月別: 1月 2012 (1ページ / 2ページ)

送料無料キャンペーン

 毎週、土曜日に送られてくるユニクロの週末割引のメールチラシを楽しみにしている。
買うことはあまりないのだが。
正直に言うと、シーズンの端境期にある今、ユニクロには欲しい商品がほとんど無い。
とくに立ちあがったばかりの春夏物にはまったく食指が動かない。

しかし、ネルシャツ990円とか、ファインメリノセーター1290円とか、超破格値になった商品がある。
ここまで下がれば、好みの色柄が残っていれば1枚くらい買っておいても良いかなとも思う。
問題は送料である。
ご存知の通り、ユニクロは5000円以上購入で送料が無料になる。
それ以下だと、送料が500円かかってしまう。
ネルシャツを990円で買って送料が500円かかるのでは、根が貧乏性な筆者にとって、あまり意味が感じられない。
なら実店舗で1490円の商品を買っていることと同じになる。

また送料を無料にするために、ネルシャツ990円以外に無理やり4100円分を購入するのも本末転倒である。
その4100円分の商品は不要の物であるため、今後、ゴミになる可能性が高い。

ところが1月28日~2月12日まで、ユニクロは「送料無料キャンペーン」を打ち出した。
これなら990円のネルシャツ1枚でも購入しやすいし、290円の靴下1足でも購入しやすい。

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普段、あまり通信販売は利用しない。
カタログ通販も利用しないし、ネット通販も利用しない。
その最大の理由は試着できないことである。
今の体のサイズがMとLの中間らしく、Mで合う商品とLでなければ合わない商品がある。
まれにLでも合わない商品もある。
そのため、試着無しでは購入する気になれない。

次に「送料」である。
筆者は格安商品しか買わない、もしくは経済的事情で買えないのだが、
格安商品を1枚買うために、送料を支払うことに抵抗がある。

筆者がネット通販を利用する場合は、
かつてその商品を試着したことがある。
さらに、欲しい商品が複数存在し、購入金額の合計が送料無料になる。
この2つの条件を同時に満たす場合に限られている。

昨今、洋服のネット販売が伸びている。
以前だとカタログ通販で買っていた層が、ネット通販に移行したのだろう。
またカタログ通販には対応していなかったブランドやショップが参入したことも消費が伸びる要素だろう。

某ネット通販会社の社長に取材したことがある。
その際、社長は「何の手も打たないと、サイズが合わないという理由での返品交換は相当数ある。その送料は馬鹿にならない」と仰っていた。
そのため、一定金額以下の商品は「返品交換お断り」という対応策を採られていた。

例えばZOZOタウンに出店しているようなブランドで、
10000円の商品が5000円に値下がりしていたとする。
それ1枚だけの購入で送料が500円かかったとしても、消費者は納得するだろう。
しかし、990円の商品を購入して送料が500円かかるのには、何となく抵抗を感じる人が多いのではないだろうか。

今回のユニクロの送料無料キャンペーンだが、某社長の仰るように「送料は馬鹿にならない」だろう。
筆者のように990円の商品を1枚だけ購入する消費者も多いに違いない。

このキャンペーンが根付けば、追随する他社も現れるだろう。
商品価格ではこれ以上の価格競争が難しいため、今度は「送料無料」という価格競争が始まるのだろうか?
190円の商品でも「送料無料」が当たり前という状況が到来するのは、何とも恐ろしい気持ちになる。

業界紙に掲載されることはメリット?デメリット?

 各業界に業界新聞が存在する。
繊維・ファッション業界で圧倒的シェアを占める繊研新聞も業界紙である。
もっとも最近は「業界紙」の持つネガティブなイメージを払しょくするために、「専門紙」と自称することが多い。

知り合いは以前、アイスクリーム新聞に勤務していたことがあるし、菓子工業新聞なんていうのもある。
刃物工具新聞もあるし、昨年自主廃業した家庭日用品新聞など、それこそ無数の専門紙が存在している。

メーカーからよく「業界紙に掲載されると、業界内でパクられませんか?」と尋ねられることがある。
これについては、否定しない。そういうこともある。
とくに、昔はひどかったようだ。

サンプルの写真が業界紙(業界雑誌も含む)に掲載された途端、同じデザインを工場に発注し、
その掲載されたメーカーよりも早く店頭に並べるということが半ば堂々と行われていた。
おそらく、今でも類似行為はあるのだろう。もちろん、昔ほど大っぴらにはできないだろうが。

