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地方バイヤー・海外バイヤーの来場者数減少は予想通り

 震災によってジャパンファッションウィーク(JFW)は中止となってしまったが、予定通りに展示会を開催したブランドもある。
震災復興を見据えるのなら、当然とも言えるのだが、地方バイヤー・海外バイヤーの来場は激減しているようだ。

3月29日の繊維ニュースから引用させていただく。

「デザイナーは前向きも 地方店、海外店の来場減」

 第12回JFW in Tokyoが中止となった先週は、本来なら100ブランド前後の展示会が予定されていたが、東日本大震災の影響で多くのブランドが展示会を延期した。そんな中で、「サカイ」「エヴァーラスティングスプラウト」「アンソール」「ヴゼット」「ファクトタム」「ヨシオクボ」「エトセンス」などのブランドが、予定通り展示会を開催した。

とのことである。

デザイナーの前向きな姿勢はうれしいことであるが、地方店や海外店の来場が減ることは予想の範囲内である。地方バイヤーからすれば、電力不足による電車運行の乱れと不定期に行われる計画停電が気になって以前のように気軽には東京には行けない。また放射能に敏感な海外バイヤーは東北・関東地方には、足を向けたがらない。今回の結果は当然の成り行きだと言える。

以前にも書いたように、開催場所を名古屋や京阪神に移せば来場者確保に効果があったのではないだろうか。
現在、名古屋や京阪神のホテルは東京からの避難組で満室だという。名古屋や京阪神で今回のブランド展示会を行った方が、地方バイヤーも行き易かっただろうし、もしかすれば東京バイヤーだって避難と気分転換を兼ねて、西日本に喜んで出張したのではないかと思う。
また外国人は、放射能を恐れて日本自体に入国することに消極的だと言われているが、冷静な外国人は名古屋以西は安全だということも知っているだろうから、名古屋・京阪神開催ならある程度の外国人バイヤーの来場は見込めたのではないだろうか。
地方在住者から見れば、今回のような状況でなぜ「東京開催」にこだわるのか理解に苦しむ。

例えば、香港で開催される伝統と格式のある展示会に毎回出展していたとする。しかし、近年来場者数が伸び悩んでいる。一方、上海の新しい展示会は来場者数が伸び続けている。こうした場合、多くのデザイナーは香港から上海に出展を振り替えるはずである。何が何でも香港に出展しなくてはならない理由はない。
これと同じ考えではいけないのだろうか。

東京開催は、福島原発沈静化と電力不足解消に一定の目途が着いてからでも遅くはないと思うのだが。

画一化する商業施設

 以前から何度も書いているので恐縮だが、経済効率を優先してカジュアル服を買うのならベーシック品をユニクロ、無印良品、GAP(3ブランドのセール品)でまとめ、ややトレンドデザイン物をポイントの各ブランドセール品、ライトオンのセール品でまとめると良い。あと1点か2点をビームスやアーバンリサーチ、チャオパニック、ユナイテッドアローズなどのセレクトショップでセール品を買い足せばそれなりの着こなしができると思う。

ユニクロが業績を伸ばし、無印良品やGAP、ポイントの出店が続いているのは、このような買い方をする人が増えているからだろう。
しかし、その結果、どのエリアでも同じような店のラインナップになり、明らかに画一化している。

ローカルだが、今春オープンラッシュが続く大阪市内を見て歩く。

4月26日に天王寺駅前に巨大なイトーヨーカドーがオープンする。
ここには「ユニクロ」が入店する。これまで不思議なことに天王寺駅周辺にはユニクロの大型店がなかった。地下鉄入口の近くに小型店があるくらいだ。
イトーヨーカドーに入店するユニクロはそこそこの規模の大型店になることが予想される。
これで、天王寺駅周辺にはユニクロ、無印良品、GAPの3ブランドがそろうことになる。

ヨーカドー天王寺

(イトーヨーカドー阿倍野店の外観)

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(地下鉄天王寺駅改札付近のユニクロ小型店)

3月3日に高島屋が増床オープンした難波だが、ここには無印良品の大型店、ユニクロの中型店がそろう。残念ながらGAPはないが、隣接する心斎橋にはGAPの大型店がある。心斎橋にはGAPのすぐそばにユニクロのグローバル旗艦店がある。今まで無印良品の大型店はなかったが、これも4月に大丸心斎橋店北館にオープンする。

