月別: 3月 2012 (1ページ / 3ページ)

行列という名の「祭り」か?

 ときどき読んでいるブログがある。
おもに回顧が多いのだが、先日激しく納得させられる回があった。

http://ameblo.jp/3819tune1224/entry-11195093636.html

昨日は銀座では、「ユニクロ銀座店」のオープンに早朝から行列。なんでも開店前には2000人が並んでいたそうだ。

「アップルストア銀座」には1000人だそうだ。

夕刻の小田急新宿駅ホームには500人が。

並んだものだ、さすが東京!と驚く、呆れる。

「ユニクロ銀座店」は世界最大店舗ということではあるが、何も早朝から並ぶことはないね。

”銀座店だけのオープン記念特別価格!”というチラシにあおられた人たちが、買い求めたいという商品はレディスのスキニーフィット・ストレートジーンズ、メンズのレギュラーフィット・ストレートジーンズ1900円が990円だろう。あと1290円のカーディガンと1500円のオーラ・カイリーのTシャツが各990円。

他に先着1000名にユニクロのポケッタブルトートがプレゼントだそうだ。

このために交通費を使い銀座へ出かけ、早朝から並ぶエネルギーと時間の浪費ではないかと、考えたことがないのだろうか?

下手したら、交通費だけで正価と特別価格差を上回っている人も少なくないだろう。そのうえエネルギーと時間の浪費を考えると割に合わないと思うんだけど。

しかも上記のものは、16日から19日まで毎日やっていると、チラシには明記されている。

テレビや新聞で行列している人を見ていると、いじましく思えてならないんだヨ。

「ユニクロ」は売り切れることはないだけの商品を生産しているんだもの。一生懸命並ぶ必要なんてないし、トートバッグなんて増えたってしょうがないじゃないかととも思うんだヨ。

とのことであり、まったくその通りだと思う。

ユニクロ銀座店に並ぶことについて、「銀座店限定商品があるから」という声がある。
まあ、確かにそれはその通りなのだが、限定商品欲しさにそれでもユニクロに並ぶだろうか?
明らかに値引き率よりも交通費の方が高くつく。
しかもいくら「限定品」だとはいえ、あのベーシック商品である。
個人的には並ぶ気にならない。

ユニクロの商品はよほどの人気商品でない限り、品切れしないように大量に生産されている。
このブログ主がいうように、自宅から銀座店までの往復交通費の方がもったいない。
さらに言えば、ユニクロなんて自宅周辺にいくらでも店舗がある。

H&Mやフォーエバー21なら行列を作るのもわかる。
彼らは一つの品番を大量に作り込まないし、店舗数が増えたと言ってもまだまだ地方にはない。
やはり都心に来て買わざるを得ない。

ひょっとしたら行列を作ったお客の多くは、ユニクロの商品が切実に欲しいわけではなく、何かの「祭り」に参加したかっただけなのかもしれない。
それがたまたまユニクロだっただけで対象物はH&Mでもフォーエバー21でもZARAでも東京ガールズコレクションでもAKB48でもガンダムでも何でも良かったのかもしれない。

個人的にはこのブログ主と同じで物を買うのも、食べるのも行列に並ぶのは大嫌いである。
別に発売当日にiphoneやipadを買う必要はないと思うし、
しかめツラしたわけのわからんオヤジのラーメン屋に並んでまで食べる必要はないと思う。

あれらも一種の「祭り」であるとしか思えない。

ピンとこない「香る」ジーンズ

 臭い、匂い、香り。
まあ、嗅覚に関する表記だと良く使われるのはこの3種類くらいだろうか。

におい、ニオイ、かおりなど平仮名や片仮名の表記もある。
で、不思議なもので「臭い」と書くと、何だか「クサそう」である。
臭い(におい)も臭い(くさい)も表記上は同じになるから不思議な感じがする。

先日、マックハウスから自社開発商品として「香るジーンズ」が発表された。
発売は4月上旬からという。

http://www.apparel-mag.com/abm_trend_1203_mh.html

マックハウスからのリリースによると香料を特殊技術でジーンズに付着させているとのことである。

個人的な感想に終始するが、
「ニオイ」というキーワードは日本人にはあまり響かないのではないかと思う。
筆者自身があまり嗅覚が鋭い方ではなく、香りについて無頓着であるから余計にそうなのかもしれない。
「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」である。

