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南充浩 オフィシャルブログ

値上げを理由に品番数を増やすことになる無印良品の新戦略は大丈夫なのだろうか?

2023年1月12日 決算 7

個人的に、最近の無印良品の経営方針は迷走していると感じる。 以前に「男女兼用服」を大幅に増やして、危ういなあと思って眺めていたら、やはり衣料品が苦戦し男女兼用服を中止した。PDCAは必要だと思うが、そもそも理屈に合わない商品をプランニングしてトライする必要性は全くない。 現経営陣は「キャッチ―なことに焦点を当てた」と言っていたが、当て方が根本から間違っていた

心証を良くするために「キャッチ―な事柄」を盛りすぎて実態が分からなくなるという話

2022年10月28日 トレンド 5

販促や広報という観点でいうと「キャッチ―」な言葉でブチ上げてメディアや消費者からの注目を集めるという手法は効果的である。 だが、行き過ぎると「嘘の神話」を作り上げることとなり、消費者をミスリードするばかりでなく、産業界すらミスリードすることとなり甚だ有害といえる。 今年に入って、当方はこのブログで2度ワールドを非難した。そのことに対して何ら後悔も反省も感じて

無印良品というマスブランドで男女兼用服が売れなかったのは当たり前という話

2022年10月17日 売り場探訪 4

無印良品を展開する良品計画の22年8月期決算が発表され、ようやく衣料品の不振が各メディアで報じられるようになった。 無印良品の衣料品不振の原因は 1、ここ2年間ほとんど商品企画が変わらない(新型の投入がない) 2、地味な色目に終始し、アクセントカラーがない 3,陳列にも新鮮味がない という3つの要素が考えられるが、もう一つ、4つ目の要素もある。 男女兼用服を

低価格帯で姿を消し始めたインナーダウンベストとウールの柄物セーター

2022年10月14日 お買い得品 1

今日はちょっと軽い感じで。 百貨店に並んでいるようなラグジュアリー価格一歩手前みたいな価格帯の衣料品はさておき、ユニクロからユニクロ同等、それ以下の価格帯では徐々に姿を消し始めたアイテムがある。 2022年10月現在の店頭を見ると、今秋から姿を消し始めたのが、インナーダウンベストである。   スーツのジャケットの下に薄手のインナーダウンベストを着て

商品企画が悪ければ価格が安くても服は売れないという無印良品の話

2022年9月7日 月次速報 3

2020年春から始まったコロナ禍はまだ続いているが、回復しつつある部分もある。 ちなみに中国はまた各地でコロナロックダウンが行われているので、中国での生産・物流・消費に過剰な期待をかけるべきではないと当方は考えている。 中国74都市で3億人超がロックダウン、ゼロコロナ固執の理由とは(1/2) – CNN.co.jp 8月下旬以来70都市以上が完全

ユニクロの値上げ発表は「5品番しか値上げしません」ではなく「5品番しか発表しません」という意味

2022年9月5日 企業研究 0

ユニクロが今秋冬物から5品目の値上げを発表したが、実際のところ、それ以外はすべて価格据え置きかというとそうではない。 当方が、店頭を見て回ったところ、8月下旬時点では発表以外にメンズでは2品番の値上げが確認された。 1つはGジャンである。今春物まで定価は3990円だったが、今秋物からは定価が4990円となっている。 もう1つはMA-1ブルゾンである。5990

衣料品不振が続き食品も踊り場に差し掛かりつつある無印良品

2022年8月3日 月次速報 2

今年は6月中旬に梅雨明け宣言が出たと思ったら、7月に入ってから雨が続くという不順な天候で、6月下旬に猛暑日、7月下旬から猛暑日が続いている。 気温が高くなると、各社は基本的に夏物衣料が売れやすくなる。一方、新型コロナ禍の再拡大が起きているが、今後人出が鈍るのかどうかはちょっと余談を許さない。 夏が暑くなり冬が寒くなると基本的に季節に沿った衣料品が売れやすい。

定番品強化で無印良品の衣料品苦戦はさらに続きそう

2022年7月13日 売り場探訪 2

ブランド力の高さの割に苦戦が続いているのが無印良品である。 食料品は堅調なようだが、衣料品は何年か前から苦戦続きとなっている。先日も2カ月ぶりくらいに無印良品の店舗を覗いてみたが、メンズの衣料品コーナーはさして変化している部分もなく「いつもの」感じだった。 また靴はメンズ、レディースともにこれも何年か前から変わり映えしない商品構成で、当方は食品には興味が無い

無印良品の「年商3兆円構想」の実現はかなり困難なのでは?

2022年4月8日 企業研究 4

2010年代半ばからときどき寄稿しており、2020年春からは定期的に寄稿させてもらっていたBLOGOSが3月末で更新を休止した。 当方の寄稿としては最後の記事で、3月30日に掲載された。 値上げのユニクロ、しまむらに対し価格据え置きの無印良品、ワークマン どちらの戦略が功を奏すか (1/2) (blogos.com)   今春からの値上げに関して、

アパレルが「定番を長く売る」ことをメインにしても業績改善しない理由

2021年12月27日 企業研究 1

「定番を長く売る」ことがアパレルの収益を改善するという説が最近強調されている。 しかし、個人的にはこの説には疑問しか感じない。 変わらない定番品を売り続けることを否定するつもりはないが、衣料品の場合は「定番」をメインにすれば翌翌年からの売れ行きは確実に鈍る。 要はバランスの問題で、適正バランスはブランドによって異なるので一概には言えない。 個人的には「定番」

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