4月19日に大丸梅田店が増床グランドオープンし、5月4日にJR三越伊勢丹とルクアがオープンする梅田だが、これまで無印良品の大型店がなかった。正確に言えばあったのだがなくなった。HEPファイブにGAPが入店しているが、以前はとなりのビルはNAVIOという商業施設だった。ここに無印良品の大型店が入店していたのだが、ビル全体が売上不振のため、このビルそのものが阪急メンズ館へと変更となった。その際に無印良品は閉店となっていた。
その無印良品が今度はルクアに入店する。ほぼ隣接する大丸梅田店にはユニクロが3月16日オープンしている。
それ以前からも梅田にはヨドバシカメラ内にもユニクロがあるし、単独店もあった。

これから大阪市内の消費の中心となるであろう天王寺、難波、心斎橋、梅田の各エリアにはユニクロ、無印良品、GAPの3ブランドの大型店が難波を除いて完備することになる。難波は先述のようにユニクロと無印良品の2つである。

買い物をするには非常に便利な反面、なんという画一化だろうか。
これを好ましいと考えるか、つまらないと考えるかはファッションに対する考え方の違いと言うことになるだろう。

新しいビルが建ち、周辺が再開発されることで街は確実に綺麗になる。
もちろんそれは歓迎するが、あの怪しい路地裏「阿倍野銀座」が天王寺から無くなってしまったかと思うと、少し寂しい気持ちもある。

中途半端な偽善はお話にならない

 先日、といってもほんの2~3日前だが、知り合いから「某有名セレクトショップが、シャツの生産を依頼していた福島県の縫製工場に対して『放射能汚染された商品は引き取れないのでキャンセルする』と言ってきた」ことを聞いた。

大震災以降、今も続く原発事故の情報が毎日大量に報道されている。
解説者のコメントを聞いていてもさっぱりわからない。どれだけの量の放射線をどれだけの時間継続的に浴びれば健康被害が出るのかまったくわからない。
なぜなら、解説者もアナウンサーもそこを明確に伝えていないから。
もしかしたら彼らは伝えているつもりかもしれないが、まったく伝わって来ない。伝わるような日本語になっていない。
そのため、上記のようなおかしな状況が出現するのだろう。

完全な知識ではないかもしれないが、衣服は通常洗濯をすれば着用に問題がないと耳にしている。
ならば、このセレクトショップは洗濯をして、その後、さらに心配であるなら放射線をガイガー測定器で測定してから引き取るかキャンセルするかを決定すべきである。

自分は、この福島の縫製工場から直接この話を聞いたわけではないので、このセレクトショップの名前を晒したり、名前を連想させるようなアルファベットでの表記はしない。しかし、このセレクトショップのHPのトップには大震災に対しての支援コメントが出されており、支援のためのチャリティーセールを行うことが記載されている。
しかし、被災地を支援するのであれば、被災地・福島の縫製工場の商品を最大限引き取る努力をすべきである。万が一、洗濯を施しても有害とされる基準値の放射線が検出されれば商品の未引き取りはやむを得ない。ただ、その場合でも縫製工場に対して何らかの補償(金額の多寡は別として)はしてあげるべきではないだろうか。縫製業者も被災者である。

そうでなければ、HPで呼びかけている被災地支援が半分はウソになる。「やらない善よりは、やる偽善」と言われる。たとえ偽善でも支援することが望ましいが、被災地の取り引き先に対して支援できない・する気もない企業が、被災者への支援を呼び掛けてもそれはウソ臭く映る。「やる偽善」は大歓迎だが「中途半端な偽善」ではお話にならない。

製造工場がファクトリーブランド化するチャンス

 3月11日を境にして、別の世界に迷い込んだような気がする。
こんな意見がツイッターで見られた。正直な感想だと思う。
被災された地区の方々もそうだろうし、3月11日まで何の生活不安もなかった東京の人たちもそうだろうと思う。

先日、ある雑貨の組合役員と意見交換をさせていただいた。
その組合は自家工場を持っている製造業が主体で、今後はアパレル関係と協業を模索しておられるとのことだった。

繊維・アパレル業界では昨年秋ごろから中国工場での生産が難しくなり、溢れだした注文が国内工場に回帰していた。今回の震災で東北・北関東の工場が多数被災しており、その注文が西日本にさらに流入した。このため、西日本の工場はさらにキャパオーバーになることが予想される。
このため、製造ラインを自社で抱えている製造業は強みを発揮することになるのではないかと考えている。ただし、製造業の方々には企画力と販売力がないので、この2つを伸ばす、あるいはその部分に長けた企業や個人とコラボレーションすることが望ましい。そこを乗り切れば(口で言うほど楽な道程ではないが)、製造業が自立化することが可能となりファクトリーブランド設立も夢ではなくなる。

