月別: 10月 2017 (1ページ / 3ページ)

若手デザイナーズブランドの苦境は販売先がないから

衣料品におけるデザイナーズブランドにはあんまり興味もないし、判別する知識もない。
それでも衣料品業界に20年以上もいると、何らかの接点もできてしまっているし、展示会やコレクションショーを見る機会もある。
個人的に交流していただいている方もいる。

そういう外野の人間から見て、デザイナーズブランドというビジネスは成功するのが難しいと感じる。
まあ、どんな分野にせよ成功するのは難しいのだが、デザイナーズブランドで一般のサラリーマンの平均収入を得るのはかなり難しいと感じる。
東京コレクションに10年以上も出品し続けて、知名度もそれなりにあるブランドでも実際は売上高は極小なうえに収益はまったく赤字で、親の会社から回してもらっているカネで暮らしているというデザイナーもいると聞く。

それほどに厳しく、10年以上のベテランがこのありさまなので、若手ブランドのビジネスはもっと厳しい。
もし自分ならそんな仕事は絶対にやらないなと思う。

なんでこんなしみったれた話を朝から書いているのかというと、台東デザイナーズビレッジの鈴木淳村長のフェイスブックの書き込みに激しく賛同したので、それを紹介したいからである。

このルームサービスの元記事はどうでもよい。
論調としては冷静だといえるが、そこには鈴木村長が指摘された事柄がない。
今更、サカイと若手ブランドのビジネスを比較して「若手がなってない」といったところで何か状況が変わるのだろうか。
じゃあサカイが海外で売れた理由をもっと取材してそれを分析してみてはどうか。

クリックするのがめんどくさい人のために抜き出してみる。

■コレクションの取材記事は
1)ショーの実況
2)ショーの感想 ←ここまではある。評価軸はない。
3)ブランドへの評価 ←これもある。どうしてそうなったのかという背景をもっと取材してほしい。
4)ブランドへの改善提案 ←これはあまりない。ビジネスの仕組みがわからないからではないか。
5)自分、自社は業界のために何をするか←ほとんどみたことがない。
日本の若手ブランドに対して「現実を見るべきである」と突き放すのではなく、取材できる立場を活かして多くの成功・失敗事例を分析したうえで、そうならざるをえない理由、できない環境に切り込んで、どうしたらよいかという指針と具体的な方策ぐらいは示してほしいものです。

川久保玲のコム・デ・ギャルソンが欧米で売れた理由は何もクリエイションが評価されただけではあるまい?
金融の話やら、現地のエージェントや人脈の話やら、川久保玲のパートナーの話やらいろいろあって海外で「売れる」に至っている。
サカイだって同じだろう。商品のデザインが評価されただけではあるまい。
そのあたりを何も分析せずして、「若手はなってない」と言ったところで若手にはどうしようもない。

商品のデザインが評価されれば売れるなんていうのは、産地のおっさんが「良い物を作れば必ず売れる」と言っているのと同じ神話でしかない。

現在の若手デザイナーズブランドを見ていて思うことは、20年前に創業した人たちよりも環境が厳しいなあということである。
個人的にはクリエイションのことなんてちっとも興味がないから、ビジネスのことのみを書く。

20年前の創業組もたいがいが厳しいビジネス環境だった。
インディーズデザイナーズブームに沸いたのは98年ごろまででそのあとはひっそりと消えたブランドも数多くある。
当時のデザイナーでまったくの異業種に転職してしまっている人もいる。

当時のデザイナーたちが糊口をしのげたのは、大手アパレルブランドからの「外注デザイン」が受けられた部分が大きい。
年間数百万円くらいの仕事料が支給される。
たとえ、自分のブランドが売れなくても、その契約料だけで最低限度の生活は送れた。

しかし、この「外注デザイン」は現在ではほとんどない。
受けているという若手デザイナーも見たことがない。

これがなくなっていることが大きい。
しかし、理由は単純だ。デザイナーに外注デザインを頼むより、OEM/ODM業者に依頼した方が便利で商品品質が安定するからだ。

デザイナーにデザインを外注しても、実際に商品を作るのはアパレル側である。
アパレル側が工場を手配して生産管理を行わねばならない。

しかし、OEM/ODM業者ならデザインも請け負ってくれるし、工場の手配や生産管理も請け負ってくれる。
アパレル側は丸投げで済ませることができる。

アパレル側から考えれば外注デザインなんていうめんどくさいことよりも、OEM/ODM業者に依頼した方が楽チンである。
当然、そちらを使うようになる。

今のデザイナーズブランドが厳しいのは、販路がないからだ。
自社でネット通販をすれば良いという声もあるが、乱立するネット通販という世界で知名度のないブランドがどれほど集客できると思っているのか。
集客するためにはそれなりのノウハウが必要とされている。もう、「ネット通販を始めましたというだけ」では売れない。

地方の有力専門店が仕入れてくれるのが最も現実的な成功だといえるが、地方の有力専門店も資金も店舗スペースも有限である。
だから、すべてのデザイナーズブランドがその恩恵を被れるわけではない。
当然、取引してもらえないブランドが多数生まれてしまう。

20年前なら大手セレクトショップやアパレルが小手先の観測気球みたいな扱いで、インディーズデザイナーズブランドを扱うことはあったが、アパレル不況でチビってしまっている彼らがそんな売れるか売れないかわからないようなブランドは取り扱わなくなっている。
彼らがほしいのは、「すでに有名で、仕入れたら今すぐ確実に売れるブランド」だけである。

偉そうなことをいうなら、ユナイテッドアローズの上席なんたらという役職のオッサンが自社店で若手デザイナーズブランドを取り扱うようにしてやれば良いのである。

それを棚に上げてメディアも「化石みたいな業界有識者」も上席なんたらのオッサンも何を虫のいいことを言っているのかと思う。

若手デザイナーズブランドが伸びない最大の理由は売り先・販売店がないからだ。
そういう状況を作ってきたのは偉そうに論評している高齢化して化石化した業界有識者たちである。

若手デザイナーたちが「国内は販路がないから海外へ」となるのは当然だ。
しかし、海外こそ「クリエイションだけ」では売れない。金融やらコネクションやらが重要になる。
若手デザイナーが直視しなくてはならないのはその部分である。

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見た目では低価格品とブランド品の差がわかりにくくなってきた

頭頂部分の髪の毛が薄くなってきたので、7年くらい前からときどき帽子をかぶるようになった。
若いころから散髪屋では「つむじが二つあってそれぞれ逆回転だからどうしても頭頂部分の毛量が少なくなる」と言われてきたが、元妻にも頭頂部分の髪は薄いと言われていたので、「薄くなってきた」というのは単なる見栄で、元から頭頂部分は薄かったというのが実情である。

まあ、ハゲ自慢はこの辺で置いておいて、ベーシックな帽子を見て回ると、高額品と低価格品ではほとんど区別ができない。
デザイン性の高い帽子は別として、ベーシックな帽子はその違いはほとんどミクロだろうと思う。