日本人でも最近は香水やコロンを付けている人が増えているが、
欧米人に比べると軽い香りが好まれる傾向は変わっていない。
また、香水をプンプンさせている人はちょっと敬遠されることも相変わらずである。

鳴り物入りで上陸したものの、最近ではさっぱり話題に上らない
「アバクロンビー&フィッチ」(略称アバクロ)のショップもそうである。
アバクロ銀座店の不人気の理由の一つとして、必ず「店内に振り撒かれている香水がクサすぎる」というものがある。
あまりの不評ぶりに香水のにおいを少し抑えるようにしたとも聞くが、アメリカでは受け入れられた手法であるにも拘わらず、日本ではご覧の通りだ。

ニオイをインプットさせることで、ブランドを刷り込む手法だと聞いたことがあるが、
現状の日本人にとって、ニオイはそれほど有力な要因ではないと感じる。

取り越し苦労かもしれないが、上半身に香水やコロンを付けた場合、
ジーンズから異なる香りが発せられるのは逆効果ではないのかとも思う。
異なる香りが重なることのリスクはないのだろうか?

ニオイに鈍感な筆者には、香るジーンズというのはあまりピンとこない商品である。

立て続けに「アウトレット専用商品」に関する記事が

 最近、アウトレットモールに対する記事が立て続けに掲載された。

不況下の小売り優等生・アウトレットに異変(東洋経済オンライン)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120321-00000000-toyo-bus_all

「アウトレット専用に開発・製造されました」コレって“アウトレット”?(週刊プレイボーイ)
http://wpb.shueisha.co.jp/2012/02/20/9858/

東洋経済オンラインはアウトレットモールが増えすぎて飽和状態に達しつつあることを伝えており、

アウトレット市場は00年以降、年率5%以上の成長を続けてきたが、11年は前年比約2%の成長にとどまったとされる。東日本大震災の影響があるものの、業界内には「一時の勢いはない」(大手デベロッパー)との声も出始めている。

という。

筆者はアウトレットにあまり行かないが、たまに立ち寄るとどこのアウトレットも同じようなラインナップのテナントが並んでいることに驚く。
ショッピングモールやファッションビルへの出店ブランドが同質化しており、どこの商業施設でもそう変わらないが、アウトレットもそうなってしまっている。
根本的な問題として、アウトレットの商品はお得か?という問題がある。

ラグジュアリ―ブランドを買うにはアウトレットが必要だと思うが、通常のSPAブランドやセレクトショップの商品を買うのにアウトレットまで出かける必要があるとは到底思えない。
通常のSPAブランドやセレクトショップは、何らかの形態でほぼ年間通じて割引を行っている。
さらに驚くことに、通常店の方が処分価格が安く、アウトレットの方が高いという場合すら珍しくない。
価格だけで考えるなら通常店をこまめにチェックして安くなったタイミングで買えば良い。

そして、上の2本の記事に共通しているのが、
アウトレットとは名ばかりで、「アウトレット店専用」で売るために製造された商品がかなり増えている。
という事実である。

東洋経済オンラインから抜粋すると

ところが、店舗数が増えるにつれて、近年「リーマンショック後に在庫圧縮が進み、(アウトレットに)回せる商品が減っている」(大手メーカー)。いきおい、売り場を維持するためにアウトレット向けの専門商品が作られ始め、中には「5割以上が専用商品になっている店もある」(同)。

とある。

また週刊プレイボーイでも

「今、アウトレットモールでは、最初からアウトレットで販売する目的で開発・製造された専用商品が増殖しているのです」(A氏)

