月別: 11月 2016 (1ページ / 2ページ)

ダイソーで洗濯ネットを買うついでにハリスツイード雑貨を見てきた

 先日、洗濯ネットを買おうとダイソーへ行ったら、ポーチに続いてハリスツイード使いの手袋が販売されていた。価格は900円。500~600円のポーチより高くてダイソーの中ではトップクラスに高い商品となっている。

ちなみに離婚してから(されて?から)丸3年間、洗濯ネットがない生活を送っていたが、洗濯での衣類の傷みを軽減するためにやはり洗濯ネットは必要だと強く感じていた。

スーパー万代で洗濯ネットを見ると、250円くらいの価格が付けられている。
250円でも良いのだが、念のためにダイソーを調べると100円で売られていた。
しかも万代だと目の粗いネットしかなかったが、ダイソーは目の細かいのと目の粗いのの両方がそろっている。

クリーニング店、クリーニングビーを経営する壁下陽一氏から、買い終わったときにTwitterで「目の細かい方を買うべきですよ」とアドバイスをいただいたが、こういうのは買う前に聞きたかったと思う。(笑)

幸いにもアドバイスなしで目の細かい方を買っていたので、我ながら家事力がアップしていることに気が付いた。

万代で250円、ダイソーで100円なら、絶対に安い方で買う。
万代の洗濯ネットに特別な機能が付いているなら話は別だが、普通の洗濯ネットなら、人は絶対に安い方のダイソーで買う。
それが自然な消費行動であり、安い方を買うことは、特別な商品、特別な機能、特別なサービスをすること以外では押しとどめることは不可能である。

それはさておき。

ダイソーのハリスツイード攻勢はまだまだ続いている。

このブログでも書いたが、ダイソーがなぜハリスツイードを使った商品を安く販売できるかというと、生地の使用量が少ないからである。
例えば1メートル2000円の生地でも1個あたりに10センチしか使わなければ、1個当たりの生地代は200円で済む。そういうことである。

これをもう少し説明した記事がある。

しまむらやダイソーでも売っている…ハリスツイードって安いものだったの?!
http://topseller.style/archives/1272

メンズのジャケットの要尺は150㎝巾なら170~200㎝くらいです。
つまりケチっても150㎝×170㎝のハリスツイードの生地を使用してます。
面積出しましょう、
150×170=25500平方センチメートルです。
 
ダイソーのハリスツイードの商品は
手のひらサイズのがま口から大きめのポーチまで大小様々ですが、ざっくり均すと12㎝×10㎝くらいで1個作ってる感じがします。
同じく面積出しましょう、
120平方センチメートルです。
 
ジャケット1着分の生地で中心価格500円のダイソーハリスツイードは何個できますか?
25500÷120=212.5個
ざっくり計算なので200個としましょう。
500円×200個=10万円
 
ですが
メンズのハリスツイードのジャケット、
10万円してますか?
 
SHIPSで4万3000円
NEWYORKER BY KEITA MARUYAMAで6万9000円
CIVILIZEDで7万5000円
でした。
 
かなりざっくりな計算をしましたが
決してアパレルブランドがぼったくっていた訳ではないことが分かりますでしょうか。

とのことで、こういうことである。

個人的にはシップスの価格設定が低くて大丈夫だろうかと思ってしまう。(笑)

あと、どうでもよいことだが、しまむらもハリスツイードのリュックやスニーカーを販売していた。スニーカーはかかとの外側部分にハリスツイードラベルがデカデカと貼り付けられていたのだが、先日、それを履いている若い女性を電車の中で見かけたが、かかとの外側にデカいラベルが貼り付けられているのは、店頭に並んでいる状態よりもダサく見えた。(笑)

カシミヤニットやダウンジャケットも安い商品が定着しているが、安い商品は安く製造販売できるように工夫がされている。

1、製造量がケタ外れに大きい。いわゆるスケールメリットで1個あたりの製造代を下げている
2、原料の使用量が少ない
3、不要な中間マージンをできるだけ削減している
4、原料の等級が最上級、上級ではない(決して粗悪品ではない)

だいたいこんなところだろうか。

例えば、ウルトラライトダウンをはじめとする各社の軽量ダウンは、1と2の要素が大きいだろう。
もちろん4も当てはまる。

3は一概には言えない。低価格品を実現するために仲介料などの新たなマージンが発生している場合がある(笑)。

カシミヤニットだって、カシミヤの使用量を減らしてめちゃくちゃ薄い生地にすれば、理論的にはもっと低価格で商品を製造販売することが可能である。

こういう工夫を凝らすことで、これまで「高級」とされてきた素材を低価格で販売することが可能になる。
じゃあ、高級とされてきた素材を使った商品を、高級なままで売りたいブランドやショップは何か工夫を凝らしているのだろうか?

十年一日のごとく「この風合いガー」「本物ガー」「職人ガー」と言い続けているだけではないのか?

そこを見直すことなしに「今の消費者は違いがわからない」と嘆いても無駄であろう。だって、違いがわかるように説明していないし、見せてもいないから。

昨日も書いたが、着物業界もファッション業界も同じで「今までのままでもっと売れたい」というのは単なるワガママでしかない。
もっと売りたいなら、商品づくり・売り方・見せ方を工夫すべきだろう。

それにしても最近、洋服を買ってもあんまりうれしいとは思わなくなってきた。筆者自身の業界での勤続疲労だろう。あまり感動もワクワクも衣料品に対しては感じなくなってきた。
もう一つは老化だろう。心身ともに老化が進んでいる。

実は洗濯ネットが手に入ったことの方が予想以上に喜びが大きい。

老化が進む筆者にとって、「ものすごくほしい」「どうしても手に入れたい」と思えるような商材は洋服以外もなくなりつつある。ガンプラだって切実に欲しいわけではない。製造中止になった品番を高値で競り落とすほどの情熱もない。なかったらないなりに過ごせる。

もしかしたら、世間一般もそういう心持ち(老化という意味ではなく)なのではないかとも思う。
切実に欲しい物がない、周りにある商品もそれなりのクオリティと機能性がある、なければないなりに生活に支障がない、こういうところが消費不振につながっているのではないかと思う。




帝人フロンティアが和装向け合繊素材ブランドを発表

 先日、帝人フロンティから着物向けの機能素材ブランドが発表された。

http://www2.teijin-frontier.com/news/161115.html

「華月™」は、これまで当社がスポーツウェアやファッション素材の開発を通して培ってきた技術を活かし、それらを日本の着物と融合させることにより新たな価値を創造する和装向け機能素材群の新ブランドです。

・家庭用洗濯機で製品の丸洗いが可能
・洗濯後にノーアイロンで着用可能
・吸汗・速乾性に優れる
・着用時にシワになりにくい
・色あせ・黄変の心配が少ない
・保存時の虫くい・カビの発生などの心配が少ない

