
「同じ物・似たような物なら安い方で買う」という話
2022年11月24日 商品比較 1
最近、毎日のように「スギ薬局」から15%オフクーポンがアプリに届く。
15%オフというと税抜き前価格よりも安くなる。そのため、スギ薬局の利用頻度が高まった。
これまでドラッグストアは医療品や飲み薬以外は利用しなかったが、15%オフクーポンは大きい。使わない手はない。飲み薬はもちろん、肩凝りなので「ロイヒつぼ膏」は逐一スギ薬局で買うようになったが、それ以外でもシャンプー、ボディソープ、洗濯洗剤、食器洗剤など次々とスギ薬局で買っている。
先日は12ロール入りのトイレットペーパーを15%オフの277円で購入した。
以前は、食器洗剤やトイレットペーパーなどはスーパー万代で買っていたのだが、15%オフになるとスギ薬局の方が安いのでスギ薬局に乗り換えたわけである。
しかし、その一方で食品に関してはスギ薬局よりもスーパー万代の方が安いので、スギ薬局で食品は買わない。
同じ物・似たような物なら安い方で買う。
これが大衆の購買行動の原則である。
トイレットペーパーなんてどこで買ってもさほど変わらない。よっぽど特別な機能がある銘柄とか特別なこだわりのある銘柄以外は、スーパー万代のPBとスギ薬局のPBとさほど変わらない。だったら安い方で買えばいい。
色とか柄とかを気にする人もいるが、当方は自宅に呼ぶような女もいない。トイレットペーパーの色柄なんて何でも構わない。
業界人や数寄者の中には「どうしてブランド物を買わずに安い服を買うのか。怪しからん」と仰る方が今でもおられるが、多くの人は「同じ物・似たような物なら安い方がいい」と考えていることを理解していない。
98年のユニクロフリースブーム以降に消費者のマインドが変わったと言われるが、個人的には、ユニクロがデザイン性を重視し始めた2004年以降に、低価格衣料品の商品デザインが変わったと見ている。
ブランド物と厳密に比較すると違いは多々あれど、着用している姿を見る分には、ブランド物とその差がわかりにくい。
そうなると「同じ物・似たような物なら安い方で買う」という行動を取る人が増えてくるのは当たり前だといえる。逆にそれを理解できない人がいることの方が当方にとっては驚きである。
同じ物・似たような物なら安い方で買うというのが、大衆の基本行動だったとして、それでもブランド物を売るためには商品の独自性、ブランドのステイタス性の構築などの作業が必要になるだろう。
「マストレンドになると思われる〇〇商品を発売しました」
という程度の取り組みならあっという間に価格競争に敗れてしまう。例えば中綿入りMA1ブルゾンがあったとして、ユニクロにもジーユーにもワークマンにも売っている。今秋の定価はユニクロが5990円、ジーユーが3990円、ワークマンが2990円である。どれを選んでもブランドロゴなんかはついていないから、着用していてバレることはない。ミリタリースペックの〇万円するMA1ブルゾンなんてよほどこだわりのある数寄者だけが買えばいい。マストレンドのMA1ブルゾンがとりあえず欲しいという層なら、ユニクロ、ジーユー、ワークマンのいずれかで買う。
そういう点でいうと、女性用のふわもこルームウェアブランドの先鞭を付けたマッシュHDの「ジェラートピケ」は決して低価格ではないが好調に推移しており、その後の低価格ブランドの類似商品にも埋没していない。
事業子会社マッシュスタイルラボが運営するファッション事業の売上高は前期比18%増の795億円。基幹ブランドの「ジェラート ピケ(GELATO PIQUE)」は同15%増の276億円で、コロナ前の19年8月期との比較でも72%増と伸ばした。
とある。
先日、米国のベインキャピタルがマッシュHDの株式の6割を2000億円で買収したと報じられたが、その前段階として久しぶりに決算を発表したという形になった。
ジェラートピケはホームウェアが主体なのでコロナ自粛期にあってもブランド増収していたのは当然としても、コロナ自粛明けも順調に売上高を伸ばしていたところにブランドとしての強さが感じられる。
しかし、その一方で、これほどブランド名が認知され、ブランドイメージも高いにもかかわらず、コロナ前と比較して72%増と大幅に売上高を伸ばしているが、売上高は276億円にとどまっているところに当方は興味を惹かれる。
結局のところ、国内市場でいうと、ジェラートピケほどの強さがあったとしても売上高は300億円に届かないということになる。もちろん今後ジワジワと増収を繰り返していくと考えられるが、いくらブランドイメージが良かろうが、いくら評価が高かろうが、安くないルームウェアなんて代物は300億円未満の売上高しか需要がないという見方もできる。
これは、ジェラートピケに限らず、他のファッション衣料ブランドでも同様なのではないかと当方は見ている。
高い評価を受けている中価格帯(ラグジュアリーよりも低い価格帯という意味でまとめて総称させていただく)ブランドがあったとしてもその国内売上高というのは数百億円がピークではないかということである。そしてその数百億円規模のブランドはせいぜい5つくらいが共存できる程度で、10個も20個もが共存共栄できる需要は国内にはないだろう。
ラグジュリーほどは高くないが低価格ブランドよりは高いという価格帯のブランドで、1000億円規模の売上高を国内市場稼ぐことは難しく、数百億円のブランドを育てるくらいの考え方で取り組んだ方が賢明だろう。それが出来ていたのがマッシュHDであり、アダストリアHDであるということなのではないかと当方は見ている。なぜなら大衆は「同じ物・似たような物なら安い方で買う」からである。それは服とて例外ではなくなっている。
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>コロナ前と比較して72%増と大幅に売上高を伸ばしているが
>売上高は(たったのw)276億円
これもマスごみ様様+典型的なチョウチン記事です
20年前ならこれがマス層に波及する見込みがあったものの
今ではウニクロGUついでにSHEINで類似品がすぐに見つかる
今現在の実態としては200億、
今後、展開を抑えて(好況・売上好調下の)ダウンサイジング
を徹底しても、数年後にはなんとか100億ゾーンで推移
といったところでしょう
現実としては100億余裕で割るのではないでしょうか?
マァそれにしても株式上場とか今どきよく抜かすよなwww
ウニクロGUワークマンちょびっとSHEINのストロー効果の
恐ろしさを全く気にしていないプレスリリースでありましたw
軽工業製品はあっという間にパクられるのは世の常ですが
21世紀のパクリはスーパーパクリの上、全国どこでも手に入る
わけだから、本家の売上がまたたく間に激減します
この「またたく間」の恐ろしさが分かっていない
プチブーム浮かれポンチがとても多いですww