と伝えている。

残念ながら両方とも事実である。

これに対して
「アウトレット向けに専用低価格品を作って販売するのも一つの新しいビジネススタイル」と弁護する意見もあるが、それでは郊外型ショッピングセンターと競合になるのではないか。
例えば、Bというブランドが郊外型ショッピングセンターに低価格店を出店し、近隣のアウトレットモールにも出店したとする。
同じような商品が同じような価格で両方に並ぶこととなるが、消費者は同じような価格だからと言って2枚両方買うことは無い。必ずどちらか1枚を選ぶ。
さらに言えば、どっちで買っても同じということになれば、消費者はその時々に応じて使い分け、最悪の場合売り上げを自店同士で二分してしまう可能性もあるのではないか。
筆者には新しいビジネススタイルとは到底思えない。

それ以前に、「アウトレット用に専用商品が作られている」という事実が経済誌である東洋経済に掲載されるならまだしも、大衆誌である週刊プレイボーイに掲載される事態を重く見なくてはならないのではないか。
これまでは、業界内の「公然の秘密」だった事例が、一般大衆に広く知られることとなり始めている。
今までのような商品の調達方法を続けて行くと、今後消費者がアウトレットから離れる可能性が高くなるように思う。

アウトレット頼りのブランド経営もそろそろ考え直す時期に差し掛かっているのではないか。

バックナンバーのフライングドラゴンチノ

 先日、フラリと立ち寄ったライトオンで、
プライベートブランド「バックナンバー」のチノパンに「フライングドラゴンチノ」素材が使用されているのを発見して驚いた。

「フライングドラゴンチノ」とは何ぞや?というと東洋紡の開発素材である。

http://levisz.jugem.jp/?eid=365

素材のフライングドラゴンチノは1950年代前半に米国陸軍士官学校の制服の生地をモデルに東洋紡が開発、8500番は通称「ウェストポイント(陸軍士官学校)」とも呼ばれ開発されて以来国内外で広く使用されてきた。洗濯を繰り返しても美しい光沢感と独特の風合いが保たれはきこむほどにより素材感が増してゆく。

とのことであり、平たく言えばウェストポイント(略称ウエポン)素材のことだ。

以前、90年代後半のリーバイスのチノパンに使用されていたのを覚えているが、帰宅後インターネットで検索すると2010年ごろのリーバイスのチノパンにも再び使用されていたようである。

ジーンズがここ数年低迷を続け、メンズのボトムスはチノパンの方が優勢である。
しかし、糸、染め、織り、洗い加工に蘊蓄を語りやすいデニムという素材に比べ、チノ素材はなかなか素材自体の蘊蓄が語りにくい性質がある。
例えば、カジュアルボトムスのOEMを長年手掛ける友人でさえ
「このチノは厚みがそこそこあり、表面のカサっとした感じが良い」程度しか素材に対しては語れない。
実際にはもっと深い物があるのだろうが、デニムという素材にくらべると格段に語りにくく、差別化しにくい素材だと印象が強い。

売り場でのPOP作りも大変な様子で、
ジーンズという製品には、いくらでも書くことがあるのでPOPが作られている場合がある。
しかし、チノパンという製品には、素材自体の蘊蓄が書かれたPOPをあまり見たことがない。

そういう状況下で、東洋紡の「フライングドラゴンチノ」は素材自体の蘊蓄が語りやすい。
共通の「フライングドラゴン」タグもある。
このタグはフライングドラゴンを使用した商品には、ブランドを問わず付けられている。
今回のバックナンバーにも、リーバイスにも共通して使用されている。

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(バックナンバーのフライングドラゴンチノタグ)

チノパンに「フライングドラゴン」を使用することを決めたライトオンのアイデア勝ちだろう。

それから、定期的に開催されている「世界のカーゴパンツ特集」も良い企画だと思う。
両腿の外側にポケットさえ付けていれば何でも「カーゴパンツ」となりうる。

そういう中で、ベルギー軍、アメリカ軍、イタリア軍などと国別にカーゴパンツを集積することは消費者の興味を惹きやすいと感じる。
定期的に繰り返し行うことで、ライトオンの顧客にも定着していく可能性が高い。

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(今春の世界のカーゴパンツ特集のPOP)

ミリタリーはあまり詳しくないので迂闊なことは言えないが、自衛隊モデルのカーゴパンツというのは無いのだろうか?ほとんど見かけたことがない。

自衛隊のカーゴパンツはどこかの軍と共通でオリジナルデザインではないのか?
それとも自衛隊の衣服のレプリカを製造することは法律的に禁じられているのか?

