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南充浩 オフィシャルブログ

浮ついたところがない大丸梅田店

2012年3月22日 未分類 0

 昨年末、好調な大丸梅田店を取材した。
その時に感心させられたことがある。

大丸梅田店はユニクロ、ポケモンセンター、トミカショップ、東急ハンズなどを昨年春に導入し、
それが集客装置となって大幅に前年実績を更新している。
2月度の実績でも売上高が前年比69・9%増、入店客数が同94・2%増と大きく業績を伸ばしている。

これに対して「あれは百貨店ではない」というような否定的な意見が同業他社から聞こえてくる。
ともすれば取材する側も業績の華々しい梅田店に目を奪われがちである。

しかし同社の広報は
「梅田店はターミナル駅立地ということを考慮して、万人受けするユニクロなどを導入しましたが、心斎橋店(北館ではなく、本館と南館)は富裕層のお客様が多いので、そのような品ぞろえはしません」と話していた。
ちなみに1日当たりの入館者数は平均すると13万人だという。

要は店ごとの顧客層に沿った品ぞろえをしているということになる。

こういう部分を見ると大丸百貨店の冷静さが良く分かる。

さて、もうすぐ改装オープンから1年が経過するのだが、
大丸梅田店のスタンスは「1年目は御祝儀相場。本番は2年目以降」としており、非常に浮ついたところがない。
そういう姿勢を見るにつけても2年目以降の大丸梅田店には期待できるのではないかと感じる。

一方、JR大阪三越伊勢丹は早々と2013年からの改装を発表した。
日経新聞の伝えるところによると

「イセタンガール」や「イセタンメンズ」などの売り場面積の3割を占める自主編集売り場は同店の特徴として面積などは現状を維持する。
ただ、扱う商品などは、より大阪の顧客層に合わせた値ごろ感のある商品ラインアップを強化する。

というが、好調に転じてきたといわれる「イセタンメンズ」はまだしも「イセタンガール」を継続する必要があるのか甚だ疑問を感じる。
ヤングレディース向けというが、ルクアや大丸梅田店の「うふふガール」の方がよほどブランドがそろっている。
「ペイトンプレイス」や「ディアプリンセス」のような旬を過ぎたブランドを入れ替えなくては「イセタンガール」が浮上することはあり得ないだろう。

そもそもルクアや大丸があるのに、伊勢丹にヤングレディース向けの自主編集売り場が必要なのか、根本的に疑問である。

改装後どのようになるのかわからないが、JR大阪三越伊勢丹の迷走は当分続くのではないだろうか。

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