さて、だからと言って「業界紙に掲載されることがデメリットしかない」とは思わない。
一般紙に掲載されても、雑誌に掲載されても、テレビ番組で採り上げられてもパクられる可能性はある。
むしろ、業界外の人間からもパクられる可能性がある。
さらに言うなら、合同展示会に出品することもパクられる可能性が高い。

消費材全般に向けた最大の展示会は「東京インターナショナル・ギフトショー」ではないかと思う。(略称東京ギフトショー)
繊維・衣料品なら最大の展示会は「インターナショナルファッションフェア(IFF)」だろう。

このほかにもいくつも大きな展示会はある。

企業の単独展示会や、仲間企業数社との小規模な合同展示会なら、入場者は主催者側でほぼ完璧に管理できる。
しかし、ギフトショーやIFFのような大規模な合同展示会になると、期間中の来場者数は軽く万を越える。
IFFの発表だと毎回だいたい3万人くらいで、東京ギフトショーだと毎回20万人と発表がある。
これらをすべて事務局側が管理することはできないし、来場者数が多いことが合同展示会のメリットである。
来場者数を規制することは事務局側の首を絞めることにもなる。

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(2009年9月のroomsの風景)

また、事務局側が受付でいくら厳重に入場管理を行っても、会場内には何時の間にやら怪しげな団体や、胡散臭い個人が歩き回ってしまうこともある。
そして、それらの人々が展示サンプルを撮影して、超特急で製造し販売するという事件は後を絶たないようだ。
近年だと、日本人業者よりもアジア系業者の動きに、出展各社は神経を尖らせている。

しかし、それでも大型展示会に出展するメリットはある。
これまで取り引きの無かった企業と出会える可能性が高まるからである。
だからいまだに大型展示会は無くならない。

話がそれたが、業界紙に掲載されることも合同展示会に出展することも、リスクは大して変わらないのではないか。一般紙・雑誌に掲載されるリスクもあるし、テレビ番組で放映されるリスクも少なからずある。

紳士的な業界紙がほとんどだが、中にはユスリタカリみたいな業界紙もある。
その選別・識別は必要だが、業界紙に掲載されることは、マスコミ対策の第一歩と捉える方が良いのではないか。業界紙と一般紙、雑誌とはまた体質は異なるが、無名のブランドにとって掲載されることは知名度向上の第一段階だと考えている。

掲載されるチャンスを無駄にすることはないのである。

プレスリリースの分量

 昨日プレスリリースの書き方の原則をまとめさせてもらった。

ところで、プレスリリースの分量はどれくらいが適切なのだろう?
個人的にはA4用紙1~2枚程度だと感じる。
写真や図表を入れても3枚に抑えるべきだろう。
字数については一概には言えないが、1000~1500字くらいが適正だろうか。
2000文字を越えると多すぎるのではないかと思う。

字数についてはケース・バイ・ケースだが、
あまりに多すぎるようだとそれは、プレスリリースではなく、レポートや報告書として別形態で提出すべきだろう。

毎回、必ず商品についてリリースをいただく先にヘインズブランズジャパンがある。
「ヘインズ」のTシャツ類や「チャンピオン」のTシャツ類、スエット類に関することがほとんどである。
合計枚数でいえばA4用紙10枚近くになる。

「おいおい、10枚も送られてるじゃねえかよ」と思われるかもしれないが、
単品ごとの紹介は写真を入れても1枚半ほどずつである。
その単品商品が数種類以上あるので合計枚数が10枚を越えるというわけである。

「もっと書きこみたい」「もっと書きこんで欲しい」という声を聞くことがあるが、
プレスリリースは小説やノンフィクション作品、ルポルタージュ作品ではない。
「書きこみたい」のであれば、そういう形状にして発表すべきである。

あくまでも「うちはこんなことやりますよ。良かったら取材に来て下さいね。基本的な事実とデータはすべて記しておきますから、ニュース価値はそれを読んで判断してくださいね」という性質の物である。

そういえば、先日、某社の展示会でリリースを2種類いただいた。
そのメーカーの新商品2種類についてである。
それぞれA4用紙1枚ずつにまとめられていた。

その場では指摘しなかったが、商品の説明文と写真しかない。
手抜かりである。
データとして、商品の店頭販売価格、サイズ展開、素材の種類、色展開の有無などが抜け落ちている。
これでは、商品についての説明が半分しかなされていないことになる。