しかし、アパレル業界がどう動いていくのかは、震災以降まったくわからない。
製造業のチャンスが拡大したことは間違いないと思うのだが、震災後のアパレル業界がどうなるのかは極めて不透明だ。

役員さんからも「震災以降どうなるんでしょうか?」と質問されたものの、「正直わかりません」と答えるしかなかった。

当面は、最低でもあと1年は続く東京の計画停電を見越して、名古屋・京阪神への本社機能の分散移転が急務であろう。人口が分散することで首都圏の電力不足は回避される。いつまでも東京にしがみついていても福島原発が落ち着かない間は電力供給が3月11日以前の水準に回復することはない。本社機能の分散移転の後に新しい産業界が始まるのではないだろうか。

バブル女性は海外富豪の愛人になれ

 昨日、高齢化する一方の「女子化」について書いてみたが、
実は昨今の言葉でもう一つ「肉食系」「草食系」という言葉づかいにも引っかかっている。
正確に言うのなら、「肉食系」「草食系」という比喩に疑問があるというよりも、
こと恋愛に関して「男は肉食系であることが望ましい」という風潮に対して疑問を覚える。

とくにその主張は団塊世代とバブル世代女性から出てくることが多く、化石化している団塊オヤジからの批判は取るに足りないので聞き流すとしても、女性からの主張には強い違和感を覚える。
違和感は覚えるものの、自分のボキャブラリーの貧困さや、文章の下手くそさによってなかなかその正体が明確化されなかった。というか、自分でもどこに違和感を感じているのかが正確に認識できていなかったというべきだろう。

先日読んだ小田嶋隆さんのエッセイに、その違和感がずばりと表現されていたのでご紹介したい。

 女性の立場から男の草食化を嘆く文脈で書かれるテキストも、この2年ほどの間にずいぶんと大量生産された。
 私は、この方向からのものの言い方も、評価しない。率直に言えば浅ましいと思っている。

(中略)

 でも、そうだとしても、「あたしは羊」「あたしはおいしい肉」「男なら私を狙うべき」という自意識には救いがたい傲慢と依存が宿っている。このことはどうやっても否定できないと思う。私は気味が悪い。冗談じゃない。どうしてオレがあんたを狩らなけりゃならないんだ? それに、昨今の男子が恋愛に消極的なのが事実であるのだとして、その理由は、彼らが草食化したからだとは限らない。肉の方が腐っているからというふうに考えることだって可能なはずだ。女性の腐肉化。腐肉系女子。うん。撤回する。でも、自分が草より上等だと考えるのは思い上がりだぞ。

とのことである。

違和感の正体はまさにここにあったと思う。
女性が草食系男子について嘆くとき、少なからずこの傲慢さが垣間見えるように感じる。

先日、テレビのバラエティ番組で女優の小川知子さんが
「男は命がけで女性を得ようとするもの(語句は完全再現ではない)」という意味の発言をされていた。
小川知子さんとはプライベートにお会いしたこともないからそのお人柄を知るすべもないのだが、テレビ用の発言とは思うが「あたしはおいしい肉」「男なら私を狙うべき」という自意識に立脚しているように感じられ辟易した。逆に言えば「なんで俺らがあんたを命がけで得る必要があるのか」と思う。身も蓋もないが、命がけで得なければいけない女性がこの世に存在するとは到底思えない。

人の価値観はそれぞれだが、かつて団塊オヤジが若かりし頃、バブルオヤジが若かりし頃、恋愛(というより恋愛風ゲームだと考えている)に血道を上げていたように「男性は永遠に恋愛風ゲームにのめり込まないと駄目だ」という考え方には無理がある。

恋愛や結婚に対して消極的といわれる草食系男子は、都会型生活を最大限に効率化した価値観であると思う。サラリーマンの平均収入が激減している状況下において、バブル期のようにアッシー君やメッシ―君になり下がって金ばかり使って、女の順番待ちするような行為は無駄の典型例であろう。そういうバブル期が忘れられない女性は海外の富豪の側室か愛人にでもなれば良いのである。

ファッションにおいても最大限に経済効率を追求するならユニクロ、無印良品、GAP、ライトオン、ジーンズメイト、マックハウス、レイジブルーなどのセール品だけで十分であり、スパイスとしてビームスやアーバンリサーチあたりのセレクトショップのセール品を1,2点買って加えれば良い。無理して1着10万円以上もするようなラグジュアリーブランドを買う必要はまったくない。ラグジュアリーブランドが日本市場からなくなることを「文化的衰退」だと嘆いている人たちは、バブル期が忘れられない女性陣と同じような思考だと言える。