この辺りの興味は尽きない。

JR大阪三越伊勢丹の「イセタンガール」の継続は理解に苦しむ

 24日の土曜日に、所用があってJR大阪駅に行った。
休日の昼間に都心に出かけるのは久しぶりである。人混みが嫌いなので、いつもはなるべく休日は都心には出かけないようにしている。

さすがに土曜日だけあって人がウヨウヨしている。ノ( ̄0 ̄;)\オー!!ノー!!!!

それでも気を取り直して、JR大阪駅周辺を探索してみる。

ルクアのクリスピークリームドーナツは並んでいる。
ここのドーナツは甘みが強すぎなので筆者の好みではない。なぜ並んでまで食べたい人がいるのか不思議で仕方がない。ミスドの方が美味しいと思うのだが。

ドーナツの行列を尻目に、半年ぶりくらいでJR大阪三越伊勢丹に足を踏み入れる。
以前から気になっていたのだが、節電のためだろうか?店内が暗い。暗すぎる。

全階のエスカレーター付近のライトを外してあるように思うのだが、いかがだろうか?
そのため、ただでさえ暗い雰囲気をさらに暗くしているように感じる。
負のスパイラルという感じである。

以前、知人が「平日夕方の食品売り場に客が少なく寂しい」と言っていたので、
地下2階の食品売り場を覗いてみた。
土曜日の午後2時半ということもあり、混雑はしていないがそれなりにお客の姿はある。
現時点では「寂しい」というほどではなく、ほどほどに活気もある。

それから地下1階の「イセタンガール」に行く。
付きあたりのカフェは満席近くでそれなりの客入りだが、衣料品売り場はほぼ無人である。
立ち止まる客は少なく、どちらかというと通路として利用しているように見える。
呼び込めど客入りにつながらない販売員さんたちが気の毒であった。

あくまでも体感だが、全階の中でこの時間帯は地下1階がもっとも客入りが少なかったのではないか?

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(3月24日、午後2時半~午後3時の様子)

先日、JR大阪三越伊勢丹は早くも2013年から改装することを発表した。

日経新聞の記事によると

「イセタンガール」や「イセタンメンズ」などの売り場面積の3割を占める自主編集売り場は同店の特徴として面積などは現状を維持する。
ただ、扱う商品などは、より大阪の顧客層に合わせた値ごろ感のある商品ラインアップを強化する。

とのことである。

この現状で「イセタンガール」を継続する必要があるのか?と疑問に感じる。
JR大阪三越伊勢丹の現状の客層は、どちらかというと年配層である。
30分間ウオッチングした感想で言えば、30代半ば以上だろう。もしかすると40代以上ではないか。
その年代に向けた「イセタンメンズ」の継続は分かるとしても、客層とかい離した「イセタンガール」の継続は理解に苦しむ。

同じJR大阪駅にヤングレディースに強い「ルクア」と大丸梅田店があるのだから、アダルト向けに特化した方がよほど効率的である。
大丸梅田店の「うふふガールズ」にはブランドの集積量から見ても勝ち目はないだろう。

同じグループのJR京都伊勢丹は、ヤングレディース集積にこだわっていない。そのため初年度の不振から売上高が回復したのではないのか。
なぜ京都で出来たことを大阪でやろうとしないのだろうか。

今回は休日の昼間だったので、次回は平日の夕方をウオッチングしてみたい。

今3月度売上実績は前年を上回って当たり前

 ライトオンとジーンズメイトの3月度売上速報が発表された。

何度も言うように2月21日~3月20日までの実績の前年対比である。
思い出していただきたいのだが、昨年の3月11日以降は東日本大震災が起きて東北地方や北関東地方の店舗が営業中止や営業時間短縮に追い込まれていた時期である。
そのため、前もって言うならこの月次、それから3月21日~4月20日までの来月次の業績は前年を上回って当然である。