先日、あるウェブ関連業者が、帽子メーカーのウェブサイトを構築するにあたって、帽子は低価格品と差別化する見せ方や伝え方が難しいと頭を悩ませていた。

洋服もそれはかなり難しくなってきたが、帽子は専門家でないとわからない部分がより多く、それだけに物での差別化は難しい側面がある。
また機能性の切り口でも衣服ほど切実ではない。極端にいえば何の機能性がなくてもあまり気にならない。

先日、インスタグラムで交流のあるシャレオツな繊維業界人がデニムにペンキを散らせた帽子をアップしていた。
かっこいいのだが、あれ?と思わず目を見張った。

実はこれと似たような帽子を当方も持っている。
2年くらい前に天神橋筋商店街で1080円(税込み)で買った。

これだ。

もちろん、差異はある。
シャレオツな人の帽子は同じデニム生地でもウォッシュ加工が施されて色が薄い。
ペンキはカラフルなのが3色散らしてある。

一方、当方の帽子は、ワンウォッシュのデニム生地なので濃紺である。
散らしているペンキは白と黒の2色である。

実はこの帽子はウォッシュをかけて薄いブルーにしたのと2色展開だったのだが、薄いブルーが似合わなくてこちらの濃紺を選んだという経緯がある。

天神橋筋商店街で1000円均一の名物の帽子屋で買った。
ここが扱う帽子は中折れ帽ならほぼ一つのパターンで作られているようだが、その分、素材や色柄のバリエーションが多く、選ぶ楽しみがある。ざっと店頭には中折れ帽だけで50種類くらいの色柄がある。

さて、この2つを見比べてみてどうだろうか?
もちろん、差異はあるが、同じ品番の色違いと言っても多くの人にはわからないだろう。

シャレオツな人の帽子はおそらく、彼の持っているブランド群から想像すると、当方の帽子の5倍~10倍くらいの値段だったと推測されるが、ほとんどの人はその値段差が一見しただけではわからないだろう。

逆にいうと、1000円均一(税抜き)の帽子のデザイン性はここまで向上しているといえる。

当方が見るところ洋服だってこれに近いことが起きている。
先日、モノトーン好きでロックテイスト好きな業界人がロック風なTシャツを着ていた。
いつも、それなりに値段のするブランドを着ているので、またどこぞのブランドTシャツだろうと思って見ていたら、実は「ジーユーで買った」という。

詳細に見れば、高額品との差があちこちにあるのだろうと思うが、一見しただけではそのTシャツがジーユーの商品かブランド品かはほとんど判別できない。
ジーユーのTシャツによほど身バレするような特徴的なプリントでも施されていないとわからない。

それほどに衣料品や服飾雑貨における低価格品と高額品の差異は極小化している。

こうなると、製造面やデザインだけでは差別化しにくい。
それを無理やりに差別化しようとすると、「生地ガー」とか「縫製ガー」とか「何ミリの仕様ガー」というミクロな部分をクローズアップするほかない。
しかし、そういうミクロな部分は、多くを占めるマス層にとってはほとんどどうでも良い部分である。

別に見た目がほとんど一緒なら、生地の組成が少々違おうが、縫製が1ミリずれてようが、多くの人にとってはどうでも良くて、安い方を買う。

「物なんてなんでも一緒」とまでは言わないが、低価格代替品を選ぶ人が増えるというのは、当然の流れといえる。

だから売り方や見せ方が重要になる。これは致し方ない。
作ることも重要で手抜きすることは論外だが、一定の品質なら、作ることだけでは低価格代替品と差別化できにくいことは動かしようもない事実である。

それをいくら嘆いても、業界の製造インフラが30年前に戻るわけもなく、金さえ払えばど素人だってそこそこに見栄えがするオリジナル商品が作れるという状況は今後さらに進化することはあっても、退化することはない。

そう考えると、今後は売り方・見せ方という「形のないもの」に対しての取り組みがさらに重要になるわけで、「形のないもの」への出費を極端に嫌う旧態依然とした姿勢の崩さない業者はさらに市場から淘汰されることは間違いない。

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9月下旬にブログの仕様を変えて、RSSフィードが届かなくなった方がおられると思いますので、お手数ですが、新たにRSS登録をお願いします。

ノームコアについて納得できる説明を読んだ

少し前まで「トレンド」として話題になっていた「ノームコア」だが、衣料品業界にいる人間の解説はさっぱり意味がわからなかった。
何人に尋ねても意味の分からない答えが返ってくる。もしかしたら説明している当人たちも意味がわかっていなかったのではないかと思う。

「究極の普通」って何なんだよ(笑)。
一部のブランドを除いて90%のブランドは「普通の服」を販売している。
じゃあ、すでに自分も含めてほとんどの人間はノームコアじゃないか。
全身ユニクロで固めりゃいいんじゃね?意味わかんネー。

無地の洋服がノームコアだと解説する人もいた。
よっぽど変な柄は別として、ストライプとかボーダーとかチェックとか伝統的な柄でさえだめなのか?
白Tシャツとジーンズしかダメならみんなが90年代の吉田栄作みたいな服装をせねばならないのか?
じゃあ、別にそんな意味不明なトレンドなんてどうでもいいから当方はボーダー柄のTシャツを着るよ。

まあ、そんな感じである。
そのトレンドの何がかっこいいのかすら理解不能だった。
よって、当方はノームコアなんてどうでもよくて、興味の対象外として終わった。

で、当方は興味の対象外だからどうでもよかったのだが、どうやら「トレンド」としてのノームコアは終了していたようだ。
そんな中、ノームコアの解説で納得できるものを見つけてやっと腑に落ちた。

全世界で間違い続けられたまま終わった「ノームコア」の説明
https://togetter.com/li/1163351

である。ちょっと長いが納得のいく解説である。

要するにノームコアというのは概念とか哲学であり、黒無地のタートルネックセーターとかリーバイス501だとかグレーのニューバランスだとかそういうアイテムやコーディネイトに落とし込むものではないということだ。

オーガニックコットンと似ていると感じる。
オーガニックコットンも元来は、そのコットン自体に価値やら機能性やらがあるわけではなく、無農薬・無肥料で綿花を栽培するという社会活動である。それがいつの間にか、有機栽培された綿花に価値やら機能性やらがあるように誤認されている。

大体、そもそもが「何を着るか」にこだわらないのがノームコアなわけで、「ノームコアなアイテム」を話題しちゃったらハナからその哲学に反するわけで、もう支離滅裂じゃないですか。

http://www.newsweekjapan.jp/sasaki/2015/07/post_1.php

そしてこう結論づけるのだ。「かつて個性というのは、自分のやり方で人生を切り開いて行く自由への旅だった。しかしそれによって私たちは孤独になっただけだ。ノームコアはそうではなく、他人との違いを追求するのではない新たな自由を求める。自分だけが特別ではないということに解放感をもち、そこに順応することが共同体への帰属なのである。だからノームコアは、より平和的な生き方への道のりなのだ」

この辺りがもっとも象徴的だろう。

あー、実にめんどくさい。(笑)
こういう哲学とか概念とかは個人的には本当に大嫌いである。

このまとめにもあるように、スティーブ・ジョブズの着こなしによって「無地でなければ~」と誤解され、サードウェーブやらと混同され「上質な暮らし」と誤解されるに至った。それって「ロハス」と間違えてないか?