本来であれば、例えば、

店頭販売価格 1575円(税込)
サイズ  S、M、Lの3サイズ
素材 綿75%・ポリエステル20%・ポリウレタン5%
色展開  白、赤、紺、黄色の全4色

というようなデータが必要となる。
これが抜け落ちているのは何とも残念である。

もし、機会が巡ってくるなら、やんわりと指摘してみたいと思う。

プレスリリースの書き方について

 企業やブランドが自らを世間に知らしめるための手段としてプレスリリースなるものがある。

プレスリリースを書く際のポイントについて考えてみたい。
「いやー、うちは毎月2つも3つも作って報道機関に送っているよ」とおっしゃる企業やブランドは、流し読みいただければ結構である。

http://www.apalog.com/news

ここをご覧になっていただきたい。
各社のプレスリリースが掲載されている。

筆者が作成したプレスリリースも過去にいくつか掲載していただいた。
掲載された経験からいうと、一部分は修正されることがあったが、ほぼ原文に近い状態で掲載されている。

錚々たる有名ブランドのリリースも掲示されているが、どのリリースの文面も非常に淡々と事実とデータのみを述べていることにお気づきだろうか?

よく「もっと情緒的な文面にできないのか?」とか「もっと面白おかしく書けないのか?」というような感想を聞くことがあるが、逆に情緒的な文面にする方が良くないのである。

最近流行りの言葉で言うなら「盛る」行為はお薦めできない。1割か2割程度話を膨らませることがせいぜいで、それ以上「盛る」と報道機関は「胡散臭っ」と感じる。「マルマル盛り盛り」は逆効果である。

プレスリリースの書き方には決まったフォーマットはない。
好きに書けば良いのだが、3つだけポイントがあると考えている。

1、新規性・独自性・社会性を説明すること
2、根拠のない情緒的表現は控えること。「盛って」はダメ。
3、伝えたい事柄のデータを正しく、余すところなく書くこと

ではないだろうか。

1について言うなら、3つがそろっていれば良いが、どれか1つだけの事柄もある。
その場合はその1つについて説明すれば良い。
例えば「新ブランド○○開始」「新店オープン」「新素材○○を開発」などが一番分かりやすい「新規性」に当たる。
「被災地に売り上げの10%を寄付します」というような事柄なら「社会性」がある。

2は、根拠や科学的データなく、「世界一」や「日本一」などの表現を使用してはダメである。あと「素晴らしい物です」とか「本当に良い物です」なども避けるべきだろう。
逆に「エベレスト山は世界一の高さです」という表現は周知の事実なので使用しても良い。

3は、読んで字のごとしである。何時、どこで、だれが、何を、どのように開催するのか。を正く説明することである。

これで作成したリリースに対して「物足りなさ」を感じられる企業も多いと思う。
しかし、正確なデータを提供することがリリース本来の役割であり、それを基に面白おかしく「盛る」のは記者やライター、編集者、出版社の仕事である。
つまり、どのように「盛る」かを判断するのは、メディアや報道機関に主導権があるといえる。

そして最後に、プレスリリースを作成して、送付しても必ず媒体に掲載されるとは限らないことを知っておく必要がある。メディアが面白いと判断して、誌面にスペースがある場合にだけ無料で掲載されるものである。
だから何度も手を変え品を変えて作成して送付することが大切である。

以前、繊維ニュースの記者時代にワールドを担当したことがある。
広報体制がしっかりしているのと、ブランド数が多いので、月に何度もプレスリリースが送られてくる。
その中から繊維ニュースの性質にふさわしい物は掲載し、ふさわしくない物は掲載しなかった。
「○○ブランドを開始」とか「○○ブランドが10%増」は掲載したが、「自社のラグビーチームが準決勝進出」は掲載しなかった。
しかし、そんなことまで発信するのかと驚かされたものである。
内容も必要だが、これくらいの「手数」も必要なのである。

これが基本的なプレスリリースの作り方である。
苦手な方は代行業者に依頼するのも良い。
世間には代行業者はたくさん存在するし、筆者も作成させていただく。

回復傾向がより鮮明なライトオンの1月売上速報

 ライトオンとジーンズメイトの1月売上速報が発表された。
12月21日~1月20日までの数値なので、年末年始のセールが含まれている。

ライトオンは
既存店売上高が前年比11・6%増
既存店客数が同15・7%増
既存店客単価が同3・5%減

ジーンズメイトは
既存店売上高が前年比9・9%減
既存店客数が同23・8%減
既存店客単価が同18・2%増

だった。

この2社とも年末からセールを始めており、今回の期間では、そのセールの実績が反映されている。

ライトオンは、売上高も回復しているが、それ以上に客数の増加が評価されるべきだろう。
何度も言うように、客単価が下がろうとも客数が伸びていればそれは「消費者から支持されている」と見なせる。
12月下旬から気温が低下したことと、セールに突入したことが相乗効果となり、単価の高い防寒アウターが動いた。

