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南充浩 オフィシャルブログ

流転しながら歩いて帰ろう

2014年6月2日 未分類 0

 以前も書いたことがあるが、「きょうのわんこ」を見るためだけにほぼ毎日、「めざましテレビ」を見ている。
見ているというより点けている。朝食を食べたり、歯磨き・洗顔をしたりで画面は断続的にしか見ていない。
7時54分ごろになって画面に集中するという次第である。

テレビ番組には当然、コマーシャルが流れるのだが、先日からその中で「wpc(ダブルピーシー)」という社名?ブランド名?を告げる内容のものが流れている。

あまり耳慣れない社名だかブランド名だかで、「ダブルピーシー」をいう発音は、ウカっと聞き流していると「WTC」とか「WBC」と聞こえる。

で、ふと思い出したときにインターネットで検索してみると、レイングッズのメーカーだということがわかった。
本社はなんと大阪市住吉区我孫子にある。
大阪に詳しい方なら、「長居(陸上競技場がある場所)の少し先」とか「我孫子観音(厄除けで有名)のあるエリアね」とすぐに連想するが、まあ、何ともローカルな場所である。

売上高は2014年1月期で21億6000万円、85年に創業で、94年に現在の社名に変更したことが自社サイトに書いてある。

http://www.worldparty.co.jp/

正式な社名はワールドパーティーであり、英語表記ではそのあとに、CO.LTDがついている。
だからWPCなのだろう。

インターネットの普及によってアパレル・雑貨ブランドはテレビCMが作りやすくなったと思う。

例えばこのWPCのCMだとCM内で読み上げられるナレーションは

「歩いて帰ろう。WPC」

のみである。

画面だけ見ていては何のCMなのかわからない。

アパレルブランドの多くはシーズンごとに商品がガラっと変わるため、テレビCMで特定の商品をクローズアップすることは難しい。
それをやるなら短期間で次々とコマーシャルフィルムを作り替えなくてはならない。
そうなると当然、製作費がかさむ。

リーバイスの501とかユニクロの各商材などは例外と考えた方が良い。

必然的に、テレビCMではブランド名を連呼するほかなくなる。
これは80年代から変わらないアパレルブランドのテレビCMである。

筆者は2003年に在籍した小さなTシャツメーカーでテレビCM作成の窓口を務めさせていただいたことがある。
2003年はインターネット普及前夜だといえる。
Eメールはほぼ標準装備になっていたが、ホームページは普及段階であり、ブログはほぼ存在していなかった。
SNSは何それ?状態である。

携帯もガラケーしかないし、携帯でネット通販から商品を購入するなんていうのは想像もできない時代である。

当然、このメーカーのテレビCMもブランド名を出して終わりという陳腐なものにならざるを得なかった。

テレビCMの反響は目に見える範囲ではほぼなかったといえる。

それは当たり前だろう。見知らぬブランド名を表示されたところで、それがなんなのか?その商品がどこで販売されているのか?を消費者は調べるすべを持っていない。
筆者も2009年ごろまではアパレルのテレビCMが効果をもたらせたというのは、ユニクロのCMくらいしか耳にしたことがなかった。

それが劇的に変わったのが、2009年の「アースミュージック&エコロジー」のCMである。
テレビCMが劇的に効果があったと耳にしたのはユニクロ以来である。

ユニクロのCMは通常のアパレルブランドと見せ方が異なる。
半年かけて店頭で売り減らすため、長期間かけて商品についてクローズアップする。
イメージ画像を流して、チャラっとブランド名のみをナレーションするようなアパレル的スタンダードではない。

アースミュージックのCMは典型的なアパレルブランドの見せ方である。
筆者はもちろん「このCMも不発だな」と早合点した。

ところが、「大ヒットしている」と若い衆から教えてもらった。
原因はインターネット検索だった。

なんだか意味がよくわからないCMだから、多くの人がインターネットで検索した。ググったのである。

ここからアパレルブランドはテレビCMを多用するようになった。
ユニクロ的CMではなく、従来的アパレルブランドCMをである。
ブランド名を告げれば、消費者はググってくれるということが分かったからである。
それなら何も無理をして商品そのものをクローズアップする必要がない。
食いつきが良さそうなイメージ画像を流して、ブランド名を告げれば良いわけである。

この使い古された手法が効果を発揮する世の中が来るとは、2003年当時の筆者とその会社の創業者には予想することすらできなかっただろう。

以前も書いたが、消費者の商品購入プロセスモデルにアイサスの法則というのがある。

1.Attention (注意)
2.Interest (関心)
3.Search (検索)
4.Action (行動、購入)
5.Share (共有)

このうち、検索と共有がインターネットを使ったものである。

このプロセスモデルが現実に当てはまるようになったのが2009年だといえるのではないか。

世の中は変化している。
その変化にどう対応するかが重要である。

かつての必勝モデルが負け組モデルになることもあるし、テレビCMのように使い古された手法が効果を発揮する局面を迎えることもある。

とりあえず、Eメールアドレスとホームページすら持たない企業は確実にヤバい。

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