「大人女子」というコピーが気持ち悪い

 個人的に「●●女子」「●●男子」という呼び方が好きではない。
しかし「●●男子」の方は、「草食系男子」以外はあまり定着しなかったように思う。
下手くそな広告代理店が「弁当男子」や「男子会」なる造語をひねくり出したが、どうもパッしない。職場に弁当を持ってきている男性社員を「弁当男子」と定義しているようだが、妻子ありの40過ぎの男性社員が自宅から弁当を持ってきているのを「弁当男子」と呼ぶのはかなり無理があると感じる。せいぜい、30代前半までではないだろうか。

妻子持ちで自宅から弁当を持ってきている40代社員は「弁当持ってきているオッサン」である。
また男性だけで遊びに行ったり食事会をすることを「男子会」と名付けようとした痕跡があるが、これなどは、今までから普通に行われていることであり、ことさら「男子会」などと名付ける必要性がまったく感じられない。

一方で「●●女子」と言うのは何となく定着した感じがあるのだが、自分は極力使いたくない。
WEB版の大辞林によると、女子(じょし)の意味は

1、おんなの子、むすめ
2、おんな、女性、婦人

である。

女子には元来、女性の意味もあり「女子トイレ」という言い方は「女性、婦人」の意味で日常的に使用されていると思う。しかし「●●女子」という言い方は、おそらく「おんなの子、むすめ」の意味で使用されているのではないだろうか。

で、違和感を感じるのは明らかに「おんなの子」でも「むすめ」でもない年代にまで「女子」という言葉が使われ始めているところである。「むすめ」で通用するのは、せいぜい30代半ばまでが限界(かなりサバを読んで)だと思う。

先日、マガジンハウス社から新しい女性雑誌「Lips(リップス)」が創刊された。
そのキャッチコピーに「大人女子」という珍妙な言葉が使われているのだが、この言葉の座りの悪さは尋常ではない。まさか、この「女子」は「女性」という意味で使用されているとは思えない。それなら普通に「大人女性」で十分である。
明らかに「おんなの子、むすめ」の意味で使用されていると感じられるのだが、「大人」と「むすめ」は反対の意味があり、両立はしない。ここで使用される「大人」が、まさか「たいじん」や「うし」の意味で使われているとは到底思えない。やはり「おとな」という意味だろう。

また巷には「40代女子」という言葉があふれ、これからは「50代女子」という言葉も使われそうである。残念ながら「40代」は「おんなの子」でも「むすめ」でもないし、ましてや50代はあと少しで老人の域に足を踏み入れる。
まあ「気分だけはむすめ時代と変わらず」という意味合いも込められているのだろうが、どうも「おばちゃんが痛々しく若ぶっている」という風にしか捉えられない。彼女らの「むすめ」時代はとっくの昔に終わっているから。
定年間際のオッサンを「50代男子」と呼んでみるとその異様さが浮き彫りになる。「50代女子」という呼び名はこれと同様に気味が悪い。

もういっそのこと40代・50代は「オバハン女子」、60代以上は「ババア女子」で良いのではないかとも思えてくる。

「いつまでも若々しくありたい」。こう願うのは人間の自然な欲求である。それに平均寿命が延びた分だけ、今の女性も男性も年齢の割に若く見える人も多い。
しかし、社会の中核を担っている40代、50代が何時までも「むすめ」気分ではどうしようもない。50代までが何時までも軽々しいのもどうかと思う。

先日、テレビか何かで、自民党の山本一太議員が50歳を過ぎているのに若々しいという話題があった。たしかに彼は男前ではないが、スマートな体型のおかげもあって若く見える。40歳そこそこに見えると思う。一方、故・田中角栄氏は39歳のときにすでに「自民党のオヤジ」と恐れられていたという。田中角栄氏を賛美するつもりは毛頭ないのだが、50歳を過ぎていて貫禄がまるでないというのも疑問を感じる。

軽々しい40代、50代が増え続ける社会というのもどこか正常ではないと思える。人間は誰でも老いるし、死ぬ。もう一度そのことを実感しなくてはいけないのではないか。

地震の影響が大きいライトオンとジーンズメイトの3月売上速報

 ライトオンとジーンズメイトの3月度売上速報が発表された。
各社ともに2月21日~3月20日までの売り上げが反映されており、東日本大震災の影響が大きい。このため、商況を見るという観点からは、3月の速報はあまり当てにならないと考えている。4月以降も同じ状況が当分の間続く。
しかし、数字を記録すると言う意味合いから継続したい。

