイテムは通常の衣料品よりもサイズ展開が細かい。
ウエストは2・5センチ刻みで8サイズ~10サイズ存在する。通常の衣料品はS,M,Lの3サイズで、XSとLLを入れても5サイズである。

そうなると、ジーンズNBはすでにサイズ展開という部分では、他の衣料品にない消費者サービスを行っているといえる。

もし、イレギュラーサイズやイレギュラーシルエットを好む消費者がいた場合、これはスーツのパターンオーダーの考え方を応用して追加料金をもらって製造すれば良いのではないかと思う。
洗い加工だって通常のブルーの濃淡は4種類くらいにしておき、さらに追加料金によるオーダーで自由にブルーの濃淡が調節できるような仕組みにしておけば良い。
どうせ、洗い加工は縫いあがった製品に1本ずつ加工を施すわけだから、特別な手間はかからない.。

昨日、ユニクロやGAP、アバクロなどのSPAブランドがジーンズを4種類に集約していることを書いた。
当然トータルファッションの打ち出しと単品ブランドの違いはあるだろう。
しかし、多くの消費者は4シルエットしかないSPAブランドでジーンズも買っているのである。
先ほどの例では筆者は6シルエットに集約した。それでもまだSPAブランドよりも選択肢を多く消費者に提供している。これだけでもかなりのサービスとブランドなりの特徴だと思う。

個人的にはジーンズNBにはトータルファッションを提案してもらいたいと思うが、これは彼らがもっとも不得意なところであり一足飛びに実現しない。
それに対して、選択肢の幅を狭めるという作業は既存の経営資源で十分に対応可能なのでこちらが優先事項ではないかと思う次第だ。

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