とある。
いわゆるポリエステルなどの合繊を使用した和装向けの機能素材ということになる。

斬新さや新規性に欠けることが多い帝人フロンティアとしては思い切った取り組みだと思うし、率直に評価したい。

着物を着用しない人間からすると、着物はやたらとハードルが高い。

1、価格が高い
2、洗濯、メンテナンス、保管方法がめんどくさい
3、着慣れた人は別として自分で着ることができない
4、動きにくい

などなどがあるから、個人的には一生着物を着ることはないと思う。

が、それでも和装業界として生きていかねばならない人々もいるから、やはり市場規模は最低限として現在の3000億円内外は維持しなくてはならない。
できれば、市場規模、着用人口を増やしたいのだろうが、現在のすべてを墨守したままで、市場規模・着用人口を増やしたいというのは、筆者からすれば単なるワガママにしか映らない。

先ほど挙げた1~4のうちの少なくともどれか1つは改良されなくては、市場規模・着用人口は絶対に増えない。

今回の帝人フロンティアの提案は、2を解決することができる。
もしかしたら1も解決できるかもしれない。

ちなみに帝人フロンティアは

「華月™」は 2017年夏の浴衣用途から展開を開始し、初年度(2017年度)は3千万円、2018年度は6千万円、2020年度には1億円の売上を目指します。

としており、まあ、順当な規模設定ではないかと思う。
それほど巨額に売れる要素が着物というジャンルにはない。

以前にもこのブログで何度か和装のことを書いているが、着用しない筆者からすると、シルクは高級で単価が高い反面、「洗濯、メンテナンス、保管方法が煩雑」というイメージがあり、よほどの数寄者でなければわざわざ手を出そうとは思わないと感じる。

じゃあ、シルク以外の素材、例えば綿や合繊などを使った着物をもっと売り出せばどうかと思って書いてみたのだが、案の定、和装関係者から「昔から合繊着物はあったが、売れなかった」という書き込みがあり、その行間には「だからシルクが売りたい」という思いがにじみ出ていて鼻白んだ。

まだ、こんなことを言っているのか、往年の栄華が忘れらないんだな。あほくさ。

というのが筆者の感想である。

今までの着物と商法では売れなくなっているんだから、商材か売り方かを最低でもどちらかを変えなくては絶対に売れない。個人的には両方を変えるべきだと思っているが。

ところで、シルク以外の素材の着物は昔から売れなかったというのは本当だろうか?
矢野経済研究所のこんなグラフがある。

平成25年までしかないが、26年、27年も着物市場規模はそれほど変わっていないのでほぼ横ばいが続くと推測される。

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正絹の着物の売れ行きはピーク時は1兆2000億円を越えていたが、今は2000億円にまで低下している。実に84%減である。

正絹以外の着物の売れ行きはピーク時は2000億円強しかなかったが、今でも1000億円くらいはある。こちらも減っているが50%減程度にとどまっている。

正絹と正絹以外の着物の売れ行きはピーク時だと6倍前後あったが、今では2倍にまで差は縮まっている。

個々の店やメーカーの事情は異なるかもしれないが、業界全体で見た場合、異素材(正絹以外)の着物の売れ行きはたしかに減っているが、正絹の着物よりも減り幅が小さく、現在では正絹着物の売上高との差はかなり縮まっているといえる。

これでもまだ「異素材着物は今も昔も売れない」といえるのだろうか。

それほどに正絹着物が素晴らしいならなぜ売上高84%減になるほどに消費者に見放されているのか。

このグラフは売上高なので、正絹着物の単価の高さと異素材着物の安さを考慮すると、もしかしたら販売枚数は2倍も差がないかもしれない。販売枚数の差はもっと小さいのではないかとも考えられる。

「正絹のスバラシサガー」「本物ガー」という人々は、どうしてそこまで販売量が減ったのかを冷静に直視する必要がある。

やたらと高い着物の入門ハードルを下げることが、着用人口の増加に寄与すると思うが、このまま商業的には滅んでしまって無形文化財のような存在を業界が目指したいなら、それはそれで一つの選択だろう。筆者のような部外者がとやかく言うことではない。

しかし、もっと売りたい・着用人口を増やしたいと本気で考えるなら、帝人フロンティアのようなアプローチも考えるべきだろう。

繰り返すが、「今までのままで売れたい」というのは根拠なき願望で、実現不可能な夢物語としかいえない。

着物 東レシルック 白無地 バイアス 半衿
京都半衿風呂敷和装卸協同組合




ファミリーセールに見る老舗アパレルの激動

 アパレル企業にはファミリーセールと呼ばれる会員向けのセールがある。
業界の人はおなじみだろう。

2~3日間、どこかのホールを借りたり自社の倉庫で、定価の半額くらいで商品を販売する。
もともとは社員の家族、親族を呼んでの割安販売だったのでファミリーセールという名称になったが、現在は赤の他人が圧倒的に来場する格安販売イベントとなっている。

だいたいのアパレル企業が、以前は5~7月、11月~12月の年2回のペースで開催しており、我々は、「あれが夏冬の社員のボーナスの原資になる」と言い合っていたものだった。

97年の山一・拓銀倒産ショック以降、洋服不振が強まり始め、過剰在庫を軽減しつつ、収入を増やす目的からかファミリーセールを乱発する企業も増えた。

97年に繊維業界紙に入社すると、さまざまな取材先からファミリーセールの案内をいただくようになった。
オンワード樫山、ワールド、ジョイックスコーポレーション、ヤマトインターナショナル、伊藤忠商事、大賀などから案内をいただき、実際に足を運んで買い物をした。

2005年ごろからファミリーセールに足を運ぶ回数が減った。
理由はいくつかある。

1、日程が合わないことがある
2、会場が遠方過ぎて行くのがめんどくさい
3、思ったほど割引率が高くない
4、ファミリーセールに行かなくても安い商品が年中手に入るようになった

という感じである。

1はどうしようもない。また日程が合うときに行くほかない。

2は、ワールドやジョイックスコーポレーションである。
ワールドは神戸、ジョイックスコーポレーションは昔、加古川で、今は明石で開催するがいずれも遠い。
移動時間と電車やバスの運賃を考えるとめんどくさくてもったいない。
そういう理由で行かなくなった。

3は、オンワード樫山で、今はどれくらいの割引率かしらないが、90年代後半とか2000年ごろは定価の3割引き程度で、それなら何もわざわざホールに足を運ばなくても通常の商業施設の夏冬のバーゲンで事足りる。

4が一番深刻だと思うが、筆者はこの理由でファミリーセールに熱心ではなくなった。
他の方々はどうだろうか?