一方、ジーンズメイトは言わずもがなである。
ジーンズメイトからの商況説明によると
「冬物商品全般が年明け以降から減速したことで、厳しい結果になりました」とのことである。
どうやら年始のセールが振るわなかったようだ。

ちなみに、ライトオンの2010年1月度の既存店売上高は前年比3・5%減だった。
すでに2010年から下げ止まり傾向となり、微減にとどまっていたので、今1月の実績は明らかに回復基調である。

春物が立ち上がり始めたライトオンの今後に期待したい。

物作り企業の独りよがり

 生地産地の仕事に携わっている。
自然と、物作りをする側の視点から見てしまうことが多い。

正月明けから一つのブログに注目している。

「ニットキッチン」元社長の奮闘記
起業から成功、そして倒産・・・。華やかなファッションビジネスの裏側、そこで経験した事や感じた事をお伝えしていきます。
http://ameblo.jp/knitkitchen/

更新は遅いが、とにかく内容が面白い。
アパレル業界のことを分かりやすく面白おかしく書かれておられる。
文章は筆者よりも御上手だ。
ニットキッチンというアパレルを経営しておられた方のブログで、起業から成功、倒産した経緯が書かれてあり、最近では再起してからの活動についても書かれてある。

さて、この方は単なるアパレルの経営者ではなく、坂本ニットというニット工場がご実家である。
いわば、生地産地のご出身でもある。
当然、産地の体質については、筆者以上に良くご存知である。

物作りをする産地企業はともすると「独りよがり」になる。
そのことについて書かれてある回をご紹介したい。
長文なので一部を引用させていただく。

http://ameblo.jp/knitkitchen/day-20110204.html

創業当初から、
「産地発信」「工場発信」的な動きをしてきており
ある程度の「結果」も出してきた (・・かのように外からは見える(^_^;))

(中略)

「地場産業を盛り上げたい!」「地域を活性化したい!」「自社をアピールしたい!」って気持ちは皆同じなので

よ~く分かるのですが、全てにおいて「独りよがり」と言うか「自己満足」としか

残念ですが、私には感じられないことが多いです。。(´д`lll)

例えば・・・

「この地域の(あるいは自社の)製品は、こんなにスゴい技術を持ってるんですよ!

素晴らしいでしょう!

コレを全国にアピールしようと、ビジネスにしようと考えてるんですよ( ̄▽+ ̄*)!」

「へ~スゴイんですね・・・(^-^)」

・・・以上。

言いたいことは分かるんですけど、

確かにスゴい技術だとも思うんですけど

でも、それって具体的にどの「マーケット」の「誰」に「ニーズ」があるんでしょう?

どんなに「素晴らしい商品」でも

どんなに「素晴らしい技術」でも

「需要」がなければただのゴミです(*^-^)b  ・・・(-“-;Aイイスギ

例えば・・・

ニット業界でもその昔「ホールガーメント」という画期的な製造方法(編み機)が開発され話題になった時期がありました。

簡単に言ってしまうと「縫い目がない(*^-^)b」

服がほぼ「完成形」の状態で編み機からニョロ~って出てきます。

(※ご興味のある方のみ「ホールガーメント」でググってみてくださいw)

当時は「スゴイでしょう!スゴイでしょう!:*:・( ̄∀ ̄)・:*:」って

鼻息もフンフン荒かったのですが、確かに縫い目がないので

着心地も多少は良いだろうし今までの手法では出来なかったデザインも

可能にはなるとは思うのですが、「ん・・??まてよ?( ̄_ ̄ i)」

お客様にとっては縫い目があろうが無かろうが

商品が可愛ければ → 買う

商品が可愛くなければ →買わない

もっと言っってしまえば「好きなブランドだから買う(^-^)/」

ぶっちゃけ

製造方法なんてどーだって良いわけですよ(*^-^)b

ホールガーメントだから → 買う

従来の製造法方だから → 買わない

なーんてマニアックなお客様はほとんどいません(*^-^)b

つまり、「小売(マーケット)」という土俵に上がった以上

「何が」お客様の「フック」になるのか

「どこに」お客様の「ニーズ」があるのか

そんなことを毎日毎日とことん研究しまくり

なんだったら

「ニーズ」を作っちゃえ!と

自らさまざまな「仕掛け」をしているその道のプロたちと

対等に渡り合わなくてはなりません。(*^-^)b

彼らはハンパじゃないですよ(*^-^)b

「我々は地方だからそこまで出来ない」

「モノが素晴らしいからお客に分かってもらえるはず」

そんな言い訳

全く通用しません。

なぜなら同じ土俵に上がった以上は

そんな言い訳お客様には全く関係ないからですね(*^-^)b

「欲しい!」と思えば買う。ただそれだけです。(^-^)