ライトオンの3月売上高は
既存店売上高が前年比19・4%減
既存店客数が同24・1%減
既存店客単価が同6・2%増

ジーンズメイトの3月売上高は
既存店売上高が前年比23・6%減
既存店客数が同29・8%減
既存店客単価が同8・8%増

となっており、両社とも地震の影響が大きい。
とくに東京都心に店舗が多いジーンズメイトの商況への影響はライトオンよりも大きいと推測される。

ただ、両社ともに既存店客単価が上昇しており、店舗を見ていると昨年2月末よりも在庫調整が進んだのか投げ売り価格品が少ない印象がある。これはトップス類もボトムス類もである。
とくに昨年の記憶では、2月末にダウンジャケット類が投げ売られており、最終価格が2900円くらいにまで下落していた。今年は、2月末段階でもここまで値段が下がっていない品番が多かった。

月次商況の分析について、ライトオンは地震の影響によりとはっきりと記載されているが、ジーンズメイトは商況分析自体がほとんど書かれていないに等しい。これは今月だけのことではなく、数ヶ月前からそうである。全体商況が芳しくない中でも好調商品はあるはずだし、IR活動の一環として発表しているのなら、従業員や株主に希望を持たせるためにも良い点を分析したコメントは必要だと考えるのだが、ジーンズメイトの経営陣はその努力を放棄しているのではないか。

ジーンズメイトにはそういう危惧を持った。

今後、ラグジュアリーブランドの日本撤退が予想される

 地震の影響から繊維・アパレル業界ではいろいろな物が様変わりしそうである。

原発事故に過敏に反応したフランス政府が日本国内のフランス人に対して、帰国か東京から避難するよう勧告した。そのため、東京都内のフランスブランドは路面店だけではなく、百貨店内テナントも休業しているそうである。

太田伸之さんの3月15日のブログから引用させていただくと、

外資系企業の中でフランスブランドの休業、百貨店内ショップ閉店の決断が特に早かった。フランス政府が発表の信憑性に疑問を持ち、大使館を通じてフランス人に東京脱出を勧告しているからと聞きました。百貨店の営業中にさっさと化粧品カウンターやブティックを片付けて帰ってしまう背景には、大使館の勧告があり、ジャパン社トップは自分だけ脱出するわけにはいかないので休業にして従業員を守っています。

 フランスに続いてイタリアブランドも同調始めました。百貨店フロアの外資ブランドはどんどん開店休業状態になっています。米国GE製原発なので米国大使館は動かないのか、米国ブランドはいまのところフランスブランドのようにショップを閉めていませんし、日本企業も現時点では冷静。が、原発がさらに深刻な事態になれば、従業員の安全を守るために販売員を自宅待機させる会社が増え、百貨店、ファッションビル、駅ビルは営業できず、繁華街はゴーストタウンと化すでしょう。

とある。

先日、某コンサルタント氏が「今回の地震で欧米のラグジュアリーブランドは日本から本格的に撤退するかもしれない」との見方を示された。
たしかにその可能性は高い。

というのは、2010年後半から高額品への消費マインドがやや回復しつつあったが、今回の震災で過剰な高額品への消費マインドはまた冷え込むことが予想されるからだ。衣料品の分野においては、肌着・靴下・日常カジュアル服・日常通勤着の類は、必需品の側面があるからある程度の消費は保たれるだろう。しかし、1着20万円もするような「ラグジュアリーブランド」のジャケットやスーツ、ドレス類がそう簡単に売れるとは思えない。またそれを「今買わなくてはならない」という意識が消費者に芽生えるとは思えない。
おそらく、こういう類の高額ブランドの売上高は落ち込むだろう。

それに伴い、今年後半から来年にかけてかなりのラグジュアリーブランドが日本から撤退してアジアの拠点を上海あたりに移すのではないかと予想される。

さてこの傾向を「寂しい、日本も終わりだ」と捉えるのか、「日本の消費行動が健全化する」と捉えるのかで気の持ちようが変わると思う。
個人的には「ラグジュアリーブランドが撤退しても良いのではないか」と考えている。90年代半ば以降、仏・伊のラグジュアリーブランドを日本人は過剰に買い過ぎていたように思う。収入が減っているのにラグジュアリーブランドの需要が伸びていたという事実は「健全ではない」と思える。例えば、女子高生が援助交際と称して体を売って、そのお金で10万円近くもするバッグを買うことはどう見ても異常である。
本来、ラグジュアリーブランドはそれを買えるだけの収入を得ている人々だけが、趣味の範疇で買えば良い物であって、貧乏人が無理をして買う必要はない。
とくに貧しくても服飾・ファッションに興味がありどうしても手に入れたい人はまだしも、「友達も持っているから」というような理由で背伸びして買う性質のものではない。

