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南充浩 オフィシャルブログ

若者は内向きではない

2012年1月23日 未分類 0

 以前に「日本人の海外留学者数はバブル期より増えている」と書いた。

文部科学省の統計データである。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/12/__icsFiles/afieldfile/2010/12/22/1300642_1.pdf

2008年の留学者数は66833人で、2007年よりは減っているが、それでも1998年当時よりは多い。
留学者数の数から見ると「若者が内向き」というオッサン世代の非難はまるで的外れである。

これについてリクルートエージェントがまとめた記事があるのでご紹介したい。

http://www.r-agent.co.jp/kyujin/knowhow/tatsujin/20101118.html

まず、

アメリカ一辺倒から各国に分散しただけのこと

まず、英語圏でも昨今、留学生の獲得競争が激しくなっていること。たとえば、イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドなどのもう当たり前の「アメリカの競合」のみならず、マルタ共和国やインド・スリランカなどの新興勢力も、この争いで台頭しはじめている。

二つ目には、日本が文化的・経済的に成熟度が高まったことがあげられる。アメリカで先進技術や学問をキャッチアップすることが主目的の中国や韓国とは異なり、日本ではヨーロッパやアジア各国で、多様な文化を学ぶ人が多くなった。産業界主導もしくは就職や研究のため、といった留学ではなくなってきた結果、アメリカ一辺倒から世界への分散が起きた、ということなのだろう。

次に、

そもそも、留学適齢人口が激減している

それでも、2004年以降の微減が気にはなる。しかし、これも説明できる要因がある。それは、図表④に示す留学適齢人口(18~29歳)の減少なのだ。(図表を見ていただければわかるが27%減である。筆者注)

無題

この人口、1997年より減少を続けている。それでも、2004年まではヨーロッパやアジアなど新たな相手国への留学生増加で、全体増を維持してきたが、最近では各地域への留学生増加も一巡し、基礎人口の減少をカバーしきれず、微減傾向となっている、と読めるだろう。

ちなみに、留学適例人口当たりの留学生数は、直近2009年現在でも0.4%と過去最高を更新し続けている。つまり、人口当たりの留学生は増え続けているのだ。

3番目に、

ハーバード留学生減少のウソ

それでも疑り深い人は、「ハーバード大学の日本人留学生が、昔は20名もいたのに、今はたった1名」というデータを上げるのではないか。ワシントンポストがその出典だが、こちらは数字や論拠があいまいすぎる。

【1】 まず、ハーバード大学への日本からの留学は、大学院が昔から圧倒的に多数であり、その人数は今でも100名を超えている。

【2】 学部への入学は最盛期でも20名弱であり、現在3~4名と減少しているのは確かだが、1名という年はない。

【3】 ハーバードは留学定員があり、そのため、韓国・中国・インドの留学生が激増した昨今は、日本人が割を食っている。

【4】 その玉突きか、昨今はイェール大学への日本人入学者が増え、今年は7名と過去最高となっている。  

 といった反証が挙げられている。このデータから言えば、「イェール大学への日本人留学生が過去最高!日本の若者は外向きだ」なんて記事だって書けてしまうのだ。

とのことである。

バブル崩壊以降、留学者数は増え続けている。04年をピークとして08年までの4年間は減り続けているが、現状でもバブル最盛期の3倍近い若者が海外留学をしている。
これに対して「目的意識も無く海外に行く若者が多いのではないか」という反論も聞かれるが、そういう若者はバブル期の方が多かった印象が強い。

さらにリクルートが挙げるように、適齢人口が27%減少しており、バブル崩壊で各家庭の収入が減少しているにも関わらず、留学者数が増えているのは「若者は外向き」と言えるのではないだろうか。
実際、バブル期の89年の留学者数は22798人に過ぎない。翌年90年の人数は26893人である。
この頃の方が、各家庭の収入も多く、若者人口も多かったにも関わらずである。

バブル期の若者の方がよほど「内向き」ではないか。

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