同業他社から注文をもらうわけではないでしょう?
2014年5月26日 未分類 0
前回、自分たちにとっては「当たり前」の事柄も、世間的には価値ある情報であると書いた。
だから、どんどん「当たり前」のことを発信されると良いと思う。
繊維業界の製造加工業者がブログでの情報発信をためらう理由はもう一つある。
多くの製造業者と話すとこういうフレーズが出てくる。
「そんな当たり前のことを書いたら、同業他社に笑われる」
である。
繊維業界、とくに製造加工業者は比較的横のつながりが強い。
組合とか協会などが存在しているからだ。
同業他社同士がすごく仲が良いかというと、そうでない場合も多いのだが、表面的には横のつながりがある。
横のつながりがあることはメリットもある。
同業者同士での情報交換が比較的容易になる。
もっとも、自社の情報を提供したがらず、他社の情報を欲しがってばかりいる企業もある。
そういう企業は往々にして評判はあまりよろしくない。
一方、デメリットもある。
必要以上に同業他社の目を気にするようになることである。
「そんな当たり前のことを書いたら、同業他社に笑われる」という反応もそのうちの一つではないかと思う。
しかし、冷静に考えてみてもらいたいが、製造加工業者は同業他社から仕事を受注するのだろうか?
多くは、アパレルブランドだったりOEM/ODM企業からの受注である。
まれに同業者からの受注もあるだろうが、それは自社のキャパをオーバーした場合にほとんど限定されるのではないか。
なら、当たり前のことを書いて、仮に同業他社から笑われたとしても何ら痛痒はない。
組合とか協会の集まりに出席した際に、ちょっとバツが悪いだけである。
前回も引用したが、
クリーニング屋さんのブログで次のように書かれている箇所がある。
熱いお湯(60度)をバケツに入れ、その中に洗剤と漂白剤(ワイドハイター)を溶かして、白いシャツやブラウスをのお湯につける。
それを30分以上つけおく。
その後、漂白剤ごと、洗濯機に入れて他の洗濯物と一緒に洗う。
そうすると多くの場合、黄ばんだ衣類も、また白に戻る。
ブラウスだけでなく、ワイシャツや無地のTシャツ、体操服、白ポロシャツなどにも同じように使える。
黄ばんだ白シャツを過程で真っ白に洗濯する方法である。
これなんてクリーニング屋さんにとっては「当たり前」のことだし、下手をすると「同業他社に笑われている」かもしれない。
しかし、このクリーニング屋さんはどんどん情報発信を続けている。
それによって知名度は大きく向上している。
だから繊維業界の製造加工業者も思い切って自社の情報を発信してもらいたい。
と今日のこのエントリーの3本をセットにすればいくばくかの参考資料にはなるだろう。
加工業者や原料問屋の中には、情報発信のとても上手な会社が何社かある。
製造業者の中には「あそこは物作りなんてしてないくせに」と反発する会社もある。
気持ちはわかるが、なら、彼らを野放しにせずに自社で発信してもらいたい。
彼らを駆逐したいなら、彼らを上回る情報発信をしてもらいたい。
筆者はそう願ってやまない。