このまとめで嘆いておられるように、ミーハーなファッション業界人に消費されてしまったというのが実情である。

個人的にはこの「トレンド」に興味を持たなくてよかったと思う。
元来、こういう思想とか社会活動とかそういうのは大嫌いだからだ。
逆にこれに飛びつこうと思ったファッション業界人の気が知れない。あほなのだろう。

解説にもあるように、今でも揶揄される大学生の量産型ファッションは立派にノームコアである。
そのファッションテイストやジャンルにかかわらず、集団に溶け込む着こなしはすべてノームコアだといえる。
だからベーシックな服装だけがノームコアではないということだ。

コスプレイベントでそれに参加するためにコスプレするのもノームコアだし、セクシー系の愛好集団に入ってセクシー系の洋服を着るのもノームコアだし、ヤンキー集団に入ってヤンキーファッションに身を固めるのもノームコアだということになる。

ファッショントレンドでもなんでもなく、きわめて日常的で、解説にもあるようにほとんどの日本人が自然に体得していることである。

それをやれトレンドだ、やれ哲学だ、やれ概念だ、と何をめんどくさいことを言っているのかと思う。

それにしてもこの説明はお見事である。
多分実際にお会いして、交流すると極めて気が合わないと思うが、この論考は敬服するほかない。

個人的には、洋服なんてそこそこ安くて、そこそこカッコヨク見えて、機能性があればそれが最上だと思う。
わけのわからんブランドネームも要らないし、哲学も概念も社会活動も個人的には要らない。
そうなると、ユニクロか無印良品あたりがbestに近い存在になり、あとはライトオンとかジーユーとかウィゴー、ジーンズメイトあたりを組み合わせれば済む。

そういえば、つい先日、某ラグジュアリーブランドの販売員(もちろん男性)を連れてユニクロに行ったところ、1990円に期間限定値引きされていたワイドフィットチノにいたく満足してお買い上げになった。
オリーブグリーンのカラーを選んだのだが、試着してみて、「これスゴイですね。それでこの価格なら買いですよ」と感激しておられた。

「すべての物に大した違いはない」とまでは思わないが、大半以上の「物」というのはこの程度の差異しかないということだと思う。
そんなわけで、ノームコアについてのモヤモヤが晴れたのでスッキリした。
これから死ぬまでその方面には触らないでおこうと思う。

余談だが、Amazonでノームコアを検索すると、「ノームコアセンス」というブランドが出てくる。このネーミングはかつて発見した「ディーゼルパワー」に勝るとも劣らない。(笑)
あとナノユニバースにも「クライド ノームコア」というスニーカーがあるのも発見した。
ファッション業界がノームコアを解釈するとこうなるという見本ではないか。(笑)

 

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若手デザイナーが海外を目指すのは、大手セレクトショップが仕入れないから

個人的にコレクションショーにはまったく興味がないが、それでも何度かは業務上必要に迫られて東京や大阪でコレクションショーの取材をしたことがある。
それでも通常のアパレルブランドの取材よりもずいぶんと当方にとってはあまり面白みは感じなかった。
今ではほとんどコレクションショーは取材しないし、記事にもしない。当方の意欲も能力もない上に現在の仕事上ではだれからも必要とされていないからだ。

ちなみに、東京コレクションと東京ガールズコレクションを混同している人を時々見かけるが両者はまったくの別物である。しかし、当方は両方に等しく興味がない。

そういえば最後に東京コレクションを見たのはもう8年くらい前になる。多分、東京に限らずコレクションショーを今後わざわざ見ることはないと思う。

東京ファッションウイークは誰の為のもの?
https://www.fashionsnap.com/the-posts/2017-10-24/kurino2018ss/

という問題提起記事が掲載された。
半分くらい、特に後半はそれなりに同意だ。

一昨年あたりから報道を介して取り組みを見ていても何か変わってきているような印象を受ける。
今後、何か期待できるのかもしれないとは思う。何かはわからないけど。

一方、前半は賛同できない。
日本のメディアにファッション批評・批判が育っていないことはその通りだが、そういう風土を作り上げてきたのは記事を書いたご自身も含めた世代の人々ではないのか。何を今更wwww。こういうのをネットスラングで「大草原」「草不可避」というのだろう。

国内の繊維・ファッション・アパレル業界というのは批評されることを極度に嫌う。
ファッションブランドも紡績・合繊メーカーも同じだ。

業界紙時代に、某合繊メーカーが批判記事を書いた記者に激しく詰め寄っているのも見たことがあるし、自身も何度か某ブランドから抗議を受けたこともある。こちらが主観を混ぜた記事を書いたのならまだわかるが、アンケート結果に対しての抗議だったので、何を言っているのかとしか思えない。

批判・批評されることが嫌で、アパレル企業各社は業界新聞やファッション雑誌とズブズブの関係を作ってきた。
今は幾分風潮が変わっているもしれないが、まあ、まだそれは続いている。
ファッション雑誌の対談で、司会する編集者とインタビューされる人が「この間の野球対戦は盛り上がったね。キャッキャウフフ」なんて言いあっているくらいズブズブでなあなあであるから、批判・批評なんていうのは起きるはずもない。

また、今の大御所とされるデザイナーがファッションジャーナリストから批判・批評されることを良しとしてきただろうか。

例えば、仮に、今、コシノヒロコや山本耀司のコレクションがひどい物だったと仮定して、それを批評・批判できるメディアがあるのか?
また大御所デザイナーはそれを許すのだろうか?
ないだろう。

過去40年も50年もそういう業界体質を作ってきた世代の人に「批評が足りない」とか言われたところで、それこそネットスラングの「おまいう」「ブーメラン」である。

また、前半には、若手デザイナー(40代も含めて)は国内より海外での発表やビジネスに注力しているという内容の箇所もあるが、それも当たり前ではないか。
国内でデザイナーズブランドを渾身の力を込めて展開したところで、それを仕入れてくれる大手セレクトショップなんてほとんどない。
ご自身が創業からかかわってこられたユナイテッドアローズだってそのうちの1社だ。

国内では大口卸先が見込めないから、ビジネス先を求めて海外へ行く。至極当たり前のことだ。
日本人には舶来コンプレックスみたいなものが色濃いから、海外、とくに欧米で高い評価を受けたブランドは後追いで逆輸入される。
近年、業界人がこぞって褒めちぎる「サカイ」だって国内より海外での活躍によって評価を高めたといえる。

そういう光景を見れば、若手デザイナーはさらに海外へ活躍の場を求めるのは当然である。

若手デザイナーを海外に追いやっている理由の一つが、大手セレクトショップ各社のこれまでの不見識である。

今回の記事の指摘は正論ではあるが、ではどうしてこれまで社内でその正論を貫かなかったのか、自身が創業に携わった会社をそういう方向へ導けなかったのか。この辺りはまったく謎だ。

この記事を40代以下(もちろん40代を含む)のデザイナーやライターが書くのなら、無条件に賛同するが、この年代のしかも、業界の中心に長らく立ってこられた方が今更それを言うのかと、驚きあきれるほかない。

