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南充浩 オフィシャルブログ

似たような物でも価格差で選ばれない工夫が必要であるという話とデジタル導入速度を競う無意味さと

2022年11月25日 企業研究 2

さて、土曜日の朝9時半からのアニメ「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」が約2年間に渡る放送を終えて、視聴するテレビ番組が一つ減った。

今、視聴しているのは日曜日だけで仮面ライダーギーツとドンブラザーズ、ガンダム水星の魔女、大河ドラマだけである。

年末で大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は終わるので、来年の家康は多分視聴しない。

日曜日以外にテレビを視聴することがなくなってしまった。

一方、2年半前のコロナ自粛以降YouTube動画を視聴することは増えた。今では毎日何本かの動画を視聴している。その中で先日、とても勉強になる動画を視聴した。たまたまアルゴリズムでお勧めに上がってきたものである。

サイゼリヤの解説だが、サイゼリヤの解説記事やSNS上での解説はさまざまある。

「値段を上げないのはケシカラン」とか「サイゼリヤは不味い」とか的外れとか特殊な性癖とかを全開にしている意味不明なものも多いが、この動画は若い方だが、非常にしっかりした理論で説明されている。

サイゼリヤというと飲食店だが、衣料品ブランドにも通じる考え方が述べられており、その部分を置き換えて考えるとなかなか参考になることが多かった。

特にその中でも当方が注目した点は2つある。

1つは前半4分半くらいで語られる顧客親密性「カスタマーインティマシー」の部分と、

もう1つは後半14分半くらいで語られるDXへの取り組み姿勢

である。

 

顧客親密性を高めるということが顧客の囲い込みにつながりそれが「ブランディングという行為」と説明されているが、この「顧客親密性」を漢字のままに「親密性」を過度に高めようとして逆に馴れ馴れしくなりすぎているようなブランドや店を体験することが増えたように感じる。

衣料品関係ではないが、当方はこんな馴れ馴れしい鬱陶しさを感じたことがある。昨年6月に初めて軽度のギックリ腰になり難儀したのだが、1ヶ月くらいで回復したので、再発防止にマッサージに通ったりストレッチを始めたりした。その中の一つに某ストレッチ店にも試しに入ってみた。

料金はそれなりに高かったが、物は試しに体験してみた。

体験してみて悪くはなかったが、その後、1週間から10日後くらいの8月下旬にまた腰痛を再発してしまった。前回ほどはひどくないが、細かい動作に支障が出る程度には痛い。

傷みが取れないので、ストレッチ店の予約をキャンセルした。その後も痛みは取れないので再予約は控えていたのだが、ある時、その店から「具合はいかがですか?」と携帯に着信があった。最初は「ありがとうございます。痛みが長引いているのでまたご連絡します」と応対していたのだが、そのうちに1週間ごととか10日後ごとに着信があるようになり、あまりにも鬱陶しいので「何度電話されても腰の痛みは引きません。(事実まだ腰は痛かった)」と強い口調で断った。

先方は良かれと思って「親密性」を高めようとしたのだろうと思うが、1回しか行っていない店にそこまで慣れ慣れしくされても怪しさを感じこそすれ、感謝する人は少ないのではないかと思う。完全に「親密性」をはき違えた対応だと当方は感じる。もちろん、それ以来そのストレッチ店には行っていない。あまりにも馴れ馴れしくて気色が悪いからだ。

 

このカスタマーインティマシーとはなにかというと、重要なことは馴れ馴れしい親密性を築くのではなく、企業やブランドに対して好意を持ってもらうことであると説いている。好意を持ってもらうことでリピーターやファンを獲得することが重要となってくる。それによって自ブランドや自店を優先的に選んでもらうためである。

動画中では

 

「(好意を持ってもらうことで)商品の性能や価格などの目に見えるモノよりも企業やブランド自体を優先的に選んでもらいやすくなる

 

と説明している。

これは前回のブログで書いた「同じ物・似たような物なら安い方で買う」を阻止するためだといえるだろう。企業(店)やブランドに好意がなく商品に大差がなければ大抵の人は安い方で買う。これは洋服とて同じである。2005年以前の衣料品業界では、低価格品と中価格品(いわゆる百貨店、セレクトショップなど)の商品が全く異なっていたので、あのトレンド服が欲しいとなると、百貨店ブランドやセレクトで買わざるを得なかったが、低価格ブランド衣料の商品デザイン(見た目全般)と似たり寄ったりになると、安い方で良いわという人が増えてしまった。

動画では「似たようなプロダクトを扱う企業では価格や性能だけで選ばれないようにするために、好意を得なければならない」と説いている。

現在は衣料品も含めてこれが出来ていないから価格競争に巻き込まれる企業やブランドが多いということになる。

では、どうすれば良いのか?それは個々の企業やブランドによって課題や施策が異なるだろう。

 

次にDXについてだが、世の中のIT業者やコンサルにはポジショントークという側面もあるのか「デジタル化を最速で実現することが生き残る道」と説いてデジタル化競争の速度が速いほど優秀というような変な判断基準を振りかざすことがある。

しかし、動画内で言っているように「導入コストが高い」という難点がある。さらに「デジタルツール類はハードもソフトも日進月歩だからどんどん改良される。だから最初期に導入するよりも他社の結果も鑑みてある程度性能が定まってから導入しても遅くはない」と説いているがまさにその通りである。

IT業者なら速く導入すること自体が優秀さの一つの指標になるのかもしれないが、飲食店にせよ衣料品ブランドにせよ、飲食物や衣料品を売ることが重要なのであり、デジタル化の速度を競っているのではない。いくら最速でデジタル化しようとも物が売れなければ単なる失敗に過ぎない。

 

今回紹介した2点は衣料品業界にとっても必ず参考になる課題だろう。

ぜひ、全編を視聴して参考にしてもらいたいと思う。

 

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 comment
  • kta より: 2022/11/25(金) 12:43 PM

    パーソナルスペースの距離感や詰め方を間違うと学校や職場でも生活に支障が出るレベルで嫌われたりするくらいシビアな話なのに、仕事となるとその本能的な原則さえ無視する思考回路がわからない。
    販売員、美容院スタッフ、パーソナルトレーナーなど数えたらキリがないくらい多種多様。
    営業でもフレンドリーなスタイルは理解できるんだけど、初対面でかましまくって相手が引いてるってパターンばかり見る。

  • BOCONON より: 2022/11/26(土) 12:53 PM

    いやになるくらい沢山ある Youtube のサイトの中でもこの(多分ものすごく有益な)”謎解き統計学 | サトマイ” に目をつけるというのはお目が高い。

    サイエンス好きではあるものの,根っから文系で紙媒体好きで「ネットでは “視ながら考える” ということが出来ない」自分には豚に真珠ですが。

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