そういう90年代半ば以降の消費傾向を見ていて「仏人・伊人に食い物にされているだけではないのか」という感想も抱いていた。

工賃の安い生産工場と丸投げを受けるOEM業者に依存したクイックレスポンス(QR)システムもダメ。ラグジュアリーブランドもダメ。となれば、国内の繊維・アパレル業界はまた新しいシステムと枠組みを考えなければならないだろう。

今まで以上にタイトになる西日本の縫製スペース

 今回起こった東日本大震災で、東北地方の縫製工場やニット製造メーカーが多数被害を被った。これがどういう影響をもたらすかというと、ただでさえタイトだった国内の縫製スペースがさらにタイトになり、今以上の納期遅れを起こすこととなる。

ほんの一例だが、ジーンズのOEM生産を手掛ける友人によると、福山地区では昨年末からすでに「2週間~3週間の納期遅れが発生している」という。中国の縫製工場から溢れた注文が国内に流れ込んだためだ。
西日本は今回の地震で無傷であるため、東北地方の注文がさらに流れ込む可能性が高い。可能性が高いどころの話ではなく、実際にもうすでに流れ込み始めているという。
知人によると「ある商社は西日本の縫製工場に、被災した東北地方の工場分の注文を流したが、納期は初期設定どおりであることを求めている」といい、かなり無茶苦茶な設定である。

今回の地震で、国内の稼ぎ頭だった東京地方は消費が冷え込み、アパレル業界全体での売上高は低迷する。また今までのように新作の洋服が次々とタイムリーには入荷されなくなるだろう。アパレル業界の人々がもう一度消費や生産について考えなさなければならない。

ユニクロが大丸梅田店にオープン

 昨日、3月16日、大丸梅田店の13階にユニクロがオープンした。さっそく見に行くと、13階はユニクロ以外にポケモンセンター、トミカショップ、ABCクッキングスタジオが併設されており、一目で「母子で楽しめるフロア」であるとわかる。非常に良い設計のフロアだと思う。

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ユニクロはオープン記念のセール品があるので、結構な混雑ぶりでレジには平日昼間にも関わらず行列ができていた。実は同じセール品は心斎橋などのほかのユニクロでも販売されているので、大丸梅田店で行列を作る意味はあまりないのだが。

お母さん向けにはユニクロとABCクッキングスタジオ、子供向けにはトミカショップとポケモンセンターがあり、子供も連れて足を運びやすい。

百貨店にお母さん方が足を運びにくくなる要因の一つとして「子供が嫌がる」というものがあると思う。自分自身もそうだったのだが、小さい頃は母親が洋服選びに夢中になっている間、退屈なので百貨店や洋服店に連れて行かれるのは非常に苦痛であった。おそらく今の子供たちも同じように感じている部分があるのではないだろうか。
とくに都心の百貨店は、何とかの一つ覚えみたいに「高額トレンドレディースブランド」しか入店していない。母親の買い物に付き合わせられる子供たちは良い迷惑だったのではないか。

今回の大丸梅田13階は、子供たちもトミカショップやポケモンセンターでお母さんの買い物が終わるのを退屈せずに待っておける仕組みとなっている。唯一つ難点を言うなら、13階まで上るのが多少面倒であることだ。

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(上・下ともにポケモンセンター)

同じ大丸梅田店つながりで言えば、つい2,3日前に、大丸梅田店の化粧品イベントが地震を考慮して中止になったと聞いた。これは非常にもったいないのではないか。東北地方や停電対象である首都圏でのイベント中止は当然であるとしても、無傷で残っている名古屋以西の都市圏は今まで以上にイベントを活発化させ、経済を動かしていかないといけない。とくに京阪神の経済比重は高まるため、こうしたイベント類はむしろ中止せずに続行することが望まれる。

もちろん、自粛したい気持ちはわかるのだが。

大丸梅田店の化粧品イベント自粛は残念な結果だと思う。

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(リニューアルした大阪駅入口と大丸梅田店入口)

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