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南充浩 オフィシャルブログ

ビッグシルエットは今後も残り続けると考えられる理由

2022年12月8日 トレンド 0

そういえば、何年か前から「そろそろビッグサイズ、ルーズシルエットは終わるはず」という予想を聞き続けているが、いまだに廃れる気配がない。

2015年頃からビッグサイズの復活が言われていたので、足かけ7年間は続いているといえる。

2015年には、ビッグサイズに抵抗があった当方だが、2017年ぐらいからは着用し始め今に至っている。で、5年間ビッグサイズを着用した感想を言うと、

「楽」

の一言である。

楽であるがゆえに、もし、ビッグサイズのマストレンドが終了したとしても、完全に消え去ることはなく、一定の需要は残るのではないかと見ている。

当方もある程度はビッグサイズ服を着続けると思う。逆にいくらストレッチ素材がさらなる進化を遂げたとしてももうピチピチトップスを好んで着るようなことはないだろうと思う。やはりピチピチトップスは窮屈でしんどい。

 

現在の10代後半から20代半ばくらいまでの若い人は、2000年頃から15年間続いたピチピチ服を着用したことがないのではないかと思う。だから、いずれ若い層にピチピチ服への揺り戻しがあっても不思議ではない。

 

一方、30代以上の層は2000年以降のピチピチ服を散々経験した後でビッグサイズ、ルーズシルエットを経験しているから、当方のように「楽さ」を比較対象できている人が多いのではないだろうか。比較対象して「楽さ」を感じる人は、いくらビッグサイズのマストレンドが終わったと言っても、当方同様にピチピチトップスに戻りたいとは思わないのではないだろうか。

そうすると必然的にビッグサイズは完全に消滅することなく、一定量は市場に残り続けることになる。

 

先日、あべのキューズモールにユニクロとジーユーの値下げ品を買いに行った。

都心駅前にあるショッピングセンターという商業施設なので庶民的な雰囲気である。で、来館している若者たちの服装を何となく眺めていた。

10代後半から20代半ばくらいにかけての若い男性は意外とスキニーパンツを穿いている人が多い。昔と異なるのは、トップスはピチピチではなく、ビッグサイズ、ルーズシルエットである。

パンツの形状でいうと、2008年から2015年まではスキニーパンツ、もしくはスキニーよりは少しゆとりのあるスリムシルエットパンツが全盛で、この期間に「わざわざ」ワイドパンツやブーツカットを穿いている人はほとんどいなかった。

スキニー以前だとブーツカット一辺倒、ブーツカット以前はローライズ細身ストレート一辺倒だった。

現在、スキニージーンズはトレンドアイテムでも何でもなくなっているし、あまりに過剰にピチピチシルエットすぎた場合は揶揄される対象にもなっている。

にもかかわらず絶滅はしておらず、相変わらず選択肢の一つとして存続している。

 

現在、最新トレンドはややゆとりのあるフレアパンツということになっているが、全員が全員それを穿いているわけではない。フレアパンツは個人的には最も似合う人を選ぶタイプのパンツだと感じている。

当方も15年くらい前はマストレンドに乗ってブーツカットジーンズを買って穿いてみたが、全く似合っていなかった。体格や脚の形などで如実に似合う・似合わないが出てしまう。通常のストレートやスキニーよりも似合う・似合わないがハッキリするパンツだといえる。

 

以前から何度か書いているように、2015年以降のマスファッショントレンドというのは、多様化・分散化しており、かつてのように一つの着こなしに集中することはなくなった。先ほどから書いているパンツ類の話題だと最新トレンドのフレアがそこまで圧倒的支持を得ているわけでもないし、終わったトレンドであるスキニーパンツもいまだに着用者はそこそこいる。

そして、その傾向は今後も続くと考えられる。

 

オーバーサイズ・ルーズシルエットも非トレンドになったとしても、現在のスキニーのように一定の支持は集め続けるだろう。

その理由として

1、楽だから

2、ネット通販で購入する際はオーバーサイズが安全パイだから

3、中高年は体型隠しにも使えるから

という3つが大きいのではないかと思っている。

 

かつてピチピチ服を着たことがある中高年層になればなるほどオーバーサイズの「楽さ」を噛みしめているだろうから、その楽さをわざわざ捨て去ることはないだろう。

そして、ネット通販が全てを支配するわけではないが、買い場の一つとしては定着したといえ、今後も日本人は実店舗とネット通販を己が都合で使い分けることになる。

ネット通販で買う際、ジャストサイズやピチピチサイズなら、1㎝とか5㎜の差で「小さすぎて着られない」ということが起きてしまうが、オーバーサイズなら「小さすぎて着られない」という事態は起こりにくいので安全性が高い。

この安全性を捨て去りたいという人もほとんどいないだろう。

 

さらにいうと、中高年になると男女ともに体型が崩れてくる。ビッグサイズ・ルーズシルエットはこの体型を隠すことが容易にできる。ピチピチシルエットは体型を露わにしてしまう。

そうなると、中高年は引き続きビッグサイズを支持することになりやすい。

 

楽で、ネット通販でも買いやすく、崩れた体型も隠しやすい、となるとこんな便利な着こなしを手放す人は少ないだろう。

 

ビッグサイズが今後も完全消滅することはなく、引き続き。着こなしの選択肢の一つとして一定の支持を集め存続し続けることになると考えた方が良いのではないか。

 

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