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南充浩 オフィシャルブログ

見た目では低価格品とブランド品の差がわかりにくくなってきた

2017年10月30日 商品比較 0

頭頂部分の髪の毛が薄くなってきたので、7年くらい前からときどき帽子をかぶるようになった。
若いころから散髪屋では「つむじが二つあってそれぞれ逆回転だからどうしても頭頂部分の毛量が少なくなる」と言われてきたが、元妻にも頭頂部分の髪は薄いと言われていたので、「薄くなってきた」というのは単なる見栄で、元から頭頂部分は薄かったというのが実情である。
まあ、ハゲ自慢はこの辺で置いておいて、ベーシックな帽子を見て回ると、高額品と低価格品ではほとんど区別ができない。
デザイン性の高い帽子は別として、ベーシックな帽子はその違いはほとんどミクロだろうと思う。
先日、あるウェブ関連業者が、帽子メーカーのウェブサイトを構築するにあたって、帽子は低価格品と差別化する見せ方や伝え方が難しいと頭を悩ませていた。
洋服もそれはかなり難しくなってきたが、帽子は専門家でないとわからない部分がより多く、それだけに物での差別化は難しい側面がある。
また機能性の切り口でも衣服ほど切実ではない。極端にいえば何の機能性がなくてもあまり気にならない。
先日、インスタグラムで交流のあるシャレオツな繊維業界人がデニムにペンキを散らせた帽子をアップしていた。
かっこいいのだが、あれ?と思わず目を見張った。


実はこれと似たような帽子を当方も持っている。
2年くらい前に天神橋筋商店街で1080円(税込み)で買った。
これだ。


もちろん、差異はある。
シャレオツな人の帽子は同じデニム生地でもウォッシュ加工が施されて色が薄い。
ペンキはカラフルなのが3色散らしてある。
一方、当方の帽子は、ワンウォッシュのデニム生地なので濃紺である。
散らしているペンキは白と黒の2色である。
実はこの帽子はウォッシュをかけて薄いブルーにしたのと2色展開だったのだが、薄いブルーが似合わなくてこちらの濃紺を選んだという経緯がある。
天神橋筋商店街で1000円均一の名物の帽子屋で買った。
ここが扱う帽子は中折れ帽ならほぼ一つのパターンで作られているようだが、その分、素材や色柄のバリエーションが多く、選ぶ楽しみがある。ざっと店頭には中折れ帽だけで50種類くらいの色柄がある。
さて、この2つを見比べてみてどうだろうか?
もちろん、差異はあるが、同じ品番の色違いと言っても多くの人にはわからないだろう。
シャレオツな人の帽子はおそらく、彼の持っているブランド群から想像すると、当方の帽子の5倍~10倍くらいの値段だったと推測されるが、ほとんどの人はその値段差が一見しただけではわからないだろう。
逆にいうと、1000円均一(税抜き)の帽子のデザイン性はここまで向上しているといえる。
当方が見るところ洋服だってこれに近いことが起きている。
先日、モノトーン好きでロックテイスト好きな業界人がロック風なTシャツを着ていた。
いつも、それなりに値段のするブランドを着ているので、またどこぞのブランドTシャツだろうと思って見ていたら、実は「ジーユーで買った」という。
詳細に見れば、高額品との差があちこちにあるのだろうと思うが、一見しただけではそのTシャツがジーユーの商品かブランド品かはほとんど判別できない。
ジーユーのTシャツによほど身バレするような特徴的なプリントでも施されていないとわからない。
それほどに衣料品や服飾雑貨における低価格品と高額品の差異は極小化している。
こうなると、製造面やデザインだけでは差別化しにくい。
それを無理やりに差別化しようとすると、「生地ガー」とか「縫製ガー」とか「何ミリの仕様ガー」というミクロな部分をクローズアップするほかない。
しかし、そういうミクロな部分は、多くを占めるマス層にとってはほとんどどうでも良い部分である。
別に見た目がほとんど一緒なら、生地の組成が少々違おうが、縫製が1ミリずれてようが、多くの人にとってはどうでも良くて、安い方を買う。
「物なんてなんでも一緒」とまでは言わないが、低価格代替品を選ぶ人が増えるというのは、当然の流れといえる。
だから売り方や見せ方が重要になる。これは致し方ない。
作ることも重要で手抜きすることは論外だが、一定の品質なら、作ることだけでは低価格代替品と差別化できにくいことは動かしようもない事実である。
それをいくら嘆いても、業界の製造インフラが30年前に戻るわけもなく、金さえ払えばど素人だってそこそこに見栄えがするオリジナル商品が作れるという状況は今後さらに進化することはあっても、退化することはない。
そう考えると、今後は売り方・見せ方という「形のないもの」に対しての取り組みがさらに重要になるわけで、「形のないもの」への出費を極端に嫌う旧態依然とした姿勢の崩さない業者はさらに市場から淘汰されることは間違いない。

NOTEを更新~♪
知名度だけに胡坐をかいたタレントブランドは売れない
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n4a8a67be3a89
あと、インスタグラムもやってま~す♪
https://www.instagram.com/minamimitsuhiro

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