それを考慮して業績を見たい。

ライトオンは
既存店売上高が前年同月比30・8%増
既存店客数が同24・8%増
既存店客単価が同4・8%増

ジーンズメイトは
既存店売上高が前年同月比1・8%増
既存店客数が同6・2%減
既存店客単価が同8・5%増

だった。

昨日の東洋経済の報道によると、ジーンズメイトは既存店売上高が1・8%増となったことで株価が急騰したらしいが、内容的には何も回復していない。
先述したように昨年は東日本大震災という未曽有の大惨事が発生した。
休業店舗や営業時間短縮店舗などが多数あったため、何の工夫もなく普通に運営するだけで前年実績は軽くクリアできる。

ちなみに昨年3月度のジーンズメイトの実績報告は

既存店売上高が前年同月比23・6%減
既存店客数が同29・8%減
既存店客単価が同8・8%増

である。

今回のジーンズメイトは「業績回復傾向」というよりは「下げ止まりが見えた」という方が適切であり、しかも東日本大震災での落ち込みの上に成り立っているものであるため、筆者は下げ止まりと呼ぶことに対して疑問を感じる。「東日本大震災のあった昨年実績とほぼ同水準でしかなかった」と言える。5月度以降の状況を見てからでないと「下げ止まり」とはとても呼べない。
そういう意味では投資家はえらく短絡的な物の見方をするものだと呆れてしまう。

ついでながら昨年3月度のライトオンの実績を見よう。

既存店売上高が前年同月比19・4%減
既存店客数が同24・1%減
既存店客単価が同6・2%増

である。

今年3月の既存店売上高が30・8%増であるから、
一昨年実績と比べても約5・4%増となり、こちらは本格的に「回復傾向にある」と断言しても間違いないだろう。

今回のジーンズメイトの株価急騰は明らかに投資家の読み間違いであり、一昨年末の株価急騰と同じくらい不可解な現象であると言わねばならない。

浮ついたところがない大丸梅田店

 昨年末、好調な大丸梅田店を取材した。
その時に感心させられたことがある。

大丸梅田店はユニクロ、ポケモンセンター、トミカショップ、東急ハンズなどを昨年春に導入し、
それが集客装置となって大幅に前年実績を更新している。
2月度の実績でも売上高が前年比69・9%増、入店客数が同94・2%増と大きく業績を伸ばしている。

これに対して「あれは百貨店ではない」というような否定的な意見が同業他社から聞こえてくる。
ともすれば取材する側も業績の華々しい梅田店に目を奪われがちである。

しかし同社の広報は
「梅田店はターミナル駅立地ということを考慮して、万人受けするユニクロなどを導入しましたが、心斎橋店(北館ではなく、本館と南館)は富裕層のお客様が多いので、そのような品ぞろえはしません」と話していた。
ちなみに1日当たりの入館者数は平均すると13万人だという。

要は店ごとの顧客層に沿った品ぞろえをしているということになる。

こういう部分を見ると大丸百貨店の冷静さが良く分かる。

さて、もうすぐ改装オープンから1年が経過するのだが、
大丸梅田店のスタンスは「1年目は御祝儀相場。本番は2年目以降」としており、非常に浮ついたところがない。
そういう姿勢を見るにつけても2年目以降の大丸梅田店には期待できるのではないかと感じる。

一方、JR大阪三越伊勢丹は早々と2013年からの改装を発表した。
日経新聞の伝えるところによると

「イセタンガール」や「イセタンメンズ」などの売り場面積の3割を占める自主編集売り場は同店の特徴として面積などは現状を維持する。
ただ、扱う商品などは、より大阪の顧客層に合わせた値ごろ感のある商品ラインアップを強化する。

というが、好調に転じてきたといわれる「イセタンメンズ」はまだしも「イセタンガール」を継続する必要があるのか甚だ疑問を感じる。
ヤングレディース向けというが、ルクアや大丸梅田店の「うふふガール」の方がよほどブランドがそろっている。
「ペイトンプレイス」や「ディアプリンセス」のような旬を過ぎたブランドを入れ替えなくては「イセタンガール」が浮上することはあり得ないだろう。

