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南充浩 オフィシャルブログ

中途半端な偽善はお話にならない

2011年3月29日 未分類 0

 先日、といってもほんの2~3日前だが、知り合いから「某有名セレクトショップが、シャツの生産を依頼していた福島県の縫製工場に対して『放射能汚染された商品は引き取れないのでキャンセルする』と言ってきた」ことを聞いた。

大震災以降、今も続く原発事故の情報が毎日大量に報道されている。
解説者のコメントを聞いていてもさっぱりわからない。どれだけの量の放射線をどれだけの時間継続的に浴びれば健康被害が出るのかまったくわからない。
なぜなら、解説者もアナウンサーもそこを明確に伝えていないから。
もしかしたら彼らは伝えているつもりかもしれないが、まったく伝わって来ない。伝わるような日本語になっていない。
そのため、上記のようなおかしな状況が出現するのだろう。

完全な知識ではないかもしれないが、衣服は通常洗濯をすれば着用に問題がないと耳にしている。
ならば、このセレクトショップは洗濯をして、その後、さらに心配であるなら放射線をガイガー測定器で測定してから引き取るかキャンセルするかを決定すべきである。

自分は、この福島の縫製工場から直接この話を聞いたわけではないので、このセレクトショップの名前を晒したり、名前を連想させるようなアルファベットでの表記はしない。しかし、このセレクトショップのHPのトップには大震災に対しての支援コメントが出されており、支援のためのチャリティーセールを行うことが記載されている。
しかし、被災地を支援するのであれば、被災地・福島の縫製工場の商品を最大限引き取る努力をすべきである。万が一、洗濯を施しても有害とされる基準値の放射線が検出されれば商品の未引き取りはやむを得ない。ただ、その場合でも縫製工場に対して何らかの補償(金額の多寡は別として)はしてあげるべきではないだろうか。縫製業者も被災者である。

そうでなければ、HPで呼びかけている被災地支援が半分はウソになる。「やらない善よりは、やる偽善」と言われる。たとえ偽善でも支援することが望ましいが、被災地の取り引き先に対して支援できない・する気もない企業が、被災者への支援を呼び掛けてもそれはウソ臭く映る。「やる偽善」は大歓迎だが「中途半端な偽善」ではお話にならない。

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