どんな素晴らしい商品でも「欲しい!」と思わせることが出来なければ負けです(*^-^)b

そこまでの覚悟があるのか問うと

ほとんどの場合「いや~そこまではちょっと・・・予算的に・・人員も・・f^_^;」

みたいな・・・

「浅いっ!(`Δ´)」

てか甘すぎです。 (私みたいな若輩者に言われたくないと思いますけど(^_^;))

素晴らしい技術なら

素晴らしい商品なら

何を「フック」にどうやって「ニーズ」に結びつけるのか?

自分たちだけでは無理なら

時には「メディア」の力や広告代理店の力を借りれば良い事だし、予算や人員がなくたって

やり方はいくらでもあります。

本気で覚悟があるならですけど(*^-^)b

狙いたいと考えているマーケットをただ外野から眺めているだけで

その中に入り込もうともしない人間にそのマーケットのことが本当に理解できるとは私には到底思えません。

(中略)

上から的な物言いがあったかもしれませんので先にお詫びしておきます(笑) m(_ _ )mゴメンナサイ

私も頑張りまっす!!!\(*`∧´)/

とのことである。
筆者自身もよく忘れがちになるのだが、この「独りよがり」が物作り企業には必ず多かれ少なかれある。
そして「いや~そこまでは予算的にも人員も」と言い訳する企業が数多くある。
中には「そんな活動せずに、じわじわと業界に知られるようになりたい」と、のたまう企業もある。
きっと50年かかっても無理だと思う。それまでにその企業が無くなっている確率の方が高い。

たまたま「ホールガーメント」のニットが例に挙げられたが、何でも同じである。
「スラブ糸を力織機で織り上げたデニムです」と言ったところで、「それがナニか?」となる。
それだから値段がこんなに高いです。という説明をしたところで、消費者は「じゃあ普通の織機を使って良いから3000円安くしてよ」ということになる。
物はジーンズだろうが、ドレスシャツだろうが、スーツだろうが、みな同じことである。

「今のアパレルは物作りがわかっとらん」と憤る製造業者は多い。
これは生地製造業だけではなく、縫製にも洗い加工にも整理加工にも共通している。
だから「自社で製品orブランドを作ったるで!!!!」と息巻く業者も中にはおられる。
しかし、成功するためには上で述べられていることも頭の片隅に置いておく必要がある。
常にマーケットばかりを意識していても「単なる売れ筋コピー」みたいな商品しかできない。かと言って物作りに没頭しすぎても「独りよがりな工芸品」が出来上がるだけである。

製造業者の立ち上げたオリジナルブランドがぜひ成功してほしいと願うからこそ、あえて、ニットキッチンさんの意見をご紹介した次第だ。

若者は内向きではない

 以前に「日本人の海外留学者数はバブル期より増えている」と書いた。

文部科学省の統計データである。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/12/__icsFiles/afieldfile/2010/12/22/1300642_1.pdf

2008年の留学者数は66833人で、2007年よりは減っているが、それでも1998年当時よりは多い。
留学者数の数から見ると「若者が内向き」というオッサン世代の非難はまるで的外れである。

これについてリクルートエージェントがまとめた記事があるのでご紹介したい。

http://www.r-agent.co.jp/kyujin/knowhow/tatsujin/20101118.html

まず、

アメリカ一辺倒から各国に分散しただけのこと

まず、英語圏でも昨今、留学生の獲得競争が激しくなっていること。たとえば、イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドなどのもう当たり前の「アメリカの競合」のみならず、マルタ共和国やインド・スリランカなどの新興勢力も、この争いで台頭しはじめている。

二つ目には、日本が文化的・経済的に成熟度が高まったことがあげられる。アメリカで先進技術や学問をキャッチアップすることが主目的の中国や韓国とは異なり、日本ではヨーロッパやアジア各国で、多様な文化を学ぶ人が多くなった。産業界主導もしくは就職や研究のため、といった留学ではなくなってきた結果、アメリカ一辺倒から世界への分散が起きた、ということなのだろう。