そもそもルクアや大丸があるのに、伊勢丹にヤングレディース向けの自主編集売り場が必要なのか、根本的に疑問である。

改装後どのようになるのかわからないが、JR大阪三越伊勢丹の迷走は当分続くのではないだろうか。

繊研新聞が5月から電子版を開始。

 まず、内容を取り違えていたことを関係者様に謝罪しなくてはならない。
まことにお恥ずかしい限りである。

その上で、5月に発行される繊研新聞の電子版についてあらためて考えてみたい。

その概要を以下に抜粋する。

http://www.fashionsnap.com/news/2012-03-19/senken-denshiban/

繊研新聞社が3月19日、繊研新聞の電子版「繊研新聞電子版」を5月より発刊することを発表した。国内の繊研新聞の購読者を対象にパソコンやスマートフォン、タブレットなど様々な端末から繊研新聞に掲載した記事を無料で提供。国内では電子版のみの購読は不可となるが海外居住者には電子版のみの販売を行う予定。4月9日より、事前登録申し込みを行う。

とのことである。
要するに現在、繊研新聞を購読している人のみのサービスである。
そして、問題はその金額であるが、

繊研新聞社が発行する「繊研新聞電子版」は、登録後にログインすれば午前6時(日本時間)から当日付の繊研新聞を読むことができる。海外からも申し込み可能で、価格は国内での購読料と同様月額3,975円(クレジット決済、本紙の新聞購読料は含まれない)。2012年4月分から最長1年間、過去記事をキーワード検索できる検索機能も備える。紙面は、「Adobe FlashPlayer」がインストールされているパソコンや端末では、新聞レイアウト版となり、紙面と同じすべての写真や図表、決算短信が閲覧可能。レイアウト版の対応機種は、後日ホームページを通じて案内する。

という。

「電子版のみでは契約ができない」という箇所をどうとらえるかなのだが、各新聞社ともここで頭を悩ませている。
繊研新聞に限らず、繊維ニュースでも今は亡き日本繊維新聞でも。

日経新聞は月額4000円で電子版のみが購読できる。
その金額で電子版が読みたいか?と問われると、即答できない。
かなり考えねばならない。

繊研新聞社としては電子版のみの読者が増えることは歓迎していないのだろう。
今回の措置では、紙媒体の部数に影響が出ることはほとんどない。
しかし、それで良いのかという疑問も感じる。

例えば、日経新聞のように月額4000円前後で電子版のみを購読するという設定はどうだろうか?
おそらく、さまざまな障害があるに違いないし、社内でもいろいろな意見が出されたことと想像する。
それでも、ある一定料金(例えば4000円とか3000円とか)によって電子版のみを購読できるようにした方が、読者の裾野が広がるのではないかと思う。
このあたりは完全な私見なので、「お前考え違いしてるやないか」と言われればその通りなのであるが、新聞の読者数を今以上に広げるためには、電子版のみの購読を可能にして裾野を広げるというやり方が良いと感じる。

けれども問題点もある。
会社自体が消滅したので時効だと思うが、
かつて日本繊維新聞が日経とほぼ同じプランで電子版を発行したことがある。
結局、倒産するまでの電子版契約者は100人内外だったと聞いている。

また某社の有料携帯情報サイトも登録者数が100人強であるとの噂も聞く。

さて、購読部数減少に頭を痛める繊維業界紙だが、電子版の契約者数を増やさない施策を採ったからといって、部数の減少に歯止めがかかるのだろうか?
個人的には歯止めがかかるとは思えない。

なぜなら、いささか消費者寄りの情報を重視しているとはいえ、繊維・ファッション業界向けのインターネット情報サイトは山のように存在しているからである。
もっとも有名なのはファッションスナップドットコムだろうが、それ以外にも週刊ファッション情報、ファッションプレス、ファッションJP.net、アパレルウェブ、アパレルリーダーズなどなど。がある。
一説には小さなサイトも合わせる100以上もあるという。

これらのサイトの多くは無料でニュースが閲覧できる。
こうした状況で新聞社が独力で電子化の流れに抵抗したところで、効果がないと思われる。
効果がないどころか、逆に新聞社が取り残されてしまうのではないかという危機感すら感じる。

