「正しく」伝えることの難しさ
2014年5月30日 未分類 0
今でもときどきファッションショーに招待してもらえることがある。
以前のことだ。
知り合いのデザイナーから招待状が届いた。
とりあえず、日時と場所が書いてあった。
会場に到着すると見知った顔が多い。
業界は狭い上に関西はもっと狭い。何かイベントがあると、筆者も含めて同じような人が必ず何人かは出席している。
受付で、ショーの詳細を尋ねてみると、
合計で8ブランドがショーを行うらしい。
ここで、筆者も含めた多くの顔見知りが驚く。
なぜなら、われわれは1ブランドのショーだと思って参加している。
1ブランドのショーならどんなに長くても最大で20分ほどである。
ショーの開始というのは不思議なもので、必ず指定時刻よりも20~30分は遅れる。
その遅れを合わせても1時間弱で済むだろうから、それぞれが次のアポイントには間に合うと判断しての参加である。
しかし、8ブランドとなると、1ブランド10分のショーだとしても1時間20分が必要であり、開始遅れ分を合わせるとたっぷり2時間はかかることになる。
そうなると次のアポイントに間に合わない人が続出してしまう。
結局、我々全員は最後まで見ることができずに途中退席してしまった。
せっかくのイベントなのになんとももったいないなと思う。
イベント開始直前で不慮の事故によって、内容が変わってしまうことはよくある。
しかし、その場合でも変更内容を伝えることはある程度可能だと思う。
現在ならEメールも含めたウェブで修正内容を告知することはできる。
告知してもこちらが想像するよりは伝わらない場合が多いのだが、それでもやらないよりはましだ。
また出展者との意思疎通が円滑であったなら、出展者を通じて修正内容を伝えることができただろう。
(それでも記憶にとどめない人が多いのも事実だが)
また、事前の告知もあまり行われていなかった。
どういう趣旨の何のためのショーなのかが皆目告知されておらず、案内状を見る限りにおいて、デザイナー氏が個人的に行うショーのように見えた。
ふたを開けてみたら8ブランドも登場する大がかりなショーで驚いた次第だが、その大がかりなイベントの趣旨が伝わったいないのは何とも残念である。
改めていうほどのことでもないが、やはり事前の告知は必要である。
このショーに限らず、イベント事は主催者の意図が来場者や観客に伝わりにくい場合がある。
筆者が主催チームに参加している「テキスタイル・マルシェ」だってそうだ。
良くも悪くも主催チームの意図とは、別の評価をいただくことも多い。
主催する側からすると「なんでやねん!」と突っ込みたくもなるが、それはやはり伝え方に問題があるのだろうと思う。
どれだけ客観的に想定してみても、どこかに主観が入りこんでしまい予期せぬ失敗というのが必ず起きる。
先日もあるオープニングに参加したのだが、あれも主催者の意図はわからないではないが、正しく伝わらなかったのではないかと感じられる。
建物の面積とそこに収容できる人数、各エリアを移動するための導線。
そこの見通しが甘かったのではないか。
イベント主催者は客観的になりすぎるほどでちょうど良いのではないかと思う。
自戒も込めて。