製造工場がファクトリーブランド化するチャンス
2011年3月28日 未分類 0
3月11日を境にして、別の世界に迷い込んだような気がする。
こんな意見がツイッターで見られた。正直な感想だと思う。
被災された地区の方々もそうだろうし、3月11日まで何の生活不安もなかった東京の人たちもそうだろうと思う。
先日、ある雑貨の組合役員と意見交換をさせていただいた。
その組合は自家工場を持っている製造業が主体で、今後はアパレル関係と協業を模索しておられるとのことだった。
繊維・アパレル業界では昨年秋ごろから中国工場での生産が難しくなり、溢れだした注文が国内工場に回帰していた。今回の震災で東北・北関東の工場が多数被災しており、その注文が西日本にさらに流入した。このため、西日本の工場はさらにキャパオーバーになることが予想される。
このため、製造ラインを自社で抱えている製造業は強みを発揮することになるのではないかと考えている。ただし、製造業の方々には企画力と販売力がないので、この2つを伸ばす、あるいはその部分に長けた企業や個人とコラボレーションすることが望ましい。そこを乗り切れば(口で言うほど楽な道程ではないが)、製造業が自立化することが可能となりファクトリーブランド設立も夢ではなくなる。
しかし、アパレル業界がどう動いていくのかは、震災以降まったくわからない。
製造業のチャンスが拡大したことは間違いないと思うのだが、震災後のアパレル業界がどうなるのかは極めて不透明だ。
役員さんからも「震災以降どうなるんでしょうか?」と質問されたものの、「正直わかりません」と答えるしかなかった。
当面は、最低でもあと1年は続く東京の計画停電を見越して、名古屋・京阪神への本社機能の分散移転が急務であろう。人口が分散することで首都圏の電力不足は回避される。いつまでも東京にしがみついていても福島原発が落ち着かない間は電力供給が3月11日以前の水準に回復することはない。本社機能の分散移転の後に新しい産業界が始まるのではないだろうか。