まあ、しかし、各情報サイトとも無料で公開しているわけなので、収益化が難しいというのはどのサイトにも共通した悩みである。
バナー広告を集めるか、記事を有料で大手サイトに配信するか、くらいしか収益化の手立てがないのも現実である。

「こうすればネットでも収益化できる」という名案が、このポンコツな頭では思い浮かばないので、優秀な方の登場を待つしかない。

紙媒体の部数が減少しているのは宝島社など一部を除いて、出版業界全体の流れである。
そのためにサイトでどのように収益化するかという問題に現時点で有効な答えが出ていない。

ただ、それでも繊維・ファッション情報で圧倒的なシェアを持つ繊研新聞が、有料無料を問わず紙媒体購読者以外にも読める電子媒体や情報サイトを開設することは、かなりの数の読者を獲得できるのではないか。
読者数を獲得してから、新しいビジネスに結びつけるやり方を模索しても良いのかもしれない。

じゃあ、その新しいビジネスって何よ?と突っ込まれるとこれまた難問であるのだが・・・・・。

百貨店の苦戦は若者離れが原因ではない

 3月15日の日経新聞にこんな見出しの記事が掲載された。

「百貨店、大都市で改装ラッシュ 若者離れに危機感」

要するに各大都市の百貨店が来年以降に続けざまに改装するという内容である。

記事の冒頭には

百貨店大手が主要都市で相次ぎ大規模改装に乗り出す。横浜ではそごう横浜店が10年ぶりに全館を、
高島屋横浜店も来秋までに約150億円かけてそれぞれ改装。名古屋や大阪でも各社の基幹店が一斉に工事に入った。
百貨店市場は景気低迷や若者離れなどで15年連続で縮小しており、各社は生き残りをかけ主力店の競争力を高めていく。

とある。
まあ、業績低迷を打開する手っ取り早い方法は改装であるから、一番安易な方法を採ったということだろう。

しかし、意味が分からないのは「若者離れ」である。

一体、百貨店の主要顧客が「若者」であったのは何時の時代を指しているのだろうか?
主要顧客層が「若者」であった時代などおそらく百貨店には無かったはずである。
記者は夢でも見ていたのだろうか?それとも百貨店広報担当者が錯乱していたのだろうか?
もしくはその両方だろうか?

百貨店の主要顧客層は今も昔も低所得者が多い若者ではなく、ある程度の収入を持った中年以上である。
今でこそ、大丸を始めとする百貨店にユニクロなどの低価格ブランドが入っているが、数年前まで百貨店は中級価格以上の婦人服ブランドを「これでもか」というほど強化し続けてきた。
ターゲットは20代半ば以上の小金持ちの女性である。

しかし、彼女らとて、すべての百貨店を潤すほど消費すればおのれ自身が破産してしまうので、彼女らの消費はすべての百貨店には行き渡らない。当然、百貨店間に優勝劣敗が生じる。
百貨店が苦しくなったのは、中級価格帯以上の婦人服に特化し続けてきたことが裏目に出ているためである。
にも関わらず、バブルの頃の栄華が忘れられないのか、いまだに百貨店関係者は呪文のように「ファッション、ファッション」と繰り返すのみである。

20代半ば以上の女性の消費だけでは全百貨店が潤わないのは自明の理なので、本気で百貨店が生き残りたいのなら、他の顧客層で補うべきである。
それを実践したのが、関西では大丸梅田店だろう。
全所得層に向けてユニクロを導入し、子供向けにポケモンセンターとトミカショップを導入した。
男性客に向けては東急ハンズを誘致している。

これまで苦戦を続けてきた大丸梅田は、これによって大幅に客数が伸びており、
売上高でも客数でも鳴り物入りでオープンしたJR大阪三越伊勢丹を遥かに引き離している。

ついでながら、この記事によると
初年度売上高を200億円も下方修正したJR大阪三越伊勢丹は、2013年から早くも大幅改装に取り掛かるそうである。これだけ苦戦すれば改装とブランドの入れ替えをせざるを得ないことは誰の目にも明らかである。

話を戻すと
百貨店が低迷しているのは若者のせいではないし、これまで百貨店は若者をメインターゲットとしてきた事実もない。何でもかんでも「若者離れ」のせいにしたがるのは、経営陣の思考が硬直化しており、一番責任をなすりつけやすい層に転嫁しているだけのことである。

