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南充浩 オフィシャルブログ

今3月度売上実績は前年を上回って当たり前

2012年3月23日 未分類 0

 ライトオンとジーンズメイトの3月度売上速報が発表された。

何度も言うように2月21日~3月20日までの実績の前年対比である。
思い出していただきたいのだが、昨年の3月11日以降は東日本大震災が起きて東北地方や北関東地方の店舗が営業中止や営業時間短縮に追い込まれていた時期である。
そのため、前もって言うならこの月次、それから3月21日~4月20日までの来月次の業績は前年を上回って当然である。

それを考慮して業績を見たい。

ライトオンは
既存店売上高が前年同月比30・8%増
既存店客数が同24・8%増
既存店客単価が同4・8%増

ジーンズメイトは
既存店売上高が前年同月比1・8%増
既存店客数が同6・2%減
既存店客単価が同8・5%増

だった。

昨日の東洋経済の報道によると、ジーンズメイトは既存店売上高が1・8%増となったことで株価が急騰したらしいが、内容的には何も回復していない。
先述したように昨年は東日本大震災という未曽有の大惨事が発生した。
休業店舗や営業時間短縮店舗などが多数あったため、何の工夫もなく普通に運営するだけで前年実績は軽くクリアできる。

ちなみに昨年3月度のジーンズメイトの実績報告は

既存店売上高が前年同月比23・6%減
既存店客数が同29・8%減
既存店客単価が同8・8%増

である。

今回のジーンズメイトは「業績回復傾向」というよりは「下げ止まりが見えた」という方が適切であり、しかも東日本大震災での落ち込みの上に成り立っているものであるため、筆者は下げ止まりと呼ぶことに対して疑問を感じる。「東日本大震災のあった昨年実績とほぼ同水準でしかなかった」と言える。5月度以降の状況を見てからでないと「下げ止まり」とはとても呼べない。
そういう意味では投資家はえらく短絡的な物の見方をするものだと呆れてしまう。

ついでながら昨年3月度のライトオンの実績を見よう。

既存店売上高が前年同月比19・4%減
既存店客数が同24・1%減
既存店客単価が同6・2%増

である。

今年3月の既存店売上高が30・8%増であるから、
一昨年実績と比べても約5・4%増となり、こちらは本格的に「回復傾向にある」と断言しても間違いないだろう。

今回のジーンズメイトの株価急騰は明らかに投資家の読み間違いであり、一昨年末の株価急騰と同じくらい不可解な現象であると言わねばならない。

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