最近、メディアでは繊維・ファッション・アパレル業界に対してのシビアな記事が掲載される。
それ自体には賛同するが、「識者」として登場する方々がほとんど同じラインナップでしかも50代以上の年配層がほとんどだ。
はっきり言って「その人選に問題あり」だと思う。
それらの方々は、長らく業界の中心に立って牽引してきた人ばかりだ。
で、何を今更他人事のように業界や市場を批判・批評しているのか。

そこまで見通せているのなら、なぜ、自社・自組織でもっと力を尽くさないのかと不思議でならない。
無責任極まりない言説といえる。

自分らがこれまでできなかった・今もできていないことを棚に上げてよく言えるものだと思う。

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ターゲット層に合わない「おしゃれすぎる店」は支持されない

このところ、毎回楽しみに読んでいるブログがある。

オンデーズの社長のブログである。
いわゆる低価格眼鏡店のオンデーズを買い取り再生した社長の回顧録なのだが、通常の回顧録は絵に描いたようなキレイごとや、フィクションめいたドラマチックな場面が登場して嘘臭さ満載だが、この社長の回顧録は日常的でリアルさがあり生々しい。

赤字で債務超過の会社を買い取っているから資金繰りの話がほとんどだ。
従業員のマインド改革も出てくるが、ドラマや映画のようなわけには行かない。
一つ難関を乗り越えるとまた別の難関に直面しそれを徐々に何とかかんとか解決するという感じである。

自分の身を振り返ってみれば、実際の業務や仕事なんてそんなもので、「サラリーマン金太郎」みたいに飛び込んだ先の社長に気に入られていきなり10億円の取り引きが決まるなんて言うことはあり得ない。
あんなものは本宮ひろ志一流のファンタジーでしかない。

で、今回は第8話で、新生オンデーズが新規出店を果たしたことがメインである。
相変わらず生々しくて泥臭くて良いが、中には小売店に参考になる部分があったのでそれを紹介したい。

第8話 新店舗
https://note.mu/shuji7771/n/n1978972bea6c?creator_urlname=shuji7771

資金繰りに窮する中、社長の中には整合性があるものの、従業員からするとまったく理由がつかめないまま、高田馬場に新規路面店を出店したが、かなり力を入れて販促を行ったにもかかわらず、オープン当日はお客が来なかったというところがある。
で、通行人を捕まえて入店しなかった理由を尋ねる。

突然呼び⽌められ、⼀瞬怪訝な表情を浮かべた若者だったが、気さくな感じで答えてくれた。

「うーーん、なんか、お洒落過ぎて気後れしたんですよね・・」

僕は後頭部をバットで殴られたような思いだった。僕自身が最もこだわった「お洒落さ」が、逆に敷居を高くしてしまっていたというのか。

「それに、狭いから気まずい感じもするよね。⼊ったら最後、何か買わないと出られないような圧迫感が凄いある。」

この言葉も、僕を激しく打ちのめした。そう⾔われてみれば、出⼊口が 1 か所しかないため、店の中は袋⼩路状態だ。ショッピングモール内のインショップの場合、ファサードは広く開放されていて、2⽅向ないし3 方向に出入り口がある場合もあるから、お客様は気軽に⼊って気軽に出ていける。しかし、路面店では 1か所しかない出⼊り口が、圧迫感と入りにくさを感じさせてしまっていたのだ。

インショップの解放感と比較して、正味6坪以下で閉ざされた路面店に、お客様が気まずさや圧迫感を感じるのは無理もない事だ。

「あと、だいたい今日は特に何も買うつもりは無かったんで・・」

最大の勘違いはここだった。大事なのは、店前の通行量よりも、店の前を歩く人たちの「ショッピングモチベーション」なのだ。つまりどれだけ沢山の人が店の前を歩いていようが、買い物をするつもりで歩いていない人達に財布を開いてもらい、お金を出してもらうのには、とてつもなく高いハードルがあったのだ。

一方、ショッピングモールや商店街に来る人たちの多くは、予め何かしらを買おうと思って歩いている。つまり“ショッピングモチベーションが高い”のだ。この場合だと必ずしも自分達の商品が目当ての商品ではなくても、ついで買いをしてもらえることがある。お客様は、その日は何かしらを「買おう」と思って歩いていたのだから、いわゆる財布の紐が緩い状態にあるからだ。

高田馬場の駅前は通行量こそ多いが、そのほとんどは通勤や通学で、買い物をする目的で歩いている人たちはほとんどいない。ショッピングモチベーションがほとんどない人たちの波に向かって僕らはメガネを買ってくれと、むやみやたらに叫んでいただけだったのだ・・。

ちょっと長いので、まとめなおすと、この通行人が入店しようとしなかった理由は、

1、店構えがおしゃれすぎた
2、入り口が1つしかなくて入ったら何か買わずには出られないかもしれないと恐怖を感じた
3、あくまでも通行のために前を通っただけで買い物をする気が元からなかった

の3点になる。

これってすごく重要なことが書かれてあるのではないかと思う。

通常、「ダサい店」よりも「おしゃれな店」の方が良いとされている。
しかし、「おしゃれすぎる」とかえってマス層の客は入りづらく感じる。
少数の先端層を相手にしたくてそういう店作りをするのなら何の問題もないが、ある程度のマス層に売りたいのに先端層が好むような「過剰におしゃれ」な店を作るのはまったく逆効果でしかない。

多くのアパレル業界人やデザイナーズブランドが失敗するのもここではないのか。

彼らはそのセンスの好き嫌いは別としてすごくおしゃれである。
しかし、そんな先端のおしゃれ感を全開にした店を作っても普通の消費者には入りづらいだけだし、一見したところで「あ、これは俺用の店ではない」と判断して敬遠する。

そこで店作りを修正すれば良いのに、業界人はなまじ自分のセンスに過剰に自信があるから、「消費者が退化した」とか「俺のセンスを理解できない消費者のレベルが低い」とか的外れな文句を言い始める。あほか。
ターゲットに設定した層に商品や店作りを合わせられない点で、悪いのは企業やブランド側にある。
あんたらに現実対応能力がないだけの話だ。そして売れなくてアパレル不況だと嘆いている。
売りたいんだったら売れるような商品や店作りをしろよ。

2は覚えのある店も多いだろう。

3についてだが、目の前を何万人通ろうが、買い物をする気がないなら、だれも買わない。
当たり前のことだが、これも多くのブランドや企業が見落としているのではないか。

だから通行人が多いところに無造作に出店して失敗を繰り返しているのではないのか。

ユニクロのように下着や靴下、折り畳み傘を売っていたり、コンビニだったらそれでも良い。買い物をする気がなかった通行人だって、ちょうど靴下が破れたとか、ガムが買いたくなったとかいうことがあるからだ。しかし、純然たるファッション用品を売っている店に買い物をする気がなかった通行人が飛び込んでくることはほぼない。とくにこれから出かけようとしている午前中は。

