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南充浩 オフィシャルブログ

産地

その超高価格品を「買える収入のある人」はどれだけいますか?

2016年11月22日 産地 0

 最近は、産地ブランドがむやみやたらな超高価格化を目指すことはなくなってきたと感じるが、5年位前までは「市場は低価格化と超高価格の二極化に分かれている」との思い込みから、いわゆるラグジュアリーブランド並みの価格を目指そうとする産地ブランドが多かった。 またそれを煽る産地でのみ有名なコンサルタントも跳梁跋扈していた。(今もしているかも) 低価格品を目指すことは

需要がなくなったり、従事者の生活が困窮するような産業が滅ぶのは当然

2016年11月4日 産地 0

 どんな伝統的な技術であろうと、その商品が売れなかったり、それに従事している人の生活が困窮すれば廃れてなくなる。これは厳然とした事実であり、そこにセンチメンタリズムが介在する余地はない。 先日、こんな記事が掲載された。論調は至極もっともである。 「幻の葛細工」が消えた意外な理由 http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakaat

伝統工芸を守るために伝統工芸を変化させてみてはどうか?

2016年10月11日 産地 0

 先日、西陣絣なる生地があるのを初めて知った。 通常、西陣というと西陣織が思い浮かぶのだが絣があるのは知らなかった。 西陣らしくシルクでの絣だということである。 で、知名度が低いのと比例して作り手が激減しているそうで、絣加工をする職人は7人くらいしか。 年齢は65歳以上ばかりで、40代の職人が一人だけしかいないそうだ。 このままでは滅んでしまうということで、

製造加工業は「夢の世界」ではない

2016年9月27日 ファッション専門学校 0

 少し前に業界紙に「産地企業への専門学校生の就職が増えた」という記事が掲載されていた。 アパレル企業にデザイナーやパタンナーとして就職することは狭き門になってしまったから、「作り手志望」の学生がいわゆる、製造加工業へ就職するというのは一つの方策だといえる。 織布工場、染色加工場、縫製工場なんかに就職を希望する学生や若者をたしかに最近はよく見かけるようになった

ド素人の身内にデザインを任せて産地企業のブランド化はいつも失敗する

2016年9月23日 デザイナー 0

 産地企業も純然たる下請けでは生き延びることができないので続々と自社ブランドを開発するようになっている。 で、先日、業界紙でそんな特集を読んだ。 記事の内容はまあ可もなく不可もなく、がんばってくださいねという感想しかないが、商品写真を見たところかなり「???」という感じを受けた。 もちろん、撮影が悪いことも考えられる。 また印刷されたのでそれによって見栄えが

産地とデザイナーの協業が成功しにくい理由

2016年9月21日 デザイナー 0

 昨今では産地企業とデザイナーの協業が増えてきたが、だからといってデザイナーを起用した産地ブランドが成功する確率はあまり高まっていないと感じられる。 もとからすごく成功するという案件ではなかったが、今もその確率はそんなに高まっておらず、従来レベルのままではないかと感じられる。 さて、産地とデザイナーの協業について繊研新聞などでも折に触れられているが、某ベテラ

産地企業が自社ブランドを成功させるためには「助成金ゴロ」を排除すべき

2016年9月20日 企業研究 0

 先日、知り合いの工場へ行った。 国内の生地工場も染色加工場も縫製工場もこれまでの単なる下請け業では生き残りが難しい。 一部の例外はあって、大手ブランドとガッチリ組んでいるところは別だが、それとてもいつ契約が終了するかもわからない。未来永劫同じ条件で契約が続く保証は存在しない。 下請けから脱して自立したメーカーになるために行政からは補助金や助成金が支出される

円高で中国に戻り始めた縫製受注

2016年9月9日 産地 0

 再び、1ドル=100円前後で推移するようになると、にわかに国内縫製からアジア縫製に切り替えたアパレルが増え、国内縫製工場は一時期の混雑が緩和され、空きスペースが生じ始めているという。 とくに製造に商社が介在しているところは為替変動に過敏で、1ドル=100円になった途端に中国をはじめとするアジア縫製に切り替えたといわれている。 こういう状況を見ていると、3年

センチメンタリズムとノスタルジーでは国内生地産地を救うことはできない

2016年9月5日 メディア 0

 8月からindependというウェブメディアで月に1本か2本を書くことになった。 https://independ.tokyo/ トレンドとかショップのことはすでにこれまでから書かれているので、製造加工業のことを中心に書くことになる。 手始めに高野口産地の2社について書いた。 なぜここを選んだのかと言うと馴染みが深いから取材に行きやすいという理由もあるが、

物作り強化を掲げる限り、洋服の値崩れは絶対に食い止められない

2016年8月5日 産地 0

 つくづくとアパレル業界に所属する人は「作ること」が好きなのだと感じる。 先ごろ見学させていただいた勉強会でも嬉々として作ることを論じていた。 もちろん作ることは重要である。しかし、物を作った限りはどこかで売らなければならない。 アマチュア芸術家なら作っただけで良い。 けれどもプロの芸術家は作品は売れてナンボである。 それで生活しているわけだから売れないこと

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