コスパを最重視する筆者がどうして2005年ごろまでファミリーセールに定期的に足を運んでいたかというと、その当時は安い商品と、いわゆる「メーカー物」と呼ばれる百貨店・専門店向けアパレルの商品の見た目が圧倒的に違っていたからである。

安いに越したことはないが、量販店や低価格店で売られていた洋服は明らかに見た目がダサかった。
これはユニクロ、無印良品も同様である。
2005年までのユニクロ、無印良品の洋服の見た目は圧倒的にダサかった。

色・柄がなんだかおかしいし、シルエットも変だ。それにやたらとデカい。
襟や袖口などのディテールも違う。

確かに価格は魅力的だったし、生地や縫製の品質もそれなりに良いと言われていたが、見た目が圧倒的にダメだった。

だから、いわゆる「見た目の良い」洋服を安くで買おうと思ったら、夏冬のバーゲンかファミリーセールくらいしか選択肢がなかった。
ケチな筆者が夏冬のバーゲン、ファミリーセールで各ブランドの商品を買っていたのはそういう理由があった。

2005年ごろから低価格ブランドの見た目がマシになった。
この時期からユニクロを買うようになった。それまでにユニクロで買ったのは、ブーム時のフリース1枚とTシャツを数枚程度だけだった。

2016年に買い物をしたブランドは、ユニクロ、無印良品、ライトオン、ジーンズメイト、ジーユーの5つのみである。あと西友と(笑)。

低価格品と百貨店・専門店向けアパレルブランドの商品との「見た目の格差」がなくなった現在、ファミリーセールに通う必要性がほぼなくなってしまった。

年2回、毎回通うファミリーセールはヤマトインターナショナルのみになってしまった。

そのヤマトインターナショナルのファミリーセールが25、26日に大阪で開催された。
来年2月末以降にエーグルの事業譲渡が発表されているので、エーグルがファミリーセールに出品されるのはこれが最後になると考えられる。

ヤマトインターナショナルのファミリーセールは定価の半額が原則なので、エーグルは半額になっても高い。
しかし、人気はやっぱりあって、いつもエーグルコーナーは黒山の人だかりである。

ここ3年は、オグランジャパンの肌着やクロコダイルの靴下くらいしか買わなくなってしまったが、とりあえず恒例行事として足を運んでみた。顔見知りの社員も何人かおられるので声をかけることも目的にある。

ヤマトインターナショナルはクロコダイル、エーグルが基幹ブランドだが、ジーンズチェーン店向けにカーニーハウス、ユニバーシティオブオックスフォード、ジーンコックスなどのブランドも長らく展開している。

筆者も洋服販売員時代にオックスフォードを店舗で扱っていた。

もともとはカーニーハウスが低価格、オックスフォードがその上という価格帯でのすみわけがあった。
カーニーハウスだとポロシャツやカットソーが2900~4900円だが、オックスフォードはシャツが6000~8000円、ジャケットが19000~29000円くらいだったが、近年はこのすみわけが崩れており、カーニーハウスが値上がりしていた。

過去には、グロウベックやペリフェリックなどのブランドがあったが廃止になっている。
モード系カジュアルのグロウベックはあまり好きなテイストではなかったが、フレンチトラッドのペリフェリックはそこそこの高価格だったが好きで何枚か半額以下で購入していまだに着用している。

ヒロミチ・ナカノというブランドも前回まではあったが今回はなくなっていた。

さて、そのカーニーハウスとオックスフォードも廃止が決定したと、前回の夏のファミリーセールで社員から伺った。今回がカーニーハウスとオックスフォード、それからレディースのジーンコックスが出品される最後になる。

最後だからだろう。いつもよりこれらのブランドの割引率は高かった。
1000円、2000円という価格の商品が多く出品されており、本来買うつもりはなかったが1000円に値下がりしたヘビーオンスのチェック柄ワークシャツと、ウール・ナイロン混の無地セーターを買ってしまった。

肌着は西友で先日、4枚1000円のレナウンのを買っているので必要ない。今回は買わなかった。

これくらいで終わろうと思って、順路を進むと、基幹ブランド「クロコダイル」コーナーがあった。
以前にクロコダイルでも格安に値下げされたダウンベストを2枚ほど買っているが、本来は50代向けカジュアルなのであまり愛用しない。
クロコダイルの一画にクロコダイルトーキョーという少し若向きのラインがあったが、本来それは高いので、半額でも筆者は買わないことが多い。

ところが何の気なしに防寒アウター類の値段を見ると激安である。
5200~7400円である。
定価はいずれも2万円を越えている。

で、ついついその中の1枚であるグレーとネイビーのチェック柄ピーコートを買ってしまった。
定価28000円が5600円に値下げされており、実に8割引きである。

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(5600円で買ったチェック柄ピーコート)

使用素材の表示が少しイイ加減で(笑)、ウール・ポリエステル・その他としか書かれておらず、その配合比率が明示されていない。
しかし、触感としてはかなり上質な感じで、ユニクロや無印良品はともかく、ジーユーやウィゴー、H&Mあたりのブランドの素材とは比べ物にならないほど高級感がある。

全体的(袖、背中)に薄い中綿が入っており、これ1枚でほぼ完全な防寒ができる。

さすがは定価28000円(税抜き)といったところで、これが5600円(税抜き)で買えるのはかなり値打ちがある。

社員に尋ねると、このラインもなくなるそうで、ヤマトインターナショナルは「クロコダイル」本体のみのブランド展開になるのだという。
今後、新たなブランドをライセンス生産する予定だというがどんなブランドかはまだ発表されていない。

それにしても、来春から「クロコダイル」と新ブランドのみの展開となったら、これまで同様のファミリーセールを開催することは難しくなるだろう。

長らく親しんできたカーニーハウスやオックスフォードなどのブランドがなくなってしまうのもなんだか寂しく、クロコダイルのみなら自分がファミリーセールに足を運ぶ理由もほとんどなくなってしまう。

ちなみに、ジーンズチェーン店からはカーニーハウスやオックスフォードの存続要望が出されたため、担当チーム(オックスフォードとカーニーハウスの部署は同じ)がすでに独立起業して新たなブランド名で、ジーンズチェーン店への卸売りを開始していると、これも残った社員から教えてもらった。

それにしても、すさまじい激動である。

上場企業であり、老舗でもあるヤマトインターナショナルには何とかこの激動を乗り切ってもらいたいと思わずにはいられない。




ジーユーと西友で買ったお買い得品

 今日はお気楽に。

今週買ったお買い得品を。

まず、ジーユーのニット帽を買った。
以前、元嫁にニット帽が似合っていないと言われてからニット帽は被らなかったのだが、朝起きてゴミを捨てに行く際に、寝ぐせのついた髪の毛を剥き出しにするのはアレなので、いつも中折れ帽をかぶっていたのだが、それもなんだかおかしいので、ゴミ捨て場行きのニット帽が欲しいと思っていた。

