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南充浩 オフィシャルブログ

ワシらにとっては当たり前のことでも

2014年5月23日 未分類 0

 自社の発信の方法としてブログがある。
毎日書き続けるコツというのを先日、引用を交えて紹介した。

しかし、そもそも「ワシらの業務内容なんか紹介しても面白いんかな?」という疑問を呈されることがある。
その「当たり前」と思っていることが価値ある情報だということは少なくない。

例えば、和歌山県の高野山のふもとの高野口産地はフェイクファーの国内唯一の産地である。
織りによるフェイクファーと編みによるフェイクファーが混在しているのもこの産地の特徴である。

国産=高品質というイメージは世間的に蔓延しているが、じゃあフェイクファーにおいて、中国産や韓国産とどう違うのかという疑問がある。
フェイクファーは織り地や編み地の目の間から「毛」となる糸を表面に引っ張りだす。
そして裏面は「毛」が抜けないように薬剤で固める。

単純にいうとそういう原理となっている。

高野口産地の人たちにいわせると、この固める薬剤が全く異なるという。
中国産や韓国産は「毛」が抜けやすい上に、裏に塗った薬剤が硬くなる。
高野口産は「毛」が抜けにくいにも関わらず、裏に塗った薬剤はある程度ソフトである。

「毛」がまったく抜けないということはないが、中国産・韓国産に比べると「毛」は格段に抜けにくい。
また、何も塗らない生地よりは硬くなるが、中国産・韓国産に比べるとかなり柔らかい。

じゃあ、そういうことをブログで説明すれば良いと思うが、多くの方は「こんな当たり前のことを書いても誰も興味を持たないのではないか」とおっしゃる。

いやいや、産地の人たちにとっては「当たり前」かもしれないが、それ以外の人たちにとっては価値ある情報である。

よそからも引用しよう。

あなたの「あたりまえ」には、輝く宝がある
http://www.ex-ma.com/blog/archives/641

ここでは、クリーニング屋さんのブログを例に挙げておられる。

白い衣料品の黄ばみを家庭洗濯で落とす方法である。

実はこれ、黄ばみを落として、もとに戻す方法があるんです。

普通の漂白剤を使うのですけど、その時の、お湯の温度が重要なんだそうです。
熱いお湯(60度)をバケツに入れ、その中に洗剤と漂白剤(ワイドハイター)を溶かして、白いシャツやブラウスをのお湯につける。
それを30分以上つけおく。
その後、漂白剤ごと、洗濯機に入れて他の洗濯物と一緒に洗う。
そうすると多くの場合、黄ばんだ衣類も、また白に戻る。
ブラウスだけでなく、ワイシャツや無地のTシャツ、体操服、白ポロシャツなどにも同じように使えるそうです。
へ~、知らなかった。

とのことである。

今度筆者も実践してみようと思う。

ここで紹介されている以前に、筆者はオリジナルでこのブログを読んだ。

クリーニング屋さんのブログには価値ある情報がけっこうある。

例えば、セーターの毛玉を落とす方法なんていうのもあった。
台所で食器洗いに使うスポンジのザラザラした面でこすれば簡単に取れるそうである。
なおかつ生地の傷みも少ない。

一度お試しいただきたい。

これらの情報はクリーニング屋さんにとっては「当たり前」かもしれないが、多くの人にとっては価値ある情報である。

その上で

自分の「あたりまえ」のなかには、読んでくれている人に喜ばれる価値のある情報がたくさんあるはず。
「こんなあたりまえを発信して、面白いのかなぁ」って考えるのではなく、ともかく発信してみましょう。
クリーニング業だけでなく、整体師、美容室、歯医者さん、税理士さん、コンサルタント・・・

仕事で自分の専門分野を持っている人だったら、どんな業態でも言えることです。
価値のある情報を日々発信していくことで、共感してもらい、そこに「信頼」が生まれるのです。
そして信頼が生まれると、「関係性」が構築されていきます。

結局のところ、ソーシャルメディアやブログというのは、この関係性を築いていくための、地道な「過程」なのです。

ということになる。

このあたりのことに留意したら、各社ともブログを更新しやすくなるのではないか。

製造業にはまだまだ価値ある情報が眠っている。できるだけ多く発信してもらいたいし、ご要望があればお力になりたいとも思う。

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