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南充浩 オフィシャルブログ

繊研新聞が5月から電子版を開始。

2012年3月21日 未分類 0

 まず、内容を取り違えていたことを関係者様に謝罪しなくてはならない。
まことにお恥ずかしい限りである。

その上で、5月に発行される繊研新聞の電子版についてあらためて考えてみたい。

その概要を以下に抜粋する。

http://www.fashionsnap.com/news/2012-03-19/senken-denshiban/

繊研新聞社が3月19日、繊研新聞の電子版「繊研新聞電子版」を5月より発刊することを発表した。国内の繊研新聞の購読者を対象にパソコンやスマートフォン、タブレットなど様々な端末から繊研新聞に掲載した記事を無料で提供。国内では電子版のみの購読は不可となるが海外居住者には電子版のみの販売を行う予定。4月9日より、事前登録申し込みを行う。

とのことである。
要するに現在、繊研新聞を購読している人のみのサービスである。
そして、問題はその金額であるが、

繊研新聞社が発行する「繊研新聞電子版」は、登録後にログインすれば午前6時(日本時間)から当日付の繊研新聞を読むことができる。海外からも申し込み可能で、価格は国内での購読料と同様月額3,975円(クレジット決済、本紙の新聞購読料は含まれない)。2012年4月分から最長1年間、過去記事をキーワード検索できる検索機能も備える。紙面は、「Adobe FlashPlayer」がインストールされているパソコンや端末では、新聞レイアウト版となり、紙面と同じすべての写真や図表、決算短信が閲覧可能。レイアウト版の対応機種は、後日ホームページを通じて案内する。

という。

「電子版のみでは契約ができない」という箇所をどうとらえるかなのだが、各新聞社ともここで頭を悩ませている。
繊研新聞に限らず、繊維ニュースでも今は亡き日本繊維新聞でも。

日経新聞は月額4000円で電子版のみが購読できる。
その金額で電子版が読みたいか?と問われると、即答できない。
かなり考えねばならない。

繊研新聞社としては電子版のみの読者が増えることは歓迎していないのだろう。
今回の措置では、紙媒体の部数に影響が出ることはほとんどない。
しかし、それで良いのかという疑問も感じる。

例えば、日経新聞のように月額4000円前後で電子版のみを購読するという設定はどうだろうか?
おそらく、さまざまな障害があるに違いないし、社内でもいろいろな意見が出されたことと想像する。
それでも、ある一定料金(例えば4000円とか3000円とか)によって電子版のみを購読できるようにした方が、読者の裾野が広がるのではないかと思う。
このあたりは完全な私見なので、「お前考え違いしてるやないか」と言われればその通りなのであるが、新聞の読者数を今以上に広げるためには、電子版のみの購読を可能にして裾野を広げるというやり方が良いと感じる。

けれども問題点もある。
会社自体が消滅したので時効だと思うが、
かつて日本繊維新聞が日経とほぼ同じプランで電子版を発行したことがある。
結局、倒産するまでの電子版契約者は100人内外だったと聞いている。

また某社の有料携帯情報サイトも登録者数が100人強であるとの噂も聞く。

さて、購読部数減少に頭を痛める繊維業界紙だが、電子版の契約者数を増やさない施策を採ったからといって、部数の減少に歯止めがかかるのだろうか?
個人的には歯止めがかかるとは思えない。

なぜなら、いささか消費者寄りの情報を重視しているとはいえ、繊維・ファッション業界向けのインターネット情報サイトは山のように存在しているからである。
もっとも有名なのはファッションスナップドットコムだろうが、それ以外にも週刊ファッション情報、ファッションプレス、ファッションJP.net、アパレルウェブ、アパレルリーダーズなどなど。がある。
一説には小さなサイトも合わせる100以上もあるという。

これらのサイトの多くは無料でニュースが閲覧できる。
こうした状況で新聞社が独力で電子化の流れに抵抗したところで、効果がないと思われる。
効果がないどころか、逆に新聞社が取り残されてしまうのではないかという危機感すら感じる。

まあ、しかし、各情報サイトとも無料で公開しているわけなので、収益化が難しいというのはどのサイトにも共通した悩みである。
バナー広告を集めるか、記事を有料で大手サイトに配信するか、くらいしか収益化の手立てがないのも現実である。

「こうすればネットでも収益化できる」という名案が、このポンコツな頭では思い浮かばないので、優秀な方の登場を待つしかない。

紙媒体の部数が減少しているのは宝島社など一部を除いて、出版業界全体の流れである。
そのためにサイトでどのように収益化するかという問題に現時点で有効な答えが出ていない。

ただ、それでも繊維・ファッション情報で圧倒的なシェアを持つ繊研新聞が、有料無料を問わず紙媒体購読者以外にも読める電子媒体や情報サイトを開設することは、かなりの数の読者を獲得できるのではないか。
読者数を獲得してから、新しいビジネスに結びつけるやり方を模索しても良いのかもしれない。

じゃあ、その新しいビジネスって何よ?と突っ込まれるとこれまた難問であるのだが・・・・・。

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