ゴミ捨て場行きのニット帽に大枚をはたくのは絶対に嫌だから安ければ安いほど良い。
上限は1000円前後だと定めていたのだが、今まであまり買う機会がなかった。

ジーユーが10周年記念でニット帽を390円均一で売っていたので買った。

種類がいくつかあったのだが、山田耕史さんは、毛糸っぽいアクリル100%のニット帽を推薦しておられたが、個人的に頭から汗をよくかくので、そんな暖かい素材の物は要らない。

アクリル56%・綿44%のニット帽を選んだ。
肌ざわり質感ともに冬用ではなく、春秋用といった感じで、梅雨前くらいまでかぶれそうな感じがする。

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これは元値が790円で、それが590円に下がり、それが期間限定で390円にまで下げられていた。
価格からすると品質も十分だろう。
これでゴミ捨て場にも心軽く行けるようになった。

次に西友に向かった。

西友にはレナウンのボクサーブリーフが4枚1000円で売られていた。
レナウンは百貨店アパレルというイメージがあるが昔から量販店にも卸売りをしており、その量販部門が企画製造した商品だろうが、これは安い。破格値である。

ユニクロやジーユーよりも格段に安く、1枚250円である。

無地が綿54%・ポリエステル46%、ボーダー柄がポリエステル65%・綿35%である。
「肌着は綿100%でないと」という中高年もおられるが、ポリエステルが混じっていたほうが早く乾く丈夫で長持ちする。

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オグランの綿100%ボクサーブリーフより、イトーヨーカドーで5年前に買ったポリエステル混のボクサーブリーフの方がはるかに持ちが良い。
ちなみにオグランのボクサーブリーフはヤマトインターナショナルのファミリーセールで1枚500円で買っているが、イトーヨーカドーで買ったのは夏のバーゲンの末期で、たしか200円くらいに値下がりしていた。

丈夫さでもコストパフォーマンスでもイトーヨーカドーの圧勝である。

今回の西友で買ったレナウンもポリエステルが混じっているから丈夫だろうと期待している。

しかし、西友にはお買い得品が多い。
今回は買わなかったが、10足1000円の靴下もあった。
これを1パック買えば1年くらいは靴下を買わずに済むから、来週か再来週にでも買ってみたいと思う。

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1足100円ということになり、これはバッタ屋に並んでいる処分品とほぼ同じ値段である。

それほどのお買い得品があまり減らずに、売り場ワゴンで山盛りになっている状態が衣料品デフレのすさまじさを物語っている。

それ以外だと、このブラックの迷彩柄ネクタイだ。
これは経糸がポリエステル、緯糸にシルクを打ち込んで織り柄で迷彩を表現している。
それでいて価格は定価で1900円。

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どんなクオリティの芯地を使っているのかはわからないが、使用している生地のクオリティとデザイン性は十分で、1900円なら破格値ともいえる。

ブラックを基調とするモード系ブランドの店に混ざっていても違和感はない。
なんならラベルを取り換えてコムサ・デ・モードの店頭に並べておいても顧客はおろか、スタッフも違和感を感じないだろう。

半額に値下がりしたら買ってみたいと思う。

1足100円の靴下、それにこの迷彩柄ネクタイ、ともにデザイン性は悪くない。
それでいてこの価格だし、生地の品質も決して粗悪品ではない。

使用素材だとか見た目のデザイン性だとかでは、これらの超低価格品と百貨店ブランドとの区別がほとんどできなくなってしまっている。

かつてのDCブーム期は、DCブランド商品と量販店商品との見た目が明らかに違っていた。
だから多くの人は高いDCブランドで買っていたのだが、ここまで見た目が変わらなくなると、安い方でもかまわないという人が増えるのは当然の結果といえる。

だから中高級品は、使用素材とか見た目のデザインも大事だが、そこにフォーカスを当てすぎた売り方をすれば、かならず低価格品との価格競争に巻き込まれてしまう。そこを理解するところからでないとブランド再構築なんて永遠に絵に描いた餅のままである。





取り扱いブランドしかセールスポイントがない小売店は確実に滅びる

 先日、知り合いから呼び出されて相談をされた。
その知り合いの友人が、今年春に洋服店を開業したのだがさっぱり売れないそうで、どうしたらよいのかという相談だった。

そんなものが即座に打開できるなら、今頃筆者も洋服店を開業しているし、コンサルタントとしてももっと高額な報酬を得られるだろう。

で、どんな概要の店かというと、堀江だとか南船場だとか中崎町といった「大規模繁華街に隣接した地域」に小規模な路面店を出店したらしい。
扱っているのはおもにヤング向けメンズカジュアルブランド。価格は高い。
もちろんオリジナル商品はなく、すべて仕入れている。

扱っているブランドは、雑誌「RUDO」に載るようなオラオラ系?チンピラ系?みたいなブランドらしい。

そもそも高額なヤングメンズカジュアルなんて一番消費が低調なジャンルだし、RUDO的なテイストはその中でもあまり広い層には好まれない。
ニッチな中でもさらにニッチな方向に入ってしまっている。

手持ち資金であと何年暮らせるのかしらないが、手持ち資金が尽きるまで、地道に固定客づくりに励むしかない。
例えば、手書きでサンキューレターを送ったり、新商品入荷の案内を送ったりだ。

知り合いからの与えてもらったその店とオーナーの情報を分析するとすべてにおいての見通しが甘い。甘すぎる。クリスピークリームドーナツくらい激甘である。

たとえば、現在仕入れているブランドにしても自身がファンだったため、「このブランドを扱えば、ファンが買いに来るだろう」という根拠なき楽観論に支えられている。

しかし、冷静に考えてもらいたい。
小規模な専門店、ブティック、セレクトショップは、その「Aブランド(仮名)」の商品を全型扱っているわけではない。数型~10数型程度である。
なぜならオンリーショップではなく、専門店だから。

当然、いくつかのブランドから何型かだけを仕入れて店頭に並べて販売する。

そうすると「Aブランド」のファンからすると、わざわざそんな無名の小規模店に行くよりも、ブランドの直営店やオンリーショップ、またはブランドのネット通販に行った方が、そのAブランドの全型が見られる。
ブランドファンなら、数型を抜き出して並べている店よりも直営店・オンリーショップ、直営ネット通販に行くのは当然である。

逆にブランドファンのくせになぜファン心理が読めないのか不思議でならない。
ブランドファンからするとその小規模店へわざわざ行くメリットがまるでない。

となると、そのブランドを扱っていることがセールスポイントではなく、その店で買うセールスポイントをほかの部分に求めなくてはならない。
オーナーはブランドを扱っていること以外のセールスポイントを作らねばならないし、それを多くの消費者に知らしめなくてはならない。
知られていないのは存在しないのも同然だからだ。

