ブランド廃止・事業終了が相次ぐストライプインターナショナルの今後を推測してみた
2022年1月13日 企業研究 1
一時期は時代の寵児として、業界メディアで頻繁に報道されていたストライプインターナショナルだが、2020年・2021年とピタリと報道が無くなり、存在感が消えた(自ら消した?)。 たまに報道されるのは、不採算ブランドの閉鎖、不採算事業の廃止という厳しい内容ばかりである。 そういえば、ショッピングモールでうろうろしていても「タイムセール開始~」というストライプイン
数字の操作が可能な「プロパー消化率」を絶対的な指標に据えるとミスリードを引き起こす
2021年1月22日 ネット通販 3
指標を%表示の「〇〇率」に据えると必ず、数字を悪用した「見せかけの目標達成」をしようとする会社や個人が出てくる。 営業利益率が30%とか40%とかあるラグジュアリーブランドを除いて、アパレル業界・繊維業界の問題点は営業利益率が低すぎる点にある。 その理由は、売れないから値引きを繰り返して販売することにある。 だから、「なるべく定価で売りましょう」ということに
「プロパー消化率を高めるために定価設定を下げる」という画期的な手法に笑った話
2021年1月21日 企業研究 2
新型コロナ感染症による不況によって、マス層を狙うアパレルは今年さらなる低価格競争を余儀なくされるだろう。 すでに昨年秋から無印良品が値下げを行い、ジーユーが今年春からの値下げを発表している。 特にジーユーは、10年前のリーマンショック時にも一早く「990円ジーンズ」を打ち出し、価格競争の先頭を走ったので、今回も同様の狙いがあるだろうと考えられる。 話しは少し
矛盾する「小ロット生産」で「低価格」というブランド
2020年12月10日 企業研究 2
最強の矛と最強の盾がぶつかり合うとどうなるのか?というのが「矛盾」である。 聖闘士星矢の場合は、両方砕けるという結末になるのだが、流石は車田正美先生である。 韓非子が唱えた「矛盾」だが、2000年以上が経過した現在も至るところで目にする。人間は2000年経ってもほとんど進歩していない。 繊維・衣料品業界も「矛盾」が溢れている。 例えばこのニュー
老舗大手アパレルだけが厳しい状況にあるわけではない
2020年6月25日 企業研究 1
レナウンの経営破綻、三陽商会の凋落など、旧来の大手企業の苦戦ばかりが取りざたされるアパレル業界だが、「新しい企業」や「現在の人気企業」が必ずしも堅調なわけではない。 レナウン(先ごろ上場廃止になったが)、三陽商会、オンワードホールディングス、ワールドなどの大手は株式公開をしているため、その状況が見えやすいが、アパレル業界は圧倒的に株式公開をしている企業数が少
リスクマネジメントについて考えてみた
2020年3月9日 考察 0
セクハラ報道を受けてストライプインターナショナルの石川康晴社長が3月6日に社長を辞任した。 しかし、リスクマネジメントという観点からはこの対応はまったく評価できないのではないかと思う。 時系列を整理すると、 1、まずセクハラ疑惑が報道された 2、「事実無根」という声明を出した 3、Lineで複数の女性社員を誘う文面が掲載された 4、社長を辞任し
できないのは「それ相応の理由」があるから
2020年3月5日 企業研究 3
世の中の事案は高度に細分化しているため、外野からは理解できないことが多々ある。 手近なところで例を出すならレザー(本革)だろうか。動物愛護とかなんとかかんとかで、本革を禁止にせよという急進派もいるが、レザーの原料は、牛、豚、羊、馬がほとんどである。これらは食肉用に毎日凄まじい数量が屠殺されているから、その分、皮(原皮)も自動的に生産される。 野生動物をわざわ
77%増の在庫をAI(人工知能)を使って8割に減少させるの?
2019年5月7日 決算 0
長い連休が終わった。 連休に入る直前に、ストライプインターナショナルの2019年1月期決算が発表された。 非上場企業なので本来は決算発表する義務はないが、アパレルは非上場企業が多いから、その全体像がつかみにくい。これは河合拓さんも常々仰っていることである。 メディアは、ユニクロとユナイテッドアローズを比較してみたりとピントのズレたまとめ記事を書くことが多いが
その54%は粗利益率?それとも値引き率?
2019年2月1日 企業研究 0
ちょっと今日は軽く感想を書いてみたい。 この記事は情報的にはそれなりに価値があると思うのだが意味がよくわからない箇所が多い。 ストライプ20年1月期はAI分析で在庫を8割まで圧縮 音楽事業にも進出 https://www.wwdjapan.com/786161 記事が言いたいことは見出しの通りなのだろう。 しかし、次の一節はよく意味がわからない
どのようにして品質を上げて価格を下げるつもりなのか?
2016年12月16日 企業研究 0
今秋は、一部の例外を除いて全般的に洋服の売れ行きが鈍く、各ブランドともに値引きセールが10月から始まっている。 それでも10月、11月に大々的に値引きセールを開催していたブランドショップは少なく、「店内一部セール」とか「期間限定セール」というブランドショップがほとんどだった。 11月にヨドバシカメラ梅田店を訪れた際、各店ともまあ、そんな感じで「店内一部セー