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南充浩 オフィシャルブログ

実質的にはあまり影響がないのでは?

2014年7月3日 未分類 0

 ユニクロが今秋物から5%程度の値上げを発表するとファーストリテイリングの株価が下落した。
4万円台だった株価が3万3000円台をうろうろしている。

ユニクロの値上げはロイターも指摘しているように、原材料費の高騰、中国工場の人件費高騰、円安基調の3つの要因がある。これまで通りの価格設定ではこの3つを吸収できなくなったということである。

ユニクロ株がズルズルと下落する理由
http://toyokeizai.net/articles/-/39895

中国など低コストな国で大量生産を行うことによって、低価格の商品を提供してきたが、足元の円安や原材料高、人件費増などが負担になってきたという。

とのことである。

繊研プラスによると無印良品も今秋から値上げを決めたという。
しかし、こちらは一律に値上げをするのではなく、据え置く商品もあり雑貨も含めた全商品では平均4%の値上げになる。

良品計画、メリハリつけ今秋冬値上げ
http://www.senken.co.jp/news/muji-ryohin-keikaku-raising-price/

その中でも衣料品は、

衣料品に関しては付加価値の高い商品の比率を全体より高い55%に引き上げるため、値上げ幅は8%程度になる。

とのことである。

株式市場のことを言うなら、投資家の判断基準というのはよく理解できない部分がある。
トヨタが過去最高の決算を発表しても「想定内」ということで株価はあまり上がらない。けれどもユニクロが5%の値上げを発表すると株価は暴落する。

筆者のような貧しい庶民には投資家の判断基準など理解できるはずもないということなのだろう。

それはさておき。

ユニクロが5%値上げすると株価が暴落するほど深刻な不振を招くのだろうか?
個人的にはそうとは思えない。
5%の値上げは誰にとっても痛い。とくにベースとなる金額が大きければかなり痛い。
しかし、ユニクロの場合はベースとなる金額が低い。
1000円の物が1050円に、2000円の物が2100円になる程度であり、一般庶民にとって高嶺の花になるというわけではない。従来とほぼ変わらない水準といえる。

それにユニクロを買う人の大半以上は定価では買っていないと思われる。
金曜から月曜まで4日間続く週末値引きで購入されている人が大半ではないだろうか。
ちなみに週末値引きはこれまで土日の2日間、長くて金曜や祝日の月曜日を含んだ3日間だったが、2年ほど前から4日間に延長されている。
一週間のうち、半分以上の4日間も割引で売られていると見ることもできる。

となると、消費者への実質的な影響はあまりないのではないだろうか。

どうせ週末値引きでは5%程度ではないほど値引いて売られている。
定価で買わなければ売り切れるということもない。何せ「欠品をさせない」というのがブランドの根幹だからだ。

消費税5%時代に2990円だった商品は1000円引き、同1990円だった商品は700円引きか500円引き、というのが標準的なユニクロの値引きである。
まれに2990円が1490円にまで、1990円が990円にまで値引きされることもある。

無印良品はユニクロほど頻繁に週末値引きのような売り方はしない。
けれども「無印良品週間」という期間を設け、特定の商品をだいたい数%以上値引いて売る。
このほかは夏冬のバーゲンと合わせた値引きが多いが、その時期の前後にも鮮度の落ちた商品を値引いて売る。この間の値引き率は30~50%程度である。

そのため、無印良品の値上げも消費者にとってはあまり大きな影響はないと考えられる。

これまで低価格で販売していたブランドが数%値上げするというのはたしかにニュースバリューはある。
けれども実際の店頭での販売手法を見ていると、この2ブランドに限らず、数%以上の値引きセールに頼っているブランドも多い。

今度は企業側の視点で見ると、原材料費高騰と中国の人件費高騰という背景から値上げせざるを得ない。
しかし、これまでと同様に割引販売での買い上げ比率が高いままだとなると、利益がさらに削られる。

衣料品関係の会社は一層経営環境が厳しくなるのではないかと思える。

いくら考えても衣料品関係の業種で儲けることは難しいという結論になる。
正確に言うなら、今までも難しかったが今後はさらに難しさが増すと言った方が良いだろうか。

そんなことをツラツラと考えてみた。

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