その時、知り合いが「RUDOなんて柄の悪い雑誌に載っているブランドなのに、そのオーナーがコーディネイトすると非常に上品なカジュアルになる」と言った。

じゃあ、それを強みにしてみてはどうだろうか。

オーナーのコーディネイトをセールスポイントにする。
「あのガラの悪い〇〇ブランドを使ってもこんなにトラッドに仕上がります」みたいな感じでだ。

何なら、毎週とか毎月とか期間を決めて、自店の商品で作ったオーナーお薦めコーディネイトを撮影して、ブログに掲載したり、メールで購入実績者全員に送るとか、そういう販促をしてみてはどうか。
店でコーディネイト大会とかコーディネイトセミナーを開催してみても良い。

もちろん即効性はない。しかし、何もしなければ状況は絶対に好転しないことだけは確実だから、中長期的な効果を期待して地道な取り組みをするほかない。

業界の多くの方々はこのオーナーの見通しの甘さに苦笑しておられるのではないかと思うが、ちょっと残酷な言い方をすると、苦戦傾向の専門店の多くがこの激甘オーナーと大差のない思考をしておられると感じる。

いわく「一番受注が付いた品番をちょうだい」
いわく「人気ブランド〇〇が入荷できたから期待できる」
いわく「大手の〇〇も仕入れているブランドを入荷した」

などなどである。

どれも展示会場でよく耳にする妄言である。

人気ブランド〇〇がほんの数型入ったところで、そのブランドのファンはあなたのお店には来ません。
なぜならブランドの直営店やオンリーショップの方が品ぞろえが良いから。

「デュベティカのダウンジャケット入荷」なんて言っても、デュベティカの直営店やオンリーショップに行った方がはるかに選択肢が広がる。ファンなら絶対にそっちへ行くだろう。

大手の〇〇が仕入れたブランドだから何ですか?

大手の〇〇の方が、店も広いし取扱型数も多い。何なら大手の〇〇はまだ資金的に余裕があるから様々な広報宣伝・販促活動ができるからそちらの方が消費者を集めやすい。

一番受注が付いた商品ということはどの店にも並んでいるということですよね?

じゃあ、品ぞろえが一番豊富な店が勝つということになる。

もちろん、店において取り扱いブランドは重要だが、それのみに過度に依存していると、直営店やオンリーショップ、大型店に絶対に負けてしまう。

激甘オーナーと同じく、個々の店が「取り扱いブランド以外」のセールスポイントを作り上げる必要がある。
それができない小規模専門店は残念ながら淘汰されるほかない。

マガジン・マガジン
2016-11-24


RUDO(ルード) 2016年 12 月号
マガジン・マガジン
2016-10-24


RUDO(ルード) 2016年 11 月号
マガジン・マガジン
2016-09-24


その超高価格品を「買える収入のある人」はどれだけいますか?

 最近は、産地ブランドがむやみやたらな超高価格化を目指すことはなくなってきたと感じるが、5年位前までは「市場は低価格化と超高価格の二極化に分かれている」との思い込みから、いわゆるラグジュアリーブランド並みの価格を目指そうとする産地ブランドが多かった。
またそれを煽る産地でのみ有名なコンサルタントも跳梁跋扈していた。(今もしているかも)

低価格品を目指すことは国内産地には事実上不可能であるから、ある程度高い価格帯を目指さざるを得ない。

初めから「俺は日本発のラグジュアリーブランドを作ってやるぜ」という意気込みをもって事業に取り組むのは賛成だが、そうではないケースがほとんどだった。

多くのケースは「エルメスが50万円で売ってるからうちも同じくらいで売りたい」みたいな隣の芝生が青かった的な取り組みに終始していた。

そういう話を聞いたときには「この人たちは正気なのかな」といつも呆れ果てていた。

仮に、原材料や製造方法がエルメスと同じだったとして、「だから同じ価格にしました」では消費者には通用しない。

まず、商品のデザインが異なる。
いくら原材料や製造方法が同じでもデザインが異なるとそれは違う商品になるから同じ価格で買う人はいない。

次に、エルメスも含めた多くのラグジュアリーブランドの商品価格には、広告宣伝費、販促費、店舗開設維持費用、スーパーモデルとの契約料、などなどの諸経費が含まれている。

逆にそういう活動を常に行っているからブランドステイタスが保たれているわけで、産地ブランドが同じ価格で売りたければ、それらと同じ活動をする必要がある。
同じ活動をしないのであれば経費は掛からないから、商品価格は安くできる。
だったらその安い価格で売るのが適切な商売といえる。

まあ、安いといっても3000円とかではなく、2万円とか3万円になるが。

これらの要素を無視して、原材料と製造法が同じだから、同じ価格で売れると考えられる思考法に驚くほかない。

東日本大震災以降、超高額な産地ブランドとして気仙沼ニットが現れた。

ブランディングありきの取り組みの手法は通常の産地ブランドとは大きく異なり、通常の産地ブランドでは到底及ばない手法といえる。

15万円とか20万円の手編みのセーターなのだが、通常の産地ブランドはこれを目指さないほうが良い。

産地も含めたアパレル関係の経営者・従事者は、どうも「購買できる能力を持った人の数」をあまり考慮しない。

「欲しいなと思う人」が全員その商品を買えるわけではない。
収入が伴っていないと「欲しいな」と思っても買えない。
まれに返済不可能なほど借金してまで買う人がいるが、それは到底通常の金銭感覚ではない。

気仙沼ニットの購買客数はだいたい数百人くらいだと聞いている。
15万~20万円なんていう超高額品はそのくらいが妥当だろう。
今後、購買客数が増えることはあっても1万人を越えることはあり得ないとみている。
せいぜい3千人くらいが極大値ではないか。

従事者が十分な利益をとれるならその規模で続ければ良いと思う。
規模を拡大することだけが正解ではないし、超高価格ゾーンでは「購買できる人の数」に限りがあるので、売上高を無限追求することは不可能である。

990円のユニクロのTシャツは誰でも購買できるが、20万円のセーターを購買できる人の数は限られている。

で、気仙沼ニットに追随しようとする産地ブランドがもし仮に現れたとすると、新たな市場を作るという要素は薄くて、「購買できる人」を分け合う・または分捕りあうということになる。
類似ブランドが出れば出るほど、「購買できる人」を奪い合うことになる。

その結果、どうなるかというと、各社がごく少ない売上高を分け合うことになるか、どこか1社が総取りで、あとの業者は壊滅するか、のどちらかになると見ている。

商材が何であれ、ハイプライスゾーンを買える収入のある人の数は限られており、そこへの参入者が増えれば増えるほど、限られたパイを分け合うということになる。
そして、その中で勝ち残れる取り組みが求められることになる。

通常の産地ブランドや、モノづくり系のブランドがその市場で戦えるかというと、ほとんどが無理だろう。

広告宣伝、販促、店舗の開設維持などの分野で圧倒的に劣るからだ。

逆に産地も含めたモノづくり系の人々が無邪気に「本当に良い物を作れば、どんなに高額でも必ず売れる」となぜ信じ込んでいるのか不思議でならない。

ハイプライスゾーンを買えるだけの収入がある人の数は限られており、その数は少ない。

少ないパイを巡って、ステイタスの高いラグジュアリーブランドと競合するわけだから、勝ち目は極めて薄い。
「日本発のラグジュアリーブランドを構築する」という意図がなくて原材料と製造法のみの理由なら、もう少し「買える能力のある人の数」が多い価格帯へ参入すべきだろう。

激安品を作る必要はないが、もう少しシビアな価格設定を考える方が勝てる可能性は高まるだろう。



商品スペックを過剰に押し出した売り方は必ず価格競争に巻き込まれる

 商品はなんでもある程度の品質の高さが必要になる。
とくに日本では粗悪品は売れない。たまに売れることがあるが、それは売り方が上手かっただけで、長続きすることはほとんどない。

しかし、いくら品質の高さが必要だと言っても、品質の高さだとか機能性のみを全面に打ち出した売り方では、必ず同等の低価格品が現れ、市場を奪われることになる。

例えば

「4K」早くも値崩れが始まった DMM、50型ディスプレイで6万円
http://www.j-cast.com/2016/11/19283628.html

4Kテレビに早くも格安商品が登場したというニュースである。
まだ4K放送が始まってもいないのに、すでに値崩れしているというすさまじい現象である。

個人的には今のハイビジョン放送で十分高画質なのでそれ以上の4K、8Kというような超高画質なテレビに何の魅力も感じていないのだが、それにしてもこの状況はひどい。
おそらく、他の家電メーカーは「4Kが値崩れを始めているから当社は8Kテレビを強化するぞ」なんて思っていることだろう。しかし、すぐに8Kも絶対に値崩れする。
じゃあ次はなんだろうか?16Kとかを開発するのだろうか。

物性面、機能面、スペックだけをセールスポイントとしているからこういうことが起きる。

そして、工業製品なら必ず、同機能の低価格代替品が登場する。
これは避けられない。逆にこれがあるからあらゆる工業製品は大衆に広まったともいえる。

ちなみにジャパネットたかたの前社長のこんなインタビューもある。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161006-00000005-nikkeisty-bus_all

デジタルカメラでも同じように目先を変えることによって販売増につなげたことがあります。デジカメの出始めのころは画素競争が盛んでした。200万画素のカメラが出たと思ったら、主戦場は500万画素になり、とうとう1000万画素、2000万画素の時代になりました。数字が上がると何かよくわからないけど、高性能になったことは消費者にもぼんやりとは分かります。消費者は最初、性能の進歩を商品の良さと思っていました。

しかし、今や2000万画素を備えたカメラでも1万円しない時代です。

そこで消費者はハタと気付くわけです。カメラは一体何のためにあるのか、と。そこまで行くと消費者は自分が求めていたのは実は、カメラの性能ではないことがわかってきます。

とのことで、画素数の高さのみをセールスポイントに掲げているメーカー、店はここで軒並み価格競争に巻き込まれてしまっているというわけである。
ご理解いただけるだろうか?

コンパクトデジカメならキヤノンやカシオの有名メーカーの商品でも高画素数で7000円くらいで売っている。
単に高画素数のカメラが良いなら7000円のカシオで十分である。
筆者なら7000円のカシオを買う。なぜなら、価格重視の価値観だからだ。

さて、このブログは繊維・衣料品関係に特化しているので、そちらに照らし合わせてみる。

繊維製品、衣料品でもこのスペック重視の売り方は相当に多い。

いわく「〇〇製生地を使用しました」
いわく「日本製です」
いわく「こだわりのナンたら製法で加工しました」
いわく「〇〇機能の素材を使用しました」

ほとんどがこんな売り方に終始している。
いわゆる、「こだわりブランド」とか「高価格ブランド」に限ってこういう売り方が多い。

しかし、繊維製品の製造法や加工法なんて、追随は容易な場合が多い。
スペック、機能面だけならすぐに低価格代替品に追随されてしまう。

例えばカイハラのデニム生地といっても、それはユニクロだって使っている。

ユニクロのジーンズは3980円なのに、どうして同じカイハラ製デニム生地を使って2万円もするの?

というふうに多くの消費者は感じる。
特に「カイハラ製デニムを使用」ということのみを全面に押し出した売り方だとそうなる。

ハリスツイードも同じだし、吸水速乾機能も同じだ。

ダイソーでは500円のハリスツイードのポーチが並んでいるし、吸水速乾機能のある肌着はドン・キホーテでも290円くらいで売っている。

そういうスペックのみを過剰に重視した売り方・見せ方をしていると、確実にダイソーやドン・キホーテなどの低価格代替品にやられてしまう。

思い入れや理念ばかりを過剰に語られても偽善臭くて気色悪いが、それが一切なくスペックのみの売り方では絶対に価格競争に巻き込まれてしまう。
繊維製品、衣料品の多くは、前者か後者どちらかに非常に偏っていることが多い。

そのあたりのバランスを見直す必要が、洋服不振の今こそ必要な作業だといえる。




同じ物なら必ず安い方で買おう

 今日はお気楽に。

筆者の暮らしは基本的にコストパフォーマンスを最優先している。
衣料品しかり食料品しかりだ。唯一に近い趣味であるガンダムのプラモデルもしかりだ。

同じ物なら安い方で買う。

これが生活信条である。

先日、食料品で失敗をした。
関西生まれの関西育ちで関西在住なので、料理には薄口しょうゆを使う。

スーパー万代ではヒガシマルの薄口しょうゆ1リットルがだいたいいつも198円で販売されている。
つい2週間ほど前に薄口しょうゆが切れてしまったので買わなくてはならなくなった。

その日は198円で販売されており、それを買おうかと思ったのだが、なんだかすぐに安くなるのではないかという予感がした。
しかし、予感は予感で当てにならない。
10分くらい逡巡してから198円でヒガシマルの薄口しょうゆ1リットルを買った。

次の日にスーパー万代に行くと、予感は的中して158円で特売されていた。
40円も高値で買ってしまった。これほどの後悔は久しぶりである。

さらにその次の日にスーパー万代に行ってみると、ヒガシマルの薄口しょうゆ1リットルがなんと128円に値下がりしている。70円も高値で買ってしまった。ちょっと立ち直れない。

これはまったくの勉強不足で、もう一度しょうゆの値動きを捉え直す必要があると痛感した。

食料品の値動きというのは本当に興味深い。
定点観測すればいろいろと気付くことがある。

閑話休題

ガンダムのプラモデルだと、最近はジョーシンやヨドバシカメラなどの実店舗は定価かからの2割引きがスタンダードになっている。
1年半ほど前までは3割引きがスタンダードだったのだが、いつの間にか割引率が小さくなってしまった。

そうなると、ネットで探す方が割引率が大きい場合が多い。

しかし、気を付けなくてはならないのは、実店舗の場合、在庫処分みたいな感じで投げ売りがたまにある。
在庫処分に引っかかるのは発売されてから時間が経過した物が多い。

傾向を分けると、新製品はネットの方が割引率が大きく、発売してから時間が経過した製品は実店舗の方が投げ売られる場合が時々ある。

ということになる。しかし、発売してから時間が経過した製品はネットでも時々かなり割り引かれることがあるので、そのあたりも実店舗に出向いて値段を見てから、その場でスマホでネットの値段を確認するという作業をする必要がある。

ネット通販だとAmazonが圧倒的に価格競争力があると考えられている。
ヨドバシカメラドットコムはAmazonより価格が高い場合が多い。しかし、配送料は無料だ。たとえ50円の商品でも配送料は無料だ。

Amazonは有料のプライム会員になれば配送料は無料だが、非会員は書籍を除いて2000円以上で配送無料となる。

昨年くらいからネット通販を利用し始めたので、価格を比べながらAmazonとヨドバシカメラドットコムを使い分けている。2000円以上ならAmazon、2000円未満ならヨドバシカメラというように。

さらに安値を探るために価格comで調べることも必須である。

つい先日、11月12日にHG(ハイグレード)の新製品でHGCEストライクフリーダムガンダムが発売された。
定価は2160円(税込み)である。

HGにしては価格が高い。
それと個人的にこのストライクフリーダムというガンダムが好きではない。
もっと正確にいうとこのガンダムが嫌いなのではなく、このガンダムに搭乗していたキラ・ヤマトというキャラクターが嫌いなのである。抹殺してやりたいほど嫌いなキャラクターである。

そんなわけでこれは買わずにスルーしていた。
よほど暇を持て余して、ある程度の安売りになるまで買うつもりはなかった。

発売当日からAmazonもヨドバシカメラもだいたい1500円以上の価格で、割引率は低かった。
ヨドバシカメラは1900円くらいだったし、Amazonも1600円は越えていた。

何の気なしに価格comを見ると、駿河屋というショップは35%オフの1420円(税込み)で発売しており、その時点では業界最安値だった。
通常、ヨドバシカメラ以外のショップは配送料が必要なことが多いが、この駿河屋は1300円以上の商品は配送料無料なので、1420円は配送料無料になる。

名実ともに最安値である。

11月は急ぎの原稿もないのでこの駿河屋で買ってみた。
11月13日にネットでポチった。

11月16日に出荷されて17日に到着した。

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(駿河屋から送られてきた商品)

Amazonのプライム会員なら翌日着だが、非会員なら早くて翌日、遅ければ3~4日後になることもある。
ヨドバシカメラは配送料無料なのに翌日着である。ヒドイ場合は12時間後ぐらいに着く。
恐るべき速さである。

しかし、ガンプラなんて別にすぐに着く必要もないから、4日後に着くくらいでちょうど良いのではないかと感じる。

価格comでガンプラの値動きを毎日のように見ているとこういうAmazonでもヨドバシでもない業者が最安値を付けていることが少なからずある。

そういう意味では、食料品と同じで定点観測が必要で、その値動きはなかなか興味深い。

11月26日には、100分の1スケールのREシリーズで、バウというモビルスーツが発売される。
これは定価が3780円(税込み)なのだが、最安値は現在のところまたも駿河屋で、2457円で実に35%オフである。
これは以前から買うつもりだったので最安値を見極めながら購入したいと思う。



アパレル業界はOEM業者も淘汰される時代へ

 友人の知り合いのOEM会社が廃業を決意したと聞いた。

理由は、倒産案件に引っかかったことと、1社の大手からの取引がなくなったことである。
経営者が高齢にさしかかっていることもあり、「今の業界情勢では、代わりになるような大手は見つけにくい。小さい先を新たにいくつも集める気力もない」との判断から廃業を選択されたと聞く。

たしかに、今のアパレル業界では、大手の寡占化が進んでおり、それに追随できるような成長企業も生まれていない。

ざっと思いつくままに挙げてみる。
ファーストリテイリング、しまむら、アダストリア、ストライプインターナショナル、ユナイテッドアローズ、ベイクルーズグループ、ジュン、トゥモローランド、ウィゴー、バロック、マークスタイラー、マッシュスタイリングラボ、などだろうか。

これらの企業にはすでにいくつもOEM業者が食い込んでおり、新たにそこに割って入ることは容易ではない。
相当の値引きを提示するか、相当のメリットを示す以外に手はない。

10年位前までは、まだ「最近あの会社が急成長しつつある」なんて噂を耳にしたが、2010年以降そんな噂を耳にすることがなくなった。
大手は大手のままだし、小規模は小規模なままで固定化されつつある。

逆に「あの大手が苦戦している」とか「あの大手がつぶれるかもしれない」という噂はことかかないが。

一方で、先日お会いしたニッチでマニアックな商品を企画製造している小規模アパレルの社長は「これ以上の成長は望まないし望めないが、当社の収益はそれなりに順調」とおっしゃっていた。

年商規模は5億円くらいまでが適切なのだという。

旧大手百貨店アパレルが今後回復することはかなり難しいと感じるから、先に挙げた大手の固定化は当分の間変わらないだろう。

そうすると、アパレル業界は、大手の寡占化が固定化するとともに、ニッチでマニアックな小規模ブランドとに完全に二極化することになる。

中間層の企業は難しいかじ取りを迫られるし、厳しい状況が続くのではないかと思う。

かつてなら、OEM業者もそういう多様な中間層に新規販路を求めることができたがそういう状況ではなくなってしまった。

現在、ブランドの廃止・閉店が相次いでいる。
中途半端なアパレルは淘汰されつつある。

それは同時にOEM業者の淘汰にもつながりつつある。
アパレルが増えすぎたようにOEM業者もこの15年間でかなり増えすぎた。

今までなら、成長ブランドが次々と生まれてきたのでOEM企業の取り組み先にも困らなかった。
しかし、成長ブランドはほぼ生まれなくなり、有力ブランドが固定化されてしまうと、新規でOEM業者が食い込むことが難しくなってきた。

これからはアパレル、ブランドの淘汰と同時に、OEM業者の大規模な淘汰も始まると考えられる。

生き延びることがますます難しい業界になってきた。


これまでの延長線上の発想ではアパレル業界は絶対に復活できない

 先日の日経ビジネスの特集だけではないが、アパレル業界の問題点をかなり率直に指摘する傾向の記事が増えた。昨日紹介した繊研新聞の記事もその一例で内容としてはまずまずだといえる。

これまで「楽しさ」とか「センス」とか「ライフスタイル」とかの薄っぺらい言葉だけで問題点を総スルーしてきたことに比べると、格段に良い傾向だと感じる。

しかし、これに対して「解決法も示してほしい」という声が聞こえるのももっともな話なのだが、この「解決法」についてはあまり有効な手法が示されていない。もちろん、筆者も示せていない。もし示せるのなら今頃もっと金持ちになっている。

ただ、直感的にいうなら、「これまでの延長線上の衣料品事業のやり方」では解決は絶対不可能だと感じている。

例えば、先日、ファッションワールドという大規模展示会があり、そこで栗野宏文・ユナイテッドアローズ上級顧問クリエイティブアドバイザーの講演があったらしい。この内容を逐一、野田大介氏がツイートしてくれていたのだが、そのツイート内容を総合した栗野氏の示す「解決法」は極めてスモールビジネスの観点に終始しており、では栗野氏が所属するユナイテッドアローズという売上高1000億円を越えた上場企業でそれが実現可能なのかというと、到底不可能だといえる。

なぜなら、それほどの収益にならないことは目に見えており、株主からの激しい反発が予想される。
栗野氏が示すスモールビジネス的解決法をユナイテッドアローズでは実現できない。とすると、彼は誰に向けてその解決法を示したのかという疑問になる。

うちの会社では実現不可能だけど、興味がある会社は取り組んでみては?

という提案なら不誠実極まりないといえる。

その内容はまた別途紹介するとして、人のつながりだとか楽しさだとか、そういう情緒のみに依存する解決法を取りうるのは、せいぜい地域密着型の10~20店舗くらいまでの規模までだろう。

あとの著名な人々が示す解決法も似たりよったりで、ほとんど効果的な提案はない。
極めて情緒的なスモールビジネスか、極めて物作り脳か、ネット通販を魔法の杖のように見ている能天気派か、時代遅れのチェーンストアオペレーション遵守派か、だいたいその4通りである。
冷静に読めばどれも効果的ではないことはすぐにわかるのだが。

数少ない有効的な解決法だと感じるのは、河合拓氏の記事である。

Made in Japanブームは終わる。大変革を余儀なくされたアパレル業界
http://news.livedoor.com/article/detail/11470311/

かなりの長文なので全文はクリックして読んでいただきたい。

大手アパレルは日本製を次々に打ち出している。しかし、今のMade in Japanブームは一時的なもので終わる可能性が高い。これは、日本企業が「価値」を「ブランド化」してこなかったことと関係がある。

先日、ある業界団体の討議会に参加した。アパレル業界をどうしてゆくべきかという議論が活発になされていたが、業界の常識にどっぷりつかった人は昔のフレームワークから抜け出せず、物事を「XXX系」という括りで語り、「この系」は流行る「この系」は廃れるという具合に昔から繰り広げられている「トレンド議論」を繰り返していた。

しかし、ユニクロや無印など、世界的に成功している企業は、むしろ「トレンド」とは真逆のところにあり、その商品や世界観が持つ本質的な強みで勝負している。一時的なブームに乗っているわけではない。一見「トレンド」を追いかけているように見えるファストファッションも、実は、背景には高度なロジスティックスやデジタル技術という「ビジネスモデル」が競争力の源泉として存在し、トレンドという不確実なばくちで勝っているわけではない。

今、個別企業に求められているのは、多少トレンドを外しても競争力を維持できるブランドを確立することだ。「トレンド論」でなく「システム論」、「ビジネスモデル論」こそ重要なのである。分析の軸が間違っているのだ。

との指摘で、業界内外でのユニクロ論は、価格がどうだとか、デザインがどうだとかの極めて近視眼的な論評に終始している。消費者的視点でいえばそれらは重要な一つの要素だが、大勢にはあまり影響がない。

「ユニクロは良い物を作っているのだから、良い値段で売るべきだ」論なんて噴飯物で、そんなものはユニクロのビジネスモデルには反するからユニクロが顧みることは絶対にない。これを真顔でいう業界人が多いから呆れ果ててしまう。
ユニクロに値段を上げてほしいのはそちらの都合であり、そちらの都合になぜ勝ち組のユニクロがわざわざ合わせる必要があるのか。常識的に考えればわかるではないか。

このあと、アパレル業界の予想将来像として3つの業態をあげている。

1. 高価格帯 百貨店アパレル(メーカー)
2. 中・高価格帯 総合ファッションリテーラー
3. 低価格帯 SPAアパレルリテーラー

そのうえで、

昨今の改革事例をみていると、2のプレイヤーが3をおこなったり、3のプレイヤーが2を行ったりとちぐはぐ感が目立つ。自社のポジショニングを明確にしたい。

とあり、まさしくその通りである。業界の人は直観的に、または「隣の芝生が青い」的考えで業態や取り組みを変える。その結果、わけのわからないブランドが無数に増えることになる。

河合氏は結論として

日本が産業政策としてアパレル業界に取り組むべき課題は、生産地であるアジアのIT、金融、物流といった周辺産業のスタンダードを作り上げることだ。

を挙げる。
もうすでに洋服の97%が海外(とくにアジア地域)生産品となっている現状から考えるとその通りで、アパレル業界や繊維業界が単独でどうこうしようとする取り組みは現在で限界を迎えつつある。
IT、金融、物流などの周辺業界との取り組みが必要になるという指摘はその通りだろう。

これを国内に置き換えてみると、やっぱり個々の機屋だとか染色工場だとかが単独でどうこうできる事案ではなくなりつつあり、それこそ自動車や家電メーカーが構築したような原料から店頭までの有機的な連合を組むことが必要になるだろう。IT、金融、物流との協業も国内といえども不可欠である。

もっともこの国内論は筆者の自前の説ではなく、業界の先輩からの受け売りだが、小島健輔氏のブログでも似たようなことが提案されており、現在考えうる唯一の解決法ではないかと思う。

個々の機屋がデザイナーのアドバイスでチョチョっと商品を作って、店頭に並べたらめちゃ売れて、ハッピーになってしまう。みたいなそんな奇跡はほとんど起きない状況になっているし、もう産地ブランドなんて掃いて捨てるほどある。

単なる産地ブランド、単なる日本製の衣料品なんて珍しくもなく、百貨店では連日その手のブランドのポップアップショップが開催されており、あるプロデューサーがいうように「産地、日本製に対して消費者は食傷気味」という指摘は至極もっともである。
別に「産地、日本製」を否定するつもりはないが、それにプラスされた新しい取り組みがないと、陳腐化してしまい日本製ブームはブームとして終わってしまう。
そしてそろそろ日本製ブームも飽和点に達しつつあると感じる。

もし、繊維・ファッション業界を変革できるとしたら、業界にどっぷりつかって育ってきた人間ではなく、必ず異業種からの参入者になるだろう。
「業界の業界による業界のため」の施策はこれまで散々失敗を重ねており、これ以上はもうノーサンキューである。

ブランドで競争する技術
河合 拓
ダイヤモンド社
2012-05-25


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