次に、

そもそも、留学適齢人口が激減している

それでも、2004年以降の微減が気にはなる。しかし、これも説明できる要因がある。それは、図表④に示す留学適齢人口(18~29歳)の減少なのだ。(図表を見ていただければわかるが27%減である。筆者注)

無題

この人口、1997年より減少を続けている。それでも、2004年まではヨーロッパやアジアなど新たな相手国への留学生増加で、全体増を維持してきたが、最近では各地域への留学生増加も一巡し、基礎人口の減少をカバーしきれず、微減傾向となっている、と読めるだろう。

ちなみに、留学適例人口当たりの留学生数は、直近2009年現在でも0.4%と過去最高を更新し続けている。つまり、人口当たりの留学生は増え続けているのだ。

3番目に、

ハーバード留学生減少のウソ

それでも疑り深い人は、「ハーバード大学の日本人留学生が、昔は20名もいたのに、今はたった1名」というデータを上げるのではないか。ワシントンポストがその出典だが、こちらは数字や論拠があいまいすぎる。

【1】 まず、ハーバード大学への日本からの留学は、大学院が昔から圧倒的に多数であり、その人数は今でも100名を超えている。

【2】 学部への入学は最盛期でも20名弱であり、現在3~4名と減少しているのは確かだが、1名という年はない。

【3】 ハーバードは留学定員があり、そのため、韓国・中国・インドの留学生が激増した昨今は、日本人が割を食っている。

【4】 その玉突きか、昨今はイェール大学への日本人入学者が増え、今年は7名と過去最高となっている。  

 といった反証が挙げられている。このデータから言えば、「イェール大学への日本人留学生が過去最高!日本の若者は外向きだ」なんて記事だって書けてしまうのだ。

とのことである。

バブル崩壊以降、留学者数は増え続けている。04年をピークとして08年までの4年間は減り続けているが、現状でもバブル最盛期の3倍近い若者が海外留学をしている。
これに対して「目的意識も無く海外に行く若者が多いのではないか」という反論も聞かれるが、そういう若者はバブル期の方が多かった印象が強い。

さらにリクルートが挙げるように、適齢人口が27%減少しており、バブル崩壊で各家庭の収入が減少しているにも関わらず、留学者数が増えているのは「若者は外向き」と言えるのではないだろうか。
実際、バブル期の89年の留学者数は22798人に過ぎない。翌年90年の人数は26893人である。
この頃の方が、各家庭の収入も多く、若者人口も多かったにも関わらずである。

バブル期の若者の方がよほど「内向き」ではないか。

ジーンズを一番購入するのは40代らしい

 ふと思いついたことを書いてみる。

いつぞやも書いたが、30代半ば~40代半ばの子持ち主婦のジーンズ着用率は驚くほど高い。
小学校や中学校の行事に参加している人たちの半数以上はジーンズを着用しており、もはや制服状態である。
同じ年代の男性も同様の傾向があり、女性よりは着用比率が低いものの、かなりの割合で着用している。

某総合商社の担当者によると、「ジーンズを一番購入している層は40代です」という。
やはり学校行事での体感は外れていなかったようだ。

10代・20代は男女ともにジーンズの着用比率はかなり低い。
とくに女性はそれが顕著である。
女性のボトムスは、レギンス、ショートパンツ、スカートのレイヤードがほとんどである。
男性だとチノパン、カーゴパンツ、ワークパンツ類が主流だろう。

ジーンズ関連の取材をすることが多いのだが、「ジーンズの売れ行きは良くない」と言われる状態が4年以上続いている。
もちろん、若い層への啓蒙活動は必要だが、一番購入する層にスポットをもっと当てても良いのではないかと思う。

男女ともに35歳~50歳くらいに向けたジーンズをもっと積極的に打ち出すということである。

最近ではメーカー各社とも、打ち出しを幾分強めているようにも見える。
スーパークールビズに対応した涼感ジーンズや、今冬の保温ジーンズなどがその例である。
良い取り組みだとは思うが、いずれも「機能」に頼り過ぎている要素が強いように感じる。
もちろん触感のソフトさや、ストレッチ性などの機能も重要である。

しかし、機能性ばかりでは衣料品は売れない。
40代が機能性商品ばかりを欲しがっているのかというとそうでもないはずである。
ファッション衣料である以上は、機能+デザイン、機能+かっこよさを求めている。

