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南充浩 オフィシャルブログ

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ファッション業界にはびこる「過剰なフィクション」と「嘘の神話」

2018年1月16日 産地 0

衣料品をわかりにくくしている原因の一つに、業界の内外にはびこる「過剰なフィクション」がある。 モノ余り状態の現在において、商品を売るには「ストーリー作り」「物語性」が必要であることは言うまでもないが、あまりにも過剰にフィクション性が取り入れられた場合、かえって消費者を惑わせてしまう。 衣料品に関してはこれは今に始まったことではなく、かなり昔から連綿と続いてい

庶民向け商品での「本物追求」が販売不振を招く

2017年12月13日 産地 0

冷たい雨が降ったりやんだりしていた金曜日。 いつものスニーカーのSTEPを覗いた。 スポーツブランドのスニーカー類はここが現在は業界最安値ではないかと思う。 ABCマートは一昨年くらいから露骨に値上げしており、いまだにABCマートが売れている理由がわからない。 同じ品物ならスニーカーのSTEPの方が断然に安い。 もしくはYahoo!ショッピングで探すか。 そ

画期的な方法で作られた耐久性の高いTシャツを見つけた

2017年11月9日 新商品発表 0

衣料品のバリエーションも行き着くところまで行き着いてしまったような感じがあるが、それでも目新しい商品というのは開発されるもので、その創意工夫には感心するしかない。 先日、ウェブで発見して感心したのがこのTシャツである。 BMCオリジナル メンズ半袖Tシャツ コーデュラ 日本製 東北支援/福島縫製工場 https://item.rakuten.co.jp/bm

今度こそ「再生ポリエステル」は広まるか?

2017年10月5日 展示会レポート 0

生地問屋の展示会を見ていると、2年くらい前から急速に「エシカル素材」の取り扱いが増えたと感じる。 「エシカル素材」とはなんぞや?というと、オーガニックコットンだったり、リサイクル繊維だったり、そういう「環境に良い」と思われている素材を使った生地のことである。 個人的には、素材に限らず「熱く」エシカルを語る企業、ブランド、人は好きではない。胡散臭く感じる。 人

ジョガーパンツ風ジーンズで生じている「織物」と「編み物」の錯誤

2017年9月15日 ジーンズ 0

今日はかなりニッチでミクロな話を。 衣料品や生地で、誤解が生じやすい原因の一つとして「名称の定義」があやふや、誤って使われやすいということがある。 例えば、ディーゼルが先行発売し、他社が追随してあっという間に消費者にも浸透したジョガーパンツ風のジーンズ。 通常のストレッチジーンズよりもキックバック性の高いストレッチデニム生地が使用されている。 ウエスト部分が

業界人ですら衣料品への知識が浅いのだから、消費者の知識はさらに浅くて当然

2017年7月21日 素材 0

 断続的に売り場に立っていると、毎日必ず着用しているものなのに、一般消費者は衣料品に関する知識は驚くほど持ち合わせていないことがわかる。 いわゆるファッソニスタがいうようなテイストやらデザインやらシェイプやらに関してではなく、生地に関することだったり洗濯に関することだったりで、こちらの方はファッソニスタの御託とは異なり、生活とは密接にリンクしているはずなのだ

「吸水速乾」を「部屋干し速乾」と言い換えると新しい需要が生まれた

2017年5月8日 素材 0

 そろそろ暑くなってきた。嫌な季節が始まった。 筆者は暑さが苦手である。できれば夏がない方が良い。 そうはいっても夏はやってくるから、我慢するしかない。 暑くなると、各社はこぞって「吸水速乾機能」を持った洋服を発売するが、個人的にはあまりこの機能が夏に必要だとは思っていない。 というのは、以前にも書いたが、吸水速乾機能を持った肌着を着用するとたしかに汗は吸う

帝人フロンティアが和装向け合繊素材ブランドを発表

2016年11月29日 素材 0

 先日、帝人フロンティから着物向けの機能素材ブランドが発表された。 http://www2.teijin-frontier.com/news/161115.html 「華月™」は、これまで当社がスポーツウェアやファッション素材の開発を通して培ってきた技術を活かし、それらを日本の着物と融合させることにより新たな価値を創造する和装向け機能素材群の新ブランドです。

「使用素材」や「製造方法」だけに頼った売り方では通用しない時代

2016年11月2日 素材 0

 固定客、ロイヤルカスタマーを獲得できているアパレル企業、ブランドは別として、これまで通り一遍の「素材」や「製法」の打ち出しだけで価値を演出してきたアパレル企業、ブランドは取り巻く状況が年々厳しさが増している。 例えば、先日のファーストリテイリングと島精機製作所による合弁会社設立である。 これによって「ホールガーメント」という「製法」だけで商品価値をアピール

伝統工芸を守るために伝統工芸を変化させてみてはどうか?

2016年10月11日 産地 0

 先日、西陣絣なる生地があるのを初めて知った。 通常、西陣というと西陣織が思い浮かぶのだが絣があるのは知らなかった。 西陣らしくシルクでの絣だということである。 で、知名度が低いのと比例して作り手が激減しているそうで、絣加工をする職人は7人くらいしか。 年齢は65歳以上ばかりで、40代の職人が一人だけしかいないそうだ。 このままでは滅んでしまうということで、

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