これまで百貨店で買い物をしていた中高年層がどれほど郊外型ショッピングセンターやユニクロに流れていると思っているのだろう。筆者の周囲を見渡しただけでも相当な数になる。
主要顧客層である「中高年層の百貨店離れ」という事実を直視できないようなら、間違いなく百貨店の売上高は低下し続ける。

完全無欠で究極(笑)

 昨日からテレビでは「ユニクロ銀座店オープン」ばかり放送しており、うんざりしている。
12層のビルすべてがユニクロだということらしいが、あのベーシック一辺倒の商品構成で12層ものフロアが必要なのかと疑問を感じる。もっとも、最近のユニクロは店舗が巨大化の一途をたどっており、業界通のOEM事業者に言わせると「あれは物流倉庫を兼ねているから」ということになる。

たしかに、ユニクロの発表で「物流センターを新しく作りました」という内容はほとんど見かけたことが無い。
この業者のいうように巨大店舗=物流倉庫ということなのだろう。
また余談ではあるが、店頭で商品を見ている限り、商品の店舗間移動もほとんど無いように見受けられる。

数店舗を定期的にハシゴしてみれば気が付くが、例えば「A」という商品がある。
しかし、当然ながら各店舗によって同じアイテムといえども売れ行きにはばらつきがある。
心斎橋店は完売したが、動物園前店は大量に余っている。なんばシティ店はやや残っている。あべのキューズモール店はさらに大量に余っている。

このような状況があるとする。

通常のチェーン店は売れている店に商品を集中する。
上の場合なら、「A」という商品は心斎橋店に集中すべきである。
実際に、17年前に入社した低価格衣料品チェーン店ではそのようにして在庫を減らしていた。

しかし、とくにこの何年間か定期的に見ていると、ユニクロの場合、そうした商品の店舗間移動はほとんど無いと感じる。心斎橋店はずっと品切れのままだし、動物園前店ではずっと数量が残っている。店舗間移動したとあからさまにわかったのは「+J」くらいである。

推測だが、店舗間移動させる送料ががもったいないということなのだろうか。

閑話休題

海外事情に暗い筆者はいくつかのブログやニュースを参考にして世界情勢を推測している。
推測と言っても大した推測はしていない。
ボーっと眺めていると言った方が実状に近い。

http://www.apalog.com/maxre/archive/60

ここも定期的に読んでいる海外情報ブログの一つである。
ちょうど、銀座店オープンに合わせたユニクロのニューヨークでの広告の話題が書かれてある。

広告のキャッチコピーが画像で貼り付けられており、気になった一節を抜粋する。

「Uniqlo is clothing in the absolute」
横には「完全無欠の究極の服」という訳が付けられている。

うーん。キン肉マンに登場するパーフェクト超人みたいなコピーである。
2ちゃんねる用語で言うなら「厨2病」とでもいうのだろうか。

もちろん、価格の割に品質が高いことは重々承知している。
それでも「あの程度で完全無欠の究極の服なんですか?」と疑問を感じざるを得ない。
完全無欠の究極の服などと言い切ってしまって良いのだろうか?

よく、テレビのドキュメンタリーや新聞のインタビューで人間国宝とまで言われて、業を極めた方が登場する。
その方々が「死ぬまで勉強です」や「まだまだ今の作品に満足できません。さらなる高みを目指します」と答えておられることを目にする。
人間国宝とまで言われた方が「まだまだ完成型は見えません」と仰っているのに、ユニクロは現時点で「完全無欠の究極の服」と言い切っていることに違和感を覚えずにはいられない。

「完全無欠」という単語はアラジンの大ヒット曲のタイトルくらいでしか日常生活で耳にしたことが無い。

「完全無欠」とか「究極」とか「最高」とかやたら過剰な形容詞が好きなのがユニクロである。
良くも悪くも日本人的発想ではないということだろう。
だからこそ、ここまでの企業に成長できたといえるのだが、「完全無欠」とは鼻で笑ってしまうと言ったら言い過ぎだろうか。(反語)

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