先の総合商社の担当者の言葉には続きがあり、「その40代に向けた商品が少なすぎるのが現状です。もっと様々な種類の商品を提供する必要がある」とのこと。

先ほどの機能ジーンズの多くは、エドウインやリーバイスに代表される大手ジーンズ専業メーカーか、ユニクロやGMSなどの量販店が占めている。
しかし、もっとファッション性の高いジーンズブランドもこの市場に参入すべきではないだろうか。
例えば、ジョンブルが40代向けに3型提案しても良いだろうし、オアスロウが40代向けのラインを数型作っても良いのではないか。
ファッション性の高いジーンズブランドが大挙して40代市場に参入することで、競争は激しくなるだろうが、その市場が盛り上がる。消費というのは衝動的な側面を持つので、雰囲気が盛り上がれば釣られて買ってしまう消費者も増える。

理想論に過ぎるかもしれないがそんなことをつらつらと考えている。

売上高百億円以上のジーンズ専業メーカーはエドウインだけになってしまった

 リーバイ・ストラウス・ジャパンの23年11月期連結決算が発表された。
(リーバイ・ストラウス・ジャパン社のHP参照)

売上高   91億9000万円(前期比30・2%減)
営業損失  12億4200万円
経常損失  11億5400万円
当期損失  16億900万円

と減収赤字だったが、前期よりも赤字額は縮小しており、期初の見通しよりも赤字額は減額している。
そういう意味ではわずかに好転の兆しがあると言えなくもないが、苦しい決算には変わりない。

24年11月期連結は

売上高     97億円
営業損失    9億円
経常損失    8億5500万円
当期損失    9億2000万円

と引き続き赤字決算を見通す。

まだまだ厳しい状況が続きそうだ。

ちなみに品目別売上高も開示されているのでご紹介したい。

メンズボトムス       136万3000本   61億3900万円
レディースボトムス     44万8000本   15億5700万円
メンズトップス        53万7000枚   12億900万円
レディーストップス     16万1000枚    2億8100万円
その他               1000枚      200万円

となっており、22年11月期連結と比べて全品目で枚数も金額も減っている。

今回のリーバイ・ストラウス・ジャパンの決算を受けて、売上高100億円を越えているジーンズ専業メーカーは、エドウイン商事だけとなってしまった。
ジーンズという単品を製造販売することで、売上高100億円以上を維持するためには、莫大な数の卸売り先が必要となる。ジーンズ専業メーカー各社が、ジーンズ専門店チェーンと密接に結びつくのは自然な流れだった。

しかし、ジーンズ専門店チェーンも淘汰されており、ピーク時と比べると企業数そのものが減っている。
ロードランナーしかり、フロムUSAしかり、アイビー商事しかり、三信グループしかり、カジュアルハウス306しかりである。さらにピーク時に勢いがあったものの、まったく停滞しており存在しているかどうかも分からなくなったジョイントのような例や、ジーンズ専門店を脱却してSPA化したポイントのような例もある。

ジーンズ専業メーカー各社の売り先がこの15年で激減した。

さて、このような状況で専業メーカー各社ができることは、

1、残存しているジーンズ専門店チェーンとがっちり取り組むこと(ライトオン、マックハウスなど)
2、セレクトショップや他ジャンルとの協業やコラボ商品を増やすこと
3、自社直営店をある程度の数量出店すること

だろう。

1に関しては、少ない売り先に各社が集中するので、弾き飛ばされる専業メーカーが多数出てくることになる。
現状で言えば、エドウイン(子会社のリーも含む)とリーバイスの2ブランドに集約されている。

2に関しては、2005年ごろから各社が活発に取り組んでいるが、いかんせん、セレクトショップ1店ごとのジーンズ取り扱い数量は少ない。取り組み先を数十社に増やしたところで、販売できる本数はジーンズ専門店チェーンとは比べ物にならない。

3に関しては、エドウインの直営店展開とリーバイスストアのフランチャイズ展開が図抜けている。他の専業メーカーはアウトレット以外に直営店舗をほとんど持たないに等しい状況であり、直営店戦略が遅れていると断言しても言いすぎではない。

こうして考えると、ジーンズ専業メーカー各社は、売上高の大小を競うのではなく、売上高は縮小させてブランド価値を高める必要がある。例えば売上高は20億~50億円程度に縮小し、ジーンズ・チノ・ワーク・ミリタリーボトムスのファクトリーブランドのような位置づけになることが理想ではないだろうか。

しかし、残念なことに専業メーカー各社でも国内の自社縫製工場を縮小閉鎖する動きが目立っている。
国内に大規模な自社縫製工場を維持しているのはこれまたエドウイン商事くらいである。
また会社規模に見合った国内自社縫製工場を維持しているのはドミンゴ、ブルーウェイくらいだともいう。
「リーバイス」は元からグローバルブランドであるため、日本国内に自社工場は持っていなかった。

これまでモノ作り型で数十年間暮らしてきた企業が、いくら病むにやまれぬ状況とはいえ、心臓部である国内自社縫製工場を縮小廃止してしまうのは、自ら強みを捨てているに等しいと感じる。
国内自社縫製工場を持たない専業メーカーなど単なるOEM/ODM企業と同じではないか。単なるOEM/ODM企業なら安い取り組み先はいくらでも探せる。山ほどあるOEM/ODM企業と対抗して専業メーカーが勝てるとは到底思えない。

背に腹は代えられない状況とはいえ、もう一度、自社の強みを再認識した取り組みを選択されることを切に願う。

暗雲しか立ち込めていないクール・ジャパン

 以前に、日本のアニメが実はヤバイ状況にあると書いたことがある。
原因の1つには、賃金が安すぎて若い人が業界に入ってきても長続きしない。
そのため、動画や作画などのスタッフは外国人ばかりとなっており、南米人、中国人、韓国人の作画スタッフが名前を連ねる。最近だと中東系の名前も見かけるようになってきた。

アーティストの村上隆さんのインタビュー記事から引用させていただく。

「『クール・ジャパン』なんて外国では誰も言っていません。うそ、流言です。日本人が自尊心を満たすために勝手にでっち上げているだけで、広告会社の公的資金の受け皿としてのキャッチコピーに過ぎない。

 ――それでも、日本政府は「クール・ジャパン」のアニメや玩具、ファッションなどを海外に売り出そうとしています。

 「それは、広告会社など一部の人間の金もうけになるだけ。アーティストには還元されませんし、税金の無駄遣いです。今やアニメやゲームなどの業界は、他国にシェアを奪われて、統合合併が相次ぎ、惨憺(さんたん)たる状態。クリエーターの報酬もきわめて低いうえ、作業を海外に下請けに出すから、人材も育たない。地盤沈下まっただ中です」

http://digital.asahi.com/articles/TKY201201160436.html

というのが偽らざる現状である。

「そうは言っても日本のアニメは世界中で放送されて、ドラゴンボールなんか世界的に知名度があるじゃないか」と言われる方もいらっしゃるだろう。
たしかに放送されているが、それによってアニメの制作会社が儲かっているかというとほとんど儲かっていない。なぜなら放送権は外国に二束三文で売り渡されているからである。

これは筆者の独断と偏見ではなく、東京国際アニメフェアに出展経験のある業者が話してくれたことだ。
その理由としてこの業者は「国内ではメディアに絶大な力を持つ電通や博報堂だが、海外メディアに対して驚くほど影響力がない。彼らも海外メディアとの交渉のツボを心得ていないので結果的に二束三文で売り渡したり、レンタルしたりということになる」と指摘してくれた。

この話を聞いたのが3年ほど前なので、現在は幾分状況が変わっているかもしれないが、そう大きくは変わっていないだろう。

経産省の「クールジャパン」の何億円という予算は、おそらく大手広告代理店が仲間内で飲み食いすることに大半以上が使われてしまい、ほとんど目ぼしい成果は得られないだろう。

もし、本気で日本のアニメを保護する気があるなら、業界全体の待遇改善を図るべきだろう。
今のアニメーターの給料なら、週に何度かコンビニのバイトに入るほうが体も楽で、しかも同額以上を稼げる。
相撲と同様に、体にキツくて給料が低い分野に、好んで入りたがる人間はごく少数派である。
「文化を守ろう」という掛け声だけでは無理だ。
そこまで文化を守りたいなら、叫んでいる人々自身が相撲部屋なりアニメ制作会社なりに入社して文化を守ればよろしい。うむ。美しい自己犠牲である。

それにしても村上氏の発言は何やら日本のファッション産業にも当てはまる状況である。
そういえばファッションも「クール・ジャパン」戦略の一つだったはず。
お役人様と60代以上の業界の重鎮が旗振り役を務めるようでは、成功する可能性はかなり低いだろう。
実際、国内のファッションイベントでもお役人様と60代以上の業界の重鎮が旗振り役を務めて成功した試しがあるだろうか?17年という浅い経験の中には、該当する事例の記憶がない。

国内ですら成功しない取り組みが、言語・文化・風習の異なる海外で成功できるとは到底思えないのだが。

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