夕方帰宅途中ならあるかもしれない。

となると、この手の路面でファッション衣料を売る店が取り組むべき販促はどうなるのかが見えてくるのではないか。
あとは、目的買いで来てくれる「固定客」「ファン」をどれだけ作れるかということで、それにはある程度の時間と手間と金はかかる。
無名のブランドが出店しても、明日からすぐにファンができるわけではない。

ともあれ、この回顧録は最終回まで読んでみたいと思う。最終回が書かれるのはいつになるかわからないけど。
あ、ちなみにオンデーズで眼鏡を買ったことはまだない。(笑)

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株価下落が続くTOKYOBASE

このところ、TOKYOBASEの株価の下落が続いている。
本日も小幅だが下落基調で推移しており、4300円を割り込んだ水準での上下となっている。
直近の株価からもう2000円くらいは優に下がってしまっている。

まだ記憶に新しい缶ビール接客の翌日ですらほとんど株価が下落しなかったのに、どうしたことだろうと思って、株式売買のサイトを眺めていたところ、その理由として先日行われた第2四半期決算が原因だと分析されていた。
昔でいうところの中間決算である。

TOKYOBASEの2018年2月期の第2四半期決算(非連結)、昔でいうと2017年8月中間決算は、

売上高55億5000万円(対前期比53・7%増)
営業利益6億6300万円(同91・7%増)
経常利益6億6300万円(同91・0%増)
当期利益4億5700万円(同96・8%増)

となっており、金額としては小規模ながらも大幅増収増益となった。

これでどうして株価の下落が始まったのだろうか。

株式売買サイトでのフィスコの分析によると、営業利益が91・7%増と大幅に増えているにもかかわらず、通期決算の業績見通しを据え置いたことが原因だとされている。

通期の業績見通しは、前期決算からずっと据え置かれたままである。
まあ、今の世の中、何があるかがわからないから不確実要素は排除しておこうということは理解できる。

通期の業績見通しは

売上高124億600万円(同32・6%増)
営業利益17億5700万円(同36・1%増)
経常利益17億5700万円(同38・8%増)
当期利益12億1200万円(同41・6%増)

とずっと据え置かれたままになっている。
投資家はここが不安、不満だと感じたということになる。

3年くらい前から株式売買を自分でも少しやってみたりチャートを眺めたりするようになったが、投資家の考え方というのはちょっと理解できないことがある。
あとは大口の投資家によって株価はある程度動かされる部分もある。

今回の下落続きはちょっと理解できない部分もあるが、投資家の理屈はこういうことだろう。

「上半期で91%増の利益をあげておきながら、通期業績を据え置いたということは下半期はよほど儲からないと経営陣は考えているのではないか」

というものだろう。

まあ、なるほどそういう見方もあるのかと思う。

実際に下半期の業績予想を見ると、営業利益は前期比で15・9%増だが、金額的には1.5億円しか伸びていない。
金額ベースでいうと、2017年2月期下半期の営業利益は9億4400万円で、2018年2月期下半期の営業利益は10億9400万円である。
ちなみに売上高は19・3%増で11億円ほど伸びている。

投資家からすると、売上高の増えた金額に比べて営業利益の増えた金額は少ないんじゃないのか?ということだろう。
11億円の増収で1・5億円の増益だからだ。

それにしても解せないのは、この連続株価下落をメディアも衣料品業界もほとんど話題にしないことだ。
株価が上がれば「時価総額〇〇円突破」と華々しく報道するにもかかわらずだ。今回の下落の下げ幅は大きいし、下落日数も長い。
本日だって、午後はわからないが今のところは下落が続いている。

なぜこれほどのビッグニュースを話題にしないのか理解に苦しむ。
しかも日経平均が空前の15連騰している最中での連続下落である。これは相当に重症ではないか。

これこそが本物の「忖度」ではないのか。

TOKYOBASEは我が国アパレルの中で数少ない成長企業である。規模的には100億円未満と小規模なので「成長期待企業」と訂正しておこうか。

成長期待企業だから、悪状況はなるべく触れないでおこうと、メディアも衣料品業界も悪質な「忖度」をしているのではないか。
しかし、事実は事実として報道すべきであるし、話題にすべきである。
それができないなら、報道なんてやめてしまえば良い。

それにこういう「忖度」は衣料品業界にとってもTOKYOBASEにとっても良い結果は何一つ生まない。

個人的には業界人がもてはやすほど、TOKYOBASEのビジネスモデルが新しいとは思わない。
むしろ、昔のやり方をそのまま忠実に実行しているようにしか見えない。

先日、炎上した缶ビール接客を抜きにしても、以前からここの接客態度は「馴れ馴れしい」「ため口が不快」という声が多く聞かれた。
もちろん、全販売員がそうでないことはいうまでもないが、「99%に嫌われても良いから1%に好かれろ」という経営陣の思想がそういう販売員をむしろ奨励していた。

店側が客を選ぶというスクリーニングの意味もあることは理解するが、その馴れ馴れしさによる親近感の作り方は、斬新というよりはむしろ古さを感じる。
古くでいえば、バブル期に夜霧に消えたハウスマヌカンだし、新しいところで言っても90年代のマルキューのカリスマ店員であり、裏原宿のショップ店員のやり方である。

また、仕入れ主体の品ぞろえは昔の専門店、草創期のセレクトショップのスタイルだし、「原価率50%」を喧伝して「お値打ち感」を訴えるのは、「良い物を割安で」というダイエーやユニクロの思想の延長線上に位置する。
決して、反ユニクロではなくユニクロ応用版というところである。

さらにさかのぼれば、現金掛け値なしの三井の越後屋(現:三越)の売り方といえる。

基本に忠実であることが効果的である場合も多い。そのことは理解しているが、行き詰ったアパレルビジネスに風穴を開けるような「全く目新しい手法」ではない。むしろ、昔からあるやり方をそのままやっているから逆に目立っているだけなのではないかと思う。

スキニーパンツ、ワイドパンツ全盛の今、70年代のベルボトムやラッパズボンを穿くと異様に目立つというのと同じである。

今後の株価の動きに対しては当たり前だが二通りの見方がある。
今の株価は割高で3000円くらいが適正だという見方と、今は割安で6000円くらいに上がるという二通りである。
次世代のスターが欲しい衣料品業界やメディアは割安だと判断するのだろうが、個人的には3000円くらいとは言わないが、幾分か割高だと感じる。

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ファッション分野に毎年大ヒット商品が生まれていた90年代の豊かさ

 90年代ファッションを回顧するという企画がウェブ上で流れてきたので、47歳のオッサンが27年前から18年前までを回顧してみると、今の30代の人々が回顧している90年代とは様相がだいぶと異なる。

なぜなら、27年前の1990年に当方は20歳だったが、30代の人は10代である。
今、39歳の人でも当時は12歳ということになる。1999年で21歳である。
今、39歳の人でもファッションシーンが記憶に残っているのは、早くても15か16歳くらいからだろう。となると最大でも94年ごろの記憶からしか残っていない。
仮にこの39歳の人が高校卒業後、大学進学のタイミングでファッションに興味を持ったとしたら、96年ごろからということになり、90年代を網羅できるほどの情報量がない。

39歳未満の人はなおさらだ。

90年代を正確に回顧できるのは40代以上で、80年代を正確に回顧できるのは50代以上、70年代を正確に回顧できるのは60代以上と考えるのがもっとも適切だろう。

ちなみに80年代は当方が10歳から19歳までの時期で、回顧できるとするならせいぜい85~89年までの4年間しかない。
しかも中学生から高校卒業までという極めてあやふやな記憶しかない。

そんなわけで47歳のオッサンが90年代の衣料品業界を思いつくままに回顧してみる。

ファッションや洋服の概念だとか哲学だとかそんなものに当方は微塵も興味がないので、売れた売れないというビジネス的結果が中心となる。

ここに文字にする前にざっと頭の中で挙げてみたが、90年代はバブル崩壊後で苦戦が続いたといわれているが、実は衣料品・ファッション用品については国民的ブームがほぼ毎年のように起きていたことに気が付いた。
2005年以降のビッグトレンドが生まれにくい時代からするとなんと恵まれた時代だったのかと今にして思う。
1~2年の誤差があるかもしれないが、当方の記憶がベースなのでお許しいただきたい。

89~91年ごろ 世界地図が描かれたバッグブランド「プリマクラッセ」が大学生に売れていた。MCMやらハンティングワールドやらも。
同じころ、トムクルーズの「トップガン」の影響でMA-1ブルゾンが大学生の制服のようになっていた。

93~96年ごろ レーヨンを交織・混紡したソフトジーンズが大ヒット、「04ジーンズ」がボブソン史上最大のヒット商品となった。

95年 ナイキエアマックス95が大ブームで、履いているのを強奪する追い剥ぎが多発した。

95~98年ごろ レーヨンジーンズへの反動として固くゴワゴワしたビンテージジーンズが大ブームになった。

97年 バーバリーブルーレーベルがバーバリーチェックのミニスカートを安室奈美恵に穿かせて大ヒット、アムラーが出現。

98年~ ユニクロのフリースが大ヒット、ユニクロブーム・低価格ブームが起きる。

99年ごろ ジーンズ、ズボンの股上が浅くなり現在に続くローライズジーンズが大ヒット。

99年  ツープライススーツショップ誕生。第1号はオンリーの「スーパースーツストア」。

ざっとこんな感じだ。
90年代後半には、一体何が良かったのかいまだにちっとも理解できない裏原宿系ブランドも大ヒットしたし、これら以外でもキムタクがドラマで着用したブランドはもれなく売れた。

また、95年~99年ごろは独立系デザイナーズブームもあり、関西でもビューティービーストや20471120などのブランドが話題となり、某専門学校ではビューティービーストの山下隆雄氏が講演に来ると、数百人規模で立ち見が出るほど学生が集まったという。

こうしてみると、裏原宿や独立系デザイナーなんていうどちらかというとコアな市場向けのブランドもヒットしたし、MA-1ブルゾン、04ジーンズ、ビンテージジーンズ、エアマックス、アムラー、ローライズ、ユニクロのフリースなんていうマス向けのビッグトレンドもほぼ毎年のように生まれていたことがわかる。ちなみにレーヨンジーンズのヒットからテンセルジーンズも生まれた。

2005年以降、とくに2010年以降の流れを知っていると、ビッグトレンドの生まれやすさに加えて、メジャー市場とコアな市場の両方で大ヒットが生まれることに驚いてしまう。

今は当時ほどのファッション・衣料品への需要や渇望感がない。

また価格破壊・低価格ブームが始まり、ユニクロが現在へと続く基礎を固めたと同時に、裏原宿や独立系デザイナーズブランドという高額品も同時に売れたというのもなかなか興味深い。

ちなみに携帯電話が普及し始めたのは97年以降のことで、当方が初めて手にしたのも97年か98年だったと記憶している。

90年代の当時は、バブルが崩壊しており、バブルを謳歌した80年代への羨望が渦巻いていたが、2017年の今から振り返ってみると衣料品業界・ファッション業界にとっては今とは別世界かと思うほどに恵まれた時代だったといえる。ただ、当時過ごしていた人間にそのことがわからなかっただけのことだ。それは90年代に限らずいつの時代もそうかもしれない。

70年代の高度経済成長期だって当時の人間にはそんなに好景気だとは思えなかっただろうし、80年代のバブル期だって同じだ。
過ぎ去ってみて初めてそういう時代だったということがわかる。人間の感覚なんて所詮はその程度の代物でしかない。

メジャーもマイナーも大きな売上高が稼げたということは、当時はファッションや衣料品というものが若者を中心に相当に重視されていたといえる。今のように携帯電話に金を支払う必要もないから、その分の可処分所得もプラスオンされていたといえる。また、それだけではなく、この当時の若者(今の40代)は極めてミーハーな性質があり、トレンドとされる物に恐ろしい勢いで群がっていたといえる。これは何もその年代だけのことではなく、それ以前のミニスカートブームやベルボトムジーンズブームでもわかるように上の世代にも共通する戦後日本の若者の性質といえる。

このころに比べると、2010年以降は嗜好や娯楽が極めて細分化されたといえる。
それゆえにファッションにそれほどに興味も持たれないし、それが万人受けする娯楽ともなり得ない。
ファッションは釣りや切手収集やガンプラ組み立てと等しい趣味の一分野になったと考えるのが正しいといえる。

いまだに「服づくりガー」とか「洋服の文化ガー」と叫ぶ人が業界にも業界外にも老若男女を問わず存在するが、それは2005年までの幻影を見ておられるのではないか。

ここまで嗜好と娯楽が細分化してしまえば、90年代のような状況に戻ることは不可能である。
今後は、細分化した嗜好と娯楽に対応できるブランドとファッション企業が生き残れる。
90年代の夢はまどろみながら見るにとどめるのが賢明である。

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無印良品の「疲れにくいスニーカー」は本当に疲れにくかった

当方は肩凝りなので定期的にマッサージに行く。
肩を回したり伸びをしたりそういう運動はしているものの、あまり緩和されないのでマッサージに行く。
まったく行かないと、頭痛がしたり目の奥が重痛くなったりする。

先日、マッサージをしてもらっていたら、「無印良品のスリッポンを買ったら、安いのにすごく疲れにくかった」と言われた。
確かに無印良品には靴があり、当方も何度かセール品を買っている。
が、キャンバススリッポンは見落としていた。

帰宅してネットで調べてみると、その名もずばり「疲れにくいスリッポン」「疲れにくいスニーカー」がある。

いずれもキャンバスで撥水加工が施してある。
オーガニックコットンと書かれてあるがそんなものは当方にとってはどうでも良い。
オーガニックかどうかははっきり言って興味がない。

アッパーのデザイン違いでソールとインソールは同企画ではないかと思う。

ちょうど10月22日まで期間限定割引が行われており、スリッポンは2990円が1900円に、スニーカーは2990円が2490円に値下がりしている。
この期間に試してみようと思って、難波の無印良品に行くと、スリッポンはなくなっており、スニーカーのそれも白と黒のみしか残っていなかったので、黒を買った。

おまけに無印良品のアプリで200円割引も持っていたので、2290円(税込み)で27・0センチを買った。

撥水加工は施されているが、しっかりとした雨では効き目はないと思い、連日雨が続いているが、止んだり小雨になった日を選んで履いてみた。

履いてみた結果をいうと、もう少し足に馴染むとまた違った結果になるかもしれないが、たしかにタイトル通りに長時間歩いても「疲れにくい」と感じる。
マッサージ師がいうように、疲れにくい。

その秘訣はインソールにあるというのが着用してみた感想である。

で、ふたたび、無印良品のウェブサイトに行ってみた。
スマホ版はあまり大したことが書いていない上に微妙に操作もしにくいので、PC版に行くと、工夫を凝らした部分が説明されている。

インソールのことはもちろん書かれていたが、通常のソール(靴底)についてもそれなりに工夫を凝らしてある。

ソールについての解説を引用すると以下の通りになる。

①全体を重心移動に沿う横方向へ切り出し
・適切なあおり歩行を誘導
・歩行時に曲がりやすく、かつ適切な位置で曲がるように工夫

②母指球部分に円形の凹凸
・蹴り出し時のグリップ力の向上

③かかと部分に円形の凹凸
・様々な方向でのグリップ力の向上
・衝撃吸収性を向上

④外周に斜めの切り出し
・滑りにくく削れにくい意匠(デザイン)を採用

とのことである。

確かにソールはこの通りの形状だが、そんなに機能性があるとは一見したときには思っていなかったので驚いた。

同じキャンバススニーカーでスペルガを持っているが、スペルガと比べると格段に足が疲れにくい。
スペルガも履き心地が悪いというわけではないが、無印良品のこれと比べるとまったく履き心地は異なる。

ファッションにこだわる人ならスペルガなのだろうが、機能性と足の疲れを重視するなら無印良品である。

スニーカーとしての外観はコンバースのオールスター風である。
最近、コンバースはデザインについてうるさいから、完全に類似しないようにデザインは少しアレンジされている。

無印良品のPC版ウェブサイトには、「定番を目指している」と書かれてあるが、デザインといい、機能性といい、これは定番として傷んだらその都度買いなおしたくなる。もちろん価格も含めて。

先日、3990円に値下がりしたリーボックフューリーライトを買って、足が疲れにくいと書いたが、無印良品のこのスニーカーも同等に足が疲れにくい。
フューリーライトは定価だと1万円強するので、傷んだらその都度買い替えるというのはちょっと勇気がいる。
その上位モデルのポンプフューリーは2万円弱するので、試し履きしたくてもおいそれとは買えない。

しかし、無印良品のこれは定価が2990円で、しかも期間限定値引きで2490円とか1990円に値下がりするので傷んだらその都度買いなおしやすいし、傷まなくても季節ごとに違うカラーを買うことも可能だ。

ウェブサイトに書かれているように「定番」になりうる商品だと思った。

50歳手前のオッサンになると、いくらデザインがかっこよかろうが、いくらブランド名にステイタス性があろうが、そんなことはどうでもよくなり、まずは疲れにくいとか防水とかそういう機能性が重要になる。
オッサンの体はくたびれ果てている。機能性が高くてなおかつデザインが良くさらに価格が安ければそれが最上品だ。
オッサンの懐は寒いのである。

そういう意味では値下がりしたフューリーライトや無印良品の2990円の疲れにくいスニーカーはオッサンにとってのマストアイテムだといえる。

こうなると、スリッポンのほうも試してみたくなる。
ウェブで検索すると残っている店舗が少ない。
しかも1990円に値下がりしている期間は10月22日までである。

同じ試すのなら値下がりしている期間にするほうがお得である。

22日までの間に、残っている店舗に行くことができて、サイズが残っているなら1足買って試してみたいと思う。

それにしても、廉価で機能性の高い商品が続々と生まれている。
ワークマンのワークウェア、カジュアルウェアしかり、無印良品のこの靴しかり。
もう高機能・低価格はユニクロだけのものではないし、靴分野でいえば、ユニクロは何度も参入しようとして失敗を繰り返している。以前から細々と発売し続けている無印良品のほうが何日もの長がある。
しかもこういう高機能商品まで発売してきたのだから、ユニクロの靴市場参入はますます障壁が高くなったといえる。

市場競争恐るべしである。

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自社企画商品の増加でテイストが薄まったセレクトショップ

 今日の佐藤正臣さんのブログにこんな一節がある。

”オリジナル商品(自社企画)等の商品構成比を上げ、買い付け等の他社の比率を下げ、顧客に見合った品揃えにする”

こういう宣言をする大手セレクトショップが多いが、はっきり言ってこれは偽善的な建前にすぎない。
本音は「利益率の低い仕入れ商品を減らして、利益率の高い自社企画商品を増やして、うちの利益率を高めるよ」というものにすぎない。
もっとも、この建前にも少しばかりの事実も含まれていて、近年、卸売りメーカーも売れ行き不振から、以前のように商品を山積みにしておらず、在庫を極力持たない体制になっている。
このため、セレクト側が追加を欲しがっても、対応できないことは珍しくない。また効率化のため品番数を減らしているメーカーも多い。
そうなると、補充が効かず商品バリエーションも少ないということになり、セレクト側としては自社の顧客に見合った品ぞろえや補充ができにくいため、自社企画商品比率を引き上げざるを得ないという部分もある。

利益率を高めたいという目的が8割、品ぞろえと補充のためというのが2割というところが、セレクト側の実態ではないかと思う。

自社企画商品比率を高めることが必ずしも成功するとは限らない。
仕入れ商品は良くも悪くもメーカーの個性が強いから、それを減らすと店の個性が弱まるということがある。
一方、セレクトの自社企画商品は完全にOEM/ODMメーカー任せだから、きわめて他店と同質化する可能性が高い。
そうなると、個性が消えて同質化した店ということになる。

関西人からすると昔から親しんできた「チャオパニック」の失速は好例といえるのではないか。

パルHD「チャオパニック」「コロニー2139」の再建急ぐ
https://www.wwdjapan.com/496685

「チャオパニック」は同社の主力ブランドだが、今期(18年2月期)は派生業態の「CPCM」を含めて10億円の赤字になる見通し。14年にスタートした「コロニー2139」は将来的に売上高400億円の目標を掲げる戦略ブランドだが、出店は5店舗にとどまり、いまだ赤字が続く。

とある。

チャオパニックはパルの顔ともいえる代表ブランドである。
関西の洋服専門店から有力セレクトショップ・SPAチェーンに成長したパルを牽引したブランドともいえる。

当方が初めてチャオパニックを目にしたのは95年の天王寺MIO(現:MIO本館)オープン時だった。
6階にかなり広い坪数がとられている。
当時は、ドミンゴやジョンブル、リーなどのジーンズブランドと仕入れトップスが豊富にあり、この仕事をしていなかったので取材をしたわけではないが、体感的には仕入れ品が5割前後あったのではないかと思う。

2005年あたりから如実に自社企画製品比率が増えた。
ドミンゴもジョンブルももうない。リーは少しある。
トップス類のほとんどは見たところOEM/ODMメーカーによる自社企画製品だ。

実際に、当方が多少の交流がある企業の中でも3~4社はパルのOEMを手掛けている。
当方が知らない先も含めると相当に多いだろう。

2005年あたりから、チャオパニックの存在感というかテイストは薄れ始めてきたと感じる。
買わないまでもそれまでは品ぞろえを見ることを目的に6階には定期的に足を運んだが、2005年以降はその回数が減り、2010年以降はほとんど訪れなくなった。見る理由がほとんどなくなったからだ。

2010年ごろになると、チャオパニックのショッピングセンター向け低価格帯ライン「チャオパニックティピー」と商品の区別がつかなくなってきた。逆に2014年ごろまではチャオパニックティピーのほうが、「お!値段以上」という商品が多かったと感じる。
そのティピーも3年ほど前から露出と存在感が急落していると感じる。去年と今年はティピーで買った商品はない。

パル社内でもこのままではマズイと感じているようで(実際に幹部からそういう声を聴いた)、それを挽回するためにCPCMを開始したが、まだそこまでの効果は出ていないといえる。

鳴り物入りでデビューしたコロニー2139だが、ほとんど目にしたことがないと思っていたら、5店舗しかないわけだから見なくても当然である。これで400億円規模に成長させるのはほぼ不可能ではないかと思う。

そもそも現在のパルに400億円規模のブランドは存在しない。
社内史上初めてとなる挑戦だが、なかなか厳しい。

一般的にセレクトショップは「濃い」イメージを与えて、一般人向けに徐々にテイストを薄めていくという手法を使う。
セレクトショップンに限らずブランドはだいたいどれもそういうやり方になる。
濃いイメージを好むのはアーリーアダプターとかイノベーターとか言われるような変態的なごく一部に過ぎず、マスはその濃いイメージを持った薄い商品を好む。これは洋服に限らずすべての商品がそうだろう。

しかし、残念なことに現在のマスは、薄くなったチャオパニックしか知らない。
薄くなってもう15年以上になるからだ。

もう一度、イメージを濃くする強烈な取り組みが必要だと思うが果して可能だろうか。
決算帳簿上での利益率改善は比較的容易にできるかもしれないが、それだけでは根本的な解決にはならないといえる。

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日本市場ではオールドネイビーの存在価値はなかった

 アメリカ本国では、GAPが失速し、低価格なオールドネイビーが伸びていると報道されているが、日本では逆にオールドネイビーが撤退してしまった。GAP本体が伸びているわけではないが、まだオールドネイビーよりはビジネスチャンスが多いということだろう。

一方、ファーストリテイリングのジーユーは、売上高1991億円にまで成長した。
今期は6%増にとどまったが、2000億円の突破は確実になった。

同じ本体より1ランク下の価格帯ブランドだが、日本におけるこの差は何だろうか?

もちろん、社内体制とか商品企画とか店舗運営とか、さまざまな要素はあるが、一つにはオールドネイビーがほとんどGAPの廉価版だったことに対して、ジーユーは2011年からユニクロの廉価版ではなくなったことが挙げられるのではないかと思う。

厳密にいえば、オールドネイビーだってGAPと商品企画がまるっきり同じだったとは言わないが、同じテイストだったので、ほとんど差がないように見えてしまっていた。
一部にはGAPよりも商品デザインが良いものがあったといわれているが、それは一部で大多数の消費者にはその差は見えにくかった。
おまけに日本では価格帯でもすみわけができていなかった。

GAPの特色は定価はそれなりに高いのに、待っているとどんどん値下げされるところにある。
ユニクロだってジーユーだって同じやり方だが、元値はGAPが圧倒的に高い。
ジーンズが9800円とか11800円していて、それが5900円になり、2900円になり、最終的には1900円くらいまで値下がりしてしまう。

ユニクロのジーンズは特殊品番を除いては定価は3990円だから1990円に下げたって半額である。
ジーユーのジーンズは1990円だから990円に下がってもマークダウン率は知れている。

そこまで下がるとGAPでは定価で買うのがアホらしくなるし、さらにいえば、これの廉価版のオールドネイビーは必要ないと感じられてしまう。安い物が欲しければ、GAPが値下がりするのを待っていれば良いのである。

ジーユーが開始されたとき、ショップの取材をした。

内装は今とほとんど変わらなかったが、商品内容は全く違う。
当時はユニクロとほとんど同じような商品内容で、価格が1000円か2000円安かった。
そりゃ安いに越したことはないが、わざわざジーユーで買わねばならない商品は見当たらなかった。

ユニクロより1000円程度安いだけならユニクロの週末値引きで買えば済む。
おまけに安いから素材や縫製のクオリティはユニクロよりも低い。

だから開始からしばらくジーユーは伸び悩んでいた。

転機となったのは2011年に商品をトレンド寄りにデザインしなおし、きゃりーぱみゅぱみゅを起用したことだろう。
あれで、ユニクロとの差が明確になった。

現在の商品を見ると、一部ではユニクロと同じようなデザインがあるが、ブランドとしてのテイストが全く異なっているので、ユニクロとは別の客層が獲得できている。
もちろん、一部では重なっていて、ユニクロで買っているオジサンやオバサンがジーユーでも買うことはあるが。

GAPで見ると、バナナリパブリックは日本に残留している。
バナリパといえば、バブル期にはアメカジ調のロゴプリントTシャツが日本でも流行したが、現在のブランドテイストはキレイ目になっていて、本体のGAPとはまったくテイストが異なる。

このバナリパもGAPと同様に定価が高い割には、シーズン末には投げ売りをするが、GAPと異なる商品が多いので、わざわざ買ってみても良いかな?という気になる。

ブランドテイストがGAPとはっきりと異なるから、日本国内ではそれなりに存在価値があり、すみわけが可能だ。
決して売上高が好調だとは聞いたことがないが、存続させる意味はある。

逆にジーユーが廉価版ユニクロという企画にこだわっていたら、今頃ジーユーはなくなっていたか、ごくごく小さなブランドとして存続していたかのどちらかだろう。

こう見てくると、多ブランド展開するアパレル企業は、ブランド間のテイストが似通りすぎると、価格帯が異なっていてもすみわけしにくいことがわかる。
現在、苦戦が続く大手アパレルの百貨店向けブランドはどうだろうか。
似たようなテイストで名前と価格帯だけが異なるブランドが多すぎるのではないか。
消費者はブランドごとの区別ができない、もしくはブランド名を覚えられていないのではないか。

かつて大手アパレル各社は百貨店の売り場を抑えるためにどんどんと新ブランドを投入した。
似たようなテイストで価格帯も同じブランドを大増産することで、百貨店やファッションブランドの売り場を1坪でも多く抑えようとしたのである。
その結果、社内には30とか60とか100とか、驚くほど多くのブランドを抱えることになってしまった。
社員数も多かったから彼らの仕事先を作るという意味もあったのかもしれない。

しかし、今は逆にブランド数が多すぎるとして、ブランド閉鎖が行われている。
類似ブランドが同社内に多数必要なのかどうかは、オールドネイビーとジーユーの成り行きを見